この動画の中に、何球かカーブが有る。たぶん、初球のもカーブだと思う。
チャド・ビリングスリーは始動するタイミングが早いので、非常にパンチャーらしい投げ方になっている。なので、そのカーブも典型的なパンチャーカーブだ。パンチャーの投手がカーブを投げるためには、こうやるんだよと、教えてくれているような投げ方である。
ただ、なんとなく、ビリングスリーがカーブを投げなければ、あと2~3マイルくらいストレートが速くなる気がしないでも無い。
良く、カーブを変化球の基本として教える人がいるが、それは基本的にスインガーの発想だ。
カーブは投球腕の深い最大外旋を必要とするからだ。深い最大外旋を実現させるためには、重心移動と回転運動をマックスにしたうえで、投球腕の力を最大限に抜かなければならない。そして、そこにスインガーの本質が有る。だから、縦に大きく割れるカーブを投げるためには、スインガーとして非常に完成度の高いメカニクスを備えている必要が有る。
だから、カーブを変化球の基本として教える人は「身体全体を使った投げ方が出来ていなければ、大きなカーブは投げられない。」と言うわけだ。
だが、パンチャータイプの場合、どうなのだろう。そのスインガーの話は、そっくりそのまま当てはまると言う事は無いだろう。