2013年4月15日月曜日

間合いを嫌う

今期6本塁打と飛ばしているジョン・バックのホームラン

2013/04/09 Buck's two-run jack

構えの位置にバットを持って来るタイミングが遅いが、こうする事によって(バットの負荷による)腕の筋肉の緊張を防いでいる。(そのための手段は様々な種類があり、一長一短が有る。)

バッティングではタイミングが重要だが、打者が一度打席に入れば、打席を出るまでの全ての時間が「タイミング」である。いつボックスに入るか、いつ構えを作るか。

素晴らしいスイングをしているのに結果が出ないルーキーもいれば、ヨレヨレのスイングなのにまだ打ち続ける引退間際の選手もいる。こうした違いはアマチュアの選手にも見られる。

「スイング」は打撃の中の一要素に過ぎない。バッティングは投手との共同作業であって、その意味では素振りよりもキャッチボールに近い。そういう視野の広い打者は結果を残す。反対に、打席の中でスイングを気にしているような打者は視野が狭いタイプだ。

ところで、野球の解説で「間合いを嫌いました」と言う表現が有る。打者が、投手にじらされてボックスを外す行為だ。ここで注目したいのは、この行為は常に打者によって行なわれるということ。投手は自分の間で投げられるので、当たり前と言えば当たり前だが、投手は打者に比べて、道具の負荷が軽く、自然体で立っているので、少々の間合いは気にならないのだ。だから、打者にとっては「構えを作るタイミング」と言うのが重要になる。バットを立てて自然体で構える落合のような構えだと、楽なのであまり気にならないが、一種の変則打法と考えた方が良い。

スイング理論ばかりが取りだたされる。当たり前と言えば当たり前だし、打者の関心はやはりそこにあって当然だ。いくら打っても、スイングが遅ければ、スカウトの目には留まりにくいだろう。そのレベルだから打てるが、プロではどうかと思われるので、やはり打者はスイングを磨かなければならない。しかし、最後に対戦するのは投手であるということを考える事も大切だ。「自分達の野球をすれば勝てる」とばかりに「自分のスイングをすれば打てる」と考えるのは危険だ。