2013年4月21日日曜日

藤浪晋太郎



やはり、藤浪は良い。良いというか面白い。豪速球投手のようなイメージが有るが、将来的にメジャーに挑戦した場合、クセの有るボールの動きで勝負するようなタイプになると思う。この動画でも、最後はツーシームかどうか知らないが、シュート方向に動く速球で決めている。

前にも書いたように藤浪はパンチャータイプだが、体幹の前屈が目立つフォームだ。腕の出所が低いので解りにくいが、縦回転系のフォームだと思う。このタイプのフォームの投手は(良い悪いは別として)ツーシームやシンカーなどシュート系の球と、縦のカーブを武器にする場合が多い。ただ、唯一気になるのは、肩を壊しそうなフォームだということだ。

日本人で似たように体幹の前屈が目立つパンチャーのフォームとして、山口高志と村田兆治を挙げたが、メジャーにもこのタイプのフォームのパンチャータイプが何人かいるので、動画で紹介したい。

マックス・シャーザー
ロス・オーレンドーフ
マット・ガーザ
ジェームズ・シールズ
ジェームズ・マクドナルド
ダン・ウィーラー

基本的には、始動のタイミングが遅いタイプに多いと思う。つまり、ある程度重心移動で体を打者方向に運んでから「エイッ」と力を入れて投げているということだ。皆、体が大きいので95マイルは出ているが、メジャーの本当の豪速球投手は97マイル出す。その意味では、このタイプのフォームは真の意味での豪速球投手では無い。パンチャーのメカニズムでは、始動のタイミングが早い方が力が出るからだ。(軸脚に重心が100%乗ってる段階で始動したい。)

ただ、このタイプが面白いのは、始動が早いタイプと違い、腕の振りを緩めて変化球を投げる事が出来るということ。最初の動画でも藤浪が腕の振りを緩めてカーブを投げているが、これはいわゆる「ストレートと全く同じ腕の振りからのカーブ」では無い。

もちろん、腕の振りを緩めないカーブも投げられるが、緩めて投げる事も出来るということだ。そのため、このタイプのフォームは変化球を力感の無いフォームで投げる事が多く、スインガーのように見える事が有るし、スインガーのような、抜いて投げる感じの中速〜低速系の変化球を武器にしている場合が多い。

始動が早い投げ方(理想的なパンチャーのフォーム)だと、腕の振りを緩めようとしたら重心移動そのものが最初から遅くなるので、かなり早い段階で打者に気が付かれるので、使い物にならない。しかし、始動が遅い投げ方だと、最後の腕の振りだけ緩めて投げても、そこそこは使える変化球になると言う事だ。

こうしたあたりを考えても、藤浪の投げ方だと、将来的には豪速球投手では無く、多彩な変化球で勝負するタイプになるだろう。もちろん、ストレートも速いだろうが、それ以上に技術で打者を打ち取るタイプの打者になるだろう。