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2013年3月27日水曜日

ホセレイエスJr君 3回目

本日は御来店ありがとうございました。



まず、すぐにでも修正した方が良いポイントは、クイックでの手の位置で、もう少し体に近く、もう少し肘より上に手が来るようにしてください。体から離れると爪先重心になりますし、手の位置が低いとテークバックで肘から挙りにくくなります。肘は今の位置のままで手だけ上に挙げるということです。このへんは肩や肘の故障とも関わる問題ですので、重要です。

写真で言うと、今青○の位置に有る手を赤○の位置に置くようにしてください。


バッティングに関しては、ホセレイエスJr君の、最も大きな課題の一つは、股関節を割った形を作るということです。ラボでは出来ているので、本来は出来ないということでは無いと思いますから、そこをチェックしてください。それが出来るようになると、もっと前脚股関節が良い感じで割れて着地し、腰の回転も大きくなると思います。

まず、股関節を割るストレッチでは、爪先を開き過ぎず、アウトエッジに荷重し、脚の内側のラインがたわむ感覚を重視してください。そして、実際に構えを作る時は、割る意識は必要有りませんので、揺らぎを利用して割ると、自然に割れるようにしてください。そのためにも股関節を割るストレッチを普段からしておく事が大切になります。

構えで股関節が割れた状態を作るための感覚的コツを書きます。下図のように、アウトエッジ荷重で爪先を開き過ぎず、脚の内側のラインにたわみを作ると、両脚の間に大きなボールが挟まっているような意識が生まれます。


この状態から前脚の膝を内に、後ろ脚の膝を外に向けた形を作っても、そのボールの意識が無くならないようにしてください。そうすると、その感覚と、アウトエッジ荷重との関連も解ると思います。そして、それが「両脚股関節を割ったうえで、後ろ脚の膝が外、前脚の膝が内に入る形」が出来た時の感覚です。この感覚を忘れないようにしてください。

ただ、アウトエッジ感覚とボールが挟まっている感覚を誇張し過ぎると、おかしな事になって来るので、ここでもバランス感覚が重要です。フワッとボールが挟まっているかいないかと言うようなソフトな感覚が重要です。ただストレッチでは誇張してボール感覚がクッキリ生まれるようにしておいてください。打撃の構えではストレッチ程重心を下げない(股関節を割らない)ので、感覚もそのぶんソフトになるわけです。

次の今回の動画を見ていて気になった点は、当日、捻りを利用して懐を作る事等を重点的に行なったせいか、写真のようにやや上半身が捕手側に傾いている構えになっている事です。

これについてはゴルフの左一軸打法を例に説明しましたが、右耳、首筋から左足に至る前軸を意識した素振りを取り入れる事によって修正してください。

このように人の字が出来ます。なお、この前軸は捻りを入れる事でより強く感じられます。前言と矛盾するようですが、捻ろうとした時に水平の捻りや後ろに傾く動きが生じると良く無いということです。そうでは無く後ろ脚股関節のラインに沿った捻りが出来ると頭が若干投手寄りに出て来ますので、それによって前軸が意識しやすくなるのです。そして、前軸素振りで重要な点は、後ろ脚股関節が割れていなければならないと言う事です。捻りを強調して前軸が出来るのですから、それに連動して後ろ脚股関節が割れるということです。それによって後ろ脚サイドのパワーも使えるということです。これが出来なければ、左一軸では力強く振れません。

イメージ的には下の写真のようになります。つまり「前軸に乗せて、後ろ脚を割る」と言う事です。

もちろん、この意識はあくまでも前軸を作るための練習のための意識であって、最終的には全体のバランスの中に消化されなければなりません。ただ、前軸素振りが上手く出来たら、前軸が効いたスイングになりますから、巻き戻しが力強くなります。そこを見るようにしてください。

キューバのグリエルも捻りによって頭が投手寄りにきます。このアングルから見ると、それがやや強調されて見えますが。

捻りを強調してオープンスタンスで構えるブランコも良い位置に頭が有ります。(オープンスタンスは特にオートマチックステップの場合は良く無いですが。)

ケン・グリフィーJrも、良い位置に頭が有りますね。ライアン・ハワードやバリー・ボンズも良い例です。

そして、この「前軸素振り」は「捻って体の捕手側に懐を作る素振り」や「捻って後ろ脚が効いて地面を捉える感覚を強調した素振り」とのセットでやると良いでしょう。そして最後は「Xのライン」でバランスが取れるようにすることです。

打撃に関して、その他の話題ですが、当日の動画ではやはり置きティーを多用した悪影響も出ています。ただ、その辺の事は一過性のもので、直ぐに治ります。(集中力を保つ意味や、打球でスイングの善し悪しが判断しやすい意味、短時間で数が打てる意味からも、置きティーを多用しました。)巻き戻しも、正面からのボールを打つと、もっと強くなって来るでしょう。置きティーの悪影響と言っても、それは素振りやフリー打撃中心に戻せば、すぐ治る事ですし、さほど気にする必要も無いですが、普段の練習でも置きティーやトス(斜めからのティー)には出来るだけ頼らない方が賢明です。重要な事は顔の向きによってスイングが変わって来るということで、その理屈と、修正方法(投手方向あるいはインハイ気味のポイントを見つめた素振り)さえ掴めていれば、悪い練習というほどでは有りません。

つまり、ティー打撃で顔の向きが変わると手首の返るゾーンが下図のように違って来る訳です。こうした面が、当日のラボでの動画にも見られます。

また、最後に撮影した置きティーで前脚の爪先が開いていますが、これは最後にテスト的に行なった「前脚股関節伸展を使って骨盤を回転させるトレーニング」のマイナス面が出たのかもしれません。あのトレーニングはやり過ぎないようにしてください。

また、もう一つ、揺らぎが雑でせわしなくなりやすい傾向が有りますので、腸腰筋ストレッチの後、骨で立つ感覚を確認し、揺らぎ体操で体の芯の軸を中心にゆったり揺らぐ感覚を掴むようにしてください。動画のアンドリュー・ジョーンズは良い例です。そして止まってから打つ事を重視してください。

ハムストリングスを使って立つ事が上手くなると(力の発揮する方向と重力が一致するから)筋肉に負担がかからないので、止まっても非常にリラックスしていられます。そうすると長く止まっていられるので、タイミングについて考える要素が一つ減りますからシンプルに打てるようになります。下の動画のエイドリアン・ベルトレイは、それが非常に上手く出来ています。ベルトレイは腸腰筋が効き、ハムストリングスで立つということについては非常に上手い打者です。重心が高いので骨で立つ感覚に近いでしょう。


ただし、必ずしも、長く止まるのが良いということはありません。実際、この動画のベルトレイは長く止まり過ぎたせいもあり、良い意味での重心移動の流れが寸断されて、やや後ろ軸のスイングになり、前脚が開き気味です。(特にベルトレイの構えは捻りが小さいので後ろ軸になりやすいですが。)

ただ、実戦では投手にじらされて「長く止まらされる」ケースもあります。そうした中で高いパフォマンスを発揮する上でも、ハムストリングスを効かせて立ち、長く止まって待てるということが重要になるわけです。

投球編

かなり良い感じになって来ました。ただ脚の挙げ型は修正しきれなかったのですが、それについては後日書きます。まだ前脚が突っ張り気味で、そのぶん脚の挙げ型がせわしなく、また重心が爪先寄りに来る問題は残っています。先取り的に書いておくと、恐らく振り子のようにブラーンと振るイメージが強すぎるのでしょう。確かにそういうふうに言いましたし、それは間違いでは無いのですが、あくまでも導入期にイメージしやすくするための表現で、そのイメージのデメリットが出てしまうと、今回のように前脚が畳めないようになります。極々かんたんに言うと、振り子のヒモの付いた重りがスイングするイメージが脚を伸ばしたままにしているのだと言う事です。

腕の振りについては良いものがあります。

日本人にはあまり見られない形ですが、中南米系のパンチャータイプには典型的に見られる形です。もちろん、ペドロ・マルティネスもそうです。(ペドロのフォームをよく見てる人はホセレイエスJr君のフォームを見て、絶対に「ペドロだ!」と言います。)私はそういう投手を山ほど動画で見てますが、本当にこうしたフォームは中南米では右投手の基本形と言っても良い程スタンダードなものです。特に2コマ目から3コマ目が特徴的なのですが、通常の投球理論的な表現で説明すると、投球腕が最大外旋に至るシーンが2コマ目から3コマ目です。スインガータイプならこのシーンで肩関節外旋と同時に肘が畳まれるのですが、パンチャータイプの場合は外旋すると同時に肘が伸びて行き、そのままリリースに向かって投球腕がスイングされます。このあたりを見ても典型的なパンチャーのスイングになっている事が解ります。前脚が伸びているのもパンチャーでは良い事です。いわゆる「前脚が突っ張る」フォームなのですが、突っ張るフォームで良く無いのは、投げた後に後ろ脚が前に出て来ないフォームです。パンチャーであっても、これは良く無い形なのですが、突っ張った後に後ろ脚が前に出て来て一塁側に着地するのは、パンチャーの正しい動きです。

