平田さんのフォームで最も気を付けたいのは、構えを作り込み過ぎて、重心が低くならないようにすることです。重心が低くなって、ステップ幅が狭くなり、前脚がフォローで突っ張ってしまう(或はフォローの勢いが無くなる)と言うのが、このタイプのコンパクトなフォームの一つの悪いパターンです。なので、力の入るフォームを求めようとして、膝や股関節を折り過ぎたり、深く前傾し過ぎたり、スタンス幅が広くなり過ぎたりしないように気をつけてください。
構え、あるいは脚を挙げた時の重心が低くなり、ステップ幅が狭くならないようにすると言うのは常に気をつけたいチェックポイントです。
また、もう一つのポイントは、前脚を挙げる時、後ろ脚の方に引きつけ過ぎたり、捻り過ぎたりすると、前脚の大腿四頭筋が緊張しやすく、その後の前脚を振り下ろすシーンで引っ掛りを感じる(スムーズさを欠く)ようになります。なので、前脚を挙げる時に「抜く」メカニズムを利用する事が重要になります。「抜く」メカニズムを利用して、その場で真っすぐ挙げると、前脚の大腿四頭筋が緊張しにくくなり、前脚の振り下ろしがスムーズになります。また、この脚の挙げ方だと、脚を挙げる時に骨盤が動きやすく(挙げる時に前傾、降ろす時に前傾)よりダイナミックなフォームになります。しかし、構えでのスタンス幅が広い状態から抜くと、着地が早くなってしまうので「抜き」を利用するのであれば、スタンス幅は狭い方が良いです。
当日撮影した動画では、まだ「フォーム」を改善しただけですが、それでも始動前の余分な体重移動を無くした事によって、力が前に向かって集中出来るようになりました。このフォームに、股関節伸展の力強さが加わると、さらにフィニッシュは豪快になるでしょう。そうなって来ると、かなり重い球質のストレートが投げられそうな予感は有ります。コンパクトなフォームから速い球を投げる投手の場合、一つのポイントになるのは球の重さですが、後ろ脚のハムストリングスが効いて、重心移動の力が強くなると、球質も重くなります。
まずは、キンブレルを含めて、同じようなフォームの投手の例を挙げておきます。
デビッド・ロバートソン
ヘンリー・ロドリゲス
クレイグ・キンブレル
ケルビン・へレーラ
続きます。
※)セットからの投球動画をディスクに入れ忘れたので、また次の機会に入れておきます。
この記事については、中段し、続きは「平田さん 進化の記録2」の方に書きます。