2013年9月9日月曜日

オートマチックステップ巡礼の旅(19)エリック・キャロス

野茂が渡米した当時からのメジャーファンなら憶えているだろう。当時、マイク・ピアッツァ、ラウル・モンデシー等と、ドジャース打線の中核を形成していた。

両手振り抜きのオートマチックステップで、1995年から2000年の間の6年間の成績が目を惹く。この安定感に両手振り抜きのオートマチックステップらしさが有る。

    HR   AVG   RBI
1995 32   0.298  105
1996 34   0.260   111
1997 31   0.266  104
1998 23   0.296       87
1999 34   0.304  112
2000 31   0.250  106

ステップが解りやすいのは1.07からと、1.54から。


フォーム的には、やや重心が高く、スタンスも狭く、捻りが入っていない。「楽に立つ」事を重視した自然体の構えだ。また、肩も地面と水平になっているので、後ろに体重が残りやすく、前脚も開きやすい。捻りが入っていないので、スイングはややアウトサイドイン気味に身体の全部が一緒に回る感じになる。

ただ、そうした問題云々以前に、この無駄の無い構えから両手でバットを振り抜き、しっかりとボールを打ち抜く打ち方に、キャロスの打撃哲学を感じる。そこが、この打者の長所と言っても良い。

1990年代は、こうした感じのフォームが多かった。どことなく野暮ったい印象も受けたが、そうした打者達のフォームのイメージが蓄積されて、後にオートマチックステップと言う理論に辿り着く原因となった。

オートマチックステップの全盛期は、やはり1990年代だろう。その後、Aロッドが登場し、脚を挙げる打ち方をやり出すメジャーリーガーが増え、また、2000年代後半からは、オートマチックステップもどきが蔓延した事によって、今ではオートマチックステップの打者がだいぶ少なくなった。


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