2016年3月5日土曜日

ダルビッシュ投手フォーム分析 その2

 ※)まず前提として私には投手経験はありません(汗)ので、以下の内容はあくまでも基本的なメカニクスに限ったものになります。変化球や投手としての戦術にまで介入する者ではありません。「身体に負担なく、ロスなく最大限の力を発揮出来る身体の使い方」という観点から書いていこうと思います。

ピッチングの脚挙げは十把一絡げに語られる事が多いですが、実際には色んなタイプが有り、それぞれに特徴が違います。特に「重心移動の発生のさせ方」が変わって来ます。

元々、ピッチングでは下図のように、前脚を挙げると地面反力によって、オートマチックに重心移動が始まります。ただ、これだけだと重心移動が始まりにくいので、多くの投手はそこにプラスアルファの動きを加えて、重心移動を始めています。


そこで、まずはいくつかの典型的な前脚の挙げ方を動画で紹介します。ダルビッシュ投手の前脚の挙げ方(動画ラスト)は個人的には「回し込み型」と呼んでいます。

四種類の代表的な前脚の挙げ方 (重心移動の発生のさせかた)
  

腿上げ型
真っすぐ前脚を挙げるだけのフォームで前田健太、平野佳寿、藤川球児などがこのタイプです。図の原理で地面反力だけを使って重心移動を発生させます。身体が前に流れにくく、力のロスは少ない反面、動きが硬くぎごちなくなりやすいので、そこのロスは起こりえます。


ライアン型
骨盤ごと前脚を挙げます。ダイナミックな動きになるので上手く出来れば力は出ますが、バランスを取る事が難しく、不安定になりやすいデメリットが有ります。

振りかぶり型
脚を挙げて来る時に、腰を丸めながら捻りが加わります。捻りが入ると、下図のように後ろ脚股関節が打者方向に移動し、後ろ脚大腿部が斜めになります。斜めになった棒は重力で倒れますが、この原理を利用して重心移動を始めます。
        
 重心移動がすみやかに始まるのでスムーズなフォームになりやすい反面、身体が流れやすい(このページの最後に解説)デメリットが有ります。また腰が丸まってしまい、いわゆる骨盤後傾になるのもデメリットです。(骨盤後傾=ハムストリングスが効かず、膝が折れて過剰に重心が低くなる)

回し込み型
振りかぶり型の改良版とも言えます。振りかぶり型から「腰の丸まり」を無くした感じで、捻りを使って後ろ脚の大腿部を斜めにする事で、重心移動を始めます。 
このタイプのメリットはやはり「動きがスムーズになること」ですが、デメリットは回し込みの動きが大きくなり過ぎると、やはり身体が前に流れやすい点で、そうなると軸脚の力が効きにくくなります。また、回し込みが大きくなると、当然、サイドハンドに近くなります。

※)「身体が流れる」という表現について。
下図を見てください。 もし貴方が荷物を押して動かそうとしている時に、前の人が引いてしまうと、押す力が上手く伝わりません。ピッチングでも軸脚からの地面反力で骨盤が押し出される前に、反動等によって骨盤が前に動いてしまうと、これと同じ状態になり、軸脚の力が上手く使い切れません。この事を「身体が流れる」と表現しました。
  
この状態になっているのが、イチローの振り子時代のフォームです。もちろん振り子打法にはメリットも有るのですが、そういうデメリットもまた有ったと言う事です。

振り子の反動で腰の前方移動が先行し、軸脚の力をロスするのが振り子打法のデメリットです。
 

上記のように、ダルビッシュ投手のフォームは回し込み型の脚挙げによって始まり、その事が様々なフォーム上の特徴になっていると考えます。結論から言いますと、その回し込みの動きが大きくなればなるほど、メカニクス上は問題点が大きくなります。身体の芯の部分で必要最低限、回し込みを行う事で重心移動は十分すみやかに始まってくれます。そうする事で、少なくともメカニクス上の問題はかなり軽減されるはずです。

〜その2完〜

ダルビッシュ投手フォーム分析 その1

はじめに

まず、ダルビッシュ投手はスインガータイプで、その点については前田健太や藤川球児、大谷翔平など、その他の日本の一線級投手と同じです。しかし、彼らと違うのが腕の出所がややスリークォーター気味で低い事で、それは独特の重心移動の動作(ステップ動作)に起因するものです。そう、そこに彼のフォームの大きな特徴が有るのです。それはサイドハンドのそれに近い脚の挙げ方で、他の全ての脚の挙げ方と同様、長所と短所が共存するものです。以下の写真にはそのフォームの特徴が良く出ています。