ただ、腕の出所は、後少しだけ高い方が良い感じがします。このあたりは勘でしか無いのですが、もう少し後ろ脚の力が使えて重心移動が大きくなると、腕の出所の少し高くなると思います。そして、そのための改善ポイントが問題となっている前脚の挙げ方だと言う事です。

その後日書くと書きました、脚の挙げ方ですが、下の動画の練習をやってください。感じがつかめたら繰り返しやる必要は有りませんが、少しづつでもやって、出来るだけ早く感じがつかめるようにしてください。

走るときのような腕振りになっていますが、その他のポイントは、ピッチングでの脚挙げのポイントと同じです。軸足踵で踏んで前脚を挙げるなどです。ホセレイエスJr君がもう一つで来ていないのは、脊柱をやわらかく使う事ですが、これも振り子のイメージのせいかもしれません。上半身を背中側に倒すと前脚が挙るメカニズムを頭を倒さないで元の位置に残して行なうと、脊柱が柔らかく曲がってくれます。そうすると楽に前脚が高く挙ります。

私やまーやんさんのように、脚を挙げたところで膝が曲がるようになってください。現状では脊柱の彎曲や骨盤の回転が上手く使えておらず、股関節屈曲にたよって前脚をスイングして挙げているため、大腿四頭筋の緊張(収縮)によって、膝が伸びたままになってしまっているのです。骨盤の後傾と、脊柱の彎曲を使って前脚を挙げる事が出来るようになると、大腿四頭筋をあまり使わなくて済むので、膝が曲がりやすくなります。(膝は曲げようとしなくても、股関節屈曲によってハムストリングスが伸張されるので、その反射で自然に曲がります。)ホセレイエスさんなら既に上記の内容が理解出来ると思い、比較的高度な書き方をしていますが。

現状では、膝が伸びているので、足部が体から離れ過ぎ、後ろ脚が爪先荷重になりやすく、それがハムストリングスを使いにくくしています。(使えていない事は無いですが。)これが、もっと膝が曲がるようになると重心が踵側(頸骨の真下)に乗りやすく、ハムストリングスを使いやすくなります。この辺が改善されると、もう少し重心移動が大きくなり、腕の出所ももう少し高くなると思います。

振り子のイメージと言うのは、広島の前田健太や藤川球児、ヤンキースの黒田のように典型的な日本人式の脚の挙げ方からメジャー式に転換する場合に初期の段階で使うイメージの言葉掛けなのですが、ホセレイエスJr君くらいの段階になると、もう必要無いでしょう。それより、骨盤の回転(後傾)を使うイメージに切り替えた方が良いです。そして、前脚は意識から消すくらいの感覚で良いです。なれて来ると、そうした事を別段意識しなくても体が憶えてくれますが、とっかかりとして、そうしたイメージを持って下さい。

下図はイメージの良い例と悪い例です。良い例のように、体幹部に近い部分を意識すると、良い感覚が掴みやすいでしょう。

振り子のように前脚を伸ばしたまま挙げてしまうと、大腿四頭筋は緊張する(股関節屈曲と膝関節伸展を同時に行なうと大腿四頭筋を最も使う事になる)し、また、ハムストリングスは極度に伸ばされます。(股関節屈曲と膝関節伸展を同時に行なうのはハムストリングスが最も伸びる運動なので、ハムストリングスの静的ストレッチで使われる)このように大腿四頭筋が緊張しハムストリングスが突っ張った状態だと、前脚を挙げている状態が苦しくなりますから、おそらくその感覚が有るので、現状のようなせわしない前脚の挙げ方になっているのでしょう。前脚の上げ方がせわしないと言うのは現状のフォームの大きな問題点の一つです。

また、現状では前脚をスイングして挙げたいイメージが強いせいで、後ろ脚をプレートに向かって踏み出す動きが大きくなっています。つまり、それによって前足を後方に残し、前脚をバックスイングする効果を生み出しているのです。もちろんこれはワインドアップのステップにおける重要な効果であり意味なのですが、強調しすぎると(プレート上に)踏み出した後ろ脚に体重が乗りにくく(身体から前に出過ぎるので)後ろ脚の踵の踏みが弱くなる問題が生じます。

もう少し、身体の近くに後ろ脚を踏み出してやると、ハムストリングスを使った踵の押しが強くなるので、そのハムストリングスの力で骨盤が後傾し、前脚が楽に挙るようになります。(これが後ろ脚踵でトンと踏むと前脚がポンと挙るメカニズムです。)この辺も改善の余地がある所です。

なお、ピッチングについては、下地としてのフォーム作りとしては脚を出来るだけ高く挙げたダイナミックなフォームを作っていきたいのですが、最終的にバランスを崩しやすく制球が乱れる場合、そこから実戦の中でコンパクトにしていく対応も求められます。


では、最後、もう一度打撃について書きます。

打撃実戦編

トップ型のパンチャータイプの大きな命題の一つが、やはりトップ型で構える事によるバットの重さと言う問題です。これは振る力を付けるための練習で力を付けて行くのは当然重要ですが、実戦の中で、どのタイミングで構えを作るかということをよくシミュレートしておく事も大切です。

例えば、youtubeには下のような動画がいくらでも有りますが、こうした動画を使って、ワインドアップ、セットポジション、クイックモーション等によって、どういうタイミングで構えを決めると、構えの時間が短くなり、なおかつ構え遅れないかということを研究してください。(バックネットからの撮影でなくても、内野席や、最悪、外野から撮った動画でも使えます。ポイントは編集していない定点撮影ということです。)




また、ホセレイエスJr君の、この点に関する課題としては、もう少し止まって(静止して)待てるようにした方が良いですね。

揺らぎにともなって、バットが回転するのですが、そのバットの運動を受け止める手や前腕部の筋肉も緊張を強いられます。これは試してみると直ぐに解ると思いますが、バットが回転しぱなっしだと、特に緊張しやすいのがトップハンドの前腕部です。そして、トップハンドの筋肉が緊張した状態でスイングに入るので、スイングもバットを捏ねるような軌道になります。以前、自宅ゲージの動画で正面から撮影したものの中に、そうしたスイングが何度か有りました。この場合、手が出るのが(体の回転に対して)早くなってしまうので、体の回転も途中で止まってしまいます。もしかしたら、ホセレイエスJr君の「体の回転が小さい」と言う問題も、これが原因(又は原因の一つ)かもしれません。実際、コネているスイングではかなり回転が小さいです。

この動画の、投手からのアングルの二球目は特に捏ねていますね。そこで、気になったのは「最近、長打が出なくなった」と言う事についてですが、こうした筋肉の緊張に伴う問題は、時間が経過すると共に悪化してきます。そういう目で見ると、この一つ前の動画に比べて、スイングが小さくなってるようにも見えます。

完全に静止しても、3〜5秒くらいは待てます。それでも相手が投げて来なければタイムをかければ良いのです。最初に揺らいでいて、構えが出来たら、後は止まって待つようにしてください。ずっと揺らぎっぱなしだと特にトップハンドの前腕部が緊張しやすいからです。そして、タイミングによっては完全静止の直前に投げられる場合も有るかもしれませんし、静止から3秒後に投げられる場合も有るでしょう。この辺のバラツキは想定の範囲内としなければなりません。そして、静止してから5秒くらい経っても投げて来なければタイムをかけたら良いのです。(揺らいで待ってる時間も合わせると10秒近く待ってる事になりますから、タイムをかけても、当然の状況です。)

特に、バットを支える手首から前腕部に余計な力みを作らないために、静止して待って打つ感覚を身につけた方が良いでしょう。今回の動画で、ホウキを振っているものが有りますが、あの時は静止してから振ると言う練習だったので、それが出来ています。あの感じで打つということですね。以前の試合の動画では構えが決まってもずっと揺らいでいますが、構えが決まったら、じょじょに揺らぎを止めて行った方が良いです。

素振りの中で、揺らいで〜止まって〜振る と言う事を習慣付けてください。特に、止まってから振るまでのタイミングを1秒にしたり3秒にしたりと自分でバラツキを付けると、より実戦的になるでしょう。

