グレナレン・ヒル 野茂が渡米した当時、ジャイアンツでボンズの後ろを打っていた。
ジョー・カーター 1993年のワールドシリーズで打ったホームランが有名。ロベルト・アロマー、ジョン・オルルッド等とシト・ガストン監督のブルージェイズ黄金時代でプレーした。
パンチャータイプのオートマチックステップと言う理論に辿り着く最初のキッカケは野茂が渡米した当時から見始めたメジャーリーグ放送だった。その時に一種のカルチャーショックを受けた記憶が有る。
当時のメジャーリーグには今のAロッドやホセ・バティスタのように脚を挙げて打つ打者もほとんどおらず、パンチャータイプのオートマチックステップの打者は今より多かったように思う。そして、重心を落とし気味に構え、そこからテークバックを取らずにいきなりバットを振り出して来る打者が多かった。グレナレン・ヒルやジョー・カーターのような感じだ。
当時の自分の考えでは、体重移動を活かして前脚に軸を作り、ヘッドを遅らせながら体の回転を利用して打つのが理想的な打撃(ランディー・バースのような打撃)だと考えていたため、前述のようなメジャーの打者は「力任せで下手」に見えた。
なぜ、メジャーリーグに、こんなレベルの低い打者が沢山いるのか。これが最初のカルチャーショックである。
しかし、色々試しているうちに、こうした打ち方は重心を下げてスクワットダウンする事で、下半身に溜まったスクワットの力を、瞬発的にボールにぶつけるようにして打っているのでは無いかと考えるようになる。当時の私には、ここまでが限界だった。やってみると、無駄な動きは無くなるし、スイングはシャープになる。実戦的な打ち方だなと言うのがまず感じたことであった。だがもちろん、それはパンチャー本来のメカニズムでは無いし、実際、調子を保つ事も難しかった。(打つ前にスクワットダウンしながらタイミングを取っていたが、やってるうちに下半身の筋肉が緊張してきて動きが悪くなる。)
今のメジャーでも同じような感覚で打っている打者はいるのでは無いか。例えば、ジャスティン・モーノウは打ちに行く前に少し重心を下げる。こうして下半身に力を貯めているのだと思う。もちろん、これは本来は良く無い動きだが。(大腿四頭筋が効くので)
また、2012年に三冠王を獲得したミゲールカブレラは「両方の太腿に力を入れて待つ。その力をボールにぶつけている。」と自らの打撃を説明している。しかし、この感覚でも、意識的かつ瞬発的な力の発揮が有れば、メカニズムはパンチャーとなる。だから、パンチャータイプの打者も「下半身の力を使って」とか「重心をぶつける」と言う表現を使う事が多い。しかし、それでは自分の打撃メカニズムを理論的には正確に把握していないということになる。
そうこうしているうちに2001年、「メジャーの打法」と言うホームページの作者にインターネット上でだが話を聞く機会に恵まれる。そして、ここでまた衝撃を受けた。
私がスクワットの力を利用して打っていると考えていた打者に対する彼の見方は、私とは全く違っていて「まるっきり右腕で押して打っている。」「下半身を使わない打法である。」であった。こうした考えも最近では修正が加わっているようだが、ジーターに対する解説も、当時の私には受け入れ難いものだった。「大胸筋を使った大根切り」である。
「あり得ない」と思ったが、大体同じような打者に注目していたため、その理論が頭から離れる事は無かった。そして、その年か次の年かは忘れたが、今の理論の基礎が出来上がる。
つまり、下半身で先行動作を取らずに、いきなり(瞬発的に大きな力を発揮して)バットを振り出して打とうとすると、上半身でサイレントピリオドが発生すると同時に下半身が無意識に力を発揮して重心移動が発生する。だから、下半身で先行動作を取る必要は無い。そして、こうしたメカニズムを発動させるためには「静的な状態から、瞬発的に大きな力を発揮する」という事が必要になる。と言う理論だ。
つまり、スイングのための準備として、体を動かす動作は必要無い。最初から、いきなりバットから振り出して行けば良い。(重力で落とすとかでは無く、筋肉の力で振り出す)
つまり、野茂が渡米した当時にメジャーの打者から受けた印象は半分は正しかったと言うわけだ。メジャーリーガーは力任せに打っていたのだ。ただし、力任せで上手かった。
そして1994年に受けたカルチャーショックに対して、自分の中で咀嚼して、整理が付くまでに7年、8年かかった事になる。
こうした紆余曲折を経て思う事は、この「パンチャータイプ」と言うメカニズムに対しての理解が無ければ、結局、メジャーの打撃に対して「筋力が有るからこそ出来る事」「人種が違う」と言った見方から抜け切れ無いのではないかということ。例え、技術的に解説する事が出来ても、それでも最後の部分で「パワーが違うから」とならざるを得ない。これではメジャーを見ていても、技術に対して感情移入が出来ないから本当には楽しめない。
メジャーの技を本当の意味で味わい、楽しむためには「パンチャータイプ」と言うメカニズムに対する正しい理解が必要になるし、それが有ればメジャーリーグは非常に面白い。
