2012年6月11日月曜日

アメリカの教え方



これはアメリカ人がアメリカ人にダンスを教える動画です。特に黒人の場合、体幹を上手く使ってリズムを取る事が自然に出来るので、教える方は動画のように振り付けを教えれば済むわけです。もちろん、その中で体幹でリズムを取るのが上手い人は上手くなるし、上手く無い人はあまり上手くならないと言う事です。

一方、日本人に教える場合は、振り以前に体幹でリズムを取る、しかも日本人にあまり馴染みの無い動きで、と言うあたりから教えて行く必要が有るわけです。

バッティングを教えるのもこれと同じで、パンチャータイプのオートマチックステップを黒人に教えるのなら「打撃理論」を教えるだけで済むでしょう。しかし、日本人に教える場合、そうはいかないと言う事です。

同様に、メジャーの打撃技術、投球技術が優れているからと言って、その「教え方」を直輸入すれば良いかと言うと、全くそういう事では無いのです。それは、日本人でこれからダンスを始めようと言う人に上の動画を見せているようなもので、スタンス幅やグリップの形はマネ出来ても、中身は全く違うものになってしまうわけです。

「アメリカの教え方は日本人には合わない。」

ある意味、奥行きの深い言葉です。

これと似ているのがウェイトトレーニングで、メジャーの選手がウェイトをガンガンやるからと言って、そのメソッドを日本に持ち込むとどうなるか。脊柱のS字カーブの湾曲にメリハリが無く、骨盤が後傾しやすい日本人体型のまま重い物を担いだりしていると、肉付きまで悪くなります。ボンズやマグワイアのように元の骨格が良ければこそ、ウェイトトレーニングの効果が吉と出るのであって、日本人体型のままだとむしろデメリットの方が大きく出てしまう事が多いでしょう。ただ、いずれにしても、スローイングに関して、肩が回りにくくなる事だけは否めません。これがある意味最大の問題かもしれません。

アメリカ式の技術指導、トレーニング方法で日本人を教えても成功する事は難しいでしょう。