最後に、構えの力を付ける練習は、その後に必ず腕回しやシャドーをして、特に右肩の動きを柔軟に保つようにしてください。そしてまたやり過ぎない事も重要です。(一日5回〜10回くらいでしょう)地道にコツコツと続けてください。

今回は以上です。






2013年3月17日日曜日

コータ君 7回目

ご来店ありがとうございました。



上半身の構えを修正した事により(コータ君本来の脊柱の生理的彎曲の良さを活かした)懐の深さが出て来ました。細かい感覚は本人の中で試行錯誤が有ると思いますが、この懐の深さを大事にして振り込んで行って下さい。

重要な練習テーマは以下の通りです。

●振る力を付ける練習
●ハムストリングスを使った立ち方の感覚を維持
●ホウキなど、軽い棒を使って体に正しい連動を憶えさせる練習
●左脚の動きを良くする事と力を強くする事

ところで、投打に共通するコータ君の最大の問題点としては、ハムストリングスの力を使うと言う事が、まだあまり出来ていないと言う事です。その結果として、投球でも打撃でも、始動時に股関節、膝関節がグニャッとなる動きが入ってしまいます。これはハムストリングスの力で体重を支え切れていないからです。これは例えるならスポンジのクッションを付けた靴を履いてプレーしているようなものですから、下半身の力が吸収されてしまい、地面に上手く伝わりません。この点が改善されるともっとパワーが出るでしょう。ただ、恐らく年齢と共に解消していく問題ですので、地道にでも取り組んで行って下さい。メニューの一例としては、以下の通りです。

●階段or椅子踏み台昇降
●踵足踏みスクワットダウン
●リズム股関節伸展スクワット
★腸腰筋ストレッチ(腰反り体操)
★腸腰筋その場ステップ
▲踵小刻み足踏み
▲8の字揺らぎ体操

●印はハムストリングスを鍛えるメニューです。★印はハムストリングスの硬化短縮による骨盤の後傾を防ぐために腸腰筋を鍛えるメニューです。▲は、骨で立つ感覚を養うメニューです。このメニューは順番も考えて作っていますので、●★▲を各一つづつでも良いので、この流れで取り組むようにしてください。

ちなみに今回良かった点は、始動してから前脚が着地するまでの動き(体の連動)をホウキを用いた練習で上手く出来るようになった事です。この形は日本人には見られない動きですが、バリー・ボンズにもライアン・ハワードにもケン・グリフィーJrにも皆同じ連動が見られます。あまり繰り返しする必要も無いですが、継続して体が忘れないようにしてください。

メジャーリーグのバッティング技術の挿絵「理想のフォーム」※今とは若干細部が変わっています。

練習のポイントとしては、一度止まってから始動する事です。始動時に前後の揺れが有ると正しい連動の形になりにくいためです。

また、もう一つ、コータ君に不足しているのは、始動してから前脚が着地するまでの速さ(クイックネス)です。これについては、比較的ワイドスタンスで、やや重心は低めの構えから、軽く短いバットを使って、反応素振り等をしたり、また、その構えからバットを短く持って、前から投げられたボールをギリギリまで引きつけて打つ練習をすると良いでしょう。(遅いボールの方が引きつける感覚が掴みやすくなります。)

最後に、振る力を付けるトレーニングでは、肩関節、とくにトップハンド側が固まらないように注意してください。セットで腕回しや左投げでのシャドーなどの肩のストレッチが必須です。特に左打者の場合、左肩関節の外旋が不足するようになると、低めにバットヘッドを潜らせる事が出来なくなるので、外旋可動域も重要です。そのためのストレッチとして「皿回しストレッチ」と言うのが有ります。

これは、インパクトか、その一歩手前くらいの形を作り、両手で車のハンドルを握るように皿など円形の物を持ちます。その状態から、左打者であればハンドルを左に切っていき、ボトムハンドを内旋、トップハンドを外旋します。トップハンドが外旋し、肘が曲がりながらヘソの方に食い込んで来るバッティングフォームの形になる事がポイントです。トップの形から、腰を回すと同時に両腕を捻って皿を回しても良いでしょう。

また、懐を開ける件についてですが、この場合のポイントは、バットが顔の前を通らないようにすることです。バットが顔の前を通ってヘッドが投手方向に入る構え(ヘッド入れ型)になると、ヘッドが出るのが遅くなるので注意が必要です。具体例としてキューバの打者を例に挙げると、ユリエスキ・グリエルの形は良いですが、フレデリック・セペダの場合はバットが顔の前を通ってしまっています。

ユリエスキ・グリエル(5回表)片手フォローの悪影響も有って今大会は不振を極めましたが、元々は非常に優れた技術の打者です。捻りがやや極端ですが、捻り方そのものは良いです。懐の開け方としても良い例です。投手からトップハンドとボトムハンドの両方の肘が見える捻り方がポイントです。

グリエルは元々はメジャーリーグからチャップマン並みに注目されていた選手でヤンキース入りの噂も有ったのですが、それは正確な評価でしょう。ステップはオートマチックステップです。膝を内に絞っていないので、ハムストリングスが使えている事も長所です。



フレデリック・セペダ(四回裏、右中間に二塁打) キューバでは最も安定感の有る主軸打者であり、キューバで最も実力の有る打者と言えばグリエルとセペダと私は見ています。ただ、顔の前を通ってヘッドが投手方向に入る「ヘッド入れ型」の構えである事だけが難点です。ステップはジータータイプの二段ステップで、元中日のタイロン・ウッズ、キューバのホセ・アブレウと同じタイプです。スイッチですが左右ともに打ち方は同じです。


セペダの右打席。ステップは左打席と全く同じです。この構え(ヘッド入れ型)は股関節が割れにくいのですが、その辺がセペダが今一歩、長距離打者になりきれない原因でしょう。


ホセ・アブレウ セペダと同じタイプの二段ステップ。最も難易度が高い二段ステップで、ラボでもほとんど触れていません。タイロン・ウッズとホセ・アブレウはかなり似たタイプの打者です。


しかし、こうした動画は良いですね。見逃し方や、打席を外したときの行動なども解るので、テレビでは解りにくい面が見えてきます。

なお、ボトムハンドの肘をホームベース側に出す事については、そこだけを無理に強調するとぎごちなくなるので、あくまでも全体のバランスでちょうどいい感じを見つけるようにしてください。


以上です。

2013年3月3日日曜日

まーやんさん1回目

本日はご来店有り難うございました。



まず、ラボ当日のトレーニングによって、前脚を降ろしたあたりで、後ろ脚のハムストリングスを効かせた状態を感じる事は出来るようになっています。ただ、まだ、その力強さは、それほどありません。

後日、普段と違う所に筋肉のハリが出たかもしれませんし、今後、トレーニングをして行く中で、しばらくハリが出る時期が続くと思います。ただ、それが取れて来たあたりに、もう一段、後ろ脚の力が効いて、身体を力強く打者方向に運ぶ事が出来るようになってくるでしょう。

こういった進化には、しばらく時間がかかります。鍛えて、筋肉に憶えさせて、休ませて、忘れて、また鍛えて、憶えさせる。その繰り返しの中で、上達していくと言う事です。

そして、ハムストリングスを使えるようにする。つまり、黒人的な身体の使い方が出来るようになると言う事に関しては、35歳くらいまでは、やればやるほど進化していく、奥の深いものだと考えてください。つまり、まだ始まったばかりだと言う事ですが、腸腰筋その場ステップを自分でもやっていただけあって、前脚を降ろしたあたりで、クッと股関節で地面を捉える、ハムストリングスの効いた状態が作れています。しかし、まだ、その力が弱いためか、そこから、ハムストリングスで体重を支える力が弱く、グニャッと後脚が折れて、腰が沈んでいます。この沈みが、もう少し弱くなれば、もっとフィニッシュの迫力も出て来るでしょう。

また、前脚の挙げ方は、かなり良いリズムが出てきましたが、まだまだぎごちない部分があります。このへんも長い事やってる内にコツが掴めて来るでしょう。前脚が挙る時に(体幹との連動で)腕がクッと挙る感じ。。もちろん、これは絶対に腕で挙げないでください。

この動きが出来るようになると、脚が腕とぶつからずに、高く挙げる事が出来ますし、腕も脚をよけようとして不自然な位置に持って来る必要が無くなります。

たとえば、この動画のピッチャー(スインガー)は、その動きが出来ていますが、 やや腕の動きが大きいですね。最初の構えの位置が低い事が原因でしょう。ここで腕を動かしてしまうと、手投げになってしまうので、この動きはあくまでも体幹部の連動で勝手に挙るぶんだけにしておく事が大切です。


