2013年4月13日土曜日

アデイニー・エチェバリア

アデイニー・エチェバリアと言う、1989年生まれの、期待出来る若手内野手がいる。

まずは下記動画。キンブレルの速球を空振している動画だが、スイングが素晴らしい。

2013/04/09 Kimbrel closes it out

この動画から二点。まず、このような速球に対しての空振は、打者の限界に近い能力を発揮したスイングなので、なまじミートしたスイングよりも、良いスイングである事が多い。だから投手のハイライト動画を見た方が素晴らしいスイングに多く出会える。もう一点は、この打者の良さの本質的な部分だが、非常に素晴らしい中心軸で、前脚と後ろ脚の体重配分が素晴らしい。バランス能力が素晴らしいと言う事だろうか。前軸が効いていながら、後ろ脚も活きている。(惜しむらくは、ややクラウチングが足りないので、後ろ脚に残り気味で前軸が効かず、空振りとしては巻き戻しが弱い。)

バランス能力の素晴らしさは、守備にも良く表れている。



次に、このプレーも地味に凄い。(2012/08/16 Hechavarria's cartwheel

1994年だったと思うが、始めてバリー・ボンズを見たとき、その打撃技術は、当時の自分にとっては前衛芸術のようで正直理解が出来なかった。しかし、ボディーバランスと言う点で他の選手よりも一頭抜けた存在である事だけは理解出来た。

普通の選手は、体の重みを筋肉で支えているか、或は、骨格で支える事が出来ていたとしても、その重みを地面に加えて立っているように見えたが、バリー・ボンズだけは違った。特に打席での身のこなしは、まるで、足裏と地面の間に数ミリの空間が有り、その上に浮いて動いているように見えたのだ。それほどの軽やかさであった。そして、重力に完全に打ち勝って育ったかのような骨格。高岡英夫の言う「腸腰筋で脚を吊って立つ」と言うのはああいう事を言うのかもしれない。ただ、その感覚はかなり彼の骨格の良さに起因するものなのだろう。実際、あの当時のバリー・ボンズのような立ち方の感覚は、今もって自分にも理解出来ない。

そして、このエチェバリアにも、あのときバリー・ボンズを見た時に感じたのと同じ感触を感じるのだ。もちろん、そういった選手はバリー・ボンズ以降、一度も見ていない。ただ、エチェバリアにはボンズほどのパワーは無いので違ったタイプの選手になるだろうが。

下は,マイナーリーグでのバッティング動画。練習の映像にはさほどすごみを感じないが、試合の中に、バリー・ボンズを彷彿とさせる空振りが有る(1.15~)前述のやや後ろ体重なのもボンズを彷彿とさせる。



まだ、パワーが無いので、打撃はしばらく時間がかかるかもしれない。しかし(3塁手登録になっているが)ショートを守る選手なので、ジーターのような選手になればと期待している。