2013年8月15日木曜日

則本、岸、新井、井口

則本のフォームについて再び。

この投げ方は、昔式(日本でもメジャーでもそう)の振りかぶるフォームで、そこからのパンチャー投法と言う事で、松坂大輔と同じタイプに分類される。

この振りかぶるフォームについては面白い記述が有る。週間ベースボールの2013年7月8日号によると。。

1905年に渡米遠征した早大のエース、河野安通志が、アメリカの投手が振りかぶる投げ方をしているのを見て「驚いて」それを取入れたらしい。なお、河野安通志は、そのフォームを「ボディースイング」と読んでいたらしい。それまでの日本人のフォームは自己流で、そうした投げ方は無かったらしい。

動画は、そのだいぶ後の1934年のカール・ハッベルのフォームだが、恐らく早大チームが目にしたのは、このようなリズムの投げ方だったのだろう。


本題に戻るが、この振りかぶるフォームの脚の挙げ方から、スインガーで投げる事も、パンチャーで投げる事も出来る。パンチャーで投げているのは松坂や則本、西口、佐藤由規などだが、スインガーで投げているのは岸や、唐川、大谷などだ。

則本のフォームには力感が有るが、岸のフォームには力感が無い。力感が有って球も走るのが則本で、力感が無いのに球が走るのが岸。どちらが良い悪いということは無い。

則本





このように、同じようなフォームでもスインガーとパンチャーの違いは有る。打撃に例えると、脚を挙げて後ろ脚に乗るタイプは、そこからスインガーで打つ事も、パンチャーで打つ事も可能だ。例えば、井口はスインガーだし、新井貴浩はパンチャーである。

井口のスイングには力感が無いが、新井のスイングには力感が有る。しかし打球はどちらも同じくらい飛ぶ。

井口


新井