2012年12月26日水曜日

コータ君 6回目

ご来店ありがとうございました。



コータ君にとって重要な事は、やはりハムストリングスの効いた構えからオートマチックステップで振り込むと言う事です。オートマチックステップのワイドなスタンスが最もハムストリングスが効きやすいですし、ハムストリングスが使えているか否かが最も明確に出る打ち方だからです。

下の動画は小学生で、一回目としてはかなりハムストリングスが使えているスイングが撮影出来たので、それをアップしたものです。この重要なポイントを初回から、そこそこ重視した事によって得られた結果です。


※)この動画は揺らぎをかなり強調していますが、それは練習の段階で、感覚を掴むためにそうなったのでしょう。実際には、構えが出来たらここまで大きく揺らぐ必要は有りません。ただ、この動画では、揺らいだ後、良い意味でピタッと止まっています。この止まり方を見ると、ハムストリングスが効いて地面を強く押さえているなと言う事が解ります。ハムストリングスで地面を押す力が強く働いているから、両足、両脚股関節が強く地面を捉え、身体を(押されても動かないように感じるくらいに)強く安定させる事が出来るわけです。そうなると、瞬発的に大きな力が発揮出来るようになり、そこに、この打法の真髄が有ります。この動画は一回目にしては、その辺が良く出来ているスイングだと言う意味で、ここにアップしました。


現在、コータ君の状況は、少しづつ、ハムストリングスを使った立ち方が出来て来ている状態です。少なくとも、ラボの動画では、ですが。

ハムストリングスが使えるようになると、軸が決まって芯が安定するので、置きティーのスイングのように、大きく振っても、身体が振り回されず、遠心力を制御出来るのです。そういうスイングになりつつあります。

ラボでは、骨で立った状態から打つ練習(ストレッチと素振り)と、スクワットダウンしてハムストリングスが効いた状態から打つ練習(ストレッチと素振り)をやりましたが、その練習を重視してください。

そして、特にオートマチックステップでのスイングを重ねる事が最も重要です。オートマチックステップだと、ハムストリングスが使えていないと振れない(ごまかしが効かない)ので、本当に上手い身体の使い方が身に付くからです。

脚を上げない打ち方(オートマチックステップ)が最も身体の力をフルに使い切れて、豪快に振れるのだ(豪快に振るのに、脚を上げる必要は無い)という事に気がついたときが、本当の身体の使い方が解った瞬間です。

そうなると、ジェフ•バグウェル(がに股打法で有名)のような構えから、思い切り振る事が出来るようになります。(この打ち方は実際に前から飛んで来るボールを打った方が感覚を掴みやすいでしょう。)

「ジェフ•バグウェルの構えから、身体の力がフル活用出来て、思い切り振れるかどうか」と言う事が、この打ち方が理解出来ているかどうかの、リトマス試験紙になります。(なお、ジェフ•バグウェルのマネをする場合は、軽いバットを使ってください。軽いバットで良いので、ジェフ•バグウェルのように打つ事が出来れば、この打ち方のメカニズムをかなりのレベルで体現出来ている事になります。)

ジェフ•バグウェル


※)ジェフ•バグウェルのヒッチが大きくなるのは、それだけ身体の連動が強く働いている証拠です。なぜ連動が強く働くのかと言うと、股関節を大きく割り、重心を下げる事により、体幹部操作1の連動が、身体各部位に強固に作用するからです。その状態から振るので、これだけ大きなヒッチが発生するわけです。この動きは無意識に起きる動きであり、絶対に意識してやってはいけない動きです。因に、外国人のフォームにヒッチが多く見られるのは、白人や黒人は黄色人種に比べて骨格の条件が優れているため、身体の連動性が高いからです。その見かけ上の動きに惑わされて、ヒッチの大きな打ち方を「目指して」しまうと、間違いを犯す事になります。そういう意味では何でもかんでもメジャーのマネをすれば良いというわけでは無いと言う事で「マネのし所」を知る事が重要になります。片手フォローも同じで、日本人にとっては、特にやるべきでは無い事です。

ただ、コータ君が有利なのは、日本人としては、脊柱のS字カーブが良いラインを描けていると言う事ですね。スポーツをするのには有利な骨格だと言えます。スピードがついてこれば、良い線行くと思います。

※)ラボでは置きティーを多用しましたが、スイングにクセが付きやすい練習なので、置きティーをする場合は、素振りとフリーバッティングを行いながら、置きティーによってスイングが悪くならないように注意してください。

以上です。ではがんばってください。

2012年12月6日木曜日

Who's Who(41)Yunel Escobar (ジュネル•エスコバー)

Yunel Escobar was traded to Tampa Bay Rays soon after the big deal between Miami Marlins and Toronto Blue Jays involving 12 players includes Yunel Escobar. 
By the way, this kind of right handed swing can only really be seen in recent MLB, I mean, his hitting style with the dynamic pull hitting from the closed batting stance had often been seen between from 80's to 90's. 

ジュネル•エスコバーは、マイアミ•マーリンズとトロント•ブルージェイズの、彼自身を含む12選手を巻き込んだ大きな取引の後まもなく、タンパベイ•レイズにトレードされた。
ところで、この種の右打者のスイングは最近のMLBに稀に見られるのみである。私の言いたいのは、彼のようにクローズドスタンスから、強引に引っ張って打つスタイルは80年代から90年代にはよく見られたってこと。

2012年12月5日水曜日

Who's Who(40)Chad Billingsley(チャド•ビリングスリー)

This kind of right handed starting pitcher throwing power curveball, two seam fast ball, and strong fast ball is frequently seen in recent MLB. I think Chad Billingsley and Stephen Strasburg are representative and typical ones.

パワーカーブとツーシームファストボール、それに豪速球を投げるこの種の右投げの先発投手は最近のMLBではよく見られる。チャド•ビリングスリーやステファン•ストラスバーグは、その代表的かつ典型的な存在だと思う。




シャドウボール

※)リリースする感覚を養うため、素手でのシャドウも大切です。シャドウボールだとリリース感覚が掴めず、叩き付けるような腕の振りが身に付く危険が有ります。素手で行う場合、前に投げるイメージで行いましょう。


これを握って腕を振ると、肩肘に負担をかけずにスローイングの練習が出来ます。新聞紙等を丸めたものに粘着テープやビニールテープを巻いたものです。

特に子供の場合、ボールが手に対して大きいと言うのが問題です。例えばハンドボールのような大きなボールを掴んで投げようとすると、握力を使う必要が生じます。握力を使うと、上腕二頭筋等までが緊張し、その結果、肩の動きが制限されます。ここにボールを多投する事の危険が有ると思います。そのような場合、写真のようなシャドウボールだと、握力を使わずに握れる(関節でロック出来る)ので、肩が柔らかく使えて、安全です。肩肘の故障等からのリハビリにもお奨めします。


2012年12月3日月曜日

Who's Who(39)Jose Guillen(ホセ•ギーエン)

A funky swing that makes me feel as if I can hear his shout "Ha! Good God!" like James Brown.

ジェームズ•ブラウンの「ハッ! グッドゴッド!」みたいなシャウトが聞こえてきそうなファンキーなスイング。




2012年11月28日水曜日

Who's Who(38)Sergio Romo(セルジオ•ロモ)

In our life, there are so many things that run increasingly away from you whenever you desperately run after it. Romo's slider is also one of  those things.

人生には必死になって追いかけるとますます逃げて行く物がたくさん有るが、ロモのスライダーもそうした物の一つである。

2012年11月27日火曜日

Who's Who(37)Jason Werth(ジェイソン•ワース)

Though I don't know the actual, this kind of swing looks like having much clutchness as Derek Jeter is so. And may be, that swing would give the same impression to his opponent even if it is different from actual. You know, it is the same as that making a serious face if even only in appearance, you would give an impression of thinking something seriously. And this also is one of the important tactics of baseball.

実際のところは知らないが、デレック•ジーターがそうであるように、この種のスイングはかなりの勝負さが有るように見える。そして、それは例え事実とは違っていたとしても、たぶん相手チームにとっても同じ事だろう。ま、それは例え見かけだけでもシリアスな顔をしていると、何かを難しく考え込んでいるように見えるのと同じ事だね。そして、これもまた重要な野球の戦術の一つなんだよね。

2012/10/11 Werth wins 13-pitch battle


2012/04/26 Werth's solo blast

MLB(36)Justin Verlander(ジャスティン•バーランダー)

Being too fast, it would be no wonder if his fastball has burned out and vanished by frictional heat with the air before it arrives at the home plate like a small meteorite's atmospheric entry.

あまりにも速すぎるので、彼の速球が、小隕石の大気圏突入のように、ホームベースに辿り着く前に空気との摩擦熱で燃え尽きて消失してしまっても不思議は無い。

2012年11月25日日曜日

Who's Who(35)Garrett Jones(ギャレット•ジョーンズ)


That's a well-balanced simple hitting mechanics! And I think that troubled young hitter (who lost his swing and came to don't know what to do) should learn from his simple hitting mechanics.

良く出来たシンプルな打撃フォームだね! 自分のスイングを見失い、どうすれば良いのか解らなくなった悩める若い打者は、彼のシンプルな打撃フォームから学ぶべきだと思うね。

2012年11月24日土曜日

Who's Who(34)Kelvin Herrera(ケルビン•へレーラ)

A new legend has quietly started in Kansas City yet with outstanding fastball.

新しい伝説は、既にカンザスシティーで静かに始まっている。圧倒的な速球と共に。






Who's Who(33)Daniel Nava(ダニエル•ナヴァ)

His large swing has somewhat a touch of classical power hitter's one and it suits the Boston Redsox's traditional atmosphere and the air of Fenway Park. In particular, his left handed swing reminds me of Carl Yastrzemski.

彼の大きなスイングには、どことなくクラシカルなパワーヒッターの雰囲気が有り、それはボストン•レッドソックスの伝統的な雰囲気とフェンウェイ•パークの雰囲気に似合っている。とりわけ、彼の左打席でのスイングは、カール•やストレムスキーを彷彿とさせる。

left handed hitting


right handed hitting

Who's Who(32)Mike Fiers (マイク•ファイアーズ)

His curve ball(0.44~) is so shocking that i was likely to dislocate my jaw when watching it. By the way, this kind of curveball causes hitter to nod like saying uh-huh in batter's box, so that, I named it as nodding curveball or uh-huh-curveball.
彼のカーブ(0.44~)はあまりにもショッキングなので、私はそれを見た時、アゴが外れるかと思ったよ。ところで、こういうカーブは打者を打席でアーハンって言う時みたいに頷かせるので、私はそれを、頷きカーブ、あるいはアーハン•カーブと呼ぶ事にしたよ。

2012年11月23日金曜日

Who's Who(31)John Buck(ジョン•バック)

Did he actually clashed the ball with his hammering swing? And it's not exactly but I felt like hearing that sound.
彼はそのハンマリング•スイングで、本当にボールを潰したんじゃないだろうか?確かではないけど、私はその音を聞いた気がする。

2010's swing


2012's swing


And it has been determined yet that he joins the Toronto Blue Jays as a result of 12players-blockbuster-trade between Blue Jays and Marlins.

