2013年10月10日木曜日

ウリーベとセスペデス

打者にとっての重要な能力として「ついていく能力」というのが挙げられる。打率は2割ちょっと。ホームランも10本そこそこなのに、良い投手が出てきても対応出来る打者がいる。その逆に、首位打者を取ったり、ホームラン王になっても、良い投手が出て来ると、能力が発揮出来ない打者がいる。

個人的には、この「対応力の高い打者」に魅力を感じる。こういう打者は、短期決戦などで思わぬ大仕事をする印象があるからだ。

そうした意味で、特に注目しているのが、ドジャーズのホアン•ウリーベだ。ビックリ箱のような選手で、ポストシーズンには強いが、聞く所によると、変化球への対応に難があるらしい。しかし、見ている限り、上手く反応している。この「反応している」というのがミソで、たとえ打てなくてもバットが止まったり、ファールに出来ればそれで良いと言う考えだ。今年もディビジョンシリーズで2本のホームランを打ち、存在感を示した。

二回バントを失敗した後に、ホームランを打つあたりが、いかにウリーベらしい。


ちなみに、ウリーベと似た匂いを感じるのが、アスレチックスのセスペデスで、この打者にも注目している。


また、こうした「対応力」というのは、プロ野球選手を作りたいなら、重視するべきファクターだと思う。なぜなら、打率3割やホームラン30本という数字に関しては、その選手の健康面やモチベーション等と言った要素がそろわないと達成出来ないため、技術論だけではカバーしきれないからだ。なので、もっと大雑把な視点で「地力」を引き上げる必要が有る。つまり、高校野球や大学野球などと言った、その選手がいまいる環境の中で高い数字を残すというのも一つの能力には間違いないが、それが、イコールプロ野球選手になれる能力であると言う事にはならない。

ちなみに、今年のポストシーズンは、タイガース対ドジャーズのワールドシリーズになる事を期待している。バーランダー、シャーザー等、タイガースの強力投手陣と、プイーグ、ウリーベ等、未知数のパワーを秘めた打者の対戦を見てみたい。

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