(1)http://baltimore.orioles.mlb.com/team/player.jsp?player_id=456068
Miguel Gonzalez
今期メジャー初先発を果たした1984年生まれの右投げ右打ち。今期はこれまで5勝2敗の防御率3.38です。
投球シーン
http://www.youtube.com/watch?v=Yh3C5va19Zo&feature=plcp
骨盤が後傾して膝で体重を受け止めている点を除いては素晴らしいフォームです。ただ、その問題点が非常に大きいので、そこが気になります。
骨盤を後傾して前脚を挙げるメジャー式で多いのですが、脚を挙げる時に後ろ脚の膝まで曲がってしまう事です。こうなると、そこから重心が移動する時に膝が折れてしまい、膝で体重を受け止めるので大腿四頭筋が働きすぎて、ハムストリングスが充分に使えません。こうなると、前脚を降ろす時に骨盤も充分に前傾に戻らなくなります。ですから投げ終わった後の一塁への倒れ込みも、イマイチ躍動感とキレに欠けるのです。
ストレートを見ると93マイルくらいですが、印象的にスピンが効いた、所謂軽い球質のようです。日本人に多いタイプですね。
これは私の持論ですが、骨盤が前傾してハムストリングスが使えているタイプは重心移動、そこから身体を回転させる力が強いので、より体幹部、下半身の力でボールを押し出せるため、末節部に頼る割合が小さくなります。一方、骨盤が後傾して大腿四頭筋が効き過ぎている投手は、体幹部、下半身の力が使えないので、末節部の力に頼ります。そうなると、指でボールを切ってスピンをかける感じの投げ方になるので、スピンが効いた軽い球質になります。一方、ハムストリングスが使えている場合、スピンに頼らず、身体全体でボールを加速する感じになるので重い球質になります。
※)因に、骨盤の前傾、後傾、については、投げ方に起因する場合と体型に起因する場合があります。
その意味で言うとミゲール•ゴンザレスは球筋が綺麗な上に、球質が軽いタイプですから、この投球フォームで力押ししようとすると、特にメジャーでは長打をくらいやすいでしょう。ですから、動く速球を低めに集めるとか、緩急を使う等と言った技巧を磨く必要があります。(もちろん、フォーム修正をするのが理想ですが)
その意味で、お手本になるのがティム•ハドソンです。
上記リンクのwikiによると「ほとんど球が高めに来ない投手(イチロー)」と言うように、低めのボールを集めるのがハドソンの特徴です。
投球シーン
http://www.youtube.com/watch?v=8v1oPOs-JhE&feature=plcp
投球フォームはゴンザレスと同じく、骨盤が後傾した状態で膝が折れるのでハムストリングスが充分に使えないタイプです。それでも2011年までで通算181勝97敗の防御率3.40と言う素晴らしい成績を残している。
ミゲール•ゴンザレスが今のフォームで成功しようとするのなら、コントロール、変化球、緩急、等の技巧を重視する必要が有るでしょう。ただ、このタイプは見た目にいわゆる「キレの良い」速球が投げられますし、本人の感覚も球が走っているように感じるので、速球で押したくなる心境になるのだと思います。その辺が難しいところですね。実際、マイナーリーグや学生野球では本格派の速球投手として鳴らしたと思います。つまり、アマチュア時代に4番打者でも、プロに入ると技を磨く必要に迫られるタイプだと言う事です。ハドソンと同じスタイルとは言わないまでも、何等かの自分なりの色を打ち出して行く必要が有るでしょう。
その他の投球シーン
http://www.youtube.com/watch?v=lfqtScCQxdQ&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=jsnZMz7tyhY&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=CQWiG9ue2Gc&feature=plcp
現時点では緩急を使うのが上手い印象ですね。この腕の振りからの速球とチェンジアップの組み合わせは武器になりそうです。こういう引き出しを増やして行く事がこの投手には必要になると思います。
(2)http://baltimore.orioles.mlb.com/team/player.jsp?player_id=489002
Steve Johnson
今期メジャーデビューした1987年生まれの右投げ右打ちの投手。
