2012年3月28日水曜日

インディアンズを応援しよう!

我等がラス・キャンズラーの所属するインディアンズを応援しましょう。このチームは名前はそれほど知られていませんが、力のある選手がそろっています。投手陣もウバルト・ヒメネスとデレック・ロウを獲得した今期は非常に期待できそうです。この記事では、インディアンズの選手を紹介していきたいと思います。

2012年3月26日月曜日

リュータ君 4回目





バッティング編


バッティングに関して最大の課題であったのは、フィニッシュでボトムハンドが畳めず、ゴルフのような形になる事でした。そして、その原因がボトムハンドのコックが作れなかった事です。これ(特にボトムハンドのコック)は「塚口理論」云々以前に、野球の基本的な技術として非常に重要なので、今回、これだけ改善されたのは非常に良かったと思います。ただ、部分的に介入し過ぎたため、今回の動画に関してはスイングが前より大人しくなっていますが、それも馴染んで来ると、また迫力を取り戻して来るでしょう。(今回は、グリップと言う大きなテーマを追求するために、他の部分がやや留守にならざるを得なかったのも原因でしょう。)

バットヘッドの遠心力を使った前腕部を捻るストレッチ、反対の手で前腕部を回内しながら肘を伸ばし、手首を背屈するストレッチ、一度振って、巻き戻してもう一度振る素振りはどれも効果的だったのですが、やり過ぎるとデメリットも出てくるので、一日少しづつ続けるようにしてください。

動画の迫力と言う点では前回の方が有りましたが、技術的には今回、大きく進歩しています。後は思い切り振る中にその技術を消化して行ければ迫力が出て来るでしょう。

この写真のようなパンチャーとしては最高の振り出しの形が作れるようになりました。この形が作れたら、スイングの中で最も大切な基本であるインサイドアウトがマスター出来た事になります。インサイドアウトの形で振れるかどうかは、これから先、打者として受ける評価を最も左右する事です。


そして下の写真のように、フィニッシュでボトムハンドも上手く畳めるようになりました。

少し解りにくいかもしれませんが(私のようにマニアックにフォームを見ていないと)下の写真ではインパクトでボトムハンドの前腕部が良く回内されている様が見られます。これが大事なことで 、今までのスイングにはこれが無かったのです。



次回までにやっておいて頂きたい練習としては、上の写真のようにコンパクトな上半身の構え(この構えだとグリップのコックが作りやすくなります。)を作り、下半身はどっしりした構えを作り、そこからのスイングです。この場合、構えを作る過程等、特にこだわる必要は有りません。現時点ではこの構えだとグリップのコックが上手く作れるようですので、この練習は、定期的に行うと良いと思います。

もう一つは当日にもお話しした事です。揺らぎの最後に前脚の踵が着地した瞬間、バットヘッドの重みでクッと手首にコックが入ります。ただ、そこから振りに行く前に一度手首が緩むクセがありました。ですので、この足踏みの着地して手首にコックが入った瞬間ノ形を逃さずに、そこから振ると言う事も気をつけて見てください。

バッティングについては基本的に以上です。ただ、この手首の形を気にしている中で、動画では今までよりもスイングスピードが少し落ちています。その辺は手首の形が自然に出来るようになると回復して来ると思いますが、ある意味、手首の形自体と同じくらい、その事(振り抜きの善し悪し)が大きなテーマとなると言えます。細かい事を指摘してしまうと、細部が気になって振り抜きが悪くなる場合が多いのです。次回は総仕上げ的に(復習も含めて)全体を纏めて行きたいと思います。

ピッチング編

ピッチングはフォーム的にはかなりのレベルまで来ました。踵でトントンするリズムを忘れがちなので、そこをもう一度確認してください。このリズムの取り方を最終的に採用するか否かは別としても、一度は、その感覚を掴んでほしいので、言っています。リュータ君の場合はその感覚がまだ掴めていないのかなと思います。次回詳しくお話しますが、感覚が掴めていないので、何故トントンするのかがピンと来ていないのでしょう。だから省略してしまう事が有るのだと思います。

続きます。

ワインドアップで脚を挙げる際に、上体を起こすと言う事を前回お話しましたが、それが正確に伝わり切らずに、やや前傾し過ぎになっています。


下図のように真っすぐの軸になるようにしてください。


前傾し過ぎると、軸足の爪先寄りに体重がかかり、太腿前側の大腿四頭筋が緊張しやすく、ハムストリングスの力が使いにくくなります。そうなると軸脚のキック力を使えません。ですから、この技術(上体を起こす)の中で、注意するべきポイントの一つはそこ(爪先に体重がかからない程度に上体を起こす)事に有ります。