そして、彼はブルージェイズとマーリンズによる12選手を巻き込んだ爆弾トレードの結果として、ブルージェイズでプレーする事が既に決まっている。

英語の勉強法

ここを読まれている人の中には学生さんも多いと思いますので、塚口式英語勉強法を紹介しようと思います。メジャーリーガーを目指している人は是非参考にしてください。

1)必要以上にノートを書かない。

頭の中にどれだけの内容が入っているかが勝負なので、必要以上にノートを書いても意味が無い。また、英語は漢字と違って、字を忘れる事がほぼ皆無なので、あまり書く必要性が無い。書くと時間がかかる。

2)一冊の本にじっくり取り組まない。乱読する。

特に文法の場合、その著者の説明の仕方が適切かどうかは必ずしも定かでは無いので、何冊かの本を乱読した方が良い。同じ内容でも複数の人から聞いた方が理解しやすい。また、常に知識は発展途上の段階で利用される事が求められるので、一冊の本を全部理解した等と言う事に意味は無い。特に、同じ本を繰り返し読むのも2回くらいなら意味が有るかもしれないが、基本的に新しい本を読んで新しい情報をインプットした方が英語脳が鍛えられる。

3)問題を解くのは出来るだけアッサリと諦めて早めに答えを見る。

基本的に英語を勉強していると言う事は英語について知らない部分がかなり有ると言う事なので、知らない事についてアレコレ勝手に考えても、あまり意味は無い。考えるヒマが有るなら、答えを見て時間を節約し、その間に新しい文章を読んだ方が良い。

4)移動時間を利用する。

電車内などで勉強する場合は、単語集で文章がついてあるのが有ると良い。コンパクトだし、解らない単語が有っても大抵、説明してあるので。また、携帯のインターネット等も使える。

5)インターネットを利用する。インターネットは非常に使える。「環境 英語」と入力すると、その英単語と例文が出て来るし「location 意味」と検索すると、その意味と例文が出て来る。

6)インターネットを利用して英作文をする。英語の掲示板等に投稿して遊ぶと、楽しみながら英語が身に付く。その場合、自分で思いついた言い回しが適切かどうかは、例えば文章の両サイドに「"」を付けて検索すると、適切であればその言い回しがたくさんヒットする。"classified into two types :A and B"など。難点は「良く有る間違い」もヒットしてしまう事だが、テストでも無い限り、あまり気にする事では無い。言葉は相手に伝われば良いので。

7)極力、憶えようとしない。憶えるべき大事なポイントは多くの文章を読んでいるうちに何度も出てくるので自然と憶える。一つの文や単語を憶えようとして努力すると、そのぶん多くの文章に触れる機会を失うので、時間の無駄になる。

8)最初から系統立てて勉強しようとしない。はじめは、自分のレベルに合った英文を乱読して慣れる。慣れると同時に、疑問点も多く出て来るので、その時点で系統立てた勉強(文法など)を始めると、吸収が早い。その両方をタイミングを見計らって繰り返すのが効果的。

等ですね。

因に関係無いですが、私は「生活の知恵マニア」でして、グッドアイデアが浮かぶとそれをメモって置く事にしています。(笑)

例えば、ヒット作が「部屋のカギは財布に付ける」何故かと言うと、仮に財布をどこかに置き忘れて来た場合、部屋に入る前に気がつくので、気がつくのが早いし、次の日の朝になって「財布が無い!」と焦る事が無い。なぜなら部屋に入ったと言う事は、財布は部屋の中に有ると言う事だから。ただし難点は落とすと貴重品を二ついっぺんに無くすと言う事。(笑)合鍵を作るのが必須です。まぁ、チェーンでズボンに付けておくのは基本ですね。というか、それが出来ない財布が多いのが信じられない。

その他、知恵と言うのとは少し違うが、自信作を。

●人と歓談した時には忘れ物に気をつけろ。話が盛り上がった時に飲食店などで忘れ物をするのはありがちなパターン。

●知らない土地では出来るだけバスに乗るな。バスの路線図は見ずらいので、知らない土地で乗ると間違える事が多い。乗るなら、インターネット等で調べておいた方が良い。

●(歩行時に)信号無視をする場合は、後ろに人がいないか気をつけろ。信号無視は本人は注意しているので危なく無い。携帯を見ながら歩いている人間がつられて付いて来る場合などが有り、それが一番危ない。

●家を出る前に注意するべきポイントをドアに貼っておく。ストーブを消し忘れたような気がして引き返したりすると、遅刻などに繋がる。ただチェックする項目が多いと、あやふやになるので、出来るだけ必要最低限に絞る。例えば電気を消し忘れたくらいだと、大した損失にはならないので、そういうのは書かない。特に危ないのはワンルーム等で多い電気式ガスコンロ。




Who's Who(30)David Phelps(デビッド•フェルプス)

What a fantastic curveball and two-seamer! His debut must have left a striking impression among yankees fans. And his pitching mechanics, in particular arm swing seems to be suitable for throwing curveball and two seam fast ball more than probable. His pitching style reminds me of Chad Billingsley's it.

なんというファンタスティックなカーブとツーシームだろう! 彼のデビューはヤンキースファンに強烈な印象を与えたに違い無い。そして彼のピッチングフォーム、とりわけ腕の振りは、如何にもカーブとツーシーム•ファストボールを投げるのに適しているように見える。彼のピッチングスタイルはチャド•ビリングスリーのそれを思い出させる。

David Phelps


Chad Billingsley

Who's Who(29)Mitch Moreland(ミッチ•モアランド)

He swings so terribly that he is likely to go into the air like an autogyro with that swing. Joke aside, He is a real deal power hitter having both strength and flexibility.
彼のスイングはあまりにも凄まじいので、そのスイングでヘリコプターのように空に飛んで行きそうだ。冗談はさておき、彼は力強さと柔軟性を併せ持つ、マジもんのパワーヒッターである。



2012年11月22日木曜日

Who's Who(28)Josh Beckett(ジョシュ•ベケット)

I think Josh Beckett is a good test case of Yu Dervish in MLB because of his pitching mechanics and repertory is similar to Darvish's it.
ジョシュ•ベケットはダルビッシュ有とフォームや球種のレパートリーが似ているので、ダルビッシュがメジャーでどれだけ活躍するかを予想するための良い判断材料になると思う。

Josh Beckett


Yu Darvish

Who's Who(27)Lonnie Chisenhall(ロニー•チーゼンホール)


That's pretty good swing, and he seems to be a point getting player having steadiness. And as for left handed hitter, there is no doubt that following suit his way, no one can be a failure. And incidentally, he is still young player born in 1988. So, I can expect much from him. However, there is one thing to worry about his swing, I mean he slightly seems to be a typical left-handed-pull-hitter like Kyle Seager, Jack Hannahan, and Colby Rasmus

By the way, I regard also Larry Walker, Todd Helton, and Carlos Beltran (left handed) into the same type. On the other hand, Sin-soo choo, Justin Morneau, and Prince Fielder have a swing suited for multiple-direction-hitting.

中々良いスイングだよね。彼は安定感の有るポイントゲッタータイプに見えるんだけど、左バッターに関して言えば、彼のやり方を真似ておけば、バッティングで失敗する事は無いと言って間違い無いんじゃないかな。因に彼は1988年生まれのまだ若い選手なので、将来的にも期待出来そうだよね。ただ、彼のスイングは少し、典型的な左のプルヒッターみたいに見えるのが気になるんだよね。カイル•シーガーやジャック•ハンナハン、コルビー•ラスマスみたいなさ。

 ところで、僕はラリー•ウォーカーやトッド•ヘルトン、カルロス•ベルトランの左打席も同じタイプと見ているんだけど、一方で、チュ•シンスやジャスティン•モーノウ、プリンス•フィルダーは色んな方向に打つのに適したスイングをしているよね。

2012年11月21日水曜日

Who's Who(26)Gio Gonzalez(ジオ•ゴンザレス)

His pitching style looks like a cross between Barry Zito and CC Sabathia.
彼はバリー•ジトとCC•サバシアを足して二で割ったようなピッチングをする。

Who's Who(25) Jorge Cantu(ホルヘ•カントゥ)

Probably, many current players would think highly his hitting skill. Has Cantu burnt himself out in twice WBC appearance for Mexico?  Oh Cantu, that can't be true!
恐らく、多くの現役プレーヤーが彼の打撃技術を高く評価するだろう。カントゥは二度のWBCでメキシコのために燃え尽きてしまったのか。あり得ないでしょう! カントゥさん。

2012年11月20日火曜日

Who's Who(25)Louis Coleman(ルイス•コールマン)

I predict that he will break through with his fantastic slider in the near future.
私は、近い将来、彼がそのファンタスティックなスライダーでブレイクすると予言します。

Who's Who(24)Chris Dickerson(クリス•ディッカーソン)

He is likely to win a home run leader in Japan. Or rather, watching his swing and searching his stats, I find greatness of Major League Baseball. I mean, this only sum of stats could be produced with his awesome hitting mechanics.
彼は日本でホームラン王になれそうだ。ていうか、彼のスイングを見て、そして成績を調べると、メジャーリーグの偉大さが解る。彼の素晴らしい打撃フォームを持ってしても、この程度の成績しか残せなかったのかと言う意味で。

2012年11月19日月曜日

ダンテ•ビシェットがロッキーズの打撃コーチに就任。



ダンテ•ビシェットは主に90年代に活躍した打者ですが、ご覧に通り、パンチャーのオートマチックステップで、構えた所から一気にぶちかます感じを非常に良く体現していた打者です。こうした打者がどういう指導をするのか一度、聞いてみたいと思います。

Who's Who(23)Michael Pineda(マイケル•ピネダ)

He knocks hitters out with his fastball like a heavyweight boxer's straight punch. 
彼はヘビー級ボクサーのストレートパンチのような速球で打者をノックアウトする。



He has been on disabled list with shoulder injury yet.
彼はまだ肩の故障でDLに入っている。

Don't call it come back!

Who's Who(22)Carlos Lee(カルロス•リー)

He has an incredible power, and it is a kind of swing causing to clearly drawn someone's trivial troublesome and irritating affairs of daily life out from the brain. 
彼は信じられないほどのパワーが有り、そのスイングは誰かの日常生活の些細な煩わしい事やイライラを脳内から消し去るような種類のスイングだ。

2012年11月18日日曜日

Who's Who(21)Derek Lowe(デレック•ロウ)

Derek Lowe is a typical up-date fashioned right handed ground baller classified as same type as Roy Halladay.
デレック•ロウはロイ•ハラディと同じタイプに分類される、典型的な新式の右投げグラウンドボーラー(ゴロを打たせてアウトに取るタイプの投手)だ。

Derek Lowe


Roy Halladay

Who's Who(20)Billy Butler (ビリー•バトラー)

On watching his swing, I found him a skilled hitting-workman. And in fact, he has steadily been posting good stats, especially at batting average, since 2009's season. Further, he hit 29 home runs in 2012's season and showed his natural power at last.  
彼のスイングを見てすぐに、彼が優れた打撃職人だと解った。 そして実際、彼は2009年シーズン以来、特に打率において、堅実に良い成績を残し続けている。さらに、彼は2012シーズンに29本塁打を打ち、ついに本来のパワーを発揮した。

2012年11月17日土曜日

Who's Who(19)Charlie Furbush(チャーリー•ファーブッシュ)

Have American baseball fans been recognizing him as a next Randy Johnson?
アメリカの野球ファンは彼を次代のランディ•ジョンソンだと認識しているだろうか?

