2015年5月6日水曜日

STEP8 構えの作り方(超基礎)

 構えの形についてはSTEP7で書きましたが、ここではその構えを実際に打つ時にどうやって作るのかという事について説明します。

 構えの作り方の根本は非常に簡単です。下の動画のようにグリップを体の中心よりやや捕手寄りの低い位置に置いて、スタンスだけ決めて自然体で立ちます。そこから重心を下げて行くと、体の連動が働き、グリップが自然にトップの位置に入り、体に捻りが入ります。これによってSTEP7で提示した構えの形が出来上がります。



(図)重心を下げると体の連動で自然に構えが作られる

 次に重要になるのは、この「重心の下降」をどうやってやるかと言う事です。重要なポイントを2点挙げます。

1)直線的にスクワットダウンして重心を下げてはいけない
2)膝の屈曲ではなく股関節屈曲を利用して重心を下げる

 下図を見てください。膝の屈曲を中心とした重心下降です。ウェートトレーニングのスクワットでも良く無いとされている形ですね。この形を作らない事が大切です。

 次に下図を見てください。下図は股関節屈曲を中心とした重心下降です。この場合でも、大腿骨の傾斜によって膝も曲がる事が解ります。これが「股関節屈曲主導の重心下降」です。構えで重心を下げる時は股関節屈曲を主導とする事が大切です。

 では具体的にはどうすれば良いのでしょうか。それを説明しているのが下の動画です。重要なポイントは以下の通りです。

1)事前に腰を反り、その反動で股関節を屈曲させる
2)直線的にスクワットダウンせずに揺らぎを利用して重心を下げる


 つまり腰を反った反動で股関節で体を折った後、揺らぎを利用しながらさらに重心を下げて構えを作るという手順になります。

(1)については股関節屈曲を主導とするために必要である事は解りやすいでしょう。なお、この動きでは腸腰筋の伸張と、その反射による収縮を利用します。
(2)についてですが、膝というのは純粋に曲げ伸ばしに特化された関節なので、直線的にしゃがもうとするとどうしても膝の屈曲に依存します。一方、揺らぎで体重を受け止めた時に起きる僅かな股関節屈曲を利用すると、膝の屈曲が起こりにくくなります。なぜなら股関節というのはボール&ソケットという構造をしているため、単純な屈曲伸展の運動が起こりにくいからです。

(1)腸腰筋の伸張〜収縮による股関節屈曲

(2)股関節の構造(ボール&ソケット)

 流れとしてはまず腰を反って腸腰筋をストレッチした後、その反射的収縮を利用して股関節で体を折ります。そこから揺らぎを利用しながら少し重心を下げて構えの形に微調整を加えます。なお、重心を下げて行く過程で、最初に説明したようにグリップがトップの位置に入り、体に捻りが入ります。
 このようにして構えを作り、構えが出来たら揺らぎをやめてスイングします。この一連の流れをやってみましょう。

 下図で言うと(1)〜(2)までは腸腰筋による股関節屈曲を使い、(2)〜(3)までは揺らぎを使って重心を下げるイメージを持ってください。
 注意点としては最初はグリップを低い位置に置いておく事です。最初から高い位置に置くと、重心を下げる時に反作用でもっと高い位置にまで挙がって適切な高さを超えてしまうからです。