2013年9月6日金曜日

オートマチックステップ巡礼の旅(4)ブレット・ハーパー

右投げ左打ちのオートマチックステップである。完璧にハマったときのスイングは芸術的で、非の打ち所が無い。

既に懐かしい存在だが、ブレット・ハーパーこそは最近少なくなった(前脚の踵が着地した状態から始動する)真のオートマチックステップだった。ただ、大腿四頭筋が効いているぶん、始動時の動きが遅く、始動してからバットが出るまでに時間がかかった。この事が、メジャーに定着出来なかった原因だろう。トップハンドの小指をボトムハンドに被せる、ルーズなグリップもバットヘッドの出を遅くしている原因だ。本質的には、ヘッドを素早く出せるスイングをしているのに、ここでも損をしている。こうした諸々の事情から、インハイの速球に対するプレッシャーには弱いと考えられる。日本人レベルの球なら、打てたのだろうが、そこへの対応のマズさが、メジャーに定着しきれない原因だったのでは無いか。





下の動画のように、遅い球を、始動後に一拍タメて打つのは上手かった。


ハーパーが技術論を語っている記事が週間ベースボールに載った事が有る。

その中では、ハーパーは自らの打ち方を「ノーストライド」と表現していた。さらに、下半身に非常に負担がかかる打ち方だとも言っていた。

オートマチックステップは、反動を付けない分、下半身の力が非常に重要になる。だから、重心を低くして構えたがる打者が多い。それは良い事だが、その時に膝の屈曲を主導として、重心を下げる打者が多いのが勿体ない所だ。ハーパーも、その典型例と言える。アメリカ球界に、オートマチックステップと、ハムストリングス、大腿四頭筋の理論が普及すれば、それだけで充分面白いと思う。

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