Who's Who(18)Sean Rodriguez(ショーン•ロドリゲス)

I wonder when this talented player flowers and proves his hitting abillity comparable to Derek Jeter.
いつになったら、この才気あふれる選手は開花し、そのデレック•ジーターに匹敵する打撃能力を証明するのか。

2012年11月16日金曜日

Who's Who(18)Clay Buchholz(クレイ•バックホルツ)

Clay Buchholz is a person who should be appeared in baseball textbook as an authority of slide step.
クレイ•バックホルツはクイックモーションの権威として野球の教科書に載るべき存在だ。

Who's Who(17)Josh Donaldson(ジョシュ•ドナルドソン)

This is the attractive player befitting a big leaguer.
これこそ、メジャーリーガーにふさわしい魅力的な選手だ。



2012年11月15日木曜日

Who's Who(16)Tyler Skaggs(タイラー•スキャッグス)

 A refined classical lefty debuted in MLB with having a certain atmosphere of great talent due to the beautiful and orthodox pitching mechanics. 
その美しくかつオーソドックスな投球フォームから大器の雰囲気を醸し出しつつ、リファインされた古典的サウスポーがMLBにデビューした。

Who's Who(15)Bryce Herper(ブライス•ハーパー)

The New Jack literally danced a New Jack Swing.
新顔は文字通りニュージャックスウィングを踊った。

This swing should be voted for swing of the year at 2012.


Joe Dimmagio kicked dirt up, Bryce Harper took his helmet off in his first career hit. Is this baseball-rock-star a Joe Dimmagio reborn?

2012年11月14日水曜日

Who's Who(14)Brandon Morrow(ブランドン•モロー)

Brandon Morrow is a diamond in the rough who has possibility of becoming one of the great pitcher representing today's MLB.
ブランドン•モローは今日のメジャーリーグを代表する偉大な投手の一人になる可能性を秘めた、ダイヤモンドの原石です。

Who's Who(13)Justin Maxwell(ジャスティン•マックスウェル)

Stats don't matter in the face of his great gift.
彼の偉大な才能の前では、成績など問題では無い。



2012年11月13日火曜日

Who's Who(12)Barry Zito(バリー•ジート)

Barry Zito is the best curve ball dealer in today's MLB.

Who's Who(11)Justin Upton(ジャスティン•アップトン)

He blows a hard punch like Mike Tyson.

Who's Who(10)Max Scherzer (マックス•シャーザー)


His wind-up motion and upper body's folding move makes me remind of Nolan Ryan's pitching  mechanics. Will he be able to  become a second coming of Nolan Ryan? 

2012年11月12日月曜日

Who's Who(9)danny espinosa(ダニー•エスピノザ))

The Spicy Swing

Who's Who(8)Jonathan Papelbon(ジョナサン•パペルボン)

He shows set upper's up-to-date fashioned pitching mechanics.

Who's Who(7)Brandon Belt(ブランドン•ベルト)

How many splash hits will be belted by belt in his career.
何本のスプラッシュヒットがベルトによって放たれる事になるだろうか?



~Section1~

Brandon Belt is a position player of San Francisco Giants deputed in 2011 season. In that season, he posted .225 batting average and 9 home run in 187 at bat. In the following 2012 season, he marked batting average .275 and 7HR in 411 at bat. Though his home run number is not sufficient as a first baseman, he shows considerable power enough to drive his home run into the McCovey Cove. In actually, he has hit three splash hits already. And I associate his compact stroke and quick hitch move with Barry Bonds' hitting mechanics. I think he is a noteworthy hitter in terms of power among recent young hitter.

ブランドン•ベルトは2011年にデビューしたサンフランシスコジャイアンツの野手です。そのシーズン、彼は187打数で打率0.225, 9ホームランを記録しました。続く2012年シーズン、彼は411打数で打率0.275, 7ホームランを記録しました。彼のホームラン数は一塁手としては充分ではありませんが、彼はホームランをマッコビー湾に打ち込む程の相当なパワーを見せます。実際、彼は既に3本のスプラッシュ•ヒットを記録しています。そして、私は彼のコンパクトなストロークと素早いヒッチからバリー•ボンズの打撃フォームを連想します。私が思うには、彼は最近の若い打者の間では注目に値する打者です。

~Section2~

First of all, let us watch his power swing in following movies.
http://www.youtube.com/watch?v=9xSDKP-lmHk&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=GzOZMGGE8oE&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=NPEAJsYK69w&feature=plcp

His hitting mechanics can be regarded as a puncher type and he uses two step motion basically. He uses open stance and steps inside at the first step. In this point, he gets the square stance and he started his hitting mechanics from there. In the latter part of this movie (http://www.youtube.com/watch?v=D2CE5Tj1dU8&feature=plcp), slow-motion-side-view of his hitting mechanics can be seen from starting position of his hitting mechanics.

ではまず始めに、彼のパワースイングを次の動画で見てみましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=9xSDKP-lmHk&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=GzOZMGGE8oE&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=NPEAJsYK69w&feature=plcp

彼の打撃フォームはパンチャータイプと見なす事ができ、彼は基本的に二段ステップを使います。彼はオープンスタンスを使い、そこから最初のステップで内側に踏み込んできます。この時点で、彼はスクエアスタンスの状態に持ち込み、そこから彼の打撃メカニクスを開始します。この動画http://www.youtube.com/watch?v=D2CE5Tj1dU8&feature=plcpの後半では、横映しのスローモーションにより、彼の打撃フォームを始動ポジションから見る事が出来ます。

~Section3~

Although it is not an ideal way which can be recommended to all players, open stance is the source of his great power. Almost all of open stance hitters including Brandon Belt set their shoulder parallel to home plate and it means they inevitably make a twist between their upper body and lower body. In more detail, that twist is formed along with oblique line of back-leg-hip-joint like back swing of golf swing. As a result of this twist, back-leg-hip-joint increasingly makes hip-joint-open (figure1) and it enables using the power of back-leg effectively. So let us watch this video's (http://www.youtube.com/watch?v=D2CE5Tj1dU8&feature=plcp) slow-motion-side-view again. His back leg is shifting from hip-joint-open to hip-joint-close and it produces the quick hip rotation. (figure2) This is the first effect of his open stance.

figure1
figure2


それは全ての打者に奨められる方法ではありませんが、オープンスタンスは彼の偉大なパワーの源です。ブランドン•ベルトを含むほとんど全てのオープンスタンスの打者は、彼らの肩をホームプレートと平行にセットしますが、それは必然的に彼らの上半身と下半身の間に捻りが入る事を意味します。もう少し詳しく言うと、その捻りはゴルフのバックスイングのように後ろ脚股関節の斜めのラインに沿って形成されます。この捻りの結果として、後ろ脚股関節はますます割れる(図1)ので、後ろ脚の力を有効に使えるようになります。それでは、この動画の横映しスローモーション(http://www.youtube.com/watch?v=D2CE5Tj1dU8&feature=plcp) を再び見てみましょう。彼の後ろ脚は股関節の「割れ」から「絞り」に移行し、それは素早い腰の回転を生み出しています。(図2)これが彼のオープンスタンスの効果、その1です。

~Section4~

The second effect of his open stance can be understood by imitating it actually. So let you take an open stance and twist your shoulder until it comes parallel to the home plate. And then, looking down your back leg, it should make hip-joint-open and your knee should be positioned on your side more than toe. This is very important and you should not stick your knee out in front of toe.(figure3, figure4)  If your knee is sticked out in front of toe, quadriceps-femoris-muscle will get hard by fatigue. As a result, you will be unable to use hamstrings effectively. 

Then, let us watch this video (http://www.youtube.com/watch?v=9xSDKP-lmHk&feature=plcp) paying attention to belt's back leg. At the batting stance, his knee of back leg is positioned on his side more than toe (behind the toe). (figure5) But as he lands his front leg's toe at the first step, his knee is sticked out in front of toe. (figure5) Of course, though that is not a good move as mentioned above, because of he had kept his knee behind the toe at the batting stance, quadriceps-femoris-muscle can enough keep relaxing. So, he can use the power of back leg due to the contraction of hamstrings. This is the second effect of his open stance.

figure3

figure4
figure5

彼のオープンスタンスの二つ目のメリットは、実際にそれを真似てみる事で理解できます。それでは、オープンスタンスで構え、肩をホームプレートと平行になるまで捻りましょう。そして、その時、あなたの後ろ脚を見下ろすと、股関節の割れが形成されており、膝は爪先より身体側に位置されているはずです。これは非常に重要な事で、あなたは膝を爪先より前に突き出すべきではありません。(図3, 図4)もし、あなたの膝が爪先より突き出されていれば、大腿四頭筋が疲労により緊張するでしょう。結果的に、あなたはハムストリングスの力を効果的に使えなくなるでしょう。

それでは、この動画を、ベルトの後ろ脚に注目しながら見てみましょう。(http://www.youtube.com/watch?v=9xSDKP-lmHk&feature=plcp)構えにおいて、彼の後ろ脚の膝は爪先より身体側(爪先の後方)に位置しています。(図5)しかし、最初のステップで爪先を着地させると、彼の膝は爪先より前に突き出されます。(図5)もちろん、前述しましたようにそれは良く無い動きですが、構えで膝を爪先の後方に保っていたため、大腿四頭筋は充分にリラックス出来ています。結果として、彼はハムストリングスの収縮による後ろ脚の力を使う事が出来ます。これが彼のオープンスタンスの二つ目のメリットです。

~section5~

By the way, watching this video's front-view-slow-motion (http://www.youtube.com/watch?v=R7C_7tFAAl4&feature=plcp), it can be sighted that his hip (belt-line) is pushed up while taking a stride. It is a little bit of strange because belt-line should come down in the stride by increasing of breadth between both feet. In fact, that is an evidence of effectively using the power of hip joint extension. That is, his hip is pushed up by the ground reaction force due to pushing the ground by hip joint extension and same motion can also be sean among some of other players. Let me give some examples below.

Billy Butler (http://www.youtube.com/watch?v=UBIQ97NAroQ&feature=plcp)
David Wright (http://www.youtube.com/watch?v=aL92mu3dZYo&feature=plcp)
Sean Rodriguez (http://www.youtube.com/watch?v=HJLuaz61Ofg&feature=plcp)

2012年11月11日日曜日

Who's Who(6)ジェレッド•ウィーバー(Jered Weaver)

Though he doesn't have special fast ball like Kimbrel or Chapman, he is likely to break many bats with his fast ball looked like an iron ball.



