2013年4月13日土曜日

ジェフ・サマージャ

気の早い話だが、今期MLBの奪三振レースではダルビッシュが20奪三振で2位に付けているが、1位の投手(奪三振22)が面白い。速い球が非常に良く動く。ちなみにパンチャータイプ。

ジェフ・サマージャ 

2012/08/13 Samardzija's stellar outing

1985年生まれの右腕で、過去3年、2勝、8勝、9勝とジワジワと来ている。

速球は時に100マイル手前に達するが、基本的にムービングボーラーで、特にシュート方向に滑る速球が面白い。緩急はあまり付けないタイプだ。因に、この手のムービングボーラーで球速がもう少し遅いタイプは結構いるが、それほど良い数字を出していない。やはり緩急を付ける球が必要なのだろう。ある意味、ムービングボーラーの方が時代を先取りしているが、それでも、本当に数字を残しているのは、もう少しオーソドックスな投球スタイルの投手だ。バックホルツやバーランダーのように、緩急も付けつつ、速球も動くタイプが最も強い。このへんのエース級の速球はサマージャのようなタイプに比べると動きは地味なので、見ている分には、サマージャの方が面白そうだが。

バッターの立場としては、多少ボールが動いても、強振すれば何とかヒットには出来ると言う事なのだろうか。それに比べると、緩急のどちらが来るのか解らない状況は打者を不安にさせる。余談だが、日本で通用していたレベルのムービングボーラーがMLBに行って、スピード不足からパワーで打ち込まれると言うケースは、これから出て来るのでは無いかと思う。

これだけ球速が出る投手が、これだけボールを動かして来る。このあたりに今のMLBの面白さが有る。投球技術のレベルに関しては、ランディ・ジョンソンの頃(90年代後半から2000年代前半)に比べて、一段平均レベルが上がった感が有る。これは、おそらく同じ時期の打撃技術の進化に比べて、やや上回っているのでは無いか。