続きます。

最後に、バッティングについて、3回目の内容であった、構えた時にバットが寝すぎないようにすると言うポイントが疎かになってしまい、少しバットが横に寝過ぎているので、構えを作る時にバットが横になりすぎないようにしてください。

次回の内容としては、バッティング、ピッチングともにこれまでの総まとめをドリルを行いながら確認していくと同時に、プラスアルファ、また実戦で結果を出すために重要と思われるポイントやその練習方法についてお話します。

では、またお待ちしています。

2012年3月19日月曜日

メジャーリーガーの動画分析について

英語ブログに日本からのアクセスが集中しているようですが、ラス•キャンズラー選手からの「動画を送っていいですか?」と言う質問に「もちろんです。」と答えただけで、まだ動画も頂いていませんし、いつになるのかも解りません。もしかしたら来ない可能性も有ります。気長にお待ちください。

2012年3月17日土曜日

メジャーリーガーからメールを頂きました。

インディアンズのラス•カンズラー(Russ Canzler) さんから興味深く読んでいる旨のメールを頂きました。この動画では多少解りにくいですが、元々はパンチャータイプのオートマチックステップで両手で振り抜いていた打者です。直ぐにそういう打ち方に戻るかもしれません。注目してみて下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=1AuFFBcJqz8

Thank you very much!

2012年3月16日金曜日

パンチャータイプのカーブ

http://www.youtube.com/watch?v=qnJgWEj7nPE&feature=fvsr

この動画の投手(チャド•ビリングズリー)が動画の前半部分にカーブを何球か投げていますが、投げ方と言い、ボールの感じと言い、非常にパンチャーらしいカーブです。スインガーのカーブがスッポ抜くような投げ方でトローンとした軌道を描くなら、パンチャーのカーブは弾くような投げ方でポンッと言う軌道を描きます。実際の投げ方のコツまでは皆さん個人で編み出すのが言いと思います。

ちょっと前ならスインガーでカーブピッチャーと言うとバリー•ジートでしたが、今ならジオ•ゴンザレスでしょうか。

ジオ•ゴンザレス(http://www.youtube.com/watch?v=45reFE5YGj4&feature=fvsr

遅くて大きく曲がるのがスインガーのカーブで、鋭く小さく曲がるのがパンチャーのカーブです。例外も有りますが、そういうのが典型的だと言うことです。

コウタ君 3回目




投球編


これはお話し忘れた事ですが、ラボでは以下のような理由で野手の人にも「ピッチング」を教えています。

理由1「ピッチャーの投げ方が一番の基本で、それが出来れば野手の投げ方は学校の練習等の中で自然と応用で出来るようになる。ただ投手の投げ方は理論がバックグラウンドに無いと良い投げ方をする事が難しい部分が有る。」
理由2「高校野球などでは基本的にゲームを作れるピッチャーが不足している事が多い。その場合、野手であっても格下のチームとの試合に登板してゲームを作れる能力が有れば、それだけでベンチ入りの可能性が高まる。そうすると打席に立つチャンスも増える。その場合、クイックモーションも必要になる。」

と言う事です。ですから、コウタ君の場合は基本的に野手志望だと思いますが、そう考えるとピッチング練習もモチベーションを持って取り組めると思います。

今回、ピッチングについては、最も重要な部分である下半身の力を使えるようにすると言う観点で取り組みました。以前は始動ポジションで骨盤が後傾気味になり、足腰がグッと決まらず、ヌル〜というか、する〜というか、そういった感じのキレの無い重心移動になっていたのを、そこを修正しました。その結果、投げ終わった後、ポンッと小気味良く後ろ脚が前に出て来るようになったのは進歩です。

続きます。

ピッチングフォームで、大きく気になるのは二点です。

1)動き出しのカクカクした感じ。

ワインドアップをネットの裏から撮影した動画で、少しそういう感じが出ています。始動ポジションから前に出て行く最初のところで、カクッと膝が抜ける感じです。これは始動ポジションで膝が突っ張っている場合に起こりやすい現象です。ですから、膝を緩める事が重要になるのですが、緩め過ぎて「曲げる」になってしまうと、爪先に体重がかかり太腿前面の大腿四頭筋に負荷がかかります。こうなると股関節伸展(ハムストリングスによる)の力が使えません。その場合、投げ終わった後に、後ろ脚が勢い良く出てこなくなります。 ですから、そこだけ気を付けて見てあげてください。