投球シーン
http://www.youtube.com/watch?v=wCLmWOmxKk8&feature=plcp
チャド•ビリングスリーに似た体型で右のパワーピッチャー的な路線を行こうとしているかのように見えます。確かにストレートもズドンと響くような良い球質に見えますが、球速がそれほどでもありません。
身体の使い方にはややロスが有りますね。この投手の場合、前脚を挙げるところまでは良いのですが、挙げた所で膝を畳んでいます。これをすると、降ろす時に骨盤を前傾させるのが難しくなります。恐らく、膝を曲げる時に前脚のハムストリングスが収縮するからでしょう。ハムストリングスは股関節伸展筋ですが、膝の屈曲も行い、さらに骨盤の後傾も股関節伸展の一種である事をわすれてはなりません。つまり、前脚ハムストリングスが収縮して骨盤を後傾した状態に保とうとするので、骨盤が前傾しにくくなると言う仮説です。
ジョンソンの場合は後ろ脚の膝を折っていないぶん、まだ良いのですが、それでもやはりいくぶん骨盤が後傾した状態で重心移動に入っています。テークバックで肘から挙る形が不十分なのも無関係では無いでしょう。
ただ、フォーム的にはボールがグラブの中に入った状態を長く保っている上に、膝を畳むぶん、良くも悪くもコンパクトにまとまっていますし、比較的無駄な動きも少ないので、むしろ制球を磨く事で伸びて行く可能性は有りますね。グレッグ•マダックスのスタイルをお手本にすると良いと思います。
その他の投球シーン
http://www.youtube.com/watch?v=W0BJqc8hTqw&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=LEhjyer9kUE&feature=plcp
因に下段の動画は最後の方に不鮮明ながらハイスピードカメラが有りますが、バックスピンでは無いように見えますね。そもそもピッチャーは自分の身体の正中線に向かって投げようとするのが基本で、そうすると投球腕の手の平も自分の身体の中心に向きます。その上で、人差し指より長い中指が最後までボールに残るので、少しボールの側面をスライダー気味にこするようにリリースするわけですから、ボールの回転がバックスピンになるのが基本だとは少し考えにくいですね。
Miguel Gonzalez
今期メジャー初先発を果たした1984年生まれの右投げ右打ち。今期はこれまで5勝2敗の防御率3.38です。
投球シーン
http://www.youtube.com/watch?v=Yh3C5va19Zo&feature=plcp
骨盤が後傾して膝で体重を受け止めている点を除いては素晴らしいフォームです。ただ、その問題点が非常に大きいので、そこが気になります。
骨盤を後傾して前脚を挙げるメジャー式で多いのですが、脚を挙げる時に後ろ脚の膝まで曲がってしまう事です。こうなると、そこから重心が移動する時に膝が折れてしまい、膝で体重を受け止めるので大腿四頭筋が働きすぎて、ハムストリングスが充分に使えません。こうなると、前脚を降ろす時に骨盤も充分に前傾に戻らなくなります。ですから投げ終わった後の一塁への倒れ込みも、イマイチ躍動感とキレに欠けるのです。
ストレートを見ると93マイルくらいですが、印象的にスピンが効いた、所謂軽い球質のようです。日本人に多いタイプですね。
これは私の持論ですが、骨盤が前傾してハムストリングスが使えているタイプは重心移動、そこから身体を回転させる力が強いので、より体幹部、下半身の力でボールを押し出せるため、末節部に頼る割合が小さくなります。一方、骨盤が後傾して大腿四頭筋が効き過ぎている投手は、体幹部、下半身の力が使えないので、末節部の力に頼ります。そうなると、指でボールを切ってスピンをかける感じの投げ方になるので、スピンが効いた軽い球質になります。一方、ハムストリングスが使えている場合、スピンに頼らず、身体全体でボールを加速する感じになるので重い球質になります。
※)因に、骨盤の前傾、後傾、については、投げ方に起因する場合と体型に起因する場合があります。
その意味で言うとミゲール•ゴンザレスは球筋が綺麗な上に、球質が軽いタイプですから、この投球フォームで力押ししようとすると、特にメジャーでは長打をくらいやすいでしょう。ですから、動く速球を低めに集めるとか、緩急を使う等と言った技巧を磨く必要があります。(もちろん、フォーム修正をするのが理想ですが)
その意味で、お手本になるのがティム•ハドソンです。
