2013年8月14日水曜日

ホームランが出る一つのパターン

プリンス・フィルダーの特大ホームランだが、84マイル(約135キロ)の何とも中途半端なボールを少し泳ぎ気味で前のポイントで捉えている。

この、泳がされたときのパワー。これもレベルの高い両手振り抜き打者の強みだ。特にプリンスが前脚に体重を乗せるタイプである事も関係している。このタイプの打者は、緩い球が来た場合、前脚に体重を乗せた状態で、トップハンドを含めた身体の捕手サイドの力を緩めるようにして、その重さを利用してスイングにブレーキをかける。それによってヘッドが一瞬残る。さらに、その結果、トップハンド側が後ろに残る事で、体幹の筋肉は大きく引き伸されている。そして、最後の瞬間に、その引き伸されたゴムの力を解放させて、一気にボールをぶつける。動画ではトップハンドが深くボールの下に潜り込んでいるが、これは力を抜いてブレーキをかけているシーンでバットの重みによってトップハンドが外旋したからだ。そうすると、またトップハンドのパンチも効く。

要するに、ちょっとだけ泳がされた状態で、トップハンドが深く入っりながらヘッドが残るような待ち方が出来た場合、かなりのパワーが発揮出来る。こういう場合、前脚に体重をかける事で後ろ脚が外れるので、その後ろ脚が背中側に外れると同時に頭がホームベース方向に傾く。だから、この動画のプリンスのようにインパクトで深くホームベース方向に体軸が傾いている場合が多い。

後ろ脚が外れるからこそ、身体の後ろサイド(捕手側)の質量を重りにしてバットの出にブレーキをかける事が出来る。



この投手、シーザー・ラモスは動画のように90マイル台前半のストレートを投げる。



それが何かの投げ損ないで、84マイルのボールを投げたのだろう。

この、速い球を待っていて、そこから少しだけ遅い球が来た時。このタイミングでホームランが生まれる事が多い。やっぱり、差し込まれるよりも、少しだけ前のポイントで捉えた方が飛ぶということだろう。

これは、今回の動画のように5、6マイルも球速差が無くても良い。例えば、豪速球投手のストレートをバックネットにファールチップした後の次の球。そこで1、2マイル落ちる球が来た時などにもホームランは出やすいだろう。

●ストレートの後の、中速系変化球の投げ損ない。
●打者がストレートに着いて来ている状態での、ストレートの連投。

この2つは特に危ない。

詰まらせる場合は、微妙な変化で良い。
しかし、泳がせる場合は、結構大胆に泳がせに行った方が良い。

特に長打の有る打者に対しては。