膝を緩める感覚はワインドアップで打者に正対した状態から前脚を斜め後ろに引いたところで掴めます。また、腸腰筋その場ステップ等によって腸腰筋をストレッチした後に、少し腰を反り気味にして、身体を前傾させると、膝を緩める感覚が解ります。骨盤が前傾してハムストリングスが引き伸ばされるので、その張力で膝が曲がる(緩む)のです。この時、体重が踵寄りにかかり、骨で立っている感覚になる事が大切です。


ただ、膝の緩めに関しては、特に子供の場合、ストレートに受け止め過ぎると「曲げ」になる場合が多いと思います。上記の内容は、結構レベルの高い身体的感覚だと言えるかもしれません。そこでバロメータとして、投げ終わった後に後ろ脚が出て来る動きに注目してください。後ろ脚の力が使えて来ると、投げた後に後ろ脚が小気味良くポンッと出てきますし、力が使えていないと後ろで止まったり、キレが無くダラーンと前に出てきます。今回の動画ではそれが出来ていますので、そこを見てやると大丈夫でしょう。悪い意味の「曲げ」になってしまうと、重心移動が不十分になり後ろ脚が前に出てこなくなります。


2)肘の低さ

トップの位置で肘が低いのが気になります。肘が低いと肘を痛める原因になるからです。元々、スインガータイプに比べるとスリークォーター気味になるのがパンチャーの特徴ですが、それを踏まえた上でもやや低いです。


その原因はテークバックのところで投球腕の肘が背中側に入り過ぎる事に有ります。


では何故、肘が背中側に深く入るかと言うと、グラブとボールが割れる位置に問題が有るためです。

下図で左端が投捕間のラインです。中央がそれより少し傾いています。右端が大きく傾いています。理想的には、下図中央の少し傾いたラインに沿ってグラブとボールが割れれば良いのですが、コウタ君の場合、それが大きく傾いたラインに沿って割れてしまうので、投球腕が深く背中側に入り込んでしまうのです。

因に「少し傾く」のは前脚を挙げる時、後ろ脚に体重を乗せるために、前脚の膝を後ろ脚のラインに重ねるようにして挙げる事で、少しだけ身体を捻る事になるからです。ただ捻り過ぎてしまうと、上の図の右端のようにラインが傾き過ぎてしまうので良く有りません。コウタ君の場合、捻り過ぎとも見えないのですが、写真を見ると、脚を挙げたところでグラブをやや二塁側に引き過ぎているように見えます。

下の写真のように、中心寄りに置くと、適切なラインに沿って両手が割れます。(写真では脚を下ろしたところで始動ポジションを作ってますので、その点で今ラボで教えている投げ方とは少し違いますが。)



いずれにしても、始動ポジションから始動した後は、速い球を狙った所に投げる事だけに集中するべきであり、動作については無意識ですから、意識的に修正するのは、始動ポジションの形についてです。始動ポジションで体幹の面が、例の図の適切なラインに沿っていると、良い位置で割れるようになるでしょう。




ところで何故肘が背中側に入り過ぎるといけないかと言う事ですが、この事(肘が背中側に入るのは良く無い)は野球教室などで良く言われるのですが、左右対称性を保った上で、故意では無く、適切な範囲であればむしろ好ましい動作なのです。(鳥が羽ばたくような形)しかし、投球腕の肘だけが背中側に入るのは良く有りません。

下図のように肘が背中側に入ると大胸筋が大きく引き伸ばされます。

このため、その後に投球腕を切り返すシーンで大胸筋が強く働きます。大胸筋は肩関節を内転、つまりワキを締める働きが有る筋肉ですから、この筋肉がこのシーン(写真のシーン)で過剰に収縮してしまうと、肘が下がるのです。


スローモーション的に、この写真のシーンを再現してみると、1コマ目のところで肘を背中側に入れ過ぎると、2コマ目で肘が下がる事が解るはずです。なぜ肘が下がると危険なのかと言う事については次回お話します。

ただ「肘が背中側に入るのは良く無い」と言われる事が多いのですが、これは上記のように、「左右対称性が無い状態で投球腕の肘だけが背中側に入る場合」のみに当てはまる事だと考えてください。左右対称性が保てていれば、それはむしろ速球派投手の条件とも言える重要な動作なのです。実際にはむしろその部分の柔軟性が不足していてパワーを発揮出来ない場合の方が多いでしょう。

