2012年11月6日火曜日

スインガータイプ

パンチャータイプとスインガータイプの話をしていて時々誤解されるのがパンチャー=メジャーでスインガー=日本と言う図式だと思われる事です。これは全くそんな事は有りません。スインガータイプは一度メジャーリーグで極められたと言っても良い打法で、その後、皆で示し合わせたように主流派がパンチャータイプに入れ替わったのです。ホセ•カンセコ、マーク•マグワイア、リッキー•ヘンダーソンを擁していた頃の黄金期アスレチックスがその走りでしょう。

ここでは1980年代のメジャーリーグのスインガータイプの打者を動画で紹介します。やはりしなやかな動きの出来る黒人打者がスインガーの特徴を良く表していますね。

日本のスインガーの打者よりハムストリングスが使えているぶん重心移動がダイナミックでボトムハンドの引きが強いのが特徴です。

右打者編

ジェシー•バーフィールド


フリオ•フランコ


デーブ•ウィンフィールド


左打者編

ダリル•ストロベリー


エディー•マレー(スイッチヒッター)


ウィリー•スタージェル



同じ黒人打者でも、今の打者だとエイドリアン•ベルトレイ(右打者)(http://www.youtube.com/watch?v=T2bE14zCt5w&feature=relmfu)やカーティス•グランダーソン(左打者)(http://www.youtube.com/watch?v=vSDjpylGnwc&feature=plcp)のようになるわけです。違いは明らかですね。彼らのスイングはボトムハンドで引かずにトップからいきなりトップハンドで押して加速するメカニズムです。ボトムハンドで引いてヘッドを残しながらグリップエンドから引っ張りだすフェーズが無いぶん、トップからインパクトまでが速いのです。一方、スインガータイプの打者は腰の回転を利用したボトムハンドの引きによってバットを引っ張りだします。トップハンド側については「筋肉の力で押す」と言う事はしません。スインガータイプの世界でそんな事をしたら「下手クソだなぁ」と笑われます。一方、パンチャータイプの世界でボトムハンドで引くために重心移動をしようとすると「ステイバックしろ!」と怒られます。常識がひっくり返ってしまったわけですね。日本人で例えると落合博満から栗原健太に至る変化です。恐らく、ホセ•カンセコやマイク•ピアッツァあたりが「いちいち踏み込まなくても打てるんだ」と言う事をアメリカ球界に無言で知らしめた事が、この打撃技術の大きな原因の一つでしょう。