2013年8月9日金曜日

カルロス・デルガドのトップハンド

90年代中盤〜00年代後半にかけて活躍した怪力スラッガー。通算本塁打473本。右投げ左打ちの脚上げ型のパンチャータイプで一塁手。

デルガドを凄いなと思ったのは、このビデオ「WHEN BASEBALL ROCKS」この中に収録されているデルガドのホームラン競争のシーンは圧巻だった。

メジャーでも、最近になるにつれて、日替わり的に、というかシーズン毎にめまぐるしく最強打者が入れ替わるようになってきた。全体のレベルが上がり、実力が伯仲して来たのだろう。そういう意味で、ソーサ、ボンズ、グリフィー等の時代は最後の「最強打者固定時代」だったように思える。このWHEN BASEBALL ROCKS は2001年までの映像が収録されており、当時ルーキーだったプホルズを始め、一年目のイチローまでが、ミュージッククリップ的に収録されている、中々の作品。特に2001年に73本塁打を打ったボンズのクリップはめちゃくちゃカッコイイが、選手によってはプライベートシーンとかが多くて、どちらかと言うとノリ重視的なビデオである。

さて、デルガドの打撃だが、脚を挙げて打に行く時に、始動時の下半身の力が発揮され、その下半身動作との連動でトップハンドの肘がグッと挙る。次の瞬間、そのトップハンドとバットで思い切りボールを引っ叩くように打つ。ポイントが近く、トップハンドで打っている事が良く解るスイングだ。かなりパワーが無いと、こういうフォームでは打てないだろう。さらに柔軟性を兼ね備えている凄い打者だった。ポイントが近いのに、しなやかでヘッドが効いている。ただ、長くて重いバットを使っていたようで、そのあたりがパンチャーのメカニズムと合致しなかったのが勿体ない。

この動画はメジャー第一号なので、全盛期とはやや印象が違うが。


後半に横から移したスローモーションが有る。構えではそんなに肘を挙げていない。脚を少しだけ挙げてから始動し、始動時に下半身が力を発揮して地面を押すと同時に肘が挙っている事が解る。脚上げ型のパンチャーによく見られる動きだ。