2013年9月20日金曜日

オートマチックステップ巡礼の旅(70)マット・カーソン

四頭筋は効いているものの、純度の高いオートマチックステップの打者なので、以前から注目して来たが、中々芽が出て来ない。。と思っていたら、今期はいわゆるセプテンバーコールアップでメジャー昇格して以来、9打数7安打1本塁打と爆発している。

後半に横からのスロー有り。


四頭筋が効いているけど打てる打者と言うのは、基本的にはスイングのハンドワークが良い場合が多い。体幹、下半身でロスが有るのだからハンドワークが良く無ければ打てないということだろう。パンチャー的な意味でのスイングが良いと言うのは、最短距離でヘッドが立って出て来るスイングを意味するが、そのためにはボトムハンドの引きが弱い必要が有る。四頭筋が効いている場合、ハムストリングスが使えていないので腰の回転力が弱いのだが、その結果として良くも悪くもボトムハンドの引きが弱いから、おのずとスイングも最短距離でバットが出る「後ろが小さい」スイングになりやすいのだろう。その上で、フォロースルーが大きければ言う事無いのだが、そこはハムストリングスを充分に使わなければ難しい。ただ、後ろの小さなスイングが出来やすいのは、ある意味、四頭筋が効いている打者の長所とも言えるのだが、それを利用出来るだけの技術が無ければ、このタイプで成功する事は難しい。それが出来ているのが、ジャスティン・モーノウ等なのだが、このカーソンもそういう所があるので、以前から期待して見ていた打者である。


この動画には横から見たシーンが有るが、オートマチックステップのメカニズムが良く解る。最近の打者では、ここまで純度の高いオートマチックステップは中々いない。


マイナーリーグでは安定した成績を残してきたようだが、日本に来たら、そのくらい打つのでは無いかと思う。

余談だが、助っ人外国人が良く「日本で成長した」と言われるが、これは多いにあり得る。メジャーでは出場機会の少なかった彼等が、日本ではフル出場出来る。しかも、日本の投手は、メジャーの投手に比べてスピードは落ちるものの、コントロールが良い。これほど良い練習相手は無いだろう。しかも、主軸を打つ事が出来て良い意味での緊張感も持てるし、スター扱いされてやりがいも出る。また、球場は少しアメリカより狭いから、無理しなくてもホームランが打てる。この環境なら技術的には成長して当然だろう。そうした選手がアメリカに帰って、向こうのスピードに対応出来るだけのキレが有った場合はセシル・フィルダーのような事になるのだろう。

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