ピッチングにおいては上記の二点です。



打撃編


バッティングについては当日のメニューを振り返るとともに、セット内容を(あくまでも1例として)提示しておきます。

詳細な内容はプリントにある程度書きましたので、ここでは目安としてのセットメニューのつもりで簡潔に書きます。(回数は全くの目安です。)

★手首のコックを作るメニュー

●前腕を捻るストレッチ 徒手左右5回 
●前腕を捻るストレッチ バットを使って左右5回(肘を脇腹に付けない場合は、スイングをい大きくして遠心力を使えるメリットが有ります。)
●一度振って、巻き戻して握り変えずにもう一度振る素振り 3セット
●短く持ち、左右の手の間を僅かに開けて振る素振り 5回
●短い棒を身体の中心に持ち、股関節を割るストレッチ 5回
●立った状態で軽く股関節を絞る動きを行う。(割れの後のフォロー)
●股関節を割り、前傾し、グリップをコックさせて、スイング。3回
●通常の素振り (構え作りから巻き戻しまで)下半身のどっしり感とグリップの連動を意識しながら5回。

★一気に瞬発的に力を発揮する感覚を掴むメニュー(2種類の力の発生源を体感する)

●(A)股関節の割りを強調して、腕と手首はジャスティン モーノウの形で小さめに構えて、そこから鋭く一気にスイング。
●(B)体幹部操作2の捻りを強調する事で、後ろ脚股関節を割り、タスキラインを伸ばして、肘を挙げ、最初から弓を引いた状態を作り、そこから一気にスイング。

※)A 2回~B3回~A2回 

★地面を掴む感覚を憶えるメニュー

●(A)割れ絞り体操1回+パンチ1回 左右ともに2セット
●(B)後ろ足を平行にセッティングしてから捻って構えてスイング2回

※(A)+(B)を1セットとし、計2セット

★リズムを掴むメニュー

腸腰筋その場ステップ10回〜揺らぎ体操10回〜構え作りリズムスクワット5回〜揺らぎながら構え作る体操2回〜振る前に一度腰を反ってのスイング5回(踵着地後に体重を地面に落としてからスイング)

★前脚に体重が乗るバランスを掴むメニュー


スタンディング股関節の割れ絞り体操左右5回づつの後、下図の構えを作って(やや強調して)スイング(3回)前脚に体重が乗るので、前脚軸が効き、巻き戻しが力強くなります。


フォローとして、股関節の割れを強調し、上半身は小さめに構え、グリップのコックを強調した構えからの素振りを3回。

★スイング軌道を修正するメニュー

前回でかなり修正されましたが、それでもまだゴルフ的に傾きやすい傾向が有ります。そこで以下の素振りを行ってください。

股関節の割れを強調し、前傾を控えめにし、手首のコックを作り、グリップは後方に引きすぎずに、ジャスティン•モーノウの形を作る。この状態でバットは短めに持ち、両手の間を少し離す。そこからスイング。(3回)

フォローとして、以下の練習を行ってください。 腸腰筋その場ステップ5回〜胸椎の後湾、首の角度、踵体重を意識して、股関節で身体を折り畳む事を意識しながら構えを作ってスイング。(3回)


★重いバットと軽いバットのコンビネーションスイング

重いバットは短めで根元にバランスが有るものを使用してください。ホウキは面を顔の方に向けます。

重いバット2回〜軽いバット3回〜重いバット2回〜軽いバット3回





今回、バッティングについて一つだけ気になったのは、途中、バットの軌道の事をずいぶんと話していましたので、コウタ君の方でそれを聞いてダウンスイングのような事を意識していたと言う事は無いでしょうか。だとそればそのような事は意識してほしく無いのですが、子供の場合ストレートに受け止めてしまうので、そういうケースが良くあります。今回は以上です。

2012年3月14日水曜日

キンブレルの 「カーブ」

http://www.youtube.com/watch?v=XMuXWQ6Wvtc&feature=fvwrel

この動画の1球目、ボールの軌道や速さはスライダーなのですが、キンブレル自身はカーブと言っているわけです。このようなギャップはペドロ•マルティネスやフランシスコ•ロドリゲス等のパンチャータイプの投手にも見られました。確かに、フィニッシュで左の脇腹から見える手を見ると、カーブの投げ方をしている事が解ります。パンチャーカーブの究極系とも言えるでしょうか。

しかし3球目のストレートは凄い。目の錯覚では無く、本当に途中からジェット噴射で加速しているように見えるほどです。もちろん物理的にはあり得ないと思いますが。メジャーにはこういうストレートを投げる投手が何人かいます。


