2013年3月3日日曜日

まーやんさん1回目

本日はご来店有り難うございました。



まず、ラボ当日のトレーニングによって、前脚を降ろしたあたりで、後ろ脚のハムストリングスを効かせた状態を感じる事は出来るようになっています。ただ、まだ、その力強さは、それほどありません。

後日、普段と違う所に筋肉のハリが出たかもしれませんし、今後、トレーニングをして行く中で、しばらくハリが出る時期が続くと思います。ただ、それが取れて来たあたりに、もう一段、後ろ脚の力が効いて、身体を力強く打者方向に運ぶ事が出来るようになってくるでしょう。

こういった進化には、しばらく時間がかかります。鍛えて、筋肉に憶えさせて、休ませて、忘れて、また鍛えて、憶えさせる。その繰り返しの中で、上達していくと言う事です。

そして、ハムストリングスを使えるようにする。つまり、黒人的な身体の使い方が出来るようになると言う事に関しては、35歳くらいまでは、やればやるほど進化していく、奥の深いものだと考えてください。つまり、まだ始まったばかりだと言う事ですが、腸腰筋その場ステップを自分でもやっていただけあって、前脚を降ろしたあたりで、クッと股関節で地面を捉える、ハムストリングスの効いた状態が作れています。しかし、まだ、その力が弱いためか、そこから、ハムストリングスで体重を支える力が弱く、グニャッと後脚が折れて、腰が沈んでいます。この沈みが、もう少し弱くなれば、もっとフィニッシュの迫力も出て来るでしょう。

また、前脚の挙げ方は、かなり良いリズムが出てきましたが、まだまだぎごちない部分があります。このへんも長い事やってる内にコツが掴めて来るでしょう。前脚が挙る時に(体幹との連動で)腕がクッと挙る感じ。。もちろん、これは絶対に腕で挙げないでください。

この動きが出来るようになると、脚が腕とぶつからずに、高く挙げる事が出来ますし、腕も脚をよけようとして不自然な位置に持って来る必要が無くなります。

たとえば、この動画のピッチャー(スインガー)は、その動きが出来ていますが、 やや腕の動きが大きいですね。最初の構えの位置が低い事が原因でしょう。ここで腕を動かしてしまうと、手投げになってしまうので、この動きはあくまでも体幹部の連動で勝手に挙るぶんだけにしておく事が大切です。


脚を挙げる動作に関しては、 背骨の使い方、脚踏みのリズムなど、他にもポイントが有りますが、大切な事はメジャーの投手をよく見て、良いイメージを掴む事です。このイメージが日本人には無い場合が多いのです。誰が理想とかは中々いないので、何人も見て行く事が大切です。

人の体の動きの事なので、だいたいは「カッコいい」が「上手い」と同じです。これは体に良い食べ物は大体、美味しく感じるのと同じです。なので、感性で掴む事が大事なのですが、特に若い選手や、大人でもセンスの無い人だと、人工甘味料や保存料でギトギトのスナック菓子を美味しいと感じてしまったり、本当に美味しい物に接する機会が無くて、味覚が育ってなかったりしますから、その辺で、良いセンスを教えてやるコーチ等が大切になるわけです。それはコーチの大切な役割の一つです。もちろん、選手本人も自分自身のコーチになる必要が有るので、センスを磨く事が重要で、そのためには良い物をよく見る事が大切になるのです。

そのためには、このサイトでメジャー30球団の一線級は、全員チェックしておいてください。やろうとしている事がメジャー式の投げ方なので、メジャーを見ないと感性が育っていきません。

次に課題となっている制球についてです。

制球については「ハリの穴を通すようなコントロール」と言うのも確かに「制球ですが」もう一つ、安定感と言うのも非常に重要で、むしろその方が大きな価値が有ると思います。つまり70〜80%の制球力を常に維持すると言う事です。

実践的には、脚を挙げる所までの動作が一つのポイントになります。ここまでの動作が荒っぽく、安定感が無いと制球は良くなりません。下半身の動作も重要ですが、セットポジションの形が上手く決まっているのも重要です。制球の安定している投手は、だいたいセットの形が良いです。グラブとボールがセットポジションの位置に有ると言う事は、体の中心で両手を合わせていると言う事になります。体の中心で両手を合わせるので、体の中心が意識しやすく、バランスが取りやすいのです。

次にやはり目標となる一点を見続けようとする事です。これはシャドウからそうしてください。動作中に一点を見続けようととする事によって、重心移動と言う運動の方向性が定まります。つまり自分の体の動きの力が向かう方向が、その見つめている一点に集約されて向かって行くわけです。これは制球にとって重要な要素の一つです。

そうした意味で制球が安定するタイプのフォームを集めた動画が下の動画です。これは他の記事にも載せているので、そこも見てください。


下の動画はコントロールの良さで有名であった「精密機械」ことグレッグ•マダックスです。(1.50あたりからを見てください。)振りかぶるフォームですが、振りかぶる前に、まず丁寧に体の中心で両手を合わせています。これで、体の中心に意識を集中させやすくなります。ある種の精神統一が出来るのが、この動作です。そして、腕を振り上げて、次に降ろして来たときも、雑に割らずに、一度、胸の前に両手を持って来ています。マダックスのフォームを見ると、このセットの形を重要にしている事が解ります。そして形も良いですね。肘をあまり浮かせずに、手は肘よりも上に有ります。


次にCCサバシアです。この投手の凄いのは安定している事で、それは成績を見ると解ります。

サバシアもセットの形を大事にしていますが、それ以上に良いのが軸脚の使い方。ラボで採用している「骨立ちによる踵トントンリズム」に着目させてくれたのが、このサバシアです。この後ろ脚の使い方の良さが彼の安定感の大きな原因だと見ています。つまり、基礎、土台となる後ろ脚を安定して使えるので、投球に安定感が有ると言う事です。一定のリズムで淡々な投げ続けるのが持ち味です。(セットポジションからの投げ方はあまり良いとは思いませんが。)


2012/10/12 CC's dominant start



制球については、次回までに対策をもっと良く研究しておきます。

最後に、まだまだ体の柔軟性が不足しています。下の動画はドミニカの選手ですが、フォロースルーで全身がムチになったような体の動きを見て下さい。(特に3球目)これも、白人と黒人の違いです。こうしたしなやかさを身につけるためには動的ストレッチが効果的です。股関節、肩関節、肩甲骨の動き、脊柱のしなり等をポイントに、もっと体を自由に動かせるようになってください。野球選手の場合、一カ所を酷使するためか、体が固まってる人が多いです。まーやんさんの場合も、ストレッチ等でギゴチない動きになる事が有るので、そこだけが心配です。


人間の体は、ここまで動く可能性を持っているのです。


以上です。