2012年2月28日火曜日

ジェド•ラウリー

http://www.youtube.com/watch?v=QYdHGbMyJ1w&feature=fvsr

この動画を見る限り、投手方向からのバランスに素晴らしいものが有ります。(やや膝が曲がり過ぎですが。)

前傾した脊柱に、トップ型の構えで、首も脊柱に合わせて傾いているので、胸椎の後湾が良く出来ています。走っている所を見ると、日本人にも普通にいそうな感じなので、この構えは技術力によるものだと言えそうです。

また、この動画の冒頭部分を見ると身体の前面が締まっていると言うか板を貼ったようにぺたんこになっています。実はこれが骨盤が前傾した構えの特徴なのです。

http://www.youtube.com/watch?v=io7NSbkHVc8&feature=relmfu

なぜなら骨盤が前傾すると、腹筋が引き伸ばされて収縮するために締まるからです。走っている所を見ると、それほどお腹が締まっているようには見えませんが、バッティングで構えると、骨盤が前傾するので、腹筋が締まるのです。ですから、良い構えで振り込むと、腹筋が締まって見える体型になってきます。実際には脂肪が付いていても、服を着ると痩せて見える所謂着やせするタイプもこの事と関係が有るかもしれません。

ただ、これはラボに来られた方は解ると思いますが、基本的に私はトレーナーみたいに○○筋がとか言って触りません。これは意識的にそうしています。なぜなら将来的に女子ソフトの選手が来る可能性も有り、そのような時に触るクセがついているとヤヤコしいからです。

話しが逸れましたが、ジョージブレットもトップ型の構えで前傾して首斜めで、胸椎が後湾しています。ですから構えでは腹筋が締まって見えるのです。走っている所を見ると、むしろ脂肪が付いている感じに見えますが。



2012年2月26日日曜日

アンドリュー • マッカチェン(1)

http://www.youtube.com/watch?v=rGYlsHkGhBE&feature=related

凄まじいトップハンドのパンチ力を誇る打者です。このパンチ力の源は、基本メカニズムにおける始動時の下半身の力と、その後の弛緩による落下の結果です。やや腰高で、スタンスも狭めな分、少し腰を反る事で無理矢理骨盤を前傾させているため、腕の使い方は柔軟性を欠く傾向が有りますが、その分、ハムストリングスは引き伸ばされるので、始動時の下半身の力は充分に発揮出来ます。

この打者を紹介すると「腰高で狭いスタンスでも良いんだ」と思われる方が出て来るのでは無いかと言う懸念から、やや躊躇が有ったのですが、下の動画の0.30からの横映しには、始動時の力の強さと、その後の弛緩による落下が明確に見て取れます。大腿四頭筋などの緊張が無い分、弛緩が完璧になるわけです。その結果、その弛緩の中でグリップが反作用によりトップポジションに引き上げられ、その運動の中でタスキラインが引き伸ばされるのです。

http://www.youtube.com/watch?v=j1XVbjMvyxk

このような始動時の下半身の力を使えなければ、パンチャーで力を発揮する事は出来ません。そして、それを出来るようにするためには、トレーニングを積む以外は有りません。もちろん普通のトレーニングではダメで、黒人の身体機能に近づくためのトレーニングで無くてはならないのです。

この打者の構えを見て、ハムストリングスが効いた立ち方をしているなと言う事が解ると言う事は、その人本人も、そういう感覚が有ると言う事が言えるでしょう。逆に言うと、そういう感覚が無ければ、教えると言う事は難しいのです。

ただ、マッカチェンのようなフォームはあくまでも黒人ならではのもので、日本人の場合、アンドリュー•ジョーンズやエイドリアン•ベルトレイをモデルと考えるべきです。

次の動画も解りやすい。

http://www.youtube.com/watch?v=tOwd8Zh8OOs&feature=relmfu

0.30からのサイドビューを見ると、構えから一度後ろに体重移動して、その中で前足の踵を浮かせてからのオートマチックステップです。今のMLBの打者には、そういうあたりの理論は有りませんから、こういった打者が多いのは全く仕方が無いのですが、理論を知っている皆さんはするべき事では有りません。

この始動時の下半身の筋収縮による「突き上げ」と、その後の弛緩による「落下」で、どちらか一方が目立つ例が多いのです。例えば、腰高でスタンスの狭い打者は下半身の筋肉に負荷がかかっていない分、その力は使いにくいものの、反面、弛緩させやすいので落下が顕著。逆にプホルズやジェフ•バグウェルのような腰の低い打者は突き上げは顕著だが、落下が目立たない場合が多いのです。マッカチェンのように、「突き上げ」と「落下」の両方が高いレベルで揃っている例は希少だと言えます。

