2013年9月29日日曜日

オートマチックステップ巡礼の旅(ちょっと一息)すり足打法

パンチャーとスインガーの分類に慣れていない人が、まず最初に間違うのが、「スインガータイプのすり足打法」と「パンチャータイプのオートマチックステップ」だろう。

すり足打法はオートマチックステップもどき以上に、オートマチックステップとの見分けが難しい。なぜなら外見的にステップの動きがほとんど同じだからだ。そのため、分類は、そこから先のスイングを見る必要が有るが、その分類は、ある程度の慣れを必要とするものである。、

例えば、下の動画に出てくる打者は、全員がスインガータイプのすり足打法(系)の打者だ。0.40からの背番号5の右打者は右手で振っている感じがするが、これはノーラン•ライアンの豪速球にタイミングが間に合わず、無理矢理に振りにいった結果だろう。この打者はブルックス•ロビンソンという有名な三塁手だが、典型的なスインガータイプのすり足打法である。


上の動画で0.40から登場する、トップハンドの効いた空振りをした右打者、ブルックス•ロビンソンは打撃よりも守備で知られた選手で通算打撃成績は263本塁打の打率0.267 一方守備では23年間の現役生活で16度のゴールドグラブ賞を受賞している。(wiki)   1.23からのスイングが見やすいが、ベストスイングでは、ノーラン•ライアンの豪速球を空振りした時とはスイングが違う。   


スインガーのすり足打法も、パンチャーのオートマチックステップも、「二本の柱で支えている物体から一本の柱を抜くと、抜いた方に物体が倒れる」と言う「抜き」のメカニズムを利用するという点では一致しているが、そもそものステップに至るメカニズムが全く違う。そして、スイングのメカニズムも違う。ちなみに、厳密に言うとパンチャーには(完璧な)すり足打法は無い。パンチャーで完璧にすり足打法で前脚を挙げてしまうと始動ポジションが形成出来ずに、必然的にスインガータイプになってしまうからだ。

基本的にスインガータイプの場合、重心移動の小さなすり足打法はそれほどパワーが出る打ち方ではない。スインガー時代のホームラン打者はハンク•アーロンやベーブ•ルースのように、もっと重心移動が大きな打ち方をしてきた。

すり足打法とオートマチックステップの見分け方にヒントを一つ挙げると、基本的には、スインガーの場合、重心移動が小さいすり足打法だと前脚が開きやすい。一方、パンチャーの場合は逆に重心移動が大きい方が前脚は開きやすくなる。だから、「抜き」を利用してステップしている打者で前脚が大きく開くのはだいたいがスインガーである。

ちなみに、ジョニー•ベンチも、スインガーのすり足打法だ。



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