2012年7月13日金曜日

7月13日 雑記

(1)http://www.youtube.com/watch?v=hcCU7Z7_Gbg&feature=plcp

Nolan Reimold

パンチャーの二段ステップですね。中々いい感じです。重心が高いですが、それが単に突っ立っているだけでは無く、四頭筋を緩めて、ハムストリングスで立つと言うことが出来ています。トップ型で構えているので、胸椎が後湾し、骨盤が前傾しやすいので、そうなるのです。

コマ送りで見ると、ステップの際、(ステップの大きさの割には)頭の位置が大きく沈むのが解ります。コースはベルトハイのストレートです。これはパンチャーの基本メカニズムを考えると読み解ける動作です。始動時に収縮した下半身の筋肉が、弛緩する事により落下する際に起きる現象ですが、突っ立っているぶん、筋肉が弛緩しやすいので沈み込みが大きくなるのです。

反対に、重心が低い打者は、始動時の下半身の力で重心を突き上げる動きが目立ちます。重心を低くする事により下半身の筋肉に負荷がかかり、大きな力が発揮されるからです。もちろん、丁度良い高さの重心で、筋肉の働きが良いと、突き上げる動作も、落下する動作も適切に出現します。一方、重心が高い構えで、四頭筋の力が抜けているケースでは、この打者のように沈み込みが目立つのです。いずれにしても、ステップの動きの中でタスキラインが引き伸ばされれば良いわけです。

他の動画を見ても、同様に沈み込みが目立ちます。重心が高く、沈み込みが目立つ例の典型ですね。それと言うのも、トップ型で構え、ハムストリングスが効いて大腿四頭筋が緩んでいるからです。

http://www.youtube.com/watch?v=ZbRfNCyTyfs&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=-PsOXX8PhG4&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=-PsOXX8PhG4&feature=plcp

重力に逆らって力を発揮する事で体重を支える大腿四頭筋に比べ、ハムストリングスで立つ場合、地面を下に押してその反力で身体を持ち上げる要素が大きいので、重力に逆らわないぶん、脚の筋肉が弛緩しやすいのです。

今期16試合出場で打率0.313の5HRと中々良い数字を出しています。

両手で振り抜いたスイング
http://www.youtube.com/watch?v=eJHwTDVw-7s&feature=plcp

揺らぎでの足踏みの仕方なんかを見ても、ハムストリングスが使えている事が解ります。オートマチックステップもどきながら、この動画なんか少し重心も低く、いい感じですね。後半に横からのスロー有り。
http://www.youtube.com/watch?v=4tWtoPoEhBQ&feature=plcp

ヘッドの出が早い、パンチャー特有のスイングです。Aaron Hillを思わせますね。
http://www.youtube.com/watch?v=ObOxhOmJL5g&feature=plcp

パンチャーの良い要素は全部知ってるものの、その全てがかみ合って来ないと言う意味で、どういう方向に流れるかが気になる打者ですが、良い素材であるとは言えるでしょう。1983年生まれ。

(2)http://www.youtube.com/watch?v=voFX88NoIbs&feature=plcp

 J.J. Hardy

バット立て型のパンチャー二段ステップです。

膝が前に潰れ、膝屈曲主体の構えになってます。これもバット立て型だと、肩関節の内旋がかからず、胸椎の後湾、骨盤の前傾が作りにくいからです。ただ、バット立て型で構えると腕の力が抜きやすく、それゆえの振り抜きの良さが長所です。個人的には好きなバッターです。サミー•ソーサと似た特徴の構えをしている打者です。

バット立て型だと、バットが振り出される前に、トップの角度を通り超してバットが倒れ過ぎる場合が多いのですが、それは構えでトップの角度に腕を固定しておらず力が抜けている分、バットが倒れだすと歯止めが利きにくいのです。

この動画の最後のスーパースローを見ると、前足が着地した時点でかなりバットが倒れています。http://www.youtube.com/watch?v=cRovIiqqqX8&feature=plcp

色々と、クセが出てしまうのですが、リラックスした状態から一気に振り抜くと言うパンチャーの基本は出来ている打者ですね。

日本では無名に近いですが、大型ショートとして中々の成績を残して来ています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/J.J.ハーディ

オリオールズの大型ショートの右打者と言う事で、カル•リプケンJrを思い出す人もいるでしょう。とにかくパワフルなスイングが魅力的です。

このパワーの打者が、このスローイングをするわけです。
http://www.youtube.com/watch?v=IAePGdQHLv8&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=noVGsfi_pdo&feature=plcp

非常に身体そのものの力強さを感じる選手です。

こういう選手が日本であまり知られていないところがメジャーリーグの奥深さです。

(3)http://www.youtube.com/watch?v=DzxwqHeJp8Q&feature=plcp

Jason Hammel

現在8勝5敗 防御率3.47 今期のオリオールズの勝ち頭。

80マイル中盤の縦のスライダーと、90マイル中盤のシュートする速球、最後にはカーブも見られます。この感じの球を投げれば、日本だとどういう感じなのでしょうか。日本代表のエース級になるのでしょうか。日本野球を見てないので想像出来ませんが。

タイプ的には恐らくパンチャーだと思います。始動ポジションが遅めのパンチャーなのでしょう。実際にはこのタイプが一番多いようにも思えます。

この動画の最初の斜め横からの映像を見ると、パンチャーと見て間違いなさそうです。
http://www.youtube.com/watch?v=mCpxZ-GZm-0&feature=plcp

シュートする速球、要はツーシームファストボールなのでしょうか。カムバックシュートのような面白い軌道を描きます。パンチャーと言うと始めは高速スライダーを得意とするイメージで見ていたのですが、実は意外にも高速シュートを得意とするタイプが多いのです。

この動画の一球目はライジングファストボールです。
http://www.youtube.com/watch?v=ddQSaeIkZZ8&feature=plcp

この動画の一球目も凄い。
http://www.youtube.com/watch?v=NVtAuBk2nrI&feature=fvsr

この動画の冒頭で立ち姿が見られますが、両肩がせり出して胸椎の後湾が目立つ体型です。http://www.youtube.com/watch?v=LKBHi7NmFJ0&feature=plcp

投げ方的には(重心移動の初期に)両腕をお腹側にやや大きく出して、骨盤が後傾しそうな姿勢を取りますが、この体型ゆえに骨盤が良い角度に保たれるので力が発揮出来るのです。その意味では、体型に助けられている部分が多い投手だと言えます。

この動画を見ても解るように投げ方的には骨盤後傾の部類に入りますが、体型が良いので、投げ方の割には骨盤が後傾しにくく、力の有る球が投げられるのです。
http://www.youtube.com/watch?v=CVNhqpLCM9E&feature=plcp

こちらは打撃ですが、打撃もパンチャーのようです。構えを見ると胸椎の後湾が顕著なタイプなのが解ります。そして腰椎の前湾も形成されているように見えますし、股下も短い、得なタイプの体型ですね。http://www.youtube.com/watch?v=LVDkGzT4Rqw&feature=plcp

ややイカリ肩気味なのが気になりますが、この体型で手足が長いのであれば投手として成功して当然でしょう。スライダー、カーブ、ツーシームが大きな武器と見ました。