2015年5月5日火曜日

STEP5 オートマチックステップの習得

 BPL理論ではオートマチックステップをパンチャータイプの基本かつ理想型と位置づけています。オートマチックステップとは構えから直接バットを振り出す打ち方の事で、バットを加速しようとした結果、ステップやテークバック、重心移動がオートマチックに起こります。この打法は一般にキューバ打法と言われる事が多く、ノーステップ打法と混同されがちですが、ノーステップでは有りません。キューバ打法=ノーステップと間違えて捉えてしまった事が、日本球界が「真の意味でのキューバ打法」を消化出来なかった事の大きな理由です。

 まずは下の動画でオートマチックステップのイメージを掴んでください。


 ここでは事前プログラムと言う事で、基礎の基礎(下の動画のSTEP1)をやってもらいます。瞬発的な力の発揮を意識しやすいように、バットは極力軽いものを用意してください。塩ビパイプ等でも充分です。そしてややスタンスが広くドッシリした構えを作り、バットはあらかじめトップの位置に置いておきます。この構えを作ったら後はそこからバットを素早く振り抜く事だけに意識を集中させ、一気に振り抜いてください。ここでステップがオートマチックに起こったら成功です。それがオートマチックステップです。
 また、動画のように補助者に手を叩いてもらい、その音を合図にスイングを開始すると言うのも良い方法です。これは瞬発的な出力を意識しやすくするためにやっています。

 ここでは、形うんぬんは抜きにして、とりあえずオートマチックステップを出来るようになってもらう事がポイントです。そのため、それさえ出来ればそれで良しとします。素人でも簡単に出来るので難しく考えずにやってみましょう。



 オートマチックステップの感覚が掴めたでしょうか。出来ないという人は、スタンスだけ少し広めにとって、それ以外は自然体の楽な構えで良いので、両足踵に体重を乗せた構えから、形は気にせずに思い切り振ることだけに集中して、もう一度やってみましょう。

※)全力で振ることが重要です。軽く振ろうとするとAPAを充分に使えません。
※)最初は前足が爪先立ちになる人が多いですが、踵までつけて構えてください。
※)ノーステップや意識的に脚を挙げるのはもちろんNGです。

 動画のSTEP1でとりあえずオートマチックステップが出来るようになったら、次にボールを打ってみましょう。(STEP2)ただ、まだこの段階では思うように力を発揮できない可能性が有ります。今まで体重移動を使って打って来た人が、その体重移動を無くした事で単純な引き算になってしまい、腕の力だけで振ることになってしまうからです。しかしSTEP3を見てください。STEP3の動画は実践者の1年以上に渡る取り組みのビフォー&アフターです。オートマチックステップの打ち方を続け、さらに股関節のトレーニングを積んで行くと、始動時の下肢出力が強くなり全身の力を最大限に使ったスイングが出来るようになって来ます。このレベルに達すると脚を挙げたり反動を付けたりしない方がパワーを発揮できると言う事が解ってくるでしょう。
 勿論ここではSTEP2までしか出来ませんが、継続して取り組んで行く事でSTEP3に見られるような変化が起きるのだと言う事をあらかじめ知っておいてください。