2013年5月14日火曜日

マーク・トロンボのフォーム改造

トロンボの事は何度も繰り返し紹介して来たのでご存知だと思うが、ラボでも高く評価している右の若手大砲である。今期も打率0.271で9本塁打と、中々の成績を挙げている。

そのトロンボだが、今期は2段ステップから(昨季も時おり見せていた脚上げ型)に改造し、飛距離を伸ばした感が有る。

このホームランも凄い。


では、脚上げ型にすることで、飛距離が向上したのは何故だろうか。単純に反動が付くからと言うだけの話では無い。

昨期までのトロンボは「爪先で着地するタイプの二段ステップ」であったが、このタイプには有る問題が有る。

試しに打撃の構えを作り、前脚を爪先立ちにしてみてほしい。膝が前に出るのが解ると思う。そして、この結果、バランスを取るために後ろ脚の膝も前に出る。

何度も書いて来たように、膝が前にでる形を作ると大腿四頭筋が緊張し、ハムストリングスの力が使いにくくなる。だから爪先だけで着地する二段ステップの打者と言うのは基本的に腰の回転が小さく、スイングもコンパクトになるのだ。

昨季までのトロンボ(動画)は正にその典型的な例であったが、それを脚上げ型に改造する事によってパワーを向上させた。そこへ持って来て、この動画ではまさにこれ以上無いタイミングでピッチャーがボールを投げている。このタイミングで投げてくれると打者の腕の筋肉は極めてリラックス出来た状態で打つ事が出来るので、このくらいヘッドの抜けが良いスイングになるのだろう。

しかも。

これはアフターケア掲示板でのホセレイエスさんとのやりとりで考えついた事だが、右打者にとって右投手はリリースポイントを見ようとすると目線の位置関係上、腰が回りやすくなる。とすると、右打者は右投手からの方が長打を打ちやすいのでは無いだろうか。もしそうだとすると、右の長距離砲に「長打だけは打たれたく無い」と言うシーンで左のサイドハンドを器用する等も面白いかもしれない。

そうした中、冒頭のホームラン動画ではインコース寄りにボールが来ている。一本のホームランにも、こうした様々な要素が絡んでいるのだろう。