脚を挙げる動作に関しては、 背骨の使い方、脚踏みのリズムなど、他にもポイントが有りますが、大切な事はメジャーの投手をよく見て、良いイメージを掴む事です。このイメージが日本人には無い場合が多いのです。誰が理想とかは中々いないので、何人も見て行く事が大切です。

人の体の動きの事なので、だいたいは「カッコいい」が「上手い」と同じです。これは体に良い食べ物は大体、美味しく感じるのと同じです。なので、感性で掴む事が大事なのですが、特に若い選手や、大人でもセンスの無い人だと、人工甘味料や保存料でギトギトのスナック菓子を美味しいと感じてしまったり、本当に美味しい物に接する機会が無くて、味覚が育ってなかったりしますから、その辺で、良いセンスを教えてやるコーチ等が大切になるわけです。それはコーチの大切な役割の一つです。もちろん、選手本人も自分自身のコーチになる必要が有るので、センスを磨く事が重要で、そのためには良い物をよく見る事が大切になるのです。

そのためには、このサイトでメジャー30球団の一線級は、全員チェックしておいてください。やろうとしている事がメジャー式の投げ方なので、メジャーを見ないと感性が育っていきません。

次に課題となっている制球についてです。

制球については「ハリの穴を通すようなコントロール」と言うのも確かに「制球ですが」もう一つ、安定感と言うのも非常に重要で、むしろその方が大きな価値が有ると思います。つまり70〜80%の制球力を常に維持すると言う事です。

実践的には、脚を挙げる所までの動作が一つのポイントになります。ここまでの動作が荒っぽく、安定感が無いと制球は良くなりません。下半身の動作も重要ですが、セットポジションの形が上手く決まっているのも重要です。制球の安定している投手は、だいたいセットの形が良いです。グラブとボールがセットポジションの位置に有ると言う事は、体の中心で両手を合わせていると言う事になります。体の中心で両手を合わせるので、体の中心が意識しやすく、バランスが取りやすいのです。

次にやはり目標となる一点を見続けようとする事です。これはシャドウからそうしてください。動作中に一点を見続けようととする事によって、重心移動と言う運動の方向性が定まります。つまり自分の体の動きの力が向かう方向が、その見つめている一点に集約されて向かって行くわけです。これは制球にとって重要な要素の一つです。

そうした意味で制球が安定するタイプのフォームを集めた動画が下の動画です。これは他の記事にも載せているので、そこも見てください。


下の動画はコントロールの良さで有名であった「精密機械」ことグレッグ•マダックスです。(1.50あたりからを見てください。)振りかぶるフォームですが、振りかぶる前に、まず丁寧に体の中心で両手を合わせています。これで、体の中心に意識を集中させやすくなります。ある種の精神統一が出来るのが、この動作です。そして、腕を振り上げて、次に降ろして来たときも、雑に割らずに、一度、胸の前に両手を持って来ています。マダックスのフォームを見ると、このセットの形を重要にしている事が解ります。そして形も良いですね。肘をあまり浮かせずに、手は肘よりも上に有ります。


次にCCサバシアです。この投手の凄いのは安定している事で、それは成績を見ると解ります。

サバシアもセットの形を大事にしていますが、それ以上に良いのが軸脚の使い方。ラボで採用している「骨立ちによる踵トントンリズム」に着目させてくれたのが、このサバシアです。この後ろ脚の使い方の良さが彼の安定感の大きな原因だと見ています。つまり、基礎、土台となる後ろ脚を安定して使えるので、投球に安定感が有ると言う事です。一定のリズムで淡々な投げ続けるのが持ち味です。(セットポジションからの投げ方はあまり良いとは思いませんが。)


2012/10/12 CC's dominant start



制球については、次回までに対策をもっと良く研究しておきます。

最後に、まだまだ体の柔軟性が不足しています。下の動画はドミニカの選手ですが、フォロースルーで全身がムチになったような体の動きを見て下さい。(特に3球目)これも、白人と黒人の違いです。こうしたしなやかさを身につけるためには動的ストレッチが効果的です。股関節、肩関節、肩甲骨の動き、脊柱のしなり等をポイントに、もっと体を自由に動かせるようになってください。野球選手の場合、一カ所を酷使するためか、体が固まってる人が多いです。まーやんさんの場合も、ストレッチ等でギゴチない動きになる事が有るので、そこだけが心配です。


人間の体は、ここまで動く可能性を持っているのです。


以上です。


2013年2月15日金曜日

ブラウンさん1回目

ご来店ありがとうございました。




















全体的にクセ無く身体が動いており、形がまとまっているのが長所です。課題はやはり腸腰筋が効いて骨盤が前傾し、ハムストリングスの力を使えるようにすると言う事で、これは日本のスポーツ選手全てにとっての命題のようなものですね。

もっとハムストリングスが効いて、股関節で地面を押さえる力が強くなると、構えが良い意味でカチッと決まり、スイングもガツンとなってきます。(こういう感じです。)これは当然、力みとは全く違う状態ですが、日本人の場合、この感覚を掴みにくい体型なので、フワッと脱力しているのか、ガチガチに力んでいるかの二者択一で考える人が多いのです。その範囲では当然、脱力している方が良いですから、「いわゆる脱力」がもてはやされる風潮がある訳です。そして、そういう日本人の視線で見ると、外国人は力んでいるように見える場合が多いのです。

トレーニングとしては、黒人的な身体機能に近づくための股関節トレーニング、正しい連動を憶えるための、ホウキを用いた素振り(ジェフ•バグウェル素振り)、重いバットと軽いバットのコンビネーション素振り等を行ってください。

ブラウンさんの場合、形的にはクセ、欠点が有りませんし、基礎的なスキルはしっかりしていますから、黒人的な身体機能を高めるためのトレーニングに力を注げる状態だと言えます。構えている時に、地面を捉えている感じが強くなり、力の漲った構えから、いい感じのリズムで揺らげて、巻き戻しに躍動感が出て来たら、黒人的な身体の使い方が出来て来た証拠です。これらが、日本人が最も苦手とする動きです。

加えて、オートマチックステップでは投手と対峙する感覚が非常に重要になります。リリース前始動になるので全て反応で打たなければならないのはオートマチックステップの弱点ですが、そのぶん、反応の感度は良く、反応で打つ事がやりやすいのがオートマチックステップの長所です。投手と対戦する機会を大事にしたり、映像を使ってイメージトレーニングをしてください。

以下の動画は、オートマチックステップの打者(アレックス•カステラノス ドジャーズ)の打席ですが、オートマチックステップで反応で打ちに行く(反応だけで打ちに行く)感じが良く出ています。あまり良い当たりのシーンはありませんが、典型的なオートマチックステップの打者の打席ですね。

いわずもがなですが、18.44mの野球と言う競技の枠組みで見ると弱点はある物の、人間の身体の動き、スイングメカニズムと言う観点から見た場合、パンチャータイプの中では最も優れており、メカニズム的に完璧なのがオートマチックステップです。三冠王は脚上げ型の打者が取りましたが、メジャーでもオートマチックステップが理論化されれば、ケンプやプホルズのような打者がいるわけですから、また結果も違って来るはずです。

ホームランのシーン(http://www.youtube.com/watch?v=MVzJBSuu3ew

下の張りつけ動画はトップ型に見えますが、ホームランの動画は厳密に言うとヘッド入れ型なので、スイングに少しクセが有り、フォローの取り方がイマイチです。しかし、最近にしては珍しくオートマチックステップの純度が高い打者ですので、その意味では注目したい選手ですね。(成績いかんに関わらず)












打撃は以上です。


投球に関しては、これは大体の人がそうなのですが、まだメジャー式脚挙げがあまり出来ていない状態ですね。ただ悪い方では無いです。やはり、そこそこ動きのイメージが有るからなのでしょう。

問題は、上半身が全体的に背中側に倒れる、悪い意味でのY字バランスになっている点です。これだと脚を挙げる時に後傾した骨盤が前傾に戻る動きが弱くなります。もう少し脊柱を柔らかく使って、頭が背中側に傾かないようにし、背骨を丸めるようにして脚を挙げる事が大切です。




この図のように、背骨が丸まると、その反動で反る動きが入るので、骨盤が前傾します。(なお、この場合の骨盤前傾は胸椎後湾を伴う必要は有りません。)

骨盤の後傾から前傾に戻るアクションは下の4人の動画に良く出ています。

http://www.youtube.com/watch?v=J2kgzfLMlf4

http://www.youtube.com/watch?v=LKfyqoevBQY

http://www.youtube.com/watch?v=nPMi_Z6TqFQ

http://www.youtube.com/watch?v=V1z44JHEqFE

もちろん、はじめからこれだけの動きは難しいし、また、当然、意識的にやってはいけない動きです。脚を挙げる動きがよければ、自然になります。また、良い悪いではなく、どちらかというとスインガーの方が解りやすい動きです。(ノリスはスインガー)

