2013年9月7日土曜日

オートマチックステップ巡礼の旅(13)マイク・ピアッツァ

捕手として、メジャー至上最強の打者である事は間違い無いが、もし捕手でなければ、ボンズやグリフィーレベルの打者になれただろう。バリー・ボンズもピアザの才能は認めていた。(そういうコメントが有った)

子供の頃から、自宅の打撃練習上で打ちまくり、さらに、父がメジャーリーグにつてが有るために、テッド・ウィリアムスを自宅に招いて指導を受けた事も有る。イチローもそうだが、素振りで作り上げたスイングに比べると、やはり打つ事で作り上げた選手のスイングは柔らかい。



打撃フォームに関しては、ある意味、これほどオートマチックステップらしい打者もいない。力を抜いて、ぬぼーっと立っているだけの構えから、いきなりスイッチが入ったように力ずくでバットを振り出す。初めて見た時には違和感を憶えたし、そういう人も多いだろう。あまりに身体が動かないので「腕だけで打ってる」ように見えるし、スポーツ誌のNumberでも、そうした事を書いていたライターがいた。

0.39からの、高めを打ったホームランのスイングは必見。


引退後のソフトボールのシーン。スイングのイメージは少し変わったが、相変わらずオートマチックステップなので、安心した。打つ前に微妙に前脚を動かしているので2段ステップと言えなくも無いが、無視して良い範疇ではないかと思う。


ピアザを見ていて、惜しいと思うのは、オートマチックステップを理論的に理解してやっていなかっただろうと言う事だ。そういう理論はアメリカにも無いのだろう。

そのため、軽く打ったり,少し重心移動を加えたりして、晩年にはスイングが安定しなかった印象が有る。全てが上手く行ったスイングの感触を求めようとしても、その感触がどこから来たのか、その仕組みが理解出来ていないと、再現する事は難しい。色々と考えているうちに、ドツボにハマる。打ち方に関わらず、そうした所からスランプはやって来る。これが「スランプ」と単なる下手な人との違いだろう。

wikiの記事で成績を見てほしい。

1997年の、40本塁打 124打点 打率0.362が目を惹く。


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