ジェレッド•ウィーバーは2012年に20勝5敗と言う成績でMLBで2位タイの勝ち星を挙げたスターターです。球速表示は見かけほど出ないものの、見ていて非常に気持ちいい爽快感溢れるストレートを投げる投手で、最近の(しかもパンチャータイプの)投手にしては珍しく綺麗な球筋のストレートとオーソドックスなピッチングスタイルを採る投手です。ストレートは所謂「重い球」で長打を浴びにくそうな球質です。90マイルそこそこで素直な軌道のストレートを投げるわりに、打たれたホームランが20本(2012年)と少なめなのも、そのためでは無いかと思います。(因に2012年の防御率は2.81)

まずは動画で見てみましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=oAYtHwkLfmo&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=FM3kyy7sMyY&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=1XQcL1BmRVM&feature=plcp

Who's Who(5)ホセ•バティスタ(Jose Bautista)

Long Haul Bombers in MLB



今期はケガで92試合しか出場出来ませんでしたが、2010年に54本塁打、2011年に43本塁打を記録しています。ブレイク前には阪神タイガースが獲得を検討していた事が有ると言うトリビアを持っています。

まずは、このド迫力のスイングを見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=Uo6AEXkfZ0Y&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=T9ASvCc82Gs&feature=relmfu
http://www.youtube.com/watch?v=dWpaR4p7QYU&feature=plcp

今のメジャーリーグで、これだけゆったりとタイミングを取って、大きく重心移動を使い、飛ばしにかかっている打者は珍しく、右ではホセ•バティスタ、左ではジョシュ•ハミルトンと言ったところでしょうか。ブライス•ハーパーもその範疇だと思います。ただ、バティスタとハーパーはパンチャータイプ(puncher-type)でハミルトンはスインガータイプ(swinger-type)です。

ジョシュ•ハミルトン(スインガータイプ)
http://www.youtube.com/watch?v=DOq_cE1Tjo4&feature=plcp
ブライス•ハーパー(パンチャータイプ)
http://www.youtube.com/watch?v=VDO90w_kHU0&feature=plcp
ホセ•バティスタ(パンチャータイプ)
http://www.youtube.com/watch?v=0f3BhO42wP0&feature=plcp

ホセ•バティスタの脚の挙げ方はメジャーの脚上げ型に多く見られる二つのタイプのうち一つです。Aロッド型とマニー型と名付ける事にしましょう。ホセ•バティスタはマニー型です。まずは例を挙げます。

Aロッド型 (A-Rod Type)
アレックス•ロドリゲス
http://www.youtube.com/watch?v=bLF4940T-co&feature=plcp
ライアン•ジマーマン
http://www.youtube.com/watch?v=xZWf5xI8WY0&feature=channel_video_title
マット•ホリデイ
http://www.youtube.com/watch?v=XbvGwl0IJXM&feature=plcp
バスター•ポージー
http://www.youtube.com/watch?v=LigtdOFq8MY&feature=plcp
ジョーイ•ボット

マニー型 (Manny Type)
マニー•ラミレス
http://www.youtube.com/watch?v=tiO1m8C8Y8E&feature=plcp
デビッド•オルティーズ
http://www.youtube.com/watch?v=VdtzRsTfFsg&feature=relmfu
カルロス•サンタナ
http://www.youtube.com/watch?v=HXYRAEEKPdQ&feature=plcp
ホセ•バティスタ
http://www.youtube.com/watch?v=bxKWLEjPDg4&feature=plcp

後述しますがAロッド型やマニー型の前脚の挙げ方は、日本人には馴染みの無いと言うか比較的苦手とする動きです。それに比べると、以下に挙げるタイプ。腿挙げ型は、日本人の前脚の挙げ方とほとんど変わらないと言って良いでしょう。

腿挙げ型(High Knee Type)
ミゲール•カブレラ
http://www.youtube.com/watch?v=i1ZFODuBK84&feature=plcp
アダム•ジョーンズ
http://www.youtube.com/watch?v=IPZc8ypLfIc&feature=plcp
エイドリアン•ゴンザレス
http://www.youtube.com/watch?v=R20FdJrUDrU&feature=plcp

Aロッド型では、あまり後ろ脚への体重移動を伴わず、2本の柱で支えている物体から1本の柱を抜く感覚で前脚を挙げます。つまり、すり足打法とかクイックモーションで使われるメカニズムですね。このタイプの場合、後ろ脚に体重を乗せると言うより、単にうつための準備として前脚を挙げると言う感じで、後ろに脚を引かずにその場で真っすぐ挙げるのがコツです。ステップが素早く、始動のタイミングを遅めに設定出来るのがメリットですね。また、パンチャーで避けたい始動前に重心移動も(タイミングが合えば)起こりにくいメリットも有ります。

マニー型は、前脚を挙げる時に骨盤が少し持ち上げられるのが特徴です。構えた状態から斜め上後方に体重移動をする意識で、その体重移動を使って前脚を挙げます。脚を挙げる時に、前脚の大腿四頭筋に依存しない事が長所です。また後ろ脚に関しても骨盤を持ち上げる時に、自然と股関節伸展が働くので、後ろ脚の膝が背中側に動き「膝が潰れていないハムストリングスで立てる形」を作る事が出来ます。

始動前に骨盤を持ち上げられるので、始動後はハムストリングスの出力によって骨盤が持ち上げられる動作が目立たず、その後の落下によってタスキラインを大きく引き伸ばす事が特徴的です。

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=tiO1m8C8Y8E&feature=plcp)の後半にマニー•ラミレスのフォームを横から映したシーンが有りますので、体重移動に先導された前脚の挙上、骨盤を持ち挙げる動き、落下を利用したタスキラインの引き伸ばしに注目してください。こちらの動画(http://www.youtube.com/watch?v=rAjAxv4O5gI&feature=plcp)にはデビッド•オルティーズの横映しスローモーションが有りますので、同じ動きに注目して見てください。

また、この下の動画の後半には、ラミレスとオルティーズの投手方向からのスローが有りますので、前脚を挙げる際の後ろ脚の膝の角度変化に注目してください。

マニー•ラミレス
http://www.youtube.com/watch?v=uQY2xazHHvE&feature=plcp
デビッド•オルティーズ
http://www.youtube.com/watch?v=TaJpQ0aVz9g&feature=plcp

以上のようなマニー型の特徴を踏まえて、再びバティスタのフォームを見てみましょう。投手方向からのアップと横映しのアップが後半に有る動画を見つけました。

横映し(http://www.youtube.com/watch?v=FWs9pPhtG3E&feature=plcp
投手方向から(http://www.youtube.com/watch?v=C88f2pQRyzg&feature=plcp

ラミレスやオルティーズと比べて、横への体重移動がメインになっているように見えます。その分、落下でタスキラインを引き伸ばすと言う感じは薄いものの、リズムを含めて、多くの共通点が見れられます。

マニー型は、タイミングの取り方的にゆったりした動きになりやすい傾向が有り、また後ろへの体重移動も含めて、始動前の体重移動が起こりやすいので、そのあたりがパンチャーのメカニズムとしてどうなのだろうかと言うのが気がかりです。ただ、ハムストリングスの力は使いやすく、ハマればパワーを発揮出来るでしょう。

腿挙げ型に関しては、特に説明が不要で、大腿四頭筋で普通に前脚を挙げて、後ろ脚に体重を乗せます。ほとんどの日本人打者はこのタイプの前脚の挙げ方をしますが、ハムストリングスの力が使いにくく、パワー発揮と言う面ではやや不利でしょう。

話をホセ•バティスタに戻します。

バティスタはテレビ等でも報道されたように、脚を挙げるタイミングを早くし、ゆったりと動き出すようにフォームを改造した事によって成功したと言われています。では、それ以前のフォームを見てみましょう。以下はバティスタが113試合に出場し、336打数で、打率0.235,13HR,40打点を記録した2009年のスイングです。

http://www.youtube.com/watch?v=msUp2-yODI0&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=d7n4ZNkuxHk&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=5OdwnOEsk6A&feature=plcp

確かに窮屈な感じがしますね。しかし、それはタイミングだけの問題では無く、このバットの構えかた(寝かせてヘッドを投手方向に入れない)は最も腕の筋肉が緊張する構えで、そうした事も窮屈な印象を生み出している一因です。ただ、スイングそのものはナチュラル&ストロングで、大器の片鱗を感じさせるものです。

問題は、こうした重心移動が小さく、両手で振り抜くタイプの選手が、大きく脚を挙げて、片手で振り抜くと言うモデルチェンジをした場合、最初は上手く行く事が多いのです。しかし、それを続けていく内に、そのデメリットがマッスルメモリーを書き換えてしまい、調子を落として行く可能性が有ります。バティスタも、そういう可能性が危惧されますね。果たして、このままの調子で打ち続けられるのかどうか、少し不安が残ると言う事です。

ただ、バティスタの場合、ホームランダービーの後半(http://www.youtube.com/watch?v=mBS99rcouYQ&feature=plcpでは両手で振り抜いていましたし、試合でも時折、両手で振り抜く事が有ります。(http://www.youtube.com/watch?v=XHG7xTjeoCA&feature=plcp)(http://www.youtube.com/watch?v=dWpaR4p7QYU&feature=plcpさらにマット•ケンプ(http://www.youtube.com/watch?v=AkZuZ3J-sqQ&feature=plcp)やアルバート•プホルズ(http://www.youtube.com/watch?v=jth6epn0Bpg&feature=plcp)のようにボトムハンドを伸ばして大きなフォローを取りたがるタイプでは無く、単に打ち終わった後に離しているだけなので、片手フォローの悪影響もまだ小さいでしょう。

このようなケースの場合、不振になった時には後ろ脚に体重を乗せた始動ポジション(重心が移動する前)の把握と、そこから強く打つ事に集中し、両手で振り抜く練習を重ねれば、修正出来るでしょう。それは「軸」を確認しうる作業になると思います。バラけてルーズになったスイングをタイトに引き締める作業ですね。そういう種類の調整法をバティスタが取っているとすれば、比較的長く調子を保てると思います。

2012年11月10日土曜日

Who's Who(4)クレイグ•キンブレル(Craig Kimbrel)

Craig "Human Rocket" Kimbrel  has a killer rising fast ball like Tom Seaver's it. And he launches some Unidentified Flying Objects.
クレイグ"人間ロケット"キンブレルはトム•シーバーのようなキラー•ライジングファストボールを持っている。そして、彼はいくつかの未確認飛行物体を発射する。



野球ファンとしてキンブレルを知らないのはサッカーファンがルーニーやロナウドを知らないのと同じでしょう。少なくともあと二年もすればそういう存在になるはずです。2010年にデビューし、その年は1セーブ。2011年46セーブ、2012年42セーブで2年連続でリーグ最多セーブを記録しています。しかも1988年生まれの若手。メジャー版藤川球児と言えば日本のファンにもイメージしやすいと思います。とにかく球が速い。そして80マイル台後半の超高速カーブと、驚異的にライズするライジング•ファストボールが武器の投手です。

まずは以下の4つの動画を見てください。これらの動画の中に、低めに伸びるストレート、ライジングファストボール、高速カーブ等、キンブレルの特徴が詰まっています。

(0)ダイジェスト(Digest of Kimbrel's Pitch)
http://www.youtube.com/watch?v=vHem6OpHNC4&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=xwykVZ0M0jg&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=XMuXWQ6Wvtc&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=G8GidYPeppM&feature=plcp

では、それらのボールを動画でみていきましょう。

(1)ライジングファストボール (Rising Fast Ball)
http://www.youtube.com/watch?v=wvOb7o51fjY&feature=plcp(0.22~)
http://www.youtube.com/watch?v=p21AjwFJrx4&feature=plcp(0.15~)
http://www.youtube.com/watch?v=vHem6OpHNC4&feature=plcp(1球目)
http://www.youtube.com/watch?v=3WrHja19n2E&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=yC3evn_qlxQ&feature=plcp(0.14~)
http://www.youtube.com/watch?v=BDUDIo5D4XA&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=j41Jccc6Mug&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=5T5eK3jQ1eI&feature=plcp

