2013年9月11日水曜日

オートマチックステップ巡礼の旅(28)クレイグ・ブラゼル

日本球界にも、オープンスタンスからのオートマチックがいる。西武〜阪神〜ロッテと渡り歩いているクレイグ・ブラゼルだ。



オープンスタンスの場合、後ろ脚股関節を割りやすいので、後ろ脚の力が使えるし、身体を捻りやすいので、構えた時にタスキラインを伸ばしやすい。そうした意味で、身体の捕手側の力を使いやすいと言えるが、ステップする時に、前述(カントゥの記事)したようにタスキラインが緩むので、良く言ってプラスマイナス0になるだろう。

そのうえ、一度オープンスタンスにすると、スクエアに戻すのが難しくなるので、基本的にはおすすめ出来ない。

とは言え、やはりブラゼルのパワーは凄い。


スクエアの方が良い事を実証しようとしてブラゼルにスクエアで打たせても、スクエアで打つ良いイメージが無い選手なら、なれ親しんだオープンの方がパワーが出るだろう。そうした意味で、2つの打法を同一選手を使った実験で、その優劣を比較する事は事実上不可能である。だから、バッティング理論に答えを出す事は出来ない。後は、それを受け止める人のセンスに頼るしか無い。

ところで、オープンスタンスからのオートマチックステップは、判別がやや難しい。基本メカニズムを深く理解していなければ判別出来ないと思う。例えば、紛らわしいが違うと言う例を2人ほど挙げて見たい。

1)ライアン・ハワード(脚を挙げてからの始動)


2)マーク・タシェアラ(脚を挙げてからの始動)


目視による判別でしか無いので、究極的には推測に過ぎないが、上記の2選手は、前脚が挙ってから始動しているので、オートマチックステップでは無いと見られる。


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