パンチャーの場合、骨盤が前傾に戻ってから始動と言う意識だと始動のタイミングとして遅くなり過ぎるので、なおさら意識してはいけないと言う事になります。

ブラウンさんの場合、脊柱の使い方が硬いので、この骨盤後傾〜前傾の動きが上手く引き出せず、(※)軸脚のハムストリングスがもう一つ効いていません。そうなると重心移動が弱くなり、テークバックで肘も挙りにくくなります。

(※)動きの大きさとしては充分なのですが、後ろに身体を倒すせいで、どうしても違和感が有ります。上手く説明しにくいですが、良い動きでは無いと言う事です。後ろに倒す事で後ろ脚の大腿四頭筋の緊張が有るのかもしれません。

この辺が改善され、軸脚股関節伸展の力で、もっとニュ〜っとプレートを粘り強く、長く押せるようになると、肘も挙るようになって来るでしょう。(軸脚股関節でプレートを押す動きと、肘の上がりは連動しています。)球速に直結する最も重要な動きです。


トレーニング等で重視するべきポイントとしては、脊柱の柔軟性を高める事と、ハムストリングスの力を使えるようにする事です。ハムストリングスがもっと使えるようになると、軸足で地面をクッと捉えるような感じが出てきます。そしてグイッと地面を押す力が強くなります。今はそれが弱いので、下半身の動きがカチッと地面を捕まえて、グッと押す感じでは無く、ヌル〜っと潰れるようになっています。

トレーニングとしては、ダンスのリズムトレーニングを応用した「反り系」と「アップダウン系」この二種目を継続して行ってください。(股関節リズム伸展スクワットは、アップする時も腕の力を抜き、踵で地面を叩くような感じでやってください。最近、そのへんの変更がありました。)音楽を使わないパターンでは振幅を大きくしてトレーニング効果を高めます。音楽を使うパターンでは、筋肉が硬化していると、上手くリズムが取れないので、鍛え方の善し悪しが直ぐに解ります。

また、脊柱を反るストレッチも普段からやっておいてください。下図のように背中にタオルを通して、身体が後ろに倒れないように支えてやると、腰を大きく前に突き出せるので、大きく身体を反ることができます。
 腰を反る動きをトレーニングの中で多用すると、最初の方は腰が痛くなるかもしれませんが、鍛えられて来ると治るでしょう。不具合が有ったときはまた教えてください。

以上です。

 

2012年12月26日水曜日

コータ君 6回目

ご来店ありがとうございました。



コータ君にとって重要な事は、やはりハムストリングスの効いた構えからオートマチックステップで振り込むと言う事です。オートマチックステップのワイドなスタンスが最もハムストリングスが効きやすいですし、ハムストリングスが使えているか否かが最も明確に出る打ち方だからです。

下の動画は小学生で、一回目としてはかなりハムストリングスが使えているスイングが撮影出来たので、それをアップしたものです。この重要なポイントを初回から、そこそこ重視した事によって得られた結果です。


※)この動画は揺らぎをかなり強調していますが、それは練習の段階で、感覚を掴むためにそうなったのでしょう。実際には、構えが出来たらここまで大きく揺らぐ必要は有りません。ただ、この動画では、揺らいだ後、良い意味でピタッと止まっています。この止まり方を見ると、ハムストリングスが効いて地面を強く押さえているなと言う事が解ります。ハムストリングスで地面を押す力が強く働いているから、両足、両脚股関節が強く地面を捉え、身体を(押されても動かないように感じるくらいに)強く安定させる事が出来るわけです。そうなると、瞬発的に大きな力が発揮出来るようになり、そこに、この打法の真髄が有ります。この動画は一回目にしては、その辺が良く出来ているスイングだと言う意味で、ここにアップしました。


現在、コータ君の状況は、少しづつ、ハムストリングスを使った立ち方が出来て来ている状態です。少なくとも、ラボの動画では、ですが。

ハムストリングスが使えるようになると、軸が決まって芯が安定するので、置きティーのスイングのように、大きく振っても、身体が振り回されず、遠心力を制御出来るのです。そういうスイングになりつつあります。

ラボでは、骨で立った状態から打つ練習(ストレッチと素振り)と、スクワットダウンしてハムストリングスが効いた状態から打つ練習(ストレッチと素振り)をやりましたが、その練習を重視してください。

そして、特にオートマチックステップでのスイングを重ねる事が最も重要です。オートマチックステップだと、ハムストリングスが使えていないと振れない(ごまかしが効かない)ので、本当に上手い身体の使い方が身に付くからです。

脚を上げない打ち方(オートマチックステップ)が最も身体の力をフルに使い切れて、豪快に振れるのだ(豪快に振るのに、脚を上げる必要は無い)という事に気がついたときが、本当の身体の使い方が解った瞬間です。

そうなると、ジェフ•バグウェル(がに股打法で有名)のような構えから、思い切り振る事が出来るようになります。(この打ち方は実際に前から飛んで来るボールを打った方が感覚を掴みやすいでしょう。)

「ジェフ•バグウェルの構えから、身体の力がフル活用出来て、思い切り振れるかどうか」と言う事が、この打ち方が理解出来ているかどうかの、リトマス試験紙になります。(なお、ジェフ•バグウェルのマネをする場合は、軽いバットを使ってください。軽いバットで良いので、ジェフ•バグウェルのように打つ事が出来れば、この打ち方のメカニズムをかなりのレベルで体現出来ている事になります。)

ジェフ•バグウェル


※)ジェフ•バグウェルのヒッチが大きくなるのは、それだけ身体の連動が強く働いている証拠です。なぜ連動が強く働くのかと言うと、股関節を大きく割り、重心を下げる事により、体幹部操作1の連動が、身体各部位に強固に作用するからです。その状態から振るので、これだけ大きなヒッチが発生するわけです。この動きは無意識に起きる動きであり、絶対に意識してやってはいけない動きです。因に、外国人のフォームにヒッチが多く見られるのは、白人や黒人は黄色人種に比べて骨格の条件が優れているため、身体の連動性が高いからです。その見かけ上の動きに惑わされて、ヒッチの大きな打ち方を「目指して」しまうと、間違いを犯す事になります。そういう意味では何でもかんでもメジャーのマネをすれば良いというわけでは無いと言う事で「マネのし所」を知る事が重要になります。片手フォローも同じで、日本人にとっては、特にやるべきでは無い事です。

ただ、コータ君が有利なのは、日本人としては、脊柱のS字カーブが良いラインを描けていると言う事ですね。スポーツをするのには有利な骨格だと言えます。スピードがついてこれば、良い線行くと思います。

※)ラボでは置きティーを多用しましたが、スイングにクセが付きやすい練習なので、置きティーをする場合は、素振りとフリーバッティングを行いながら、置きティーによってスイングが悪くならないように注意してください。

以上です。ではがんばってください。

2012年10月29日月曜日

チワワさん個別分析

この記事はチワワさんの個別分析記事ですが、JHETTさんのフォームも引き合いに出しますのでJHETTさんも参考にしてください。



まずチワワさんに関しては、センスは有ると思います。西武の西口とか、イム•チャンヨン、ジェイク•ピービーみたいな感じのセンスを感じますね。球速の数字と言うよりも打ちにくい球を投げられそうな気がします。躍動感の有るフォームが自分の真骨頂だと思うと良いでしょう。それを犠牲にして(一般的な野球指導の観点から)フォームを綺麗にまとめようとすると持ち味が無くなるタイプですね。

フォーム的には、JHETTさんに比べると、骨で立つとかハムストリングスで立つとか言ったあたりの事が出来ていません。ラボでも腸腰筋をストレッチした後に股関節がクッと折れる感じがつかめていないようでした。そのせいか、投げた後に後ろ脚が出て来る動作が大人しい時も有りました。

いい点は、グラブとボールの割り方が非常に上手いです。テークバックで投球腕が内旋しつつ肘から挙る所までの動きは素晴らしいのですが、そこからの外旋が浅いのが惜しい所ですね。それからJHETTさんよりもしなやかに動けている反面、JHETTさんよりも、骨盤の前傾した状態を作れていない分、動きの中で芯が弱い感じがします。チワワさんのしなやかさにJHETTさんの芯の強い安定感が加わると素晴らしいのですが。

詳細分析

チワワさんの大きな長所は、体重移動を利用した見事なグラブとボールの割り方です。そして、ヒップファーストの角度も素晴らしく、下の写真でも3コマ目までの形は(後ろ脚股関節の割れがやや甘い点を除き)パーフェクトです。