(2)高速カーブ(High Speed Curve Ball)
http://www.youtube.com/watch?v=sZq4eo4Mh80&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=MuAW1Rfqrhg&feature=plcp(1球目と3球目)
http://www.youtube.com/watch?v=imqrfJ6fnmg&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=F4gcP_SyFiY&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=dk7aonjOcjs&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=5-y8oiCZ3Y0&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=MbjeMiPn9fw&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=HDX8szed57M&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=G8GidYPeppM&feature=plcp(0.12~)

(3)ストレート(Straight Fast Ball)
http://www.youtube.com/watch?v=dIuF3cKIHBc&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=5beAE3ZMlvY&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=ilJAbzqPU8w&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=aWO9kaaltdc&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=86CFhA3TADA&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=ZdMKuh5SBx0&feature=plcp


それでは英語版ウィキペディアのキンブレルのピッチングスタイルについて説明してある所を翻訳(意訳)します。(http://en.wikipedia.org/wiki/Craig_Kimbrel

以下訳(意訳)

キンブレルは打者を打ち取るために、破壊的な4シームファストボールとカーブのコンビネーションを使う。彼は並外れてハードな速球を投げ、それは2011年には平均で97マイル近くを記録した。また、時折、彼は3本の指を使って速球を投げる。彼のカーブはスパイクグリップによるもの(スパイクカーブ)で、それは80マイル中盤から後半を記録する。

彼の両方の球種(ストレートとカーブ)は異常な空振り率を記録し、その確立(全投球における空振りの確立=ウィッフ•レート)は4シームで33%、カーブで52%をマークする。この圧倒的なコンビネーションは9イニングに換算すると平均して15.8個の三振を奪えると言うキンブレルのピッチングを支えている。(2012年9月19日時点)


彼はまた、2002年から2012年の全てのピッチャーの中で、「全投球の内、空振りを取った投球の確立」において、3位タイにつけている。

キンブレルの4シームファストボールは2011年のMLBのリリーフピッチャー(中継ぎを含む)の中で12番目に速い。(!=訳者追加)加えて、彼は平均で87マイルを記録するという、MLBの中でも最もハードなカーブを投げる。(訳者注 平均で87マイルは本当だろうか?)

また、彼の速球はリリーフピッチャーの速球としては5番目に高いウィッフ•レート(32%)を記録する。そしてカーブはリリーフピッチャーの中で最も高いフィッフ•レートである55パーセント以上を記録する。(訳者注 前出の数字とは計算時期が異なる。)


以上です。ここで注目されるべき点は一言もスライダーを投げるとは書いていない事。そしてMLBで最もハードな80マイル台後半のカーブを投げると書いてある事です。つまり、この動画(http://www.youtube.com/watch?v=G8GidYPeppM&feature=plcp)の2球目(0.12~)のボールはスライダーでは無くカーブなのです。(!)

パンチャータイプは、思い切り投げると言うメカニズムの特性上、スインガーに対してカーブが速い特徴が有りますが、その究極系がキンブレルだと言う事ですね。

カーブは手首の掌屈と前腕の回外を伴うためか、肘の角度が開きやすい傾向が有るので、パンチャーでも優秀なカーブの使い手はややアーム気味のフォームの場合が多いのです。ベン•シーツやチャド•ビリングスリー等が思い浮かびます。(一方スインガーでカーブを投げる際、深い最大外旋の角度を作る必要が有るため、肘が伸びたスイングでは良いカーブは投げられないでしょう。)

ベン•シーツ
http://www.youtube.com/watch?v=umou5fVPuA0&feature=plcp

チャド•ビリングスリー
http://www.youtube.com/watch?v=F_IjL4nmlZI&feature=plcp

キンブレルのような「内旋して肘から挙るテークバック」が出来るパンチャータイプの投手がカーブを投げると、こうなると言うことでしょうか。

基本的に、キンブレルの資料にはスライダーを投げるとは書いていません。ただ、以下のような投球は、少なくとも見た目の上ではやはりスライダーと解説されるのが普通でしょう。そもそもスライダーとカーブは軌道だけでは無く、回転の掛け方が違うので、本人がカーブとして投げれば、それはカーブと言う方が適切では有ると思いますが。。

(4)スライダー?(May be Slider)
http://www.youtube.com/watch?v=Zjd8p14FtU0&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=5gNjGhlLXMI&feature=plcp(1球目)
http://www.youtube.com/watch?v=yC3evn_qlxQ&feature=plcp(0.11~)

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=fpo6Q3HGWRg&feature=plcp)は、スライダーとカーブの境界線にあるように思えます。おそらくカーブだと思いますが。

因に見た目スライダーで本人がカーブと言い張る現象はパンチャータイプの投手には比較的ありがちで、フランシスコ•ロドリゲスやペドロ•マルティネスについても、同じような記事を読んだ記憶が有ります。

さらに評論には有りませんが、ツーシームらしき球も時には投げるようです。と言うより単にストレートがシュート回転すると言う現象なのかもしれませんが。

(5)ツーシームファストボール? (Is this two seem fast ball?)
http://www.youtube.com/watch?v=mMJgUk-8i3c&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=MuAW1Rfqrhg&feature=plcp(2球目)


ピッチングメカニクス ~ Pitching Mechanics ~

http://www.youtube.com/watch?v=aWO9kaaltdc&feature=plcp

言うまでも無くパンチャータイプの投手です。あれだけの豪速球を投げるのだから、何か特別な秘密が有るのではないかと思うのが一般的ですが、実際には全ての動作を極めて正しくおこなっている結果であり、特にこれと言って特徴の有るフォームでは有りません。強いて言えば、目立った欠点が無いと言う事が、彼の際立っている所です。

腕の出所はやや低めのスリークォーターと言えるでしょう。構えで少し後ろ脚の膝を曲げているぶん、ストライドはやや短くなり、その事が身体の回転を僅かにコンパクトなものにしています。結果として腕の出所も低くなるわけです。完全なパンチャーのメカニクスでは、あともう少しだけ腕の出所は高くなるでしょう。

ここの所だけが、キンブレルの欠点であり、ストライドの短さ故に、前脚が「股関節の伸展」と言うよりも「膝の突っ張り」になっており、ターン&タンブルフィニッシュもややおとなしい傾向が有ります。しかし、グラブとボールの割れ方は見事に重心移動と連動しており、そのぶん投球腕の使い方は素晴らしいので、肘にはあまり負担がかからないと思います。むしろ肩の方が心配なタイプで、その意味ではクローザーと言うのはキンブレルに適任であると思います。単純な言い方をすれば、やや上半身に頼った投げ方だと言う事です。その辺が故障や年齢による衰えの原因になるのでは無いかと言う事が懸念されます。

前脚を挙げて、最適なヒップファーストの角度をキープしながら、重心移動と連動させてグラブとボールを割るシーンは素晴らしいの一言です。そこから、投球腕とグラブ腕が左右対称性を保ちながら、肘が90度近くまがりつつ、背中側に突き出されて行く動き。ここの左右対称性が素晴らしい所です。

後ろ脚股関節も割れているので、そこから絞りの力も上手く使えています。つまり後ろ脚の蹴る力は上手く使えているのですが、いかんせん構えで重心が低いので物理的にストライドが短くなる事が問題で、その点だけが勿体ないところです。

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=mMJgUk-8i3c&feature=plcp)の0.21から、打者方向から見たスローが有ります。両腕が左右対称の形で、肘が背中側に突き出される形を見てください。まさに理想的な形です。そこからの腕の振りはまさにパンチャータイプのそれですね。

因に下のイラストは日本の豪速球投手である尾崎行雄のフォームですが、投球腕のスイングはキンブレルと非常に似ています。もちろん尾崎行雄もパンチャータイプの投手です。


前脚の挙げ方は、膝を畳んだ腿挙げ的な大腿四頭筋を使った動きですが、前脚の上げ下げに伴う、骨盤の動きは良いですね。このへんは、デビッド•ロバートソン(http://www.youtube.com/watch?v=A_-ET2MdE1U&feature=plcp)と似ている部分です。脚を降ろして行くところで、きちんと骨盤を前傾位に戻してから、打者方向に踏み込んで行きます。

前脚の挙げ方については、ロバートソンやキンブレルのように、ワインドアップモーションを使いにくいクローザーやセットアッパーの場合、セットポジションからの投球をベースに考えるとどうしても、こういったコンパクトな前脚の挙げ方になるのでしょう。

ただ、そういった「脚の挙げ方」や「曲がっている後ろ脚の膝」といった問題によってもたらされる下半身のパワーロスとその結果としてのストライドの短さが、キンブレルの唯一の欠点です。その下半身のパワーロスを上半身で補いつつ、100マイル近い豪速球を投げ込んで行くうちに、肩に負担がかかったり、あるいは意外と早く衰えが出たりといった事だけが不安材料です。

最後に、この動画(http://www.youtube.com/watch?v=CjNTA0qKgEg&feature=plcp)では、打者方向から見た実速のシーンが有ります。打席でキンブレルと対峙した気分で見ると面白いでしょう。

2012年11月8日木曜日

Who's Who(3)ジェイク•ピービー(Jake Peavy)

Jake "Mr. Moving Fast Ball, Major League Wiffle Baller, Wizard" Peavy

ジェイク•ピービーはミスター•ムービングファストボールと言って良いと思います。この投手ほど、投げる球を見ていて面白い投手もいないでしょう。ひとまずこの動画(http://www.youtube.com/watch?v=2tg9inQrMw8&feature=plcp)を見てください。この動画の中にまともなストレートは一球も有りません。上記の動画は非常にピービーらしさが出ていて、何度見ても飽きない動画です。



成績(http://ja.wikipedia.org/wiki/ジェイク・ピービー)を見ると2007年に19勝を挙げているのが光ってます。最近はやや低迷気味ですが、1981年生まれで以外とまだ若いので、これからの巻き返しも充分期待出来るでしょう。

典型的なパンチャータイプのムービングボーラーで、横に滑る球を得意とするタイプです。最近のメジャーでは珍しい振りかぶるフォームで、その腕を降ろして来た時に上半身を前傾させるので、腕がサイドアーム気味に出て来るわけです。当然と言えば当然ですが、やはりサイドアーム系は横に滑る球を得意とします。セルジオ•ロモ(http://www.youtube.com/watch?v=6LlbcBSf5AU&feature=plcp)も典型的ですね。

この動画(ピービー)も芸術的です。速い球が滑りまくってます。
http://www.youtube.com/watch?v=EgmRIPb9kcI&feature=plcp

この動画でも微妙に変化するボールが多いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=1U9i5om9xLk&feature=plcp

ピービーのフォームで凄いのは、普通、振りかぶる動作で骨盤を後傾させると後傾したまま戻って来ないのですが、ピービーの場合は腕を降ろしてくる時、クッと骨盤が前傾位に入ります。このへんが非凡な所です。骨盤のカクカク感がいい感じです。

骨盤が前傾位に入る事でハムストリングスが有効に使えるようになり、後ろ脚で強く地面を押す事が出来ます。その結果、重心移動でグゥ〜と前に出て行く時にニュゥ〜と肘が背中側に入り、胸が張って、いわゆる「肩が入った」状態になるのですが、その辺の柔らかい投球腕の使い方もピービーの非凡な所です。