ジョー・カーター 1993年のワールドシリーズで打ったホームランが有名。ロベルト・アロマー、ジョン・オルルッド等とシト・ガストン監督のブルージェイズ黄金時代でプレーした。
パンチャータイプのオートマチックステップと言う理論に辿り着く最初のキッカケは野茂が渡米した当時から見始めたメジャーリーグ放送だった。その時に一種のカルチャーショックを受けた記憶が有る。
当時のメジャーリーグには今のAロッドやホセ・バティスタのように脚を挙げて打つ打者もほとんどおらず、パンチャータイプのオートマチックステップの打者は今より多かったように思う。そして、重心を落とし気味に構え、そこからテークバックを取らずにいきなりバットを振り出して来る打者が多かった。グレナレン・ヒルやジョー・カーターのような感じだ。
当時の自分の考えでは、体重移動を活かして前脚に軸を作り、ヘッドを遅らせながら体の回転を利用して打つのが理想的な打撃(ランディー・バースのような打撃)だと考えていたため、前述のようなメジャーの打者は「力任せで下手」に見えた。
なぜ、メジャーリーグに、こんなレベルの低い打者が沢山いるのか。これが最初のカルチャーショックである。
しかし、色々試しているうちに、こうした打ち方は重心を下げてスクワットダウンする事で、下半身に溜まったスクワットの力を、瞬発的にボールにぶつけるようにして打っているのでは無いかと考えるようになる。当時の私には、ここまでが限界だった。やってみると、無駄な動きは無くなるし、スイングはシャープになる。実戦的な打ち方だなと言うのがまず感じたことであった。だがもちろん、それはパンチャー本来のメカニズムでは無いし、実際、調子を保つ事も難しかった。(打つ前にスクワットダウンしながらタイミングを取っていたが、やってるうちに下半身の筋肉が緊張してきて動きが悪くなる。)
今のメジャーでも同じような感覚で打っている打者はいるのでは無いか。例えば、ジャスティン・モーノウは打ちに行く前に少し重心を下げる。こうして下半身に力を貯めているのだと思う。もちろん、これは本来は良く無い動きだが。(大腿四頭筋が効くので)
また、2012年に三冠王を獲得したミゲールカブレラは「両方の太腿に力を入れて待つ。その力をボールにぶつけている。」と自らの打撃を説明している。しかし、この感覚でも、意識的かつ瞬発的な力の発揮が有れば、メカニズムはパンチャーとなる。だから、パンチャータイプの打者も「下半身の力を使って」とか「重心をぶつける」と言う表現を使う事が多い。しかし、それでは自分の打撃メカニズムを理論的には正確に把握していないということになる。
そうこうしているうちに2001年、「メジャーの打法」と言うホームページの作者にインターネット上でだが話を聞く機会に恵まれる。そして、ここでまた衝撃を受けた。
私がスクワットの力を利用して打っていると考えていた打者に対する彼の見方は、私とは全く違っていて「まるっきり右腕で押して打っている。」「下半身を使わない打法である。」であった。こうした考えも最近では修正が加わっているようだが、ジーターに対する解説も、当時の私には受け入れ難いものだった。「大胸筋を使った大根切り」である。
「あり得ない」と思ったが、大体同じような打者に注目していたため、その理論が頭から離れる事は無かった。そして、その年か次の年かは忘れたが、今の理論の基礎が出来上がる。
つまり、下半身で先行動作を取らずに、いきなり(瞬発的に大きな力を発揮して)バットを振り出して打とうとすると、上半身でサイレントピリオドが発生すると同時に下半身が無意識に力を発揮して重心移動が発生する。だから、下半身で先行動作を取る必要は無い。そして、こうしたメカニズムを発動させるためには「静的な状態から、瞬発的に大きな力を発揮する」という事が必要になる。と言う理論だ。
つまり、スイングのための準備として、体を動かす動作は必要無い。最初から、いきなりバットから振り出して行けば良い。(重力で落とすとかでは無く、筋肉の力で振り出す)
つまり、野茂が渡米した当時にメジャーの打者から受けた印象は半分は正しかったと言うわけだ。メジャーリーガーは力任せに打っていたのだ。ただし、力任せで上手かった。
そして1994年に受けたカルチャーショックに対して、自分の中で咀嚼して、整理が付くまでに7年、8年かかった事になる。
こうした紆余曲折を経て思う事は、この「パンチャータイプ」と言うメカニズムに対しての理解が無ければ、結局、メジャーの打撃に対して「筋力が有るからこそ出来る事」「人種が違う」と言った見方から抜け切れ無いのではないかということ。例え、技術的に解説する事が出来ても、それでも最後の部分で「パワーが違うから」とならざるを得ない。これではメジャーを見ていても、技術に対して感情移入が出来ないから本当には楽しめない。
メジャーの技を本当の意味で味わい、楽しむためには「パンチャータイプ」と言うメカニズムに対する正しい理解が必要になるし、それが有ればメジャーリーグは非常に面白い。