2012年3月12日月曜日

リュータ君3回目



ピッチング編


前回の課題であったヒップファーストは出来るようになりました。ただ写真のように脊柱が1塁側に傾くクセが有るので、真っすぐの角度を保つように気をつけて下さい。1塁側に傾いてしまうと投げた後の1塁への倒れ込みも過剰になってしまいます。



もちろん、投げた後に倒れ込むのはメジャーの一流投手(特に右投手)に共通して見られる特徴で良い動作なのですが、過剰になってしまうと「投げてから倒れ込む」のでは無く「投げながら倒れ込む」ようになってしまいます。現状ではややその傾向が有ります。

メジャー1流投手の「倒れ込みフィニッシュの例」

クレイ•バックホルツ (2010年 17勝)
ジェレッド•ウィーバー (2011年 18勝)

もう一つの問題は前脚を挙げる時、写真のようにやや足先が3塁方向に出過ぎている事で、これは出来るだけ地面に垂直なラインと重ねるようにしてください。そうした方が後ろ脚に体重が乗りやすいからです。


感覚的なコツとしては、(極端に言うと)膝から下にワイヤーにぶら下がった重りが有るようにイメージする事です。そうすると足先の重さで自然と下腿部が垂直なラインに沿うようになります。無理に力んで真っすぐにする事はしないでください。


その他の点としてはクイックモーションで身体そのものがやや後ろ(二塁方向)に動き過ぎる事です。(背景と比較してください)その分だけ時間がかかっています。ただクイックに関しては「球速重視」「中間型」「モーションの速さ重視」の3パターンを作っておくと良いでしょう「抜き」と「捻り」の組み合わせで、スタンスを狭くして捻りを使い後ろ脚にタメを作ると球速重視になりますし、スタンスを広くとって抜きを重視するとモーションが速くなります。

ピッチングについては以上です。

バッティング編

バッティングに関しては、動画の最初の投手方向から見たアングルの構えは、かなり腰が座っており、懐も深いイメージが出ていて非常に良いです。スイングも力強くなりました。この動画のイメージを大切にしてください。

大きく気になったのは一点で、ボトムハンドの手首の形です。写真の下段の方は良いのですが、上段の方では手首が本来とは反対方向に曲がっています。ピッチングのセットポジションでも左手の手首がこのような形になるクセが有るのですが、特にバッティングでは問題になります。


正しい手首の形は下の写真のような状態です。ただ無理にこの形を作ろうとして力んでしまうのは良く無いのですが、少なくともリュータ君の写真の悪い例のようにならないようにだけ気をつけてもらえれば充分です。次回、そのあたりについては詳しくお話します。



後はバッティングについては、前回お話した重要事項だけ確認するために書いておきます。

まず、構えを作るスタートのポジションで、写真のようにグリップを低い位置に保ちます。スタートポジションの形としてはこの動画(ジャスティン•モーノウ)の最初に映る形が正に理想的です。


そこから、揺らぎながら重心を落として行く時、バットが地面を刺す角度を出来るだけ保つように気をつける事と、あまり肘が浮いてバットを水平に担ぐような角度にならない事、またグリップの位置が高く上がりすぎない事などに気をつけて構えを作ります。最終的にはイラストくらいの角度になるのが理想的です。


上記の事に気をつけながら、構えを作ったら後は思いっきり振ると言う事を素振りの中で繰り返してください。なお、この場合、構えを作る前に一度、腰を反るストレッチを加えると腸腰筋がストレッチされ、収縮するようになるので、骨盤が前傾し、胸椎が後湾するため、そこに肩甲骨を被せる状態が作りやすくなります。下図のような状態の事です。

今回は以上です。ではがんばってください。次回は、より詳細に問題点を改善するための練習法がメインになります。バットを振る数が前回と同じかそれより少し増えますので、マメを潰さないようにだけしておいてください。

イチローのノーステップ



この動画の最後の方に見られるように、イチローがノーステップ打法に取り組んでいると言う報道が2月末からなされるようになりました。もちろんノーステップと言うのは、オートマチックステップとは別物になってしまうのですが、この誤解は当然、メジャーの選手にも見られるわけで、と言うよりもむしろオートマチックステップを理論無しで出来る選手の方が稀なのです。例えば、トリー•ハンターやミゲール•テハーダ等は、メジャーデビューした当時は明確なオートマチックステップだったのですが、年が経つと共に、脚を挙げるようになってきました。逆にアンドリュー•ジョーンズのようにノーステップに流れて行く(今はオートマチックステップですが)選手もいるのです。近年はオートマチックステップもどきが流行っているので、ますますオートマチックステップをキープする事が難しい状態になっているようで、オートマチックステップの打者の数に関しては恐らく90年代の方が多かったと思います。

