歴代のホームランキングの中でボンズが特筆される点の一つが、インハイ打ちの上手さである。これはパンチャータイプのメカニズム上の特徴で、デレック・ジーターや城島、坂本らがインコースを打つのが上手いのと同じ理屈に起因している。ボトムハンドで引いて来るスインガーの場合、インハイを打とうとしてボトムハンドの肘を曲げると、加速のメカニズムを殺すことになるが、パンチャータイプの場合は関係が無い。だからインハイの速球を「腕を畳む」とか「肘を抜く」とか特別な事をしなくても、そのままのスイングで気持ちよく振り抜ける。腕を畳んだり肘を抜いたりすると、どうしてもフォロースルーが中途半端になるが、パンチャーのインハイ打ちはそういう事をしないので、豪快に振り抜けるのだ。(ただ、もちろん、極端なインコースだと腕を畳まないといけないが)