2013年4月18日木曜日

エチェバリア メジャー第一号


2013/04/16 Hechavarria's three-run jack

この前、紹介したマイアミ・マーリンズのアデイニー・エチェ・バリアがメジャー第一号を放った。

打ってる球は甘いし、スイングスピードも取り立てて速いわけでは無い。だからパワーヒッターでは無いだろう。

しかし、このスイングはちょっと凄いのでは無いか。感覚的な事だが、タダモノでは無い事を感じさせるスイングだ。

タイプは全く違うが、イチローの高校時代のスイングにも共通した物を感じる。それは肩甲骨の可動域の広さ。肩甲骨が胸郭の周りをグルッと「深く」回転しているように見える。イチローの高校時代のホムランスイングを見たとき、肩甲骨の可動域の大きさに驚いた事が有るが、あれと同じ感じを見たのは、それ以来始めてだ。

それに加えて、その上半身の回転が、完全に腰の上に乗っている。これはバリー・ボンズに共通する、黒人特有の凄さ。バスケットで中腰になった時、腰の上に上半身が完全に乗っている黒人は上半身の自由度が日本人より高い。これは野球の守備で無理な姿勢からのスローイングが出来るのにも通じる。

そして、フォーム全体は(一般的な表現を使うと)スムーズで無駄が無い。このへんには、年齢には不釣り合いな成熟した物を感じる。

また、かなり肩が深く回って、巻き込むように打っている割りには、打球が意外とセンター寄りな事も特筆に値する。普通なら、これだけ巻き込んで打つと、もう少し引っ張った打球になりそうなものだが、要するに、それだけバットの面をフィールド内に向けるのが上手いのだろう。確か2006年のWBCだったと思うが、キューバのグリエルがインコースの球をファールにせずに、フィールド内に入れた技術に驚いた事が有るが、それに似たものを感じる。

まだ筋力的な強さはあまり感じない。心配なのは、そうしたものが何時までたっても伴って来ない選手もいるということ。だが、もっとパワーが付き、スイングが速くなって来たら、かなり期待出来そうだ。自分で「守備の人」だと思っていなければ良いのだが。。