しかし、それより何より「コッチ側」とは対極にいたと思われるイチローが、こういった取り組みをするようになったと言う事は、時代は確実に「コッチ側」に来ていると言う事の表れです。

もし、仮にイチローがオートマチックステップを身につけたとしたら恐らくジャスティン•モーノウチュ•シンスのようなタイプ(成績では無くタイプとして)になるでしょう。恐らく、打法的にボールをじっくり見て行くタイプになると思われるので、打率よりも出塁率の方が顕著に挙ると思います。むしろ小技がやりにくくなるので打率自体は少し下がる可能性も有ります。しかし長打力は増すでしょう。ライナーで外野の間を抜ける打球が増えるはずです。当然、このモデルチェンジに成功すれば、現役をより長く続ける事が出来るはずです。

イチローさんへ。もちろん、お声をかけて頂ければ、喜んで塚口理論をお伝えさせて頂きます。メジャーに多い「ノーステップと言われる事が多い打法」には、奥深い理論が有り、それは私のような素人が実践を離れて机上で理論を研究しなければ発見しえない世界なのです。


ダルビッシュは何勝出来るか

以下の点を考慮しても成功する事は間違い無いでしょう。

1)年齢的に全盛期の入り口である事。
2)MLBで有効とされる(スライダーを含めた)落ちる変化球で空振りを取れる事。
3)ライジングファストボールを意図的に投げている事。
4)球種が多彩な事。
5)DH制のリーグである事。

リーグのレベルを問わず、トッププレーヤーで有ったと言う事は、その時点で集中力をキープしながら安定感を持って野球に取り組める能力が有る事を意味するので、単純に同じようなポテンシャル(変化球のキレやストレートの速さ)のメジャーリーガーと比較するだけでは予想は出来ません。確かに、同程度のストレートや変化球を投げる投手はメジャーには多くいるのですが、それだけでシーズンを通した成績を予想する事は出来ないのです。ゲームを組み立てる能力なども違うわけです。いわゆる経験値が高いのです。これが日本人プレーヤーの長所で、悪く言うとMLBではそれだけの経験を積めないポテンシャルの選手でも、日本だと多くの経験を積め、なおかつ一流として扱われる事で、自ずと一流選手(中心選手)としての様々な能力が身に付くわけで、こうした能力が単純なスキルにプラスアルファされて、その選手の価値を高めるわけです。ですから「MLBで同じような球を投げる投手」と比較するだけでは成績は読めないでしょう。

1年目の成績に関して予想するなら、13勝から17勝の間であるとしておきます。さらに言うと恐らく15勝以上はするのでは無いか。そして防御率よりも勝ち星の数の方で目立った数字を残せるのでは無いかと言う事です。防御率に関しては、唐突な一発を浴びたりして、そんなに良い数字を残すことは難しい気がします。

気になる点は以下の通りです。

1)ストレートの球筋が綺麗すぎる。またメジャーの投手に比べると軽そうな球質。
2) あまりにもクセの無い、タイミングを合わせやすそうな綺麗なフォーム。
3)クイックモーションが比較的遅い。

また、これはあまり見ていないので不確かな事も言えないのですが、スインガータイプなので、パンチャータイプに比べると牽制の動作は遅くなるはずで、クイックの速さとの兼ね合わせでランナーにしたら走りやすいのでは無いかと言う事ですね。また、スインガーのクイックモーションでの球速あるいはキレはどうなのでしょうか。数字に表れないレベルでも微妙に落ちるとしたら危険です。(もっともそれを避けるためにクイックを遅くしているのだと思いますが)ランナーをおいてのストレートが甘く入って痛打。こういうシーンが有るかもしれません。しかし、それでもあのスライダー等が上手く機能すればビックイニングになる事は考えにくいので、安定した成績を残すと予想します。