 因に、この動画の0.14からの三塁ベース上でのカッツポーズがいかにもマッカチェンらしい。手を叩いた後、両肘を背中に突き出して、胸を張っていますが、背中に凄い反りが出来ています。日本人の身体特性からは生まれにくい動きの発想だと言えるでしょう。この力の強さこそが黒人アスリートの強さの秘密なのです。日本人体型だと、肘を背中に突き出した時に胸が張るだけで、腰を突き出す動き(腰椎の前湾)にはなりにくいのですが、マッカチェンのベルトの所を見ると、強く前に突き出されている所から、腰椎の前湾を伴っている事が解ります。

以前に黒人は腰椎の前湾が顕著なタイプが多いと書きましたが、マッカチェンはそういうタイプの典型で、その打撃フォームを見ていると、骨盤前傾とハムストリングスの関係が良く解ります。

いくら日本人でアスリート型プレーヤーだと言っても、メジャーに行けば、こういう相手と比べられるわけです。ですから日本人の場合、相当理論詰めでやらないと勝ち目は無いと言えるでしょう。

キャメロン•メイビン(2)

http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=iiJ74fMKbz8&feature=endscreen

0.29からの横映しを見ると、恐るべき肘の上がり方で、これならタスキラインの筋肉は充分に引き伸ばされるでしょう。これだけ肘が挙ると、通常だとトップハンドのグリップが掌屈する場合が多いのですが、見事に背屈した状態に保たれているのも、骨盤前傾型の特徴です。肘を高く挙げても、グリップのコックを保てるので、肘を高く挙げる事が出来るわけです。

因に、言うまでも無く最大の欠点は前脚に体重が乗らない事で、これだけ前脚が開くと、トップハンド側で生み出した力が、前脚サイドから逃げまくっているはずです。

手のひらで深くでグリップを握り込み、後ろ重心スイングでフォロースルーの位置は低い。4スタンス理論で言う所の典型的なBタイプですね。ただ、それも理論的に説明の付く事で、骨盤前傾型の場合、前傾しようとするバランスになっているので踵体重でバランスが取れるのです。爪先(拇指球)体重とフィンガーグリップ、踵体重とパームグリップがマッチするのは実験すれば直ぐに解るでしょう。そして、このタイプの場合、グリップを深く握っている分、肘が挙りやすく、トップハンド側の力が使いやすくなります。そのため、前脚の壁が弱く、パワーをロスしても、そこそこパワーを発揮出来るので、必然的に後ろ脚体重の打者が多くなるわけです。前脚軸が弱いと、フォロースルーの軌道を前脚股関節の関節面上に形成出来ないため、水平面回転の要素が強くなり、フィニッシュの位置は低くなります。ですから、私の場合、このような打者はむしろ、如何に前脚軸を形成したスイングが出来るかと言う事が最重要事項になると考えます。

次に、もう一つ面白いのが下の動画です。

http://www.youtube.com/watch?v=urOesTqe20I&feature=fvsr

この動画の0.10でヘッドスライディングの後に立ち上がった時、見事に股割りストレッチの形になっている事です。これはヘッドスライディング後に上体を反らして立ち上がる際に、腸腰筋がストレッチされ、その直後に反射的収縮が使えているためです。腸腰筋は股関節を外旋させつつ骨盤を前傾させて、股関節を屈曲させる筋肉ですから、このような動作になるのです。そしてまた骨盤が前傾するので腰椎が前湾し、胸椎が後湾する。正に理想的な股割りストレッチの形になっています。
そして、その後、上体を地面と水平にして下を向いているシーンでも腰椎は全く後湾していません。これも骨格の良さを表しています。骨格が悪いと、この姿勢で腰椎が後湾します。
一つ気になるのはイカリ肩気味なところで、古今、イカリ肩の選手はあまり大成した例が無いのです。イカリ肩は上半身の力みを意味するのかもしれません。
これはあくまで仮説ですが、本来、イカリ肩と言うのは、骨盤があまり前傾していない扁平な体型に多いと思います。この体型の場合、肩甲骨が胸郭から滑るので、運動をしていない人は文科系的なで肩体型になってしまうのですが、運動をしている人の場合、常に筋肉でがんばって肩甲骨を引き上げているため、鎖骨が連動してイカリ肩的な形になり、その形が固まったのでは無いか。。つまり、イカリ肩は、骨盤後傾型の先天的特徴の人が、後天的に運動を頑張った場合になりやすい体型では無いかと思うのですが、これは全くの仮説で、あまり自信は有りません。