上記リンクのwikiによると「ほとんど球が高めに来ない投手(イチロー)」と言うように、低めのボールを集めるのがハドソンの特徴です。
投球シーン
http://www.youtube.com/watch?v=8v1oPOs-JhE&feature=plcp
投球フォームはゴンザレスと同じく、骨盤が後傾した状態で膝が折れるのでハムストリングスが充分に使えないタイプです。それでも2011年までで通算181勝97敗の防御率3.40と言う素晴らしい成績を残している。
ミゲール•ゴンザレスが今のフォームで成功しようとするのなら、コントロール、変化球、緩急、等の技巧を重視する必要が有るでしょう。ただ、このタイプは見た目にいわゆる「キレの良い」速球が投げられますし、本人の感覚も球が走っているように感じるので、速球で押したくなる心境になるのだと思います。その辺が難しいところですね。実際、マイナーリーグや学生野球では本格派の速球投手として鳴らしたと思います。つまり、アマチュア時代に4番打者でも、プロに入ると技を磨く必要に迫られるタイプだと言う事です。ハドソンと同じスタイルとは言わないまでも、何等かの自分なりの色を打ち出して行く必要が有るでしょう。
その他の投球シーン
http://www.youtube.com/watch?v=lfqtScCQxdQ&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=jsnZMz7tyhY&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=CQWiG9ue2Gc&feature=plcp
現時点では緩急を使うのが上手い印象ですね。この腕の振りからの速球とチェンジアップの組み合わせは武器になりそうです。こういう引き出しを増やして行く事がこの投手には必要になると思います。
(2)http://baltimore.orioles.mlb.com/team/player.jsp?player_id=489002
Steve Johnson
今期メジャーデビューした1987年生まれの右投げ右打ちの投手。
投球シーン
http://www.youtube.com/watch?v=wCLmWOmxKk8&feature=plcp
チャド•ビリングスリーに似た体型で右のパワーピッチャー的な路線を行こうとしているかのように見えます。確かにストレートもズドンと響くような良い球質に見えますが、球速がそれほどでもありません。
身体の使い方にはややロスが有りますね。この投手の場合、前脚を挙げるところまでは良いのですが、挙げた所で膝を畳んでいます。これをすると、降ろす時に骨盤を前傾させるのが難しくなります。恐らく、膝を曲げる時に前脚のハムストリングスが収縮するからでしょう。ハムストリングスは股関節伸展筋ですが、膝の屈曲も行い、さらに骨盤の後傾も股関節伸展の一種である事をわすれてはなりません。つまり、前脚ハムストリングスが収縮して骨盤を後傾した状態に保とうとするので、骨盤が前傾しにくくなると言う仮説です。
ジョンソンの場合は後ろ脚の膝を折っていないぶん、まだ良いのですが、それでもやはりいくぶん骨盤が後傾した状態で重心移動に入っています。テークバックで肘から挙る形が不十分なのも無関係では無いでしょう。
ただ、フォーム的にはボールがグラブの中に入った状態を長く保っている上に、膝を畳むぶん、良くも悪くもコンパクトにまとまっていますし、比較的無駄な動きも少ないので、むしろ制球を磨く事で伸びて行く可能性は有りますね。グレッグ•マダックスのスタイルをお手本にすると良いと思います。
その他の投球シーン
http://www.youtube.com/watch?v=W0BJqc8hTqw&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=LEhjyer9kUE&feature=plcp
因に下段の動画は最後の方に不鮮明ながらハイスピードカメラが有りますが、バックスピンでは無いように見えますね。そもそもピッチャーは自分の身体の正中線に向かって投げようとするのが基本で、そうすると投球腕の手の平も自分の身体の中心に向きます。その上で、人差し指より長い中指が最後までボールに残るので、少しボールの側面をスライダー気味にこするようにリリースするわけですから、ボールの回転がバックスピンになるのが基本だとは少し考えにくいですね。