ただ、残念なのは後ろ脚股関節の伸展が弱く、重心移動の過程で沈み込んでしまい、そこから先はJHETTさんと同じ問題を有していると言う点です。そしてチワワさんの場合、フィニッシュでのターン&倒れ込みが弱いケースが多い事が目立ちます。ただ、事前に頂いた動画ではそうでも無い事を思うと、チワワさんの身長に対してラボがやや狭い事も影響していたのかもしれません。ただ、いずれにせよ、股関節伸展が弱く、重心が沈み込むのは確かです。


そして、テークバックでの投球腕の内旋は見事なのですが、その後の外旋が小さいと言う事はラボでお話した通りです。この動画後半の動き(或は下の写真)を見ても解りますように、股関節の絞りと投球腕の外旋は連動しています。股関節の絞り=伸展ですが、股関節伸展の結果、胸を張る動きが肩関節の外旋を誘発するのだと考えられます。


つまり、肩関節の外旋が浅いのは関節可動域も有ると思いますが、動作によっても改善しうると言う事です。

下の写真のシーンで、もっと股関節伸展による体の反りを作らないと、肩関節が外旋しないということです。


この点についてはアロルディス•チャップマンが素晴らしいので、下の動画の冒頭の投球練習のシーンを見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=cAlnLfkppm0&feature=plcp


チワワさんの場合、技術論と言うよりも、股関節の機能性を高める事が重要になります。特に「黒人的な」と言う観点から見るとまだ手つかずの状態に見えます。技術論的な事に関しては、現状でかなり良い線行っています。まず、以下の感覚を掴めるようになってください。

★腸腰筋をストレッチした後に骨盤が前傾してクッと股関節が折れる感覚。また、その際、骨で立つ感覚が得られ、大腿四頭筋が緩み、ハムストリングスの腿裏内側、膝のやや上あたりが締まっている感覚。また、骨盤が前傾した時、股関節が緩む感覚。

★ワインドアップの際、後ろ脚の踵でトントンと足踏みをして、骨で立つ感覚が確認出来る。

★ワインドアップで最初に前脚を後方に引く時、カクッと後ろ脚の膝が緩む感覚。

★後ろ脚の踵でトンッと踏むと前脚が挙りやすい感覚。

などです。腸腰筋その場ステップや腰を反るストレッチ等をかなり繰り返す事で、こういった感覚を磨き上げ、強化していってください。

下図のように腸腰筋をストレッチした後、股関節が屈曲する感覚。これが非常に重要です。この感覚を掴めるか否かが分かれ道になります。


そして、股関節周辺の靱帯の方向性を見ても解りますように、骨盤を前傾させると靱帯が緩みます。

これは骨盤が前傾する事で、股関節のハマりが深くなるから、靱帯のテンションで股関節を安定させる必要が無くなるため、そうした身体の作りになっているのでしょう。
この状態になると、股関節のボールが転がりやすくなるので、股関節の回旋能力を引き出す上で有利になるのです。
そして、骨盤が前傾すると、大腿四頭筋が緩み、ハムストリングスが引き伸ばされるので、ハムストリングスの力が使いやすくなります。

ハムストリングスによる股関節伸展の力は脛骨を通り、地面に伝わり、地面を押します。ですから、踵寄りに加重する事が重要なのです。

まずは、こうした基礎的な事項を徹底したストレッチの継続によって身体にしみ込ませる必要が有ります。それはもう肉体改造するくらいの意識が必要で、黒人の身体に肉体改造するくらいの意識が無いと貫徹出来ない事です。ただ、チワワさんにもしそれが出来ると、凄い事になるでしょう。(もちろん、肩関節の柔軟性も重要ですが)

下の写真を見る限り、骨格のアラインメントには恵まれたものがあるからです。これは先天的要素に加え、成長期が終わるまでの骨格の育ち方も重要な要素になります。もちろん、成長期を終えてからの鍛え方も重要で、それが欠けていると、せっかくの恵まれた骨格を運動に活かせないのです。


つまり「遺伝子に関わる先天的要素」「成長期が完了するまでの要素」「成長期が終わってからのトレーニングによって改善される要素」の3つの要素のうち、チワワさんの場合、最初の2つには恵まれているものの、3つ目の要素が欠けているのです。つまり、腸腰筋が効いて、骨盤が前傾し、ハムストリングスが力を発揮しやすい状態で動作すると言う、黒人的な身体の使い方を身につけるための取り組みが無いのです。(もちろん、それには単純にダッシュする事なども含まれます。)

観察経験上、チワワさんのようなケースは良く有りますが、そうしたケースの場合「成長期が終わってから努力した人」に比べて、実際の動作の中で、黒人的な身体の使い方が出来ない事が多いのです。それだけ、後天的な努力が重要になると言う事です。


まず、取り組みの第一段階として、チワワさんの場合、ヒマが有れば腰を反って腸腰筋をストレッチし、その後に股関節がクッと折れて、骨で立つ感覚になると言う事の確認を行うようにしてください。

これは、もちろん、大きく反ってしっかりやるべきなのですが、日常の色んな場所でも、10センチ程度の反りで充分出来るので、例えばポケットに手を突っ込んで普通に立っている感じのままでも出来る事です。(股関節を屈曲させる時、胸椎の後湾を意識すると、骨盤が前傾し、骨で立つ感覚が掴みやすくなります。)もちろん、小さな反りで感覚が掴めるためには、ある程度、習熟する必要が有るでしょう。

そして、まずは、練習の仕方として、シャドウでも実際にボールを投げる場合でも、まず腸腰筋をストレッチしてから、ワインドアップモーションで前脚を引きつつ、後ろ脚の膝をカクッと緩め、後ろ脚の踵でトントンと足踏み(後ろ脚の踵で地面を踏むと、前脚が挙りやすい。)してから、骨で立っている感覚を確認したうえで投げると言う事を繰り返してください。

要するに、チワワさんの場合、手塚理論風に言うと骨盤が滑っている状態なのです。JHETTさんのように、クッと地面を捉える感じが無く、ヌル〜ッと出て行ってしまい、重心が沈んでしまうと言うパターンです。

ですので、下の写真のシーンでは非常に良い形で投球腕が外旋していても、


下の写真の動作で、後ろ脚股関節の伸展が使えず、胸が張らないので、充分な外旋角度が作れないのです。もちろん、股関節伸展で身体を持ち上げる力が弱いので、直ぐに着地してしまうため、肩関節が外旋する時間的余裕が無いと言うというのも原因の一つです。


上の写真のシーンで、それ以前の良い形が台無しになってしまっています。そのため、着地後に前脚股関節の伸展が上手く使えません。また、投球腕の外旋角度が浅いので、下敷きのしなりも不十分です。このあたりに球速が向上する余地があります。

ただ、センスが有るなと感じるのは、下の写真です。投球腕の外旋が浅く、肘が伸びたままアウトサイドインに腕が振られて、回転半径が大きくなりスイングが鈍くなる所を、脊柱を1塁側に無意識に傾けて、回転軸から脊柱を外し、スイングの回転半径を小さくしています。

このあたりに、しなやかに身体が使えるチワワさんのセンスを感じます。センスが無い人だと、ここで脊柱が動かずに、回転半径が大きく鈍い腕の振りになってしまいます。もちろん、このシーンでここまで顔がそれるのは良く無いのですが、この腕の振りと言う条件の中では適切な対応であり、敢えて修正していくべきポイントでは無いと言う事です。腕の振りが修正される事で、自然に修正されるのが理想です。

また、フォロースルーに関して言うと、JHETTさんに比べ、前脚の膝が外に緩み、前脚股関節伸展の力が上手く使えていません。膝が緩むから股関節伸展が上手く使えないとも言えますが。


そのため、下の動画の最初の実速の映像で比較しても、JHETTさんに比べてチワワさんの方が過剰にターンしてしまっています。JHETTさんの場合は、前脚股関節伸展、つまり絞りに伴う内旋が生じ、それによって瞬間的に前脚に壁が出来ているからです。その壁によって一度、力が打者の方に向かった後でターンしているので適切なターンになるのですが、チワワさんの場合、前脚の膝が着地後に外に緩む上に、股関節伸展に伴う内旋が弱いので、勢いに負けてターンしてしまっているのです。


フォロースルーの問題は文章と写真では表現しにくいので、動画で説明します。

念のために、股関節伸展によって身体を前に運ぶ動きとは下図のように、一歩前に出した脚の股関節を伸展すると、地面を後ろに押す反作用で身体が前に運ぶと言う理屈によるものですね。ラボでお話しした事を思い出してください。膝伸展だと反対に後ろに下がるわけです。

