2012年7月14日土曜日

7月14日 雑記

(1)http://www.youtube.com/watch?v=2TFTMp8do3w&feature=plcp

アダム•ジョーンズ

オリオールズと言えばアダム•ジョーンズ抜きには語れません。見るからに筋の良さそうな黒人選手です。2009年以来19本19本25本と二ケタ本塁打を記録しており、今期は既に20本。順当に行けば30本打つでしょう。

http://www.youtube.com/watch?v=DCHoi9fd8is&feature=fvsr

この選手は、構えた時、脚を挙げた時の姿勢が素晴らしい。膝で曲げずに股関節で曲げる事が見事に出来ています。だからこう、構えを見た時になんとも言えない気品を感じるのです。それが筋が良いと言う事で、例え2割8分の25本でも、そういう選手には存在感があるものです。

http://www.youtube.com/watch?v=1w8n5JHDVOA&feature=plcp

この動画の0.32から横からのスローが有りますが、撮影角度の問題もあるものの、後ろ脚股関節が良く割れており、両脚の角度が素晴らしい。スタンス幅が狭いのも後ろ脚に体重を乗せる脚上げ型としては良いのです。後ろに体重を乗せたときの形も素晴らしい。脚上げ型の見本の一つです。

この打者の長所の一つが緩い球を引きつけて打つのが極めて上手いと言う事で、それは後ろ脚に体重を乗せる動作のツボを全て抑えているからです。

http://www.youtube.com/watch?v=5_hZpw_TrMQ&feature=plcp

ただ、残念なのは2011年から片手フォローで打ち出した事で、その悪影響が比較的解りやすく出てしまっている事です。手首の返しが早くなり、ボトムハンドの手の平が上を向くのが早く、フィニッシュの収まる位置も低くなっています。この感じのフォローを取り続けると、少し心配です。

両手振り抜き時代(2010)
http://www.youtube.com/watch?v=1YdkhDZOMhk&feature=fvsr
http://www.youtube.com/watch?v=x7PQIKK-iKw&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=5OvRERwMw0I&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=guMreXvbhlQ&feature=plcp

片手フォロー初期(2011年4月)
http://www.youtube.com/watch?v=Kg_ciZf2oC4&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=dAYdu2UUfjQ&feature=plcp

最近(2012年前半)
http://www.youtube.com/watch?v=mRfGaf2A__8&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=01qvg4f4j6g&feature=plcp

最近はフォロースルーで手首が返るのが早くなり、スイングにも瞬発的な感じが弱くなり、前脚も開きやすくなっていますが、このへんは片手フォローの悪影響でしょう。片手フォロー初期のようなスイングも最近では見られなくなりました。

何度も書きますが、片手フォローはやり始めた時には感触が良いのです。しかし、それに勘違いして続けていくうちに調子が悪くなって行き、スイングにクセがつく事が問題なのです。

せめて両手で振り抜く練習だけでも定期的に行えば違うのですが。。まだ26,7歳と若く、これからのメジャーを背負って行く打者の一人で有るだけに気がかりです。一度、じっくり打席を見てみたい打者ですね。確かな技術を持っている選手です。


(2)http://www.youtube.com/watch?v=5c5_LLXeYcg&feature=plcp

 Brian Matusz

80マイル台前半のチェンジアップが面白い左投手です。それにスライダー、カーブですね。0.22からが見所です。ややスリークォーター気味から腕が出る左投手でスライダーとカーブだけならありきたりなのですが、チェンジアップが良いのが面白いですね。

いずれにしても腕の振りとボールのスピードのギャップが良い投手です。タイプ的にはやはりパンチャーでしょう。腕を下に下げたところから始動していると思います。こういうタイプの場合、カーブもスインガー的に比較的大きくなります。この投手のカーブもいわゆるパンチャーカーブと言うよりは普通のカーブに近いものが有ります。この動画の0.25から( http://www.youtube.com/watch?v=_YR5Fs7SS7Y&feature=plcp )

ただ、クイックモーションはもう一つですね。腕を下げる動作ぶんだけ遅れています。
http://www.youtube.com/watch?v=E6e539RDH9s&feature=plcp

この動画の冒頭を見ても、腕の出所、前脚の伸び、投げた後のターン、フォロースルーでの投球腕の形など、パンチャーらしさが出ています。
http://www.youtube.com/watch?v=jaNdQhxGiJI&feature=plcp

この手の、腕を下げてから始動するパンチャーと言うのは、バッティングに例えるとバット立て型のようなもので、リラックスした状態から瞬発的な力発揮さえ出来れば、良い球が行きます。というより形よりむしろそこに重点を置いた投げ方だと言えるでしょう。投球腕を身体の近くに置く事で、腰が引けにくく、ハムストリングスを使いやすい傾向も有ります。(ただしラボでは決して奨める事は有りません。)

ジェレッド•ウィーバーなどがこのタイプですね。
http://www.youtube.com/watch?v=M2h0baNXnE4&feature=plcp


(3)http://www.youtube.com/watch?v=IY5-qR2sR1I&feature=plcp

Chris Tillman

実にタイプ分けが難しい投手ですが、パンチャーでしょう。(最初はスインガーかと思いましたが)やはり腕を下げたところから始動するパターンです。

まず、一塁への倒れ込み方も、スインガーならこういうターンするような感じにならず、体重移動だけで倒れ込む感じになります。また、よく見ると、回内気味に下ろした投球腕が始動した直後に返ってますが、スインガーでこの動作なら、もっと回内したまま肘から挙ります。

極めつけはカーブで上の動画の1.14からのカーブは、引っ掻きながら抜くように投げる(ように見える)パンチャーの投げ方です。軌道や球速はスインガーに近いものが有りますが、それも始動ポジションの形成が遅いパンチャーの特徴ですね。

スインガーのカーブ(ジオ•ゴンザレス)と比較してみましょう。(0.17~)
http://www.youtube.com/watch?v=zBs4q5-7yPE&feature=plcp
スインガーの場合、スッポ抜かせるだけのような投げ方になります。要はスインガーなので「えいっ」と力を入れる投げ方では無いのです。その「えいっ」がパンチャーには有るのです。

http://www.youtube.com/watch?v=T6S_8VFkFz4&feature=fvsr
ただ、この動画では緩くカーブを投げてますので、もう一つ腕の振りに(パンチャー的な)力感が無いのですが、つまり力を抜いて投げてるわけです。パンチャーで力を抜いて投げると、始動時に発揮される下半身の力から弱くなりますから、この動画でのカーブの場合、投球フォームが全体的に緩んだ感じになります。勘の良い打者なら投げる直前に解るかもしれません。速球がシュートする感じもパンチャー的です。

大きなカーブと、90マイル台後半が出る速いストレート、ツーシーム、その他、チェンジアップやスライダーなど。。

どちらかと言うと、スインガー的なピッチングスタイルに見えます。ただ、緩急は使えるものの、投球モーションの時点で緩急の変化が出る傾向が有るので、その辺はどうなのでしょうか。

非常に速い球を投げるのですが、この投げ方だと、そのパフォーマンスもいつまで保てるかやや不安です。むしろテクニックを磨いて技巧派に転じた方が面白いと思わせる投げ方です。1988年生まれとまだ若いだけに。もちろん、投げ方を根本的に変えるのがベストなのですが、評論的に書くと、そういう見立てになります。