同じように振りかぶるタイプでもジャイア•ジャージェンス(http://www.youtube.com/watch?v=mu-6mToypbM&feature=plcp)や松坂大輔(http://www.youtube.com/watch?v=nWBMpZT5o88&feature=relmfu)の場合、後傾したまま戻って来ない感がありますね。振りかぶる投げ方ではこの方が普通なのです。一方、アービン•サンタナ(http://www.youtube.com/watch?v=hDNX_HrHBw8&feature=plcp)にはやや骨盤のカクカク感が有ります。

また、ピービーは、フィニッシュでターン&タンブルが無く、カニ歩きのように打者方向に向かって行くシーンが多い(特に速球の時)ですが、これはこれで良いのです。というのも、サイドハンドの場合、右投手なら体軸が3塁方向に傾き気味になるので、フィニッシュでの前脚の着地も3塁側に着くのが自然です。日本人なら斉藤雅樹が思い出されるでしょう。ピービーの場合、スリークォーターとサイドハンドの中間くらいなので、カニ歩きのような動きになるのだと思います。

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=qQ7h9x-ciHY&feature=relmfu)では全編に渡りカニ歩きが炸裂しています。途中、一球だけ横手から投げていますが、その時のフィニッシュの取り方は正に前述のサイドハンド特有のそれですね。つまり後ろ脚を3塁側に着地すると言う事です。

ピービーの球種に関しては、より正確と思われる英語版ウィキペディアの内容を訳して掲載しておきます。このページ(http://en.wikipedia.org/wiki/Jake_Peavy)の下段のscouting reportの訳です。

以下wikiの訳(一部意訳)

ピービーは、フォーシームファストボール(89〜92マイル)と、80マイル台前半のスライダーを最もよく使うが、彼の球種は6つ有る。彼はツーシームファストボールカーブチェンジアップ、そしてカッター等も投げる。ピービーはカーブとチェンジアップを左打者に対してよく使う傾向が有る。そしてしばしば彼はツーシームとカッターを使わない事が有る。

ピービーは2004年以来、メジャーで最も低いWHIPを記録している。(注 2005年の資料より。しかも事実と異なるので誤訳かも)

ピービーのツーシームは主にシンカーのように変化し、多くのゴロを誘発する。これによってピービーはランナーが塁上にいる時、多くのダブルプレーを取る事が出来る。ピービーは左打者のインコースに速球を投げる事が好きで、その投球はストライクゾーンに向きを変えて入って来る。これはグレッグ•マダックスのパワーアップ版のようなテクニックだ。(訳にイマイチ自信無し) 

ピービーの投球のナチュラルなムーブメントは、彼が献上するホームランの数を減らす事に貢献しているし、彼は2007年に220イニング以上投げて13本しかホームランを打たれなかった。

ということで、上記がピービーの球種に対する正確な説明だと思います。

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=Zyt--37pEDs&feature=plcp)も凄い見応えですね。カーブが一球有りますが、見事なパンチャーカーブです。

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=I57jleiyf2o&feature=plcp)の一球目でライザー的な球を投げます。ピービーは時々、こういう球を投げますが、その頻度からして意図的かどうかは疑問です。と言うより、その日の調子で高めにそういう球が行く時に使っているといった程度では無いかと思います。

ピービーは非常にパンチャーらしい球を投げる投手ですが、完全に正統派なパンチャーは、もう少しだけ腕の振りが縦の軌道になります。そのぶんピービーの球は縦の変化よりも横の変化が強いのですが、それでもパンチャーの球種の見本市のようなレパートリーですね。

Who's Who(2)デビッド•ロバートソン(David Robertson)

I was reminded of wall street elite by him. Just a thought.

マリアーノ•リベラの後を継ぐヤンキースのクローザーとして期待されている1985年生まれのパンチャータイプの右腕です。(http://ja.wikipedia.org/wiki/デビッド・ロバートソン_(野球)



投球フォーム
http://www.youtube.com/watch?v=NirW-NZcKHQ&feature=plcp

2012年は65ゲームに登板し、60イニングとツーアウトと言うイニングポイントで、防御率は2.67です。52ホールドで2セーブポイントと言う数字からも主に中継ぎで登板していた事が解ります。2011年の66.2 IPで防御率1.08と言う記録からすると、やや数字が落ちているようです。

速球の球速表示は95マイル前後で、MLBの中では「豪速球投手」の一歩手前の「速球投手」ですが、力の有る速球を投げる投手です。
http://www.youtube.com/watch?v=A_-ET2MdE1U&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=ex6EuAXxIRo&feature=plcp

力の有るストレート、シュート方向に滑る速球、ライジング•ファストボール、パンチャーカーブ等が魅力的な投手です。スライダーのような球を有りますが、パンチャータイプの事なので、恐らくカーブでは無いかと思います。

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=jT5TdpvmGeU&feature=plcp)では低めに直進性の高いストレートを投げ込んでいますね。一球目は特に凄いです。

下の動画の1球目に見られるように、シュート方向に大きく滑る速球、そして2球目のようなライジング•ファストボールを投げる投手です。3球目のストレートも直進性が高く、比較的重そうな球質ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=g_FZb76IhqA&feature=plcp

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=sRCJtVbK7mw&feature=plcp)の一球目も大きくシュート方向に滑っていきますね。

下の動画の球はライザーです。
http://www.youtube.com/watch?v=OVtX-pHZvf8&feature=plcp

また、カーブが面白い投手で、この動画のように(http://www.youtube.com/watch?v=9c7YrOA5GcI&feature=plcp80マイルを超すパンチャーカーブを投げます。下の動画では1球目から、カーブ、ライザー、カーブの順番で見られます。
http://www.youtube.com/watch?v=aco4PuC7Wts&feature=plcp

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=kultFJTxEX0&feature=plcp)のボール、特に1球目はスライダーのような球筋ですが、投げ方を見るとカーブのように思えます。カーブが引っかかったのでは無いでしょうか。


フォームに関しては、脚の上げ下げに伴い、骨盤が後傾〜前傾する動きが非常に良いですが、これは同じヤンキースのイバン•ノバ(スインガータイプ)(http://www.youtube.com/watch?v=3-ApoB2c5kw&feature=plcp)にも共通しています。

ただ、骨盤が前傾位に入っているものの、始動時に膝が曲がり過ぎており、そのせいで大腿四頭筋が効きやすいのか、重心の低さ故に、ステップの距離が出ないのか、ターン&タンブルフィニッシュの豪快さは今一歩で、ターンは出来ているものの、タンブル(倒れ込み)の迫力がイマイチですね。これは日本人の投手にも多く見られる傾向です。

セットポジションからの投球で、グラブの中にボールが収まっている状態を長く保つ事で、フォームにまとまりを作っているのがよくわかります。そのあたりと膝の曲がり方等を見ていると、ナショナルズのジョーダン•ジマーマンやスティーブン•ストラスバーグ、ブレーブスのクレイグ•キンブレルと似たタイプのフォームですね。ロバートソンと合わせて4人とも同じコーチに教わっているのかと思うほど良く似ています。

スティーブン•ストラスバーグ
http://www.youtube.com/watch?v=PSdCru7kF_I&feature=relmfu

ジョーダン•ジマーマン
http://www.youtube.com/watch?v=ETUS7E7bsDk&feature=plcp

クレイグ•キンブレル
http://www.youtube.com/watch?v=mMJgUk-8i3c&feature=plcp

デビッド•ロバートソン
http://www.youtube.com/watch?v=Q8q9czKNeYc&feature=plcp

投げる球まで似ているのは不思議なもので、フォームと球種の相関関係も面白い研究テーマです。これらの投手はパンチャーの中でも一つの同じ種族に属していると言えるでしょう。少し膝を曲げ気味ながらも、投球腕の回旋を上手く使い、担ぎ投げやアーム式になるのを回避出来ているタイプです。

ロバートソンに関しては、グラブとボールを割る際、両肩の内旋をやや意識的に誇張しているように見えるのが気がかりで、肩の動きに非常に柔軟性を感じる投手ですが、下半身の使い方を見ても、なんとなく年齢と共にストレートの威力が無くなって行きそうなタイプのように見えます。そのようにして見た場合、この球種のレパートリーでリベラの代役が勤まるのか、やや不安視もされますが。。まとまりの有るコンパクトなフォームなので、制球力、特に低めの制球力でも勝負出来そうな気がしますね。

また、特に脚を挙げたあたりでグラブとボールの位置が少しお腹側に出過ぎているので、爪先重心気味になりやすく、少し膝が潰れ気味になるのも難点です。そうした事から大腿四頭筋が効きやすくなっています。しかしながら、脚を上げ下げする時の骨盤の動きが良いので、ハムストリングスも使えています。大腿四頭筋が効きながらも、ハムストリングスも使えていると言うパターンですね。

素晴らしいのは絶妙なヒップファーストの角度で、これ以上角度が浅くても後ろ脚に体重が乗りませんし、これ以上角度が深くても、グラブとボールが割れにくくなります。そうしたギリギリのところでバランスを取っています。全体として「バランスに優れたフォーム」だと言えるでしょう。

http://www.youtube.com/watch?v=sRCJtVbK7mw&feature=plcp

ただ、気になるのは前脚を挙げると同時に身体をくの字型に折り曲げヒップファーストの形を作っている点で、これをやると重心移動はスムーズに始まりますが、それは始動前に重心移動が始まりやすい事を意味するので、パンチャーの技術としてはどうなのか。その辺は今後の研究課題です。




2012年11月7日水曜日

Who's Who(1)マーク•トロンボ (Mark Trumbo)

A hitter who is the very right person for cline up man behind Barry Bonds as a third batter.

マーク•トロンボ(成績)http://baseball.yahoo.co.jp/mlb/teams/player/2276361



パッと見て成功を予期出来た選手です。これだけの身体の選手が、これだけパンチャーの二段ステップのツボをソツ無くクリア出来ていれば、失敗するはずはありません。ある意味、バッティングで確実に成功するコツは「型にハマる」事です。つまらない事を言うようですがこれは事実で、打ててる人のマネをしておけば大きな失敗する事は無いのです。

いくつかホームランの動画を紹介しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=PISy0f2CrG0&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=cwOyAug8HUs&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=t-Mxw-vT39g&feature=plcp

片手でフォローを取ったり、両手で振り抜いたりする打者ですが2012年シーズン後半を両手で振っていたようです。

面白かったのは2012年オールスターのホームランダービでのパフォーマンスで、脚上げ型の片手フォローによるスイングで素晴らしい当たりを連発していました。アレックス•ロドリゲスと瓜二つのフォームでしたね。私の記憶では確か、その直後から両手振り抜きに固定しだしたようで、恐らくホームラン競争で大きくなったスイングをコンパクトに修正する意図が有ったのだと思います。

ホームランダービーでのパフォーマンス
http://www.youtube.com/watch?v=8OyqPcVKFiA&feature=plcp

トロンボの構えは厳密に言えばヘッド入れ型でトップ型ではありません。この構えだと肩甲骨のポジションが原因で、骨盤前傾型の構えを追求しきれない問題があり、そのため、トロンボの膝も、やや前に潰れています。加えてつま先立ちになる二段ステップでは、前脚がつま先立ちになった時点で後ろ脚もつま先立ちになるのですが、つま先立ちになると膝が前に送られるので、つま先立ちになる二段ステップでは膝が前に押しつぶされてハムストリングスの力が使いにくいぶん、腰の回転が小さく、フォロースルーがコンパクトになる傾向があります。