2012年2月25日土曜日

キャメロン•メイビン(1)

http://www.youtube.com/watch?v=NWiClIsePAo&feature=related

中々うらやましい骨格の打者ですね。こういう骨格だと、いらぬ苦労が少ないでしょう。グリップを深く握っていますが、同時に手首(特にトップハンド)がしっかりと背屈している点に注目してください。骨盤が前傾して、胸椎の後湾の効いた構えが作れるようになって来ると、深く握っても手首を背屈させる事が出来るのです。この場合、シャープさと力強さを兼ね備えた最強のグリップだと言えるでしょう。このようなグリップで構えた打者を日本のプロ野球選手では一人も見た事がありません。日本人の体型だと、これよりも絞り気味にしないと背屈させる事が難しいのです。

オースティン•ジャクソンも似たようなグリップをしています。(0.35〜)

http://www.youtube.com/watch?v=Z41XVKwu3NY&feature=related

ただ、こういった事は見よう見まねでやって直ぐに出来るものでは無く、そういう構えが出来るようになって来ると、自然に感覚が理解出来るようになるでしょう。

ただ、この二人、見るからに運動神経が良さそうですが、概して野球で成功するのは、このラインよりも少し下の素材の選手が努力して成功するケースが多い気がします。

2012年2月23日木曜日

テッド•ウィリアムス



まず、ウェイティングサークルで座っているシーンを見ると、胸椎の後湾が顕著な事が解ります。実は白人には何故かこういう体型が多いのです。脊柱のS字カーブのメリハリが効いている事は、骨盤前傾型の証明ですが、黒人の場合は腰椎の前湾が顕著で、白人の場合は胸椎の後湾が顕著な傾向が有るようです。

ハンター•ペンススコット•ポセドニック等は特徴的で、こういう体型は黒人にはあまり見かけません。

次に打席に入るシーンを見ると、後湾した胸椎の上に肩甲骨が被さり、そこから上腕骨が釣り下がっている状態が見事に表現されています。こういう姿勢の人は、手首のコックも効きやすく、グリップの形が良い傾向に有るのは、胸椎の後湾の結果として、肩甲骨が外転気味になっているので、肩関節の内旋がやりやすいからでしょう。肩関節の内旋と連動して前腕も回内するので、手首の背屈と撓屈が起きるのですが、この「前腕の回内、手首の背屈、撓屈」が正しいグリップの条件で、それをコックの効いたグリップと表現しています。これらは体幹部操作の基礎事項です。

次に走り出す所を見てみましょう。手を叩くシーンが印象的です。日本人が走りながらこれだけ身体の前で手を叩くと、腰椎まで後湾してしまう場合が多く、盆踊りで手を叩く時のように腰の丸まった感じになってしまいます。ところが、脊柱のS字カーブのメリハリが効いていると、腰椎が前湾したまま(少なくとも後湾させずに)、胸椎だけ後湾させて手を前に出せるので、この動画のように、腰を丸めずに、走りながら手を叩く事が出来るのです。このフィーリングは日本人には中々出せないでしょう。1塁を回った後などは実に白人的な走り方で、映画に出てきそうな感じですね。何がどう違うのかと言うと、まず脚が非常に軽やかです。これは重心が高い位置にあるからで、胸椎の後湾が顕著になると、上半身の筋肉がその上に被さるような感じで付いてきますから、身体の質量の中心、すなわち重心が高い位置に出来るのです。ところが寸胴の体型だと、筋肉が重力に負けて下に下にと行きます。上半身の筋肉が脊柱からスベると、下半身の筋肉もその重みでズリ下がるのでしょう。こうなると重心が低くなり、フットワークも重くなってしまうわけです。

前回のデンゼル•ワシントンやバラク•オバマについてもそうですが、こういった部分から改善していかないと、日本人むき出しの状態では世界レベルでは苦しいでしょうね。

2012年2月21日火曜日

英語ブログについて

2011: A Hitting Odyssey

英語ブログは塚口理論を世界に問うために制作されているもので、MLBの全野手、監督、打撃コーチに紹介される予定です。文章的には、高校生や大学生が読んでも間違った英語を身につける事の無いように、文法面まで注意を払って制作しております(現状ではまだ間違いが多く有ります。)ので、最終的には出来るだけ原文で読んで頂きたいと思いますが、大雑把な内容を把握するだけでしたら、グーグルの翻訳機能が利用出来ます。


上記ページの日本語欄に、翻訳したいサイトのURLをペーストすると、翻訳されたページを見ることが出来ます。


ただ、この翻訳機能は否定と肯定が反対になったりと精度的には低いものですので、かなり大雑把な内容しか把握出来ないと思います。特に将来、海外の球界をも視野に入れている人は、英語の勉強を兼ねて読んでみるのも良いと思います。野球技術論の英語には独特の語彙表現が有り、そういったものは「英語の勉強」では学ぶ事が出来ないためです。一例で言うと、前脚を踏み出しながら手を後ろに引くと言う動作を"load"と言う一語で表現出来るわけです。