見所は去年も何度か見られた(カッターのリリースをズラすと言う)ライジングファーストボールで、これが高めに決まれば有効な武器になるでしょう。

2)に関しては同じようにクセの無いフォームの松坂が18勝3敗と言う成績を残した事を考えるとあまり問題にならないのかもしれませんが、バッターの動画を探していて痛感するのは、綺麗でクセの無いフォームの本格派の速球派投手、なおかつケタ外れに速いと言うわけでは無い。こういう投手が気持ち良さそうに投げっぷりよく投げ込んだストレートが少し甘く入った時。こういう時にバッターは目の覚めるような素晴らしいスイングでホームランを打つ事が多いのです。丁度、ダルビッシュが真っ向勝負に出ると、メジャーではそんな感じになる気がします。その辺が気がかりですね。

と言う訳で、ズバリ予想します。

16勝 7敗 防御率3.15

恐らく、このくらいでは無いかと思います。

実力より数字を挙げる要素
1)2年連続でワールドシリーズに出ているレンジャーズのチーム力。
2)1年目と言う事で、比較的負担の少ない相手と対戦する事が予想される。

実力より数字を下げる要素
1)1年目と言う事で、ゲーム以外での負担が大きい。
2)1年目と言う事で、首脳陣が完全フル回転させないと思われる事。

2012年3月11日日曜日

来期のMLBの見所

来期の見所はアメリカンリーグの西地区でしょう。つまり、マリナーズ、アスレチック、レンジャーズ、エンゼルスの4チームからなる地区です。イチローがいる事で、日本にもなじみの深いこの地区ですが、ボンズもプホルズもいなかったこの地区はそれほど見所の有る地区では無かったのですが、今期は違います。プホルズがエンゼルス入りした上に、ダルビッシュがレンジャーズ入りしたとあって、日本でも目にする機会が増えますので、今期は当たり年だと言えるでしょう。野手を中心に注目選手を見て行きましょう。

まず、エンゼルス。このチームはパンチャータイプに取り組む人にとっては非常に参考になります。アルバート•プホルズ、トリー•ハンター、バーノン•ウェルズ、ホルヘ•カントゥ、マーク•トロンボ、ハンク•コンガー、ピーター•ボージョス等、参考になる打者が非常に多いチームです。

ただ、このチームの特徴としてスイッチヒッターが非常に多いのですが、これまでにも書いてきましたように、スイッチヒッターはスインガーパンチャー的な観点から中途半端なスイングをする打者が多いのです。コンガーのように明らかに両方ともパンチャーであったり、或はその逆の場合は別なのですが。その意味で、先に挙げた打者以外のレベルはあまり高く無いと思います。

注目されるであろう、レンジャーズのダルビッシュとエンゼルスのプホルズの対戦ですが、プホルズ以外の打者との対戦も非常に興味深いところです。前回の登板でも見られたように、片手フォロー系のスラッガーが多いMLBでは比較的落ちる球が有効なイメージが有ります。エンゼルスの場合はそれ系のスラッガーが(他チームに比べて)少ない点も注目に値します。レンジャーズで注目の打者はエイドリアン•ベルトレイとマイケル•ヤング。それから最近では少なくなったスインガータイプの長距離砲であるジョシュ•ハミルトンも面白い。

ダルビッシュに関しては、去年はあまり見ていなかったのでいい加減な事も言えませんが、それ以前の印象では、速い球を動かしつつも、基本的には速球と変化球を明確に投げ分けるタイプで今のMLBの先発エース級としては非常にオーソドックスなタイプだと思います。(フェリックス•ヘルナンデス、ティム•リンスカム、ジャスティン•バーランダー、CCサバシア、ジョシュ•ベケット)アスレチックスやマリナーズのメンツでは打ち砕く事が難しそうですので、エンゼルスとの対戦が注目されます。

次にアスレチックス。このチームは節約型なので目立った選手が少ないのですが、今期最大の目玉はキューバから獲得したヨニエス•セスペデスですね。日本での開幕戦で見られるかどうかは不明ですが。

マリナーズでは既に報じられているイチローのフォーム改造が注目されます。スタンスを広く取るノーステップに取り組んでいるようで、こっち側に来ているようなので、その辺は非常に注目されます。

なお、マリナーズ対アスレチックス戦は撮影に行く予定ですので、動画等は、またネット上で公開していきたいと思います。

2012年3月8日木曜日

寄付の記録(2012年度)

4月26日の売り上げより、500円(寄付下限額)が寄付されました。
4月28日の売り上げより1000円が寄付されました。
5月1日と3日の売り上げより2000円が寄付されました。以降一律500円となります。
5月28日の売り上げより500円が寄付されました。
6月23日の売り上げより500円が寄付されました。


