2013年6月10日月曜日

糸井と柳田の違い

柳田


糸井


重心移動が大きいパンチャーと、パンチの効いたスインガーということで難しい問題だが、柳田がパンチャーである事は間違い無いとして、糸井はスインガーだろう。

解りやすい点としては、柳田の方は前脚を挙げて後ろ脚に体重を乗せた状態でボールを引きつけているのに対して、糸井は後ろ脚に体重を乗せた後、重心移動のフェーズで「割れ」を作りながらボールを引きつけている。

柳田の「割れ」はパンチャーのメカニズムで打ちに行った結果としての割れだが、糸井の「割れ」は「先行動作としての重心移動」の結果としての割れである。

技術論的にザックリ分析するなら糸井はスインガーで問題ない。しかし、例えば福留にパンチャーを教えるよりも糸井にパンチャーを教える方が簡単そうだ。

因に柳田は骨格が良い。構えた時に胸椎が後彎し、腰椎が前彎している。揺らぎながらリズムを取るときの前脚踵の足踏みにしても、日本人としては珍しくハムストリングスが効いている。体を捻って引きつけておき、そこから一気に打ちに行く。その過程で無意識に瞬間的な割れが形成されている。

ただ、旧来の日本の打撃理論に照らし合わせると、糸井の方が高等(と思われている)な技術論に則った打ち方である。つまり、1で前脚を挙げ、2で割れを作りながら引きつける。しかし、柳田の方は1で後ろ脚に体重を乗せた後、次のアクションでいきなり打ちに行く。昔は良くこうした打法は「1,2の3の”の”が無い」とか「金属バットの打ち方」等と言われ、台湾や韓国の打者に対してもそうした解説がなされていたが、実際にはそれはタイプの違いであって上手い下手の違いでは無い。

敢えてひねくれた言い方をすると。。

「金属バットの打ち方がかなり定着したと見えて、日本の打者もだいぶ下手になってきた。」

こうした見方をしている古くからの野球ファンも多いだろう。もっとも、それは一面では正鵠を得ている。

しかし、面白いもので、金属バットの影響で打撃が下手になった事で、反対に近代野球に適した打撃技術を身につける結果となったし、下手な打ち方なので誰でも出来るから、平均して皆が打てるようになって来た。(昔は下位打線と上位打線でもっと差があった)

スインガータイプ主流時代からパンチャータイプ主流時代への変遷は、単に「進化」と言う言葉だけでは説明出来ない。