2012年8月12日日曜日

8月12日 雑記

(1)http://orioles.mlb.com/team/player.jsp?player_id=592518

オリオールズの野手が終わったと思ったら、スーパールーキーが登場したようです。1992年生まれの若干20歳で、MLB公式サイトでは期待のルーキー100人の6位にランクされています。3Bとありますが、ショートやセカンドも守るようです。

メジャーデビュー2試合目で2本の本塁打を放ちました。現在3試合目で12打数4安打2本塁打の打点5。

フォームを見てみましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=bA1F9fJ_dE8
カッコいいですね。

脚上げ型のパンチャーで片手フォローと、最近の若者らしい打撃フォームです。あと5年くらいはこの手のフォームの新人が続々出て来るでしょう。ある意味、オートマチックステップ等はやや古典的に見える時代になるかもしれません。

しかし、その後は再び、動きの小さなフォームに回帰する時代が来ると信じています。投手の技術が挙る事でベースボールがウィッフルボール化すれば、おのずと打撃フォームから無駄が省かれて来るからです。

それまではブライス•ハーパーや、今回のマニー•マチャドのような派手系のフォームがMLBで幅を効かせる時代になると思います。

それでは、この派手系のフォームの意味する所はどこに有るのでしょうか。それは意外にもパンチャーのメカニズムがアメリカ球界に定着した事を意味すると考えています。

マチャドのフォームを派手に見せている要素は主に二つで一つ目が一本脚打法である事。二つ目が片手フォローである事。この二つです。

アメリカの打者が日本人のように脚を上げて後ろ脚に乗るようになったのはAロッド以降の事で、それまではあまりいなかったのです。(上げても後ろに乗らず、抜く感じだった)後ろ脚に乗せる事は言うまでも無く、脚上げ型パンチャーの始動ポジションを形成する事を意味しています。
また、この種の跳ね上げて止める片手フォローはパンチャー特有のもので、そのイメージがアマチュアプレーヤーの中にもかなり浸透して標準化していると言う事でしょう。

つまり、今はある意味、アメリカ球界でのパンチャー化が完了、かつ定着し、それを確認すると共に、各個人個人が応用で、独創的な色を出し始めたと言う時期だと言えるでしょう。その意味では(打撃フォーム的には)面白い時代が来ていると思います。しかし、パンチャー本来の長所を完全に活かすためには、その次のステップとして、ジェイソン•ジアンビやマーク•マグワイアが見せた無駄の無いフォームへの回帰が必要であると考えます。そしてメジャーリーグがそこに到達するのに、後5年〜10年はかかると言うのが私の読みです。

ただ、そこで難しいのは「無駄の無い」と言うのはイコール没個性化を意味するので、やはりその時代になっても、個性を表現しようとする選手は出て来るでしょうし、どのフォームが最も優れているかを純粋科学的に証明するのは不可能ですから、結局のところ画一化は実現しないでしょう。

話をマチャドに戻しましょう。

まず、この選手は身体が素晴らしい。身長188センチと申し分無く、手足が長過ぎない均整の取れた体型は野手向きだと言えるでしょう。また、動画を見ると、なで肩でもイカリ肩でも無く、肩のラインが前方にせり出して、胸が凹んで見える、骨盤前傾型の体型をしています。

http://www.youtube.com/watch?v=xQP6tHCuNxc&feature=plcp(0.16から)
http://www.youtube.com/watch?v=2TqMEsSx630&feature=plcp

この選手は間違い無く活躍出来るでしょう。

ただ、気になるのは耐久力で、前例を見ても片手フォロー(特に脚上げ型)は成績が下降するのが早いのです。

ホアン•ゴンザレス、フランク•トーマス、アレックス•ロドリゲス、マニー•ラミレス等、派手な片手フォローを取るタイプはある時期から成績を落とす傾向にあります。

この選手も30歳くらいまでは良く打つでしょうが、その後、どうなるか。一番、脂の乗って来る30代前半にどうなっているか。そこがポイントですね。