ホームランダービーの動画をよく見てください。スイングの直前から映っている場合は解りませんが、それよりも少し前から映している場合、構えを作る前にバットを回したり、ラボで採用している方法と同じように、低い位置で立てて構えていたり、とにかく構えを短くする工夫をしています。こういう選手はホームランダービーでは特に力を発揮出来るでしょう。

また、膝が前につぶれ、大腿四頭筋が効くと、フォロースルーがコンパクトになってしまう事はアレックス•リオスのスイングが良く表しています。

アレックス•リオス
http://www.youtube.com/watch?v=YyATAABpwQ4&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=_gauWD0G-R4&feature=plcp

一方、こちら(トリー•ハンター)は比較的ハムストリングスが使えているタイプのフォロースルーです。身体を捩りきる力が強い事がわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=0NBP1vJSjkU&feature=plcp

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=KXw1NY2f540&feature=plcp)後半には、始動ポジション以降を横から映したスローモーションが有ります。撮影角度にもよりますが、後ろ脚股関節は比較的割れており、そこは良い点です。始動時の下半身の力も強く、しっかりと重心移動が起こり、タスキラインが充分に引き伸ばされています。ただ、スイングに入ると、後ろ脚の回転が小さく、後ろ足も地面に着いたままで、前脚の膝が伸びきらないあたりは、やはり「ヘッド入れ型の爪先着地型二段ステップ」と言う打ち方故、ハムストリングスの力が充分に使い切れないからでしょう。この動画後半(http://www.youtube.com/watch?v=uWpwqy_sxB8&feature=plcp)の横映しスローモーションでも、同じ傾向が見られます。

こういった選手の場合「打ち方を変えないコーチング」と言う立場を取るのであれば「ヘッド入れ型の爪先着地型二段ステップ」と言う打ち方そのものの特性に由来する「ハムストリングスの力が使いにくく、大腿四頭筋が効きやすい」と言う弱点を如何に普段のトレーニングや打撃練習等でカバーリングしていくかと言う事が重要になります。また、確かにフォロースルーはコンパクトですが、それは打ち方そのものに由来するもので、この打ち方であれば、このフォロースルーになるのが自然なのですから、フォロースルーそのものをいじる事の無意味さも、理論的に考えるとよくわかると思います。

因に打順と言う観点で見れば典型的な4番タイプでしょう。一番打者の場合、出塁率が最重視される事から左打者が理想的ですが、二番打者の場合、右を狙った進塁打や、犠打等の際にキャッチャーの前を横切って走る特性を考えると右打者を置くのがセオリーです。その並びで行くと三番打者は左打者になるのが(上位打順の選手には出塁率を求めたい観点からしても)定石で、チームの主軸となる三番四番が両方とも右打者や左打者では都合が悪いので四番は右打者が良いのです。ですから1番(左)2番(右)3番(左)4番(右)と言うのが野球のセオリーですね。例えば今のアメリカン•リーグなら1番イチロー、2番デレック•ジーター、3番プリンス•フィルダー、4番マーク•トロンボ というように並べるとシックリ来るわけです。上記ラインナップを1番ジーター、2番イチロー、3番トロンボ、4番フィルダーと並び替えると何となく違和感が出てきますね。

2012年11月6日火曜日

スインガータイプ

パンチャータイプとスインガータイプの話をしていて時々誤解されるのがパンチャー=メジャーでスインガー=日本と言う図式だと思われる事です。これは全くそんな事は有りません。スインガータイプは一度メジャーリーグで極められたと言っても良い打法で、その後、皆で示し合わせたように主流派がパンチャータイプに入れ替わったのです。ホセ•カンセコ、マーク•マグワイア、リッキー•ヘンダーソンを擁していた頃の黄金期アスレチックスがその走りでしょう。

ここでは1980年代のメジャーリーグのスインガータイプの打者を動画で紹介します。やはりしなやかな動きの出来る黒人打者がスインガーの特徴を良く表していますね。

日本のスインガーの打者よりハムストリングスが使えているぶん重心移動がダイナミックでボトムハンドの引きが強いのが特徴です。

右打者編

ジェシー•バーフィールド


フリオ•フランコ


デーブ•ウィンフィールド


左打者編

ダリル•ストロベリー


エディー•マレー(スイッチヒッター)


ウィリー•スタージェル



同じ黒人打者でも、今の打者だとエイドリアン•ベルトレイ(右打者)(http://www.youtube.com/watch?v=T2bE14zCt5w&feature=relmfu)やカーティス•グランダーソン(左打者)(http://www.youtube.com/watch?v=vSDjpylGnwc&feature=plcp)のようになるわけです。違いは明らかですね。彼らのスイングはボトムハンドで引かずにトップからいきなりトップハンドで押して加速するメカニズムです。ボトムハンドで引いてヘッドを残しながらグリップエンドから引っ張りだすフェーズが無いぶん、トップからインパクトまでが速いのです。一方、スインガータイプの打者は腰の回転を利用したボトムハンドの引きによってバットを引っ張りだします。トップハンド側については「筋肉の力で押す」と言う事はしません。スインガータイプの世界でそんな事をしたら「下手クソだなぁ」と笑われます。一方、パンチャータイプの世界でボトムハンドで引くために重心移動をしようとすると「ステイバックしろ!」と怒られます。常識がひっくり返ってしまったわけですね。日本人で例えると落合博満から栗原健太に至る変化です。恐らく、ホセ•カンセコやマイク•ピアッツァあたりが「いちいち踏み込まなくても打てるんだ」と言う事をアメリカ球界に無言で知らしめた事が、この打撃技術の大きな原因の一つでしょう。

2012年11月4日日曜日

中田翔

ラボにご来店頂いた方より「今年の中田は良い」と言われて見てみたのですが、確かに良いですね。今のNPBでMLBでもホームラン打者として通用するスイングと打球を見せる打者は中田の他に1人か2人いるかどうかと言うくらいでしょう。



構えの分類的にはこれだけグリップを身体の前に突き出していると言う事から、厳密にはヘッド入れ型に相当すると言えるでしょう。日本人に最も多いタイプです。そのため、脊柱が直立して、大腿四頭筋で体重を受け止めやすいバランスなのですが。。

素晴らしいのは見逃し方で、上の動画で、見逃す時にググッとホームベース方向にせり出していますね。これはハムストリングスが使えているため、身体を前(つまりホームベース方向)に運ぶ力が強いからで、こういう見逃し方をすると言う事は下半身が使えている事を表します。この見逃し方を日本人の右打者で久しぶりに見ました。

そして、前脚を挙げるタイミングがパンチャーらしく、比較的遅いのも良い。Aロッドと比べると早いですが、日本人としては割と遅い方でしょう。割れを作らず、上手く始動ポジションを形成しています。さらに前脚を挙げる時、後ろ脚の膝でクッションを取らず、良い意味で膝を固めて使えています。さらに、前脚が挙ったときの後ろ脚の形を見ると、膝が前に潰れすぎず、足首より股関節が背面側に位置する良い形を作れています。これなら確かにハムストリングスも使えるでしょう。

さらに前脚を挙げる時、無意識的にヒッチダウンが起きるのもパワーの有る中田ならではで、この辺は類い稀なる所です。そして何よりもこの打席では緩い球を前脚着地の瞬間あたりで一拍我慢して強打しているのが素晴らしい。

下の動画のスイングそして打球等は、まさにメジャーのそれですね。


もし、こういう日本人的な打ち方をしたいと言う方が読者の中にいるとすると、腸腰筋その場ステップなどで、出来るだけ骨盤が前傾した体型を維持する事が重要です。骨盤が後傾しやすい脊柱直立型のこのバランス、この構えのシルエットの中で少しでも骨盤の前傾位を保ち、ハムストリングスが使える状態を維持するためです。

中田翔にしても大腿四頭筋が緊張しやすい打ち方、構えを採用しているので、練習やトレーニングの中でそれを補う対策を立てて行く必要が有るでしょう。このケースの場合、スイングが小さくなってフォロースルーが手首を返したあたりで止まるようになってくると黄色信号です。

2012年10月31日水曜日

天地無用


タマタマ英語の勉強をしていて初めて知ったのだが「天地無用」とは「天地逆さまにしてはいけない」と言う事らしい。今まで「天地どっとでも良い」と言う意味だと思っていた。今まで引っ越しのアルバイトを短期で何回かしたことが有るが、大丈夫だったのだろうか。「意味の解りにくい言葉のシールが貼ってあるから、とりあえず、このままの天地にしておこう」くらいの事は考えていた気がするが。

運送業の場合、間にいくつか倉庫等を通す事もあるだろうし、その中には学生のアルバイトや一日限りの派遣作業員もいるだろう。そういう中で「壊れ物注意」と書いてあっても不安なのに「天地無用」等と言うややこしいシールを貼る発送者や運送会社の気が知れない。というか開いた口が塞がらない。その点、英語の方が合理的「this side up」極めて解りやすい。

ところでワールドシリーズではセルジオ•ロモのスライダーが極めて有効に機能していた。この投手はシュート方向に曲がるツーシームも有るので、厄介である。

http://www.youtube.com/watch?v=kDcAPEBl8LE&feature=plcp

2012年10月29日月曜日

チワワさん個別分析

この記事はチワワさんの個別分析記事ですが、JHETTさんのフォームも引き合いに出しますのでJHETTさんも参考にしてください。



まずチワワさんに関しては、センスは有ると思います。西武の西口とか、イム•チャンヨン、ジェイク•ピービーみたいな感じのセンスを感じますね。球速の数字と言うよりも打ちにくい球を投げられそうな気がします。躍動感の有るフォームが自分の真骨頂だと思うと良いでしょう。それを犠牲にして(一般的な野球指導の観点から)フォームを綺麗にまとめようとすると持ち味が無くなるタイプですね。

フォーム的には、JHETTさんに比べると、骨で立つとかハムストリングスで立つとか言ったあたりの事が出来ていません。ラボでも腸腰筋をストレッチした後に股関節がクッと折れる感じがつかめていないようでした。そのせいか、投げた後に後ろ脚が出て来る動作が大人しい時も有りました。

いい点は、グラブとボールの割り方が非常に上手いです。テークバックで投球腕が内旋しつつ肘から挙る所までの動きは素晴らしいのですが、そこからの外旋が浅いのが惜しい所ですね。それからJHETTさんよりもしなやかに動けている反面、JHETTさんよりも、骨盤の前傾した状態を作れていない分、動きの中で芯が弱い感じがします。チワワさんのしなやかさにJHETTさんの芯の強い安定感が加わると素晴らしいのですが。

詳細分析

チワワさんの大きな長所は、体重移動を利用した見事なグラブとボールの割り方です。そして、ヒップファーストの角度も素晴らしく、下の写真でも3コマ目までの形は(後ろ脚股関節の割れがやや甘い点を除き)パーフェクトです。


ただ、残念なのは後ろ脚股関節の伸展が弱く、重心移動の過程で沈み込んでしまい、そこから先はJHETTさんと同じ問題を有していると言う点です。そしてチワワさんの場合、フィニッシュでのターン&倒れ込みが弱いケースが多い事が目立ちます。ただ、事前に頂いた動画ではそうでも無い事を思うと、チワワさんの身長に対してラボがやや狭い事も影響していたのかもしれません。ただ、いずれにせよ、股関節伸展が弱く、重心が沈み込むのは確かです。


