2013年9月2日月曜日

プロ野球選手のその後を考える

プロ野球選手を目指す子供は多いと思うが、引退した後の事がイメージ出来るようになるのは、ある程度の年齢になってからだろう。

それが解ると、プロ野球選手と言う夢はとたんに色あせる。

良くて、プロ野球の監督、コーチ、あるいは解説者。子供の夢としては地味なものばかりだ。前途洋々の若者のビジョンとしても、ハッキリ言ってショボい。良く、一度はやってみたい職業として「プロ野球の監督」が挙げられるが、それは単に一回やってみたいと言うだけであって、誰も「それになりたい」と思っているわけではない。

また、ただでさえ、MLBへの人材流出によってNPBのブランド価値が低下している。Jリーグも有るし、ただ、プロ野球選手になったと言うだけなら、その後の末路には不安がつきまとう。

ここで注意したいのは、今の野球少年の親である30代40代の世代の子供の頃に比べて、日本のプロ野球選手のブランド価値は明らかに下がっていると言う事である。この事に気が付いていない親は多いかもしれない。

極端に言うと、今ならメジャーにまで行って、やっと昔のプロ野球選手と同等のバリューが出て来る。。と言えば言い過ぎだろうが、それに近いものが有るかもしれない。しかし、逆に言うと、それは、昔に比べてプロ野球選手が手の届きやすい目標になったとも言えるだろう。

では、プロ野球選手として最高の人生とは、どんな人生だろうか。

それは、プロ野球で、ある程度の財産を築き、それを元手に、事業を始める事だろう。そして、それで成功して、実業家としてやりたい仕事をして生きる。これに勝るものは無い。

会社員になるよりも、自分で事業を展開した方が面白いに決まっている。そして、スポーツ選手になると言うのは、その元手を稼ぐのに、うってつけでは無いか。だから、実際、引退後に自分でビジネスを始める選手は多い。しかし、元々やりたい事とかを考えていなければ、単なる金銭目的のショップのオーナーくらいにしかなれない。それだと面白くは無い。

子供は、いずれ高校生になり、大学生になっていくが、その過程で、プロになるモチベーションを持続させるためには、そういうビジョンもイメージさせてやった方が良い。その辺のビジョンが描けないので、野球を続ける事が不安になり、止めて行く選手も多いのでは無いか。

プロで、一年3割を打つだけでも大変な事だが、それが出来たとしてもショボい将来のビジョンしか描けないのなら、そんなドロ舟には乗りたく無いと言うのが普通だ。それなら、プロ野球を引退した後にやりたい事もある程度考えておいた方が良い。アメリカには、そういう事を見据えて、勉強している選手もいる。

例えば、実業家では無く、政治家だが、江本孟紀なんかは野球選手としてはかなり面白い生き方が出来ている。板東英二だってそうだ。自分が野球をやっていた事をネタにするほどの潔さはむしろカッコ良いでは無いか。ああいう方が、よほどのものが無い限り(理論が有るとか、監督としての人望が有る等)、野球に関わり続けるよりかは、楽しそうだ。

ただ、そんな後先、どうでも良いくらいのエネルギーの有る奴が一流になるのだろう。そして、実際、その後もなるようになってしまう。これが、本物の一流だと思う。

でも、それはホンの一握りの人間だ。