2013年8月30日金曜日

ブライス・ハーパーのフォーム改造

メジャーの動画を見ていて、ちょっと驚いた事が有るので、記事にしておきたい。



上の動画は2013年の8月29日、つまり、一番最近のハーパーの動画だが、極めて興味深いフォーム改造を行なった事が解る。フォーム改造と言うより、構え改造だが。。

ハーパーと言えば、ヘッド入れ型の構えであり、それゆえに、脊柱のS字カーブが適切に形成されず、やや骨盤が後傾気味で、膝の潰れた構えが特徴的だった。ただ、それでもヘッド入れ型ゆえの、腕の力の抜きやすさを利用して、腕をリラックスさせた状態から一気に振り抜く事で、ヘッドの抜けが良い特徴的なスイングを見せて来た。

下の動画は、以前のハーパーのフォームで、これが正に、ハーパーらしいスイングである。


しかし、ここ数日のハーパーを見ていると、構えがトップ型になり、そのぶん膝の潰れも無くなっている。形としては、この方が良いのだが、トップ型の構えゆえの、腕にかかる負担。これに対して、ハーパーがどう対処するかで、結果が違って来る。

下の動画は8月25日だが、この時点で既にフォームが改造されている。


トップ型の構えにすることで「ハーパーらしさ」が消える懸念も有る。ハーパーらしさとは、「ボトムハンドの引きが強いながらも、筋肉を柔らかく使ったヘッドの抜けが良いスイング」と言えるだろう。しかし、全体として良い方向に向かう可能性も、勿論、有る。ただ、まだ膝を前に潰すような折り方をするクセは残っているが。。

懸念材料としては、少し重心の高い構えに変えたようだが、トップ型と重心の高い構えの相性は、良く無い。腕にかかる負担が大きいからだ。トップ型の場合、体幹部操作を効かせて、関節をハメ、ハムストリングスも効かせて構えた方が、腕が楽になる。

いずれにしても、メジャーリーグ注目の若手スーパースターが実行した、極めて理論的に意味の有るフォーム改造なので、今後も注目して見て行きたい。