2013年9月22日日曜日

オートマチックステップ巡礼の旅(73)フレッド・マグリフ

マイク・ピアッツァやケン・グリフィーJr、マーク・マグワイア等を輩出した、華の90年代オートマチックステップ界における重鎮の一人。通算成績はメジャー19年間で493本塁打の打率0.284。(wikiの記事) 本塁打王は2回経験している。オールスター選出5回(意外と少ない) 左投げ左打ちの一塁手。

同じブレーブスの左打者であるジェイソン・ヘイワードと比較する声も有るが、打撃技術ではマグリフは別格である。ヘイワードとの違うのは、マグリフの場合は大腿四頭筋が効いていないので、動きが全体に渡ってスムーズでフォームが美しい。ただ、マグリフが一塁手であり攻撃的なプレーヤーであるのに対して、ヘイワードは外野手で守備の評価も高く、より野球全体をアグレッシブにプレーするタイプだと言えるだろう。

ところで、オートマチックステップとは、本質的には止まった状態から力づくで振る打ち方なので、「ずばりオートマチックステップそのもの」と言う打者の場合、見るからに強引で荒っぽいタイプが多かったりする。逆にコンパクトに行くタイプもいるが、この場合モーノウやウェルズで説明して来たように、四頭筋を効かせてしまっているタイプが多い。だから、本当の大打者となると、実際には「オートマチックステップ周辺」で有ると言う場合が多い。バリー・ボンズやアルバート・プホルズ等が典型的だ。これは、(塚口)理論無しにオートマチックステップをやっているからだろう。

その意味でも「ずばりオートマチックステップそのもの」の打者で、これだけ技術的に高いレベルに到達しているマグリフと言うのは、オートマチックステップ学会にとっては貴重なサンプルであると言えるわけだ。言うまでも無いが、パンチャーのオートマチックステップにおいても完成されたスイングはスムーズで美しい。力強さと柔らかさが同居したものになる。マグリフのスイングがそれを物語っている。

キャリア初期 ブルージェイズ時代


キャリア中盤 ブレーブス時代


キャリア後期 デビルレイズ時代(二本目が素晴らしい)


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