2015年1月17日土曜日

ライオンさん 二回目

2014/1/17 定例会

新潟講演会のお知らせ

 2015年の2月14日〜15日に渡り新潟県で開催される講演会では2日間にわたり私の提唱するトップハンド•トルク理論がスクリーンを使用したプレゼンテーションと体育館での実技講習会により紹介されます。現在のところ、中学および高校野球部の指導者15人近くと部員30人以上の参加が見込まれています。なお実技講習は指導対象人数が多くなると同じ事の繰り返しが増えてしまい時間のロスにつながるので中学生の部員3人をモデルとして行われる予定です。今回の講演会が新潟県の、さらには中学高校野球全体の競技レベルアップにつながる事を期待しています。『理論は解りやすく簡素に、画像映像によるプレゼン中心で。実技実践に力を入れる』という方針の元、現在プレゼン資料を作成中です。

 2月14日(土)理論プレゼンテーション+実技講習(13時から18時くらいまで)
 2月15日(日)実技講習(9時から18時くらいまで)

※)下は事前の打ち合わせ時のスクリーンチェックの様子です。現地での打ち合わせを行い、また前日には新潟入りし、当日は開始時間前から機器などの準備調整を行うなど万全を期して開催されます。



コンセプト等

アクティブブラックスクリーンを使用したビジュアル多用の実技講習
体育館での実技講習においても50インチのアクティブブラックスクリーン(明るい場所でも映る)を使用し、画像映像による解説を行います。画像、文字資料に関してはPDF資料が拡大されてスクリーンに映し出されます。

3ラウンド方式による実技講習
実技講習はラボでの経験を活かした3ラウンド方式により行われます。これは歴史の授業に例えると、縄文時代から近代までを最初から潰して行く方法では無く、ROUND1で軽く全体を流し、ROUND2、ROUND3と重ねて行くごとに細部に踏み込んで行くというやり方です。導入期において最も効率的であると思われる方法です。

メモの必要は有りませんUSBをご持参ください。
優秀な指導者は一度に多くの事を言わないと言われています。しかし講演会は2日間しか有りません。消化不良を起こされるかもしれませんが出来るだけ多くの事をお伝えしたいと思います。メモを取る必要は殆ど有りません。進行に使用する原稿(文字資料)はデータでお持ち帰り頂けます。(USBメモリをご用意ください)

画像映像を多用したスムーズな技術指導
実技講習における技術指導は下のような簡単な図を大量に使用する事で理解を容易にすると同時に、コミュニケーションに要する時間を短縮する事を狙います。身振り手振りでは伝えられる内容に限界があります。自分の言語をビジュル化するための図とプロの一流選手による見本映像が必要不可欠です。

置きティーを使用したスピーディーな進行
 体育館での打撃練習では下の写真のティーを主に使用する予定です。これはゴムホースに粘着テープを巻き付けたものですが、打った手応えは充分です。ボールは飛んで行きますが、ホースによって減速されるので、体育館でも使用する事が出来ます。(動画はコチラ)実技講習的な場ではある程度進行のスピードが求められるので(ストライクボールの有る)手投げでは時間のロスが生じます。かといって素振りでは実感が得にくいというデメリットが有ります。そのため、こうしたケースでは置きティーがベストなのです。但し、置きティーにもデメリットが有ります。それは顔の向きが実際よりもホームベース方向に向く事で若干、腰の回転が制限される事です。それを修正するため、随時素振りや手投げ(柔らかいボールかタオルボール使用)による練習を挟んで行く予定です。

一つでも多くのノウハウをお持ち帰りください。
 ここが最も誤解していただきたく無い点なのですが、私は「その場ですぐに上手くなる」というような事は言いません。そうでは無く、まずはじめに理想像をプレゼンテーションで提示します。そして次にそれに近づくためには何をすれば良いのかという具体的な練習方法をお伝えします。上達するためには一定以上の練習量を継続的にこなす事が必要不可欠です。しかしその成果はやり方によって大きく変わって来ます。私は マジックのような手法を使ってその場で少し球速を挙げてヌカ喜びさせるショーのような事はしません。もっと中長期的視野に立ち、ハッキリとした方針を示します。「自分のチームをどうやって鍛えて行こうか」「最強のチームを作って一目置かれたい。」等と考えている指導者の方々に目線を合わせてお話していきます。

隠し味的に様々なテーマを仕込みます。
 メインテーマ以外にも以下の事に重点を当てて講演内容を編集しています。「メジャー最高レベルのスイングを数多く盛り込む事により、"良い物"をたくさん見てもらう」「股関節を中心とした豊富なトレーニングメニューを随所に盛り込む」「息抜き的に盗塁のスタートやスローイングの基礎についても紹介し、飽きさせない」

内容詳細

1日目 理論講習+実践超基礎

1限目 イントロ
「パンチャーとスインガー2つのメカニズムと9つの打法」「スポーツ科学の常識が覆る」「試合で打つ打者の秘密」「ホームランが出る間」等をテーマとします。従来型の運動連鎖を前提としたスポーツ科学の常識では今のスラッガー達の動作を説明する事が出来ません。その結果、そうした知識に基づいている多くの打撃理論と現場のバッティングとの間に乖離が生じているのが現状です。2つのメカニズムは、これからの指導者が前提として理解しておかなければならない知識です。そこをメインテーマとしつつも、1限目では実戦対応にも力を入れて、出来るだけ見て楽しめる内容にしたいと思います。「打撃フォームに多様性が生まれるのはなぜか」これも大きなテーマです。多様性を許容した上で理想像を持たなければ良い指導者にはなり得ません。

