2015年4月28日火曜日

肘から挙るコンパクトなテークバック

〜目指せ、INVERTED-W〜

 BPL理論では投球腕が内旋して肘が曲がり、肘から引き上げられるコンパクトなテークバックの習得を追求している。ただし、内旋も肘からの挙上もオートマチックに起きる動作である。「肘が背中側に入るのはいけない」等という「センス無し」丸出しな事は言わない。むしろ肘が背中側に深く入るくらいの柔軟性は投手として望ましい。実際にはこの「投球腕が内旋し、肘から上がり、肘が背中側に入る」形が作れずに、肘を痛めたりアーム式が直らずに苦労する投手の方が多い。「内旋して肘から挙るテークバック」は肘を痛めないために投手が何としてでも習得しなければならない動作である。


 現在、アメリカ球界で優勢となっているピッチング理論に「INVERTED-W」というものが有る。「逆さにしたW」という意味である。両腕がこの形を作ると肘を痛めると言われている。BPL理論ではこの考え方を大筋で否定する。もちろん「肘を痛めるINVERTED-W」も有るが、元々、この形はセンスの有る投手のみが作る事が出来る、むしろ目指すべき形であるからだ。しかし、そのすぐ横に落とし穴も有る。それが悪い意味でのINVERTED-Wであり、アメリカの理論で否定しているフォームである。断言するが下手クソにはINVERTED-Wを作る事は出来ない。


 下の写真は豪速球投手のクレイグ•キンブレルのフォームだが、見事なINVERTED-Wを形成している。肩肘が柔軟で、体幹部と上手く連動しているからこそ出来る形である。キンブレルのピッチングを見て、それでもまだ、これがキンブレルの欠点であると言い切れる人がいるのだろうか。キンブレルはやや重心移動が小さいため、上半身の力に頼っている部分が若干ある。そのため今後、肩や肘を故障する可能性も有るが、それは、この形(INVERTED-W)が原因ではないと予め言っておく。
 


 下の動画は内旋して肘から挙るテークバックが上手く出来ている例である。投球腕の回転がコンパクトで素早く、スムーズだ。これこそが求めたい肘の使い方である。これが解らない人間は投手の指導に関わるべきでは無い。