前脚の角度にはJHETTさんもチワワさんもあまり差が無いので、基本的に股関節が使えているか否かと言う技術論以前の問題が大きいと思います。(もちろん、技術論以前とは言いながら、技術論以上に重要であり、あるいは技術論そのものとも言える問題でもあるのですが。)


前脚股関節伸展(絞り)に伴う内旋で一度前脚に壁を形成しつつ、そこから股関節伸展で身体を豪快に運ぶ。コレが理想的なターン&タンブルをもたらします。股関節の運動性を向上させる事で、なんとか理想的なターン&タンブルを身につけてください。

以下に、いくつか turn and tumble finish (ターン&タンブル フィニッシュ)の良い例を挙げておきます。

ジョナサン•パペルボン

ジョニー•クエト

ジェレッド•ウィーバー

レオ•ニュネス
http://www.youtube.com/watch?v=WFuUayMx9MI&feature=fvst

上記の投手ぐらい豪快なターン&タンブル フィニッシュになるのが理想的です。日本人の場合、最近の高校生などで、ターンが出来る投手は増えてきましたが、タンブル(倒れる)の力強さがまだまだ全然メジャーにかないません。それは股関節伸展で身体を前に運ぶ力が弱いからです。倒れ込みで着地した後ろ脚に体重が乗るタンブルが最高のフィニッシュです。これをアスファルトの上でやると膝が心配な事だけが気になる点ですね。

そしてまた、ターン&タンブルフィニッシュの成否は良い動作であったかどうかのバロメーターになります。これは誰にでも当てはまる事ですが、特にチワワさんの場合、ワインドアップモーションからの投球で、腸腰筋ストレッチ〜後ろ脚の膝カックン〜後ろ脚踵トントンで骨立ち〜後ろ脚踵で地面を踏みながら前脚を挙げる〜ターン&タンブルフィニッシュと言う流れを一球一球、身体にしみ込ませていってください。

続きます。

チワワさんの場合、とにかく黒人化と言う観点からのトレーニングの徹底が急務です。もちろん、これは全ての人に言える事なのですが、チワワさんの場合、特にです。そして、もう一つは肩関節の柔軟性を向上させる事ですね。この二つが出来れば、現状の感じで投げ続けるだけでかなりのレベルに到達出来ると思います。

また、上半身の筋力トレーニングとして、素振りも出来るだけ行ってください。素振りとシャドーの組み合わせは効果的な練習で、硬式用など、ある程度の重さのバットで素振りを5回くらいした後、シャドーをすると最初は腕の振りが硬くなっていますが、5球も投げるとしなやかさが戻ってきます。そして腕の振りも力強くなっている事がわかります。この繰り返しの練習は効果的です。

また、とにかく腕を多く振る事で投球腕の回旋能力を向上させる観点から考えると、オートマチックステップドリルは効果的ですね。腕を振ると、加速時に生じる慣性力等で外旋がかかりますが、その繰り返しで外旋可動域が広くなっていきます。無理の無い範囲(ボールと同じ重さまで)でシャドーボールに重りを入れて行くのも良い方法です。外旋させる負荷が強くなるためです。

なお、オートマチックステップは始動時の下半身の力が弱いと投球腕に負担がかかる事が予想されますから、何球かに一回、腰を反って腸腰筋をストレッチし、骨盤の前傾した構えから投げる事に注意してください。

以上です。ではがんばってください。

2012年10月28日日曜日

JHETTさん個別分析

この記事はJHETTさんの個別分析記事ですが、チワワさんのフォームも引き合いに出しますのでチワワさんも参考にしてください。JHETTさんの場合、脚を挙げる時の骨盤後傾と降ろす時の前傾を非常に上手く使えています。それに加えて、ラボでの練習において、腸腰筋をストレッチした後で股関節をクッと屈曲させるいい感じがつかめていたので、始動ポジションで上手くハムストリングスで立てている投球が何回かあります。ただ、打撃の構えも見ても思ったのですが、股関節を割る感覚がイマイチです。昔の動画だとそこそこいい感じで割れていたのですが。



後ろ脚股関節が割れた状態からニュ〜ッと絞り動作を起こしながら伸展する事で地面を押す動作が重要なのですが、この力があまり使えていません。これは以前から一環している問題です。JHETTさんのように股関節の割れが上手く作れず、始動時の下半身の力が弱い人をこれまで何人か見てきました。JHETTさんもそのタイプのように見えます。ですので、そのへんの研究と実践が非常に重要だと思ってください。

それからもう一点、グラブとボールを割る動きに少し力が入っているような感じがします。その辺はチワワさんが非常に上手いのですが、少しヒップファーストがキツすぎるのも原因かもしれません。チワワさんくらいのバランスで重心移動を行った方がクラブとボールが自然に割れます。

詳細分析

JHETTさんのフォームで気になる点として、グラブとボールを割る動きに力が入っているように見えると言うのが有り、その原因として、重心移動初期のヒップファーストの角度が大きすぎるのせはないかと書きました。さらにそれに付随して以下の点が気になります。「テークバックで肘が伸び気味に投球腕」「股関節が割れずに膝が内に折れる後ろ脚」「ややキツいヒップファーストの角度」この3つです。下の写真はその動作のメカニズムを表現しています。


これは、下図のように、ヒップファーストで上半身を捕手方向に倒す回転(オレンジのセグメントの回転)が、脚を斜めに倒す回転(黄緑のセグメントの回転)と腕を引き上げる回転(青のセグメントの回転)を引き起こすからです。
これは、3つのセグメントのうち、どのセグメントの運動が原因となっても起こりうる動作で、前にハンターさんの記事でも書きましたが、非常に良く見られる問題なのです。


特に問題なのが、後ろ脚の股関節が「割れ」では無く「外転」になる事で、そうなると、膝が内に折れやすくなります。結果的に膝が前に潰れ、大腿四頭筋が効いて、ハムストリングスが緩み、ハムストリングスの力が使えなくなってしまうのです。投球腕の動作についても肘が伸びたテークバックになりやすいのが問題です。

下の写真を見ても、膝が内に折れ、かつ前に潰れている事が解ります。こうなると、始動ポジションでハムストリングスを使って立てていても、その後の重心移動のシーンでハムストリングスの力を充分に使えません。 


そのため、重心移動のシーンで後ろ脚股関節の伸展で体を持ち上げる力が弱いので、前脚が着地した時の膝が曲がり過ぎてしまっています。

特に平地でのスローイングの場合、マウンド上に比べてヒップファーストの角度が浅くなるので、重心が高いフォームになりますから、その点を考慮すると、平地でのこの膝の角度は問題です。マウンドでも下の写真くらいの膝の角度で良いくらいです。


下の動画の冒頭にジョニー•クエトの投球練習が3球ありますが、前脚の角度を見てください。軽く投げているので全力投球に比べるとやや重心は高いと思いますが、この感じで良いんです。

http://www.youtube.com/watch?v=WbQI2INt49U&feature=plcp

この前脚が着地した状態から、パンチャータイプの場合、(無意識下で)前脚の股関節、膝関節を伸ばしながらパンチを放つのと同じメカニズムで腕を振ります。前脚を着地したトップの形を作り、そこからパンチを打つ実験をしてみると、前脚を伸ばす事によって強いパンチが打てるのが解ると思います。


ただ写真の投手(比嘉幹貴)の場合、少し前脚が伸びるタイミングが早すぎるかもしれません。その点、ラボ室内の動作ではJHETTさんのフォームも悪く無いのですが。。

ただ、JHETTさんの場合、基本的には重心移動のシーンで後ろ脚股関節の伸展の弱さから、重心が沈んでしまい、前脚の膝が深く曲がった状態で着地してしまうので、この前脚の伸展を上手く使えていない傾向が多分にあります。


そこで実験ですが、下の写真のポーズを作ってください。前脚が着地して、肩は45度くらい投手方向に回転した状態です。この状態からパンチを打つ実験を行ってください。


図a

図b

図aのように前脚の膝が90度くらいに曲がるまで重心を下げた状態から前脚を曲げたままパンチを打つ場合と、図bのような前脚の角度からパンチを打つと同時に前脚を伸ばす場合で、どちらが強くパンチを打てるのかと言うと、図bの場合だと思います。

前脚股関節、膝関節の伸展で地面を押す事によって発生する地面反力は、重心移動にブレーキをかけると同時に体幹の前屈のトルクを強化する事で、パンチを打つ力を強くする働きが有ります。(前脚の固定が弱く、重心が前方に流れながらの状態でパンチを打つと、パンチの押す力が上手く加わらないのはイメージしやすいと思います。)

