2012年2月26日日曜日

キャメロン•メイビン(2)

http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=iiJ74fMKbz8&feature=endscreen

0.29からの横映しを見ると、恐るべき肘の上がり方で、これならタスキラインの筋肉は充分に引き伸ばされるでしょう。これだけ肘が挙ると、通常だとトップハンドのグリップが掌屈する場合が多いのですが、見事に背屈した状態に保たれているのも、骨盤前傾型の特徴です。肘を高く挙げても、グリップのコックを保てるので、肘を高く挙げる事が出来るわけです。

因に、言うまでも無く最大の欠点は前脚に体重が乗らない事で、これだけ前脚が開くと、トップハンド側で生み出した力が、前脚サイドから逃げまくっているはずです。

手のひらで深くでグリップを握り込み、後ろ重心スイングでフォロースルーの位置は低い。4スタンス理論で言う所の典型的なBタイプですね。ただ、それも理論的に説明の付く事で、骨盤前傾型の場合、前傾しようとするバランスになっているので踵体重でバランスが取れるのです。爪先(拇指球)体重とフィンガーグリップ、踵体重とパームグリップがマッチするのは実験すれば直ぐに解るでしょう。そして、このタイプの場合、グリップを深く握っている分、肘が挙りやすく、トップハンド側の力が使いやすくなります。そのため、前脚の壁が弱く、パワーをロスしても、そこそこパワーを発揮出来るので、必然的に後ろ脚体重の打者が多くなるわけです。前脚軸が弱いと、フォロースルーの軌道を前脚股関節の関節面上に形成出来ないため、水平面回転の要素が強くなり、フィニッシュの位置は低くなります。ですから、私の場合、このような打者はむしろ、如何に前脚軸を形成したスイングが出来るかと言う事が最重要事項になると考えます。

次に、もう一つ面白いのが下の動画です。

http://www.youtube.com/watch?v=urOesTqe20I&feature=fvsr

この動画の0.10でヘッドスライディングの後に立ち上がった時、見事に股割りストレッチの形になっている事です。これはヘッドスライディング後に上体を反らして立ち上がる際に、腸腰筋がストレッチされ、その直後に反射的収縮が使えているためです。腸腰筋は股関節を外旋させつつ骨盤を前傾させて、股関節を屈曲させる筋肉ですから、このような動作になるのです。そしてまた骨盤が前傾するので腰椎が前湾し、胸椎が後湾する。正に理想的な股割りストレッチの形になっています。
そして、その後、上体を地面と水平にして下を向いているシーンでも腰椎は全く後湾していません。これも骨格の良さを表しています。骨格が悪いと、この姿勢で腰椎が後湾します。
一つ気になるのはイカリ肩気味なところで、古今、イカリ肩の選手はあまり大成した例が無いのです。イカリ肩は上半身の力みを意味するのかもしれません。
これはあくまで仮説ですが、本来、イカリ肩と言うのは、骨盤があまり前傾していない扁平な体型に多いと思います。この体型の場合、肩甲骨が胸郭から滑るので、運動をしていない人は文科系的なで肩体型になってしまうのですが、運動をしている人の場合、常に筋肉でがんばって肩甲骨を引き上げているため、鎖骨が連動してイカリ肩的な形になり、その形が固まったのでは無いか。。つまり、イカリ肩は、骨盤後傾型の先天的特徴の人が、後天的に運動を頑張った場合になりやすい体型では無いかと思うのですが、これは全くの仮説で、あまり自信は有りません。