そして、テークバックでの投球腕の内旋は見事なのですが、その後の外旋が小さいと言う事はラボでお話した通りです。この動画後半の動き(或は下の写真)を見ても解りますように、股関節の絞りと投球腕の外旋は連動しています。股関節の絞り=伸展ですが、股関節伸展の結果、胸を張る動きが肩関節の外旋を誘発するのだと考えられます。


つまり、肩関節の外旋が浅いのは関節可動域も有ると思いますが、動作によっても改善しうると言う事です。

下の写真のシーンで、もっと股関節伸展による体の反りを作らないと、肩関節が外旋しないということです。


この点についてはアロルディス•チャップマンが素晴らしいので、下の動画の冒頭の投球練習のシーンを見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=cAlnLfkppm0&feature=plcp


チワワさんの場合、技術論と言うよりも、股関節の機能性を高める事が重要になります。特に「黒人的な」と言う観点から見るとまだ手つかずの状態に見えます。技術論的な事に関しては、現状でかなり良い線行っています。まず、以下の感覚を掴めるようになってください。

★腸腰筋をストレッチした後に骨盤が前傾してクッと股関節が折れる感覚。また、その際、骨で立つ感覚が得られ、大腿四頭筋が緩み、ハムストリングスの腿裏内側、膝のやや上あたりが締まっている感覚。また、骨盤が前傾した時、股関節が緩む感覚。

★ワインドアップの際、後ろ脚の踵でトントンと足踏みをして、骨で立つ感覚が確認出来る。

★ワインドアップで最初に前脚を後方に引く時、カクッと後ろ脚の膝が緩む感覚。

★後ろ脚の踵でトンッと踏むと前脚が挙りやすい感覚。

などです。腸腰筋その場ステップや腰を反るストレッチ等をかなり繰り返す事で、こういった感覚を磨き上げ、強化していってください。

下図のように腸腰筋をストレッチした後、股関節が屈曲する感覚。これが非常に重要です。この感覚を掴めるか否かが分かれ道になります。


そして、股関節周辺の靱帯の方向性を見ても解りますように、骨盤を前傾させると靱帯が緩みます。

これは骨盤が前傾する事で、股関節のハマりが深くなるから、靱帯のテンションで股関節を安定させる必要が無くなるため、そうした身体の作りになっているのでしょう。
この状態になると、股関節のボールが転がりやすくなるので、股関節の回旋能力を引き出す上で有利になるのです。
そして、骨盤が前傾すると、大腿四頭筋が緩み、ハムストリングスが引き伸ばされるので、ハムストリングスの力が使いやすくなります。

ハムストリングスによる股関節伸展の力は脛骨を通り、地面に伝わり、地面を押します。ですから、踵寄りに加重する事が重要なのです。

まずは、こうした基礎的な事項を徹底したストレッチの継続によって身体にしみ込ませる必要が有ります。それはもう肉体改造するくらいの意識が必要で、黒人の身体に肉体改造するくらいの意識が無いと貫徹出来ない事です。ただ、チワワさんにもしそれが出来ると、凄い事になるでしょう。(もちろん、肩関節の柔軟性も重要ですが)

下の写真を見る限り、骨格のアラインメントには恵まれたものがあるからです。これは先天的要素に加え、成長期が終わるまでの骨格の育ち方も重要な要素になります。もちろん、成長期を終えてからの鍛え方も重要で、それが欠けていると、せっかくの恵まれた骨格を運動に活かせないのです。


つまり「遺伝子に関わる先天的要素」「成長期が完了するまでの要素」「成長期が終わってからのトレーニングによって改善される要素」の3つの要素のうち、チワワさんの場合、最初の2つには恵まれているものの、3つ目の要素が欠けているのです。つまり、腸腰筋が効いて、骨盤が前傾し、ハムストリングスが力を発揮しやすい状態で動作すると言う、黒人的な身体の使い方を身につけるための取り組みが無いのです。(もちろん、それには単純にダッシュする事なども含まれます。)

観察経験上、チワワさんのようなケースは良く有りますが、そうしたケースの場合「成長期が終わってから努力した人」に比べて、実際の動作の中で、黒人的な身体の使い方が出来ない事が多いのです。それだけ、後天的な努力が重要になると言う事です。


まず、取り組みの第一段階として、チワワさんの場合、ヒマが有れば腰を反って腸腰筋をストレッチし、その後に股関節がクッと折れて、骨で立つ感覚になると言う事の確認を行うようにしてください。

これは、もちろん、大きく反ってしっかりやるべきなのですが、日常の色んな場所でも、10センチ程度の反りで充分出来るので、例えばポケットに手を突っ込んで普通に立っている感じのままでも出来る事です。(股関節を屈曲させる時、胸椎の後湾を意識すると、骨盤が前傾し、骨で立つ感覚が掴みやすくなります。)もちろん、小さな反りで感覚が掴めるためには、ある程度、習熟する必要が有るでしょう。

そして、まずは、練習の仕方として、シャドウでも実際にボールを投げる場合でも、まず腸腰筋をストレッチしてから、ワインドアップモーションで前脚を引きつつ、後ろ脚の膝をカクッと緩め、後ろ脚の踵でトントンと足踏み(後ろ脚の踵で地面を踏むと、前脚が挙りやすい。)してから、骨で立っている感覚を確認したうえで投げると言う事を繰り返してください。

要するに、チワワさんの場合、手塚理論風に言うと骨盤が滑っている状態なのです。JHETTさんのように、クッと地面を捉える感じが無く、ヌル〜ッと出て行ってしまい、重心が沈んでしまうと言うパターンです。

ですので、下の写真のシーンでは非常に良い形で投球腕が外旋していても、


下の写真の動作で、後ろ脚股関節の伸展が使えず、胸が張らないので、充分な外旋角度が作れないのです。もちろん、股関節伸展で身体を持ち上げる力が弱いので、直ぐに着地してしまうため、肩関節が外旋する時間的余裕が無いと言うというのも原因の一つです。


上の写真のシーンで、それ以前の良い形が台無しになってしまっています。そのため、着地後に前脚股関節の伸展が上手く使えません。また、投球腕の外旋角度が浅いので、下敷きのしなりも不十分です。このあたりに球速が向上する余地があります。

ただ、センスが有るなと感じるのは、下の写真です。投球腕の外旋が浅く、肘が伸びたままアウトサイドインに腕が振られて、回転半径が大きくなりスイングが鈍くなる所を、脊柱を1塁側に無意識に傾けて、回転軸から脊柱を外し、スイングの回転半径を小さくしています。

このあたりに、しなやかに身体が使えるチワワさんのセンスを感じます。センスが無い人だと、ここで脊柱が動かずに、回転半径が大きく鈍い腕の振りになってしまいます。もちろん、このシーンでここまで顔がそれるのは良く無いのですが、この腕の振りと言う条件の中では適切な対応であり、敢えて修正していくべきポイントでは無いと言う事です。腕の振りが修正される事で、自然に修正されるのが理想です。

また、フォロースルーに関して言うと、JHETTさんに比べ、前脚の膝が外に緩み、前脚股関節伸展の力が上手く使えていません。膝が緩むから股関節伸展が上手く使えないとも言えますが。


そのため、下の動画の最初の実速の映像で比較しても、JHETTさんに比べてチワワさんの方が過剰にターンしてしまっています。JHETTさんの場合は、前脚股関節伸展、つまり絞りに伴う内旋が生じ、それによって瞬間的に前脚に壁が出来ているからです。その壁によって一度、力が打者の方に向かった後でターンしているので適切なターンになるのですが、チワワさんの場合、前脚の膝が着地後に外に緩む上に、股関節伸展に伴う内旋が弱いので、勢いに負けてターンしてしまっているのです。


フォロースルーの問題は文章と写真では表現しにくいので、動画で説明します。

念のために、股関節伸展によって身体を前に運ぶ動きとは下図のように、一歩前に出した脚の股関節を伸展すると、地面を後ろに押す反作用で身体が前に運ぶと言う理屈によるものですね。ラボでお話しした事を思い出してください。膝伸展だと反対に後ろに下がるわけです。

前脚の角度にはJHETTさんもチワワさんもあまり差が無いので、基本的に股関節が使えているか否かと言う技術論以前の問題が大きいと思います。(もちろん、技術論以前とは言いながら、技術論以上に重要であり、あるいは技術論そのものとも言える問題でもあるのですが。)


前脚股関節伸展(絞り)に伴う内旋で一度前脚に壁を形成しつつ、そこから股関節伸展で身体を豪快に運ぶ。コレが理想的なターン&タンブルをもたらします。股関節の運動性を向上させる事で、なんとか理想的なターン&タンブルを身につけてください。

以下に、いくつか turn and tumble finish (ターン&タンブル フィニッシュ)の良い例を挙げておきます。

ジョナサン•パペルボン

ジョニー•クエト

ジェレッド•ウィーバー

レオ•ニュネス
http://www.youtube.com/watch?v=WFuUayMx9MI&feature=fvst

上記の投手ぐらい豪快なターン&タンブル フィニッシュになるのが理想的です。日本人の場合、最近の高校生などで、ターンが出来る投手は増えてきましたが、タンブル(倒れる)の力強さがまだまだ全然メジャーにかないません。それは股関節伸展で身体を前に運ぶ力が弱いからです。倒れ込みで着地した後ろ脚に体重が乗るタンブルが最高のフィニッシュです。これをアスファルトの上でやると膝が心配な事だけが気になる点ですね。

そしてまた、ターン&タンブルフィニッシュの成否は良い動作であったかどうかのバロメーターになります。これは誰にでも当てはまる事ですが、特にチワワさんの場合、ワインドアップモーションからの投球で、腸腰筋ストレッチ〜後ろ脚の膝カックン〜後ろ脚踵トントンで骨立ち〜後ろ脚踵で地面を踏みながら前脚を挙げる〜ターン&タンブルフィニッシュと言う流れを一球一球、身体にしみ込ませていってください。

続きます。

チワワさんの場合、とにかく黒人化と言う観点からのトレーニングの徹底が急務です。もちろん、これは全ての人に言える事なのですが、チワワさんの場合、特にです。そして、もう一つは肩関節の柔軟性を向上させる事ですね。この二つが出来れば、現状の感じで投げ続けるだけでかなりのレベルに到達出来ると思います。

また、上半身の筋力トレーニングとして、素振りも出来るだけ行ってください。素振りとシャドーの組み合わせは効果的な練習で、硬式用など、ある程度の重さのバットで素振りを5回くらいした後、シャドーをすると最初は腕の振りが硬くなっていますが、5球も投げるとしなやかさが戻ってきます。そして腕の振りも力強くなっている事がわかります。この繰り返しの練習は効果的です。

また、とにかく腕を多く振る事で投球腕の回旋能力を向上させる観点から考えると、オートマチックステップドリルは効果的ですね。腕を振ると、加速時に生じる慣性力等で外旋がかかりますが、その繰り返しで外旋可動域が広くなっていきます。無理の無い範囲(ボールと同じ重さまで)でシャドーボールに重りを入れて行くのも良い方法です。外旋させる負荷が強くなるためです。

なお、オートマチックステップは始動時の下半身の力が弱いと投球腕に負担がかかる事が予想されますから、何球かに一回、腰を反って腸腰筋をストレッチし、骨盤の前傾した構えから投げる事に注意してください。

以上です。ではがんばってください。