  
ここでは、ダルビッシュ投手が既にMLBの一線級の投手であるという事実をふまえて、「自分の理論に引っ張り込む」という従来の私のやり方ではなく、今の投球動作の特徴を分析し、生じやすい問題点、メリット、デメリットなどを中心に書いて行きたいと思います。

〜その1完〜

2016年3月2日水曜日

他商品との関連

 Baseball Performance Labo では以下の商品を販売しております。「打撃革命」を中心に、より深い理論的理解のための「教科書シリーズ」、より深い実践的動作理論のための「股関節シリーズ」という陣容です。


打撃革命
(BPL理論打撃編の代表作であり、総集編)
代表作であり、総集編。どれか一本というのであれば間違いなく、コレです。実践を主眼に起きながらも、特に指導者にとって重要になるメカニズム論も詳しく解説しています。無節操なまでにネット上に広がったBPL理論の世界。そのすべてを読み解く地図としての役割も果たしてくれます。本作抜きにBPL理論は語れません。
  

新しい野球技術の教科書(3部作 全て打撃編)
(打撃革命を理論的に補完する内容)
メカニズム論についてより詳しく解説しているシリーズで「打撃革命」ではあくまでもパンチャーの比較対象として扱ったスインガーについても詳しく解説してあります。「打撃革命の内容」より、さらに深い理論的理解に達したい人にオススメします。


股関節理論シリーズ(打撃中心で投手にも適応する内容)
(打撃革命を実践面トレーニング面で補完する内容)
BPL理論を実践する上で欠かせない股関節理論を動画で解説した映像作品です。股関節のトレーニング法、さらに打撃の中で股関節を上手く使うための技術論的テーマについて解説しています。「打撃革命」の内容を実践するにあたり、実践のためのより深い理論的理解やトレーニング法について知りたい人にオススメです。トップ型オートマチックステップを極めたい人は必見です。

レイアウト見本

このように画像を多く試用して、イメージで理解出来る事を重視しています。技術論は文字だけでは伝わりません。





2016年2月29日月曜日

打撃革命コンテンツ一覧

 ネット上には古い理論も多く、纏まりも有りません。そんな中、誤解されたまま理解している人が多々いる事も事実です。「結局トップハンドトルクって何?BPL理論って何なの?」という問いに対する答えになるのがこの「打撃革命」です。本作は私のキャリアを通じて代表作となるでしょう。

1章「2種類の打撃メカニズム」64ページ
2章「パンチャーとスインガーの比較」57ページ
2章補足1「分類法の補足」4ページ
2章補足2「高目と低めへの対応」6ページ
3章「様々なパンチャーの打ち方」45ページ
3章補足 「ボトムハンドの引きとトップハンドの押しは共存しない」16ページ
4章「腸腰筋とハムストリングス」41ページ
5章「股関節の斜め回転」34ページ
5章補足1「前脚の伸展」11ページ
5章補足2 「始動時の下肢出力」6ページ
6章「パンチャータイプの基礎技術」26ページ
6章補足 「前脚軸タイプと後ろ脚軸タイプの違い」6ページ
7章「トップ型のオートマチックステップ(1)」49ページ
8章「トップ型のオートマチックステップ(2)」22ページ
8章補足1「体幹部操作(構え作りのメカニズム)」12ページ
8章補足2「右投げ左打ちについて」5ページ
9章「パンチャータイプのための各種技術論」63ページ 
10章「実戦対応」32ページ
11章「各種ドリル」25ページ
12章「パンチャータイプのスローイング技術」25ページ
12章補足1「運動連鎖」7ページ
12章補足2「打撃におけるジャイロ現象の働き」5ページ

総数561ページの大作です!

2016年2月28日日曜日

連続写真ギャラリー


特別公開動画コーナー

BPL理論実践者スイング
まずはBPL理論実践者のスイングを見てください。このステップの小さい打法はあくまでもBPL理論におけるコアとなる基本形であり、全ての選手がこうするべきだと言っているわけではありません。


理想スイング
BPL理論では、このようなスイングを目指します。両手で振り抜きながら躍動感が有り、さらにフォロースルーが大きければ理想的です。しかし重要な事は「タイトでストロングなスイング」という事です。それがパンチャーの特徴なのです。このスイングイメージに共感出来た人、BPL理論を実践しない手はありません。


 「パンチャーの9スタイル」
一つの打ち方を押し付ける理論のように思われがちですが、実際にはそうではありません。メカニズムとして理想である一つの打ち方をコアにして合計9つのスタイルを用意しています。それぞれに長所短所が有り、実戦では結果が出る打ち方を選ぶ事が出来ます。


