2013年7月27日土曜日

小峯さん 投球動画



持ち球の中で一番レベルが高いと思ったのはスライダーです。チェンジアップはナチュラルシュートするのは面白いのですが、大きなカーブで緩急を付けにくい投法だと言う事を考えると、もう少し緩急の差が欲しい所です。そして、ツーシーム、シュート系はもっと磨けば武器になると思います。カーブはスライダーに近い状態なのですが、スライダーが横滑りするぶん、カーブは縦スラのような使い方をすると良いでしょう。今シーズン、ダルビッシュがMLBで奪三振1位をキープしていますが、縦スラが効いているのだと思います。小峯さんの場合、横滑り系の変化球が投げられるので、後は落ちる球を欲しいのですが、カーブを縦スラとして使う事で、落ちる球とすると良いでしょう。とにかく、横滑り系の変化球だけだと、かなり球速が無いと、高いレベルでは打たれます。(日本からMLBに行った横手投げ系の投手で球威が無い場合、横に滑る球は有っても縦の変化球が無い場合は芯を外しても外野に運ばれるので、見ていてかなり危なっかしい綱渡り的な投球になります。)

なので、チェンジアップをもう少し遅く投げられるようにして、それを緩急を付ける球として使い、カーブを縦スラとして使い,後はスライダー系とシュート系で横に揺さぶりを付けて行くのが良いでしょう。パンチャーの場合、腕を強く振って行くので、腕の振りと球速の差で錯覚を引き起こすチェンジアップは大きな武器になると思います。そういった意味で、左右に横滑りする球をコントロール出来るようにすること、そしてチェンジアップを磨くことはもちろん重要ですが、カーブというのをこれからの大きなテーマにしてほしいと思います。一般的なイメージのカーブで有る必要は無く、速くても良いので縦の変化を付けられる球としてカーブが使いたいと言う事です。

例えば、ペドロ・マルティネスのカーブはスライダーと間違われる事が多いのですが、本人はカーブしか投げていないと言っています。これはパワーカーブと言われており、メジャーではAJバーネットとペドロが有名ですが、握りは共にナックルカーブです。(http://ameblo.jp/redsox24/entry-10313400859.html



バーネット

この動画にペドロのカーブが出て来ます。(最初に貼った動画のはたぶんチェンジアップでした。)


バーネット(スインガー)の投球(縦スラのようなパワーカーブで三振を量産 1球目に実況がカーブと言っています。)

そして、後はやはりなんと言っても、ストレートの球威です。これがやはり大きなテーマになります。まだまだ身体の力を使い切っていない状態なので、もっと球威が出るはずです。

それから、フォーム的に思った事ですが、この前は8種類のクイックモーションをやってもらいましたが、まだまだコントロールを磨く必要性が大きい事、それから現時点で比較的変化球のレパートリーが出そろっている事を考えると、投げ方は絞って、投球の質を高めて行く方向にした方が良いと感じました。ただ、保険的な意味でも、今のオートマチックステップ投げに加えて、あともう一つは身につけたい所です。

その点に関しては、今回の撮影を見て、やはりワインドアップが今からモノにしていくには、少し苦しいかなと感じました。(メジャー式の馴染みの無い動きだと言うのも理由の一つです。)

また、ワインドアップ投法に関しては、本当の意味でワインドアップで安定感を出そうとすれば、ダルビッシュとかバックホルツ並みのプロポーションが必要になると思います。つまり、子供の場合、頭が大きいので良く転びますが、それと同じ理由で身長、頭の大きさの比率で、かなり頭が小さく無いとワインドアップで安定感が出しにくいと思うのです。松坂とか田中将大くらいは必要になるでしょう。

小峯さんの場合、特にコントロールに課題が有るので、そうした事を考慮すると、脚を挙げるにしても、セットポジションからの脚挙げにして、安定感を出して行った方が良いと思いますが、まだまだ結論は出しにくいので、その辺は、これから考えて行きたいと思います。

セットからの脚挙げに関しては「抜き」の原理を利用した脚挙げで,スタンスは狭めと言うのを平田さんが取り組んでいるので、平田さんの動画も見ておいてください。

モデルにしているのは、クレイグ・キンブレルとケルビン・へレーラで、両方ともメジャーとしては小柄な投手で、豪速球投手です。

キンブレル(ちなみに、このボールはキンブレルとしてはカーブです。)


ヘレーラ


この記事では、以上です。フォーム上の分析などは前回の記事に続きを書きます。