2013年9月10日火曜日

オートマチックステップ巡礼の旅(23)グレナレン・ヒル



野茂が渡米した当時、ドジャーズと良く対戦するジャイアンツでボンズの後ろ、5番か6番あたりを打っていた打者。

当時は、ランディー・バースのようなスインガータイプの打撃を理想だと考えていたため、初めて見た時「それは無いだろう」と思った記憶が有る。どうみても、腕力だけで力任せに振っているようにしか見えなかったからだ。しかし、パンチャータイプのオートマチックステップと言う打ち方に対する理解が有ると、こういうスイングに対して理解出来るようになる。

例えば、日本に初めて来たアメリカ人が、吉野家のような店でガラスのジョッキに入ったカップ蕎麦を出されたら、どう感じるだろうか。得体のしれない物にしか思えないだろう。しかし、京都の高瀬川あたりの料亭のような店で、着物を来た店員に、質の高いざる蕎麦を出されたら、そこで蕎麦と言う食べ物が理解出来るようになる。その次にカップ蕎麦と来て、最後にジョッキに入ったカップ蕎麦なら、雰囲気が出ないだけで意味は理解出来るだろう。

当時の私にとっては、ヒルの打撃は、ガラスジョッキに入ったカップ蕎麦だったと言う事である。いきなり、グレナレン・ヒルなら理解出来ないのも無理は無い。

この動画は2000年のもので、マグワイアを参考にしてか、直前までバットをぶら下げているのでまだ腕の力が抜けているが、1995年当時は、もっと強引な感じだった。しかし、この動画では、バットを下げておいて、引き上げた連続で打っている状態に近いので、流れを利用している感が有り、そのぶんスイングは(当時より)柔らかいが、フィニッシュも開き気味になっている。その意味では95年時のフォームの方がパンチャーらしくて良かった。

因に、メジャー13年間の通算成績は、打率0.271のホームラン187本。意外と率が高いのが目を惹く。1998年には390打数121安打で打率0.310(ホームラン20本)を記録している。

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