2012年3月2日金曜日

ショーン•ロドリゲス

非常にセンスあふれる打者なのですが、もう一つ成績が安定しません。見ているとフォームがころころ変わるのですが、結局はどれも、ノーステップ、脚上げ型、(オートマチック)ステップもどきのいずれかであり、つまり、二段ステップとオートマチックステップが無いと言う事から、オートマチックステップが出来ない(解らない)のでしょう。このようなタイプは良くいます。

http://www.youtube.com/watch?v=Fz4jzhsOtsA

この動画の0.39からのサイドビューを見ると、非常に面白い打ち方をしているのですが、このような例を見ると「オートマチックステップもどき」と言う呼び方も考えなくてはなりません。なぜなら、このような場合、脚上げ型もどきとも言えるからで、要は偽ステップが有ると言う事で「フェイクステップタイプ」とでも言うべきでしょうか。

上記動画では始動ポジションで後ろ脚股関節の割れた状態を作り、そこから非常に強く下半身の力を使えています。

しかし、ショーン•ロドリゲスとリード•ブリニアックのようなセンスあふれる若手が1チームに二人もいるメジャーリーグが羨ましい。因に、今、発送作業を行っている英語ブログは勿論、これらの選手にも紹介されます。来期はショーン•ロドリゲスのステップに注目したいと思います。

上記動画に関して重要な事は、「本質的にはノーステップである」と言う事ですね。そういう定義付けをするためには、私の理論の定義が必要になります。前脚の着地後に始動ポジションを作って、その後はノーステップで打っていると言う事です。

例えば、このスイングは完全な脚上げ型ですね。前脚を挙げた所が始動ポジションになっています。しかし素晴らしいスイング。今のMLBの右打者で少なくとも5本の指に入るスイングをする打者だと思います。ただMLBクラスになると他のファクターも結果に大きな影響を与えるわけで、結果を出している打者はむしろ大したスイングをしていない打者が多い。

http://www.youtube.com/watch?v=IJgz6EN54vY&feature=channel_video_title

次に、こちらはノーステップ。この打者がオートマチックステップを憶えると飛躍するかもしれません。

http://www.youtube.com/watch?v=7QHe4gWFkao

これはオートマチックステップもどき。言われないと同じ打者と気がつかないくらい、違うか構えですね。

http://www.youtube.com/watch?v=0FAE5sSi-jA&feature=relmfu

こちらはノーステップ。ノーステップでこれだけ良いスイングが出来る打者も珍しい。

http://www.youtube.com/watch?v=-DQHNEikApY&feature=fvsr

余談ですが、英語ブログをメジャーの全野手に紹介する理由の一つが、アメリカ球界に「オートマチックステップ」「二段ステップ」「脚上げ型」と言う選択肢をバッティングの基本として、定着させたいためです。そして、そのためにはパンチャータイプの基本メカニズムについて、イラスト、動画をふんだんに用いながらしつこいくらい丁寧に繰り返し説明する必要が有る。その意味ではショーン•ロドリゲスのような選手にこそ見てほしいブログでも有るのです。もっとも、その先には世界的な野球技術の共通認識として、こういった技術論を定着させたいと言うのが有るのですが。

もちろん、オートマチックステップ第一と言うのは変わりませんが、それを全うするためには、相当マニアックに取り組む必要がある訳で、生兵法はケガの元と言うのも、オートマチックステップの特徴なのです。その意味では「ラボ理論」と「普及版理論」と言う二段構え、ダブルスタンダードで考える必要が有ると言えるでしょう。普及版理論においては、どれも有り、ただし基礎練習としてオートマチックステップをと言うスタンスを採らないと普及させる事は出来ないでしょう。これは読者の方々に誤解を与えやすい難しい問題なのですが。

プホルズにしても、オートマチックステップの理論を知らないため、ノーステップの場合もあれば、オートマチックステップにしても、100 %純粋なと言えるケースはそんなに多く無いわけで、練習なんかを見ても、オートマチックステップにはなっていない訳です。これが、オートマチックステップを論理的に把握して、始動ポジションとパンチャーの力の発揮を理解した上で、それを繰り返すと。。考えただけでもゾクゾクしますね。

また、もう一つの目的として、日本球界とアメリカ球界の格差を今以上に拡大する事によって、日本の野球界が立ち直る切っ掛けを与えると言うものです。プホルズさえも知らないような少年野球の指導者に私の理論の実践者がフォームを修正されると言う日本球界のていたらくは、実の所、私にとっては全くどうでも良い話なのですが、暇つぶしの一環として、日本球界を立ち直らせてあげたいのです。