そして、着地の時点で図aのように膝があまり深く曲がり過ぎていると、体重が着地した前脚にかかりにくく腰が落ちてしまうのですが、着地の時点で図bのような膝の角度になっていると、体重が着地した前脚に上手くかかってくれるのです。


前脚に体重がかかると、前脚股関節伸展の力も上手く使えます。ですから、図bくらいの前脚の角度で着地する事が重要なのです。

そしてJHETTさんの場合、後ろ脚股関節の伸展の力が上手く使えていないので、重心が低くなり過ぎ、前脚股関節の伸展を上手く使えていないと言う事です。

ただ、JHETTさんの場合、投げ終わった後のターン&倒れ込みは中々ダイナミックで良いものがあります。しかし2コマ目で前脚が浮いてジャンプしてしまうのは、理想的な倒れ込みの形では無いでしょう。これも、前脚の着地する角度が良くなると改善されると思います。恐らく、前脚股関節の伸展に伴う内旋が弱いので、前脚の壁が上手く機能せず、重心移動と回転に踏み堪えられないのだと思います。ただ、そのくらいの勢いがついているのは良い点です。


投げ終わった後のターン&倒れ込みで理想に近いのが体を捻るフォームにする前のジョニー•クエトですね。2010年のフォームを動画で見てください。特に動画後半の倒れ込み方は体がキレて来たのか素晴らしいものがあります。

http://www.youtube.com/watch?v=KwNqjBwcpQg&feature=plcp

前脚がきちんと伸びて、着地した前脚に体重が乗る、理想的なターン&倒れ込みです。この動きを目指してください。(クエトは体を捻るフォームを採用して大化けしたのですが、フォーム自体は捻らない頃の方が良かったのですがね。)

まず、ヒップファーストの角度がキツいと言う事ですね。その結果、後ろ脚股関節が割れにくく外転主体になり、膝が内に折れ、重心が下がって前脚が上手く使えないと言う悪循環です。

さらに、グラブとボールの割れ方がきごち無いのも、ヒップファーストがキツいからでしょう。もう少し自然に上半身の角度を保った方がグラブとボールが自然に割れてくれます。その辺はチワワさんが非常に上手いです。これ以上無いくらい理想的なヒップファーストの角度とグラブとボールの割れ方です。投球腕の肘が非常に良い角度に曲がっているのもそのためです。


体重移動との連動でグラブとボールを割る事が出来ていれば、本来、両腕がチワワさんのように重力で下がって肘が伸びるような形が瞬間的に形成されます。(グラブ腕の方は少し曲がったままになるようです。)

もう少し自然な上半身の角度で(ヒップファーストを意識せず)重心移動がスタート出来れば、グラブとボールももっと自然に割れてくれるはずです。

なお、良い点も勿論、多々あります。投げた後のダイナミックさも良いですが、グラブの残り方。これが素晴らしいです。これ以上無いくらい理想的なグラブの残し方が出来ています。


また、脚を挙げる時に後傾した骨盤が降ろす時に前傾する動作も素晴らしいですね。ただ、ここまで骨盤が前傾するまで始動を我慢してしまうと、始動ポジションで既に重心移動が始まり過ぎた状態になりやすく、そうなるとパンチャーとしての始動時の下半身の力の発揮が弱くなってしまう可能性があります。



また、骨盤が前傾する事によってハムストリングスが効いて来るので、頭の位置が伸び上がるようになってしまうのですが、この動作も強調され過ぎると、始動時の下半身の力の発揮が弱くなります。そのような場合、特に肩に負担がかかります。


伸び上がる動作に付いてはラボでの会話でも有ったと思うのですが、JHETTさんの場合、始動ポジションを形成するタイミングも課題ですね。伸び上がるシーンで押さえ込む意識と言う事も確かに以前に書きましたが、それ以上に、もう少し(と言ってもコンマ何秒ですが)早いタイミングで始動した方が良いのかなと思います。今の所、脚を降ろして、骨盤を前傾位に戻してからと言う意識が強いのでは無いでしょうか。それだと前述のように始動前に重心移動が起きている状態になりやすいです。

それよりも、前脚を挙げたと思ったら、フッと一瞬力を抜いて、すぐ始動するくらいのイメージの方が上手くいくと思います。

始動のタイミングと言う意味ではティム•ハドソンは参考になります。ワインドアップの方が解りやすいです。

http://www.youtube.com/watch?v=kY5dsxeudRg&feature=relmfu
http://www.youtube.com/watch?v=A-VgDLCX7ZA&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=9C5wN2Sj1fQ&feature=plcp

ティム•ハドソンは前脚を挙げる時に上半身が背中側に傾くのと、腕を大きく挙げるので、膝で体重を受け止めて、膝が潰れており、重心移動にダイナミックさが無いのが難点ですが、ラボでさいようしているメジャー式の前脚の挙げ型からの始動と言う意味においては参考になる一人ですが、もう少し遅くても良いですね。

ハビアー•バスケスくらいが理想でしょうか。ラボで採用している方向に最も近いと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=-nrLPz6I4kE&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=U_WEW-IXBHE&feature=plcp

始動ポジションの形成が早すぎると重心が沈み過ぎる傾向は有ると思います。骨盤が後傾した状態からの始動になるからでしょうか。ラモン•ラミレスはそのケースでしょう。

ラモン•ラミレス
http://www.youtube.com/watch?v=YEMelsFTueE&feature=plcp

始動するタイミングについては、試行錯誤が重要だと思いますが、最も力を発揮出来るタイミングと、そこに至るまでの動作を掴んでください。

だいたい、以上ですが、チワワさんの分を書く過程で少しだけ追加します。


JHETTさんの場合、やはり始動ポジションを形成するタイミングと言うのが重要なテーマだと思います。私自身でも、セット始動をしないと言う理論変更後、始動ポジション形成のタイミングについては試行錯誤を重ねています。どのように教えるのが普遍的かと言う事も考えています。

その結果「始動ポジションの形成が遅いと始動時の下半身の力が使えず、肩に負担がかかる」と言う事が解ってきました。そして「始動ポジションは動きではなくリズムで捉える」と言う事の重要性も解ってきました。

つまり「前脚を挙げたと思ったら、フッと一瞬力を抜いて、すぐ始動する」と言う事です。実際にはハビアー•バスケス(遅い)とティム•ハドソン(早い)の中間くらいでしょう。

2010年の捻るフォームにする前のジョニー•クエト(http://www.youtube.com/watch?v=KwNqjBwcpQg&feature=plcp)は、理想に近いです。(グラブとボールの割り方がワザとらしいですが。)そのため、フィニッシュが豪快になっているのでしょう。重要なポイントですが、骨盤が前傾位に戻り、骨で立つ感覚を確認してからの始動では始動が遅すぎます。始動しながらオートマチックに骨盤が前傾位に戻るようでなければばりません。ヤンキースのデビッド•ロバートソンの骨盤の動きは良いです。(http://www.youtube.com/watch?v=OVtX-pHZvf8&feature=plcp

最も力が発揮出来て、ターン&タンブルフィニッシュが豪快になる始動のタイミングを試行錯誤で掴んでください。


打撃


バッティングについては、主にピッチングとの関連と言う観点から書きます。まず、動画を見ると、骨で立つ感覚は非常に良く掴めているのですが、股関節を割る事が出来ていないのが解ります。(昔に頂いた動画ではもう少し割れていましたが。)その意味ではピッチングと傾向が同じですね。

最後のスローモーションを見ても、股関節が割れていないので始動時の力が弱い事が解ります。横にスライドするような重心移動になっていますが、これは放物線軌道の重心移動にならないとパワーが生まれません。(放物線軌道になるとタスキラインが充分に引き伸ばされ、また着地した前脚に体重が乗ります。)

なお、右で打つのが良いのか左で打つのが良いのかと言うご質問が有りましたが、少年野球の選手のようにこれからいくらでも時間がある訳でもなく、また、仕事等もある中での取り組みで時間が限られる事を考えると、右で打つ方が良いでしょう。右投げ右打ち、左投げ左打ちだと、打撃がピッチングのための筋力トレーニングになり、投球が打撃のための動的ストレッチング(肩廻りの筋肉をほぐす)になるためです。 一方、右投げ左打ちの利点は、両方方向の回転運動を行えるので、身体のバランスとか、肩を痛めたり等のケガをした時の保険として考えると有利な面が有ります。身体の動きとしてはより高い次元を追求出来ると思いますが、右投げ右打ち等に比べて、多くの練習時間が必要になるのが難点です。

以上です。それではまた、がんばってください。