なお、英語サイト上で、自分の動画を公開し、アレックス•ロドリゲスやデレック•ジーターに見られたいと言う人は、動画をyoutubeやメールでお送り下さい。必ずどこかで掲載いたします。


黒人の歩き方



 この動画の0.10あたりからの、デンゼル•ワシントン(中央)の歩き方には黒人の特徴が良く出ています。特にアップになった時のグングン前に突き進んで行く感じは、ハムストリングスによる股関節伸展が使えている証拠でしょう。そして無理に背筋を伸ばしたり、胸を張ったりする様子は全く無く、むしろその逆のイメージが有ります。つまり脊柱のS字カーブが正しく形成され、胸椎は後湾しているわけです。そうすると腰椎が前湾するので骨盤が前傾し、ハムストリングスを引っぱり、その力を使いやすくしているわけです。この歩き方はそういう歩き方です。

さらに、最初の正面からのカットをよく見ると、ワシントンの手の平は後ろを向いています。こういう歩き方は白人や黒人にはよく見られる歩き方で、胸椎が後湾しているので肩甲骨が外転し、手の平が後ろを向くわけです。1994年頃、科学する野球と言う本で黒人の手の向きについての話を読み、無理矢理真似ていた頃が懐かしい限りです。無理矢理真似ても腕が疲れるだけで意味が無いのですが。

さらにオバマ大統領も、ワシントンと良く似た歩き方で、黒人の特徴を表しています。オバマの場合は、日本では猫背だと言われるくらいです。私から見ると単に正しく脊柱のS字カーブが描かれているようにしか見えないと言う人が日本では猫背だと言われているケースを何人か見てきました。



オバマがワシントン以上に特徴的なのは、上半身をグングンと前に押し込むようにして、突き進んで行く感じですね。これは片方の脚を前に出す時、腸腰筋による股関節屈曲の作用が生じるので、それによって脊柱に前屈の作用が働くからです。もう少しダウンタウン的な黒人になって来ると、そういう感じをもっとオーバーに表現してきます。上流階級系の場合は、あまり身体をスイングさせずに、胸椎が後湾した状態を保ち、上から見下ろす角度を保とうとします。オバマとワシントンの身のこなしは上流階級系黒人の特徴的なものです。

日本人の場合、胸を張って背筋を伸ばしてと言わないと、腰まで丸まってしまうのか、猫背と言う事に対する拒絶反応が有るようですが、そもそも胸椎は後湾しているのが自然であると言う事は解剖学の教科書に書いている事で、言うまでも無い事なのです。

このオバマの胸を張って背筋を伸ばしていないのに威風堂々とした歩き方を見てください。余談ですが、胸を張って背筋を伸ばしてと言うのは軍隊でも警察でも、部下が上官に対して敬礼する時の姿勢であり、ヒットラーや金正日やオサマ•ビン•ラディンのような人間は決して胸を張って背筋を伸ばす事はありません。そういう所からの体育教育が、そういうフレーズを生み出しているのかもしれませんね。

2012年2月19日日曜日

ラボによる主な実績

★2013年 特待生の林敬宏さんが関西学生野球リーグのオールスターに選出される。
★2013年 特待生の林敬宏さんが関西学院大学で3番4番を打つ。
★2011年大学生投手 対プロ二軍戦に登板、スカウトに注目されると記事になる。
★2010年大学生打者 田沼格さん硬式野球3部リーグ 打率5位
★2011年大学生打者 東都3部リーグ 打率4位
★2010年高校野球 地方トーナメント戦 優勝
★2012年高校生4番打者 野球推薦で大学進学。某有名監督率いる部に入部。
★2011年中学野球 複数校選抜チーム(燕西浦パンチャーズ)が関東中学大会優勝。
★小学生 短距離走クラス1位(ラボ自信作の股関節ストレッチの効果でしょう。)
★2012年MLBインディアンズのRuss Canzler 3塁手より動画での分析を依頼される。

その他
★2006年2月清原和博氏に賞賛される。(自ら贈呈)
★2007年バリー•ボンズがホームランの世界記録を更新する際に、読売新聞の記者より問い合わせを受けるも記事にならず。
★野球小僧に取材を受ける。
★台湾のスポーツグラフィック誌「SOUL」に彭政閔の分析記事が掲載される。
★2013年 スポーツ報知に特待生の林さんとラボの取り組みが掲載される。