1.20のダンクシュートを見てみましょう。凄いバネですね。黒人の凄さは、この縦のバネと背筋力を利用したこのダンクのような動作で顕著になります。
解りやすく言うと、この縦のバネの力が強いのですが、そこにばかり目がいくと、腰椎の前湾と大殿筋が発達してヒップアップした体型にしか目がいきません。胸椎が後湾している事を見逃しがちです。
要するに、そういう場合「ハイ、黒人のマネして」と言った時に、腰を反ってお尻を突き出した姿勢をとってしまう事になるわけで、実際、この種の誤解が多いのです。
そうでは無く、黒人体型の特徴は、腰椎の前湾と同時に胸椎が後湾している点にあります。つまり脊柱のS字カーブのクビレが効いているのです。ですから、下の動画でしゃべっている黒人のように胸が凹んで見え、胸椎の後湾によって、肩甲骨が外転するので、肩が前にせり出して見えます。
腰を反ったり、腸腰筋その場ステップを繰り返すだけでも、胸椎後湾のアーチが高い位置に形成されるようになり、背筋が盛り上がってきます。そのように身体を作って行く必要が有るのです。
背筋をすれば良いのか。これは違います。体育の授業でやる背筋ではあまり効果がありません。
脊柱のしなり単体でのトレーニングと、脊柱のしなりと股関節の屈曲伸展を組み合わせた動きでのトレーニングが必要になります。
野球の場合、とかく捻りに目が行きがちです。もちろん、捻りも重要ですが、黒人の凄さがもっとも解りやすく出るのは「縦のバネ」です。
黒人のダンスには、これらの動きの要素が、ふんだんに盛り込まれている、というか、正にそのものなのです。
ただ、最近はヒップホップ等の黒人のダンスが普及し過ぎて、音楽から独立してしまい、一種のアートに昇華した感が有るのですが、これが良いようで良く無いのです。アメリカ特有のエアロビクス競技のような雰囲気になってしまい、ファンキーさが薄くなって来たため、黒人特有の運動の感性が表現されにくくなってしまった。そういう意味ではミュージシャンが音楽に合わせてノッてるシーンの方が、黒人らしい動きが表現されていたりするわけです。黒人特有のコブシの効かせ方等も、身体で表現されるのですが、そういった意味でも、黒人のダンスは音楽と切り離して考える事が出来ないものだと言えるでしょう。