2限目 メカニクス(上)
 「前で打つvs引きつける」「押し込む」「ステイバック」「後ろに残せ、いや残すな」「賛否両論のテーマである最短距離」「ダウンスイングとアッパースイング」など、近年話題になり、また否定されている「技術論」に対してパンチャーとスインガーと言う観点から切り込み、普及している言葉の意味を明確にするとともに否定されている言葉にもスポットライトを当てます。実際に指導現場で飛び交っている言葉をテーマとする事で親しみやすい内容になっていると思います。

3限目 メカニクス(下)
 さらに詳しくパンチャーとスインガーのメカニクスを説明し、これら2つが全く異なるメカニズムに則った動作である事を明らかにします。その他「股関節の斜め回転理論」「日本野球の打撃の現状と傾向」等のテーマについてもお話します。今回の講演の中では若干、詳細にまで踏み込んだ内容となりますが、正確な理解のためには欠かせない内容です。ビジュアルを多用して聞きやすい内容にするように努めます。

4限目 総論+アルファ
 「メジャーの多くの打者、そして柳田が語る実戦的打撃観とパンチャーの関係」「タイミング」「腸腰筋とハムストリングスを鍛えて黒人に近づく」「片手フォローの弊害」「日本人(アジア系)が重視するべき事」等についてお話します。単に「メジャーが好きで真似しました」では打てません。身体運動の分野では最も優れた能力を発揮する黒人種の骨格的特徴と、それに基づく動作的特徴を画像映像(ダンス、ボクシング、バスケットボール、陸上競技、サッカー、その他歌手や俳優の動き等)を多用しながら解説します。そして、そうした身体機能を獲得するためのトレーニング方法についてもお話します。これについて知れば、様々なスポーツの分野において、日本人の身体機能をそのままに世界と対峙する事が如何に無謀であるかが解ります。

5限目 実践超基礎

(実践編 ROUND1)ラボでの経験から編み出された3ラウンド方式でパンチャーの基礎を習得してもらいます。ROUND1ではこれ以上無いほど簡単に教える方法で、ここまでなら誰でもやり方を覚える事で人に教えられるようになるでしょう。内容的にはバッティングとスローイング、基礎的なトレーニング、ストレッチ等です。

2日目 実践編 体育館での実技講習会

 2日目は実践編のROUND2とROUND3を実施します。

(実践編 ROUND2)
体系的に進めて行くというよりは「体の捻り」や「股関節の割り」「ハムストリングスを使う」「揺らぐ」などのポイントに分けて実施していきます。各ポイントにはそれぞれ対応するストレッチと練習法が有り、それらを通じて体得していってもらいます。 ここでも映像、画像を多用します。歴史の授業に例えると、縄文時代から体系的に進めて行くのでは無く「関ヶ原の戦い」や「明治維新」など、とっつきやすいテーマに分けて映像を駆使しながら理解しておき、ある程度コマが揃った状態で全てを体系的に繋げて行くという手法を取ります。

(実践編 ROUND3)ROUND2で、ある程度基本的事項を習得した状態で、全ては連動しているという事を理解してもらいます。これによってROUND2でバラバラに理解してきた「コツ」が一本の線につながります。もちろん、そのための練習方法も有ります。
 さらに、ROUND3ではよりいっそう内容を深化させるためのポイントを教えて行きます。具体的には「グリップのコツ」「ヒッチ」等です。もちろん他にも有ります。
 なお、股関節のトレーニング法や、スローイングの基礎、投手、野手への応用、走り方、盗塁のスタート等についても、コンパクトにまとめて、時間的余裕を見ながら随所に挟んで行く予定です。

※)基本的に私の理論は極めて体系立てられて構築されているものなので、本音はもちろん全て理論とおりに実践して行ってもらいたいと考えています。その一方で、細部の理論の一つ一つはそれだけでも独立して「コツ」「ヒント」としても使えるものです。非常に難しいテーマですが「全てを理論通りに実践してもらいたい」一方で「いくらそれが理想的だとは言え、全て言われるままにやってしまうような事で良いのか」という相反する思いが有る事も事実です。特に結果を出す事が迫られている大人ならまだしも、中学生や高校生の時期というのは「自分で考えた結果の失敗」もまた大きな財産になるものです。理論講習の内容は、どちらの立場を取る人にとっても有益になるように考えられています。
 さらに、私の理論(実践理論)はメカニズムとしての一つの理想型を提示し、それの習得法、トレーニング法を中心に展開して行く物ですが、最終的な実戦対応においては「9種類」の選択肢(打ち方の選択肢)を選手に与えるものです。このコアとなる一つの形を定めておき、それを共通の形として練習させながらも、最終的なフォームについては選手の判断に任せるという手法は、特にチーム単位で導入する際には効果的に機能すると考えられます。実践する選手は、与えられた素材の味を極限まで引き出してあくまでも素材で勝負するか、トッピングを加えて好みの味付けを施すかという選択肢を得る事になります。



私がお伺いします。
※)実技実演について。2007年に右脚下腿部を骨折した影響で、現在の私自身の実演はとても良い見本になるものでは有りません。その事を事前にお伝えしておきます。上段の動画と、下段の動画の最初の3スイングが骨折前のものです。なお下の動画で使用しているバットは上の動画のスイングが硬式用(木と竹の合材)で、下の動画のその後の2スイングは軟式少年用です。1.58からのスイングは骨折後ですがバットは軟式用の木製です。なお、走力はかなり落ちていますが、走る事(ダッシュ)自体は不自由無く出来る状態ですので、動きで理論を伝える事には支障はありません。その点ではご安心ください。