片手フォローでの打ち損じ
今のメジャーリーグでは片手フォローが蔓延していますが、BPL理論ではそれがメジャーの打撃レベルを下げており、落ちる球を武器にする日本人投手に活路を与え、さらに日本が国際試合で優位に立てる理由となっていると考えています。メジャーリーガーに送付された本作では片手フォロー批判をかなり重点的に行いました。


始動ポジション
BPL理論はタイミングに関する考察が無いと言われる事が多いですが、そんな事は全くありません。綿密にフォローしている人ならご存知のはずです。動画はステップタイプ毎に異なる始動ポジション(モノクロ)。その意味は本編で説明しています。


オートマチックステップによる緩急対応
オートマチックステップにおける緩急対応の重要性は本編でも強調しています。ストレートのタイミングで待って遅い球が来た時、このように着地後の一拍の間を取って対応する能力が重要になります。


股関節理論 〜黒人の身体機能に近づく〜
BPL理論フォロワーの皆さんにとってはおなじみの「腸腰筋とハムストリングス」と「股関節の斜め回転」を中心とした股関節理論は本編でも扱われます。総集編ですから。そしてそれらに通底するテーマは「黒人の身体能力に近づく」という事です。誤解されやすいですが、ダンスによるリズムトレーニングが重要だと言う話ではありません。彼ら特有のダンスの中にこそ、黒人が様々なスポーツで優位に立てる身体使いのシークレットが有ると言う事です。そしてその部分をトレーニング化して鍛える事でパフォーマンスが向上します。






打撃革命 メジャーリーグ発送先リスト

 第一波として2016年2月25日に68人のメジャーリーガーおよびメジャーリーグのコーチに発送されました。有名選手を中心にBPL理論にマッチしそうな選手をチョイスしました。ただ有名であってもBPL理論と親和性の無い打ち方の選手(ジョシュ•ハミルトン、ジョー•マウアー、クリス•デービスなど)は今回はパスしました。選手に届くのは開幕直前になると思います。2016年シーズンはこれらの打者に注目してみましょう。












2016年2月26日金曜日

打撃革命

 BPL理論の集大成が561ページ(目次等抜き)&動画193個の大ボリュームでついに完成! BPL理論の代表作です。(PDF書類とクイックタイム動画のセット)

 価格は7000円です。

アマゾンよりご購入ください。
(https://www.amazon.co.jp/dp/B01J9HGZ3U/ref=cm_sw_r_tw_dp_1.yOxbWTJJXBF)

     7000円(税込み、送料込み)です。
 トップハンドトルク、塚口理論、パンチャーとスインガー、などでネット上で話題のBPL理論の集大成がついに完成しました。内容は561ページで大量の画像、動画でビジュアルで迫ります。実践に主眼を置いた内容ですが、指導者、プレーヤとして知っておいて欲しい理論は詳しく解説してあります。BPL理論に取り組む人にとってはマストアイテム!プロを目指す選手、最強打線を構築したい指導者の皆さん、必見です。

ココが見所その1 メジャーの有力選手に送付
「打撃革命」は先行して英語版が制作され、それはMLBの有力選手に既に送付されています。(送付先リストはコチラ)日本語版は英語版を忠実に翻訳したものです。

ココが見所その2 とにかく総集編
本作は『実践する人に「とにかくこれ一冊読んどいて」と言える代表作を作る 』というのが基本的コンセプトです。コンテンツ1欄はコチラのページをどうぞ。

ココが見所その3 豊富な画像で見やすいレイアウト
重要ポイントは画像を使ってイメージで理解出来るようにするというのが本作のテーマです。レイアウト見本はこちらのページでどうぞ。

ココが見所その4 豊富な動画
打撃理論は文章だけでは伝わりにくいので本作品では動画を積極的に使用し(総数193個)読者の感性に訴えます。特別公開の動画はコチラのページで見る事が出来ます。

ココが見所その5 豊富な連続写真
メカニズムの理解を助けるために、メジャーリーガー、プロ選手の連続写真を豊富に使用しています。連続写真ギャラリーはコチラ。

補足1 打撃革命の欠点
本書は561ページの膨大なページ数ですが、若干重複する部分があります。それは基本的に大事な内容であり、またその流れの中でもう一度書いておかないと流れが掴みにくい(○○ページに戻るとかだと読みにくい)という理由がほとんどです。また、ベストなモデルを用意する時間が無く、実演動画のクォリティが若干低い部分がありますが、その場合でも解説と照らし合わせて著者の意図を理解して頂けると思います。

補足2 その他商品との関係性
BPL理論には他にも股関節理論の映像作品2つと、野球技術の教科書シリーズ3部作(PDF&動画資料)の合計5作品が有ります。それらと本作「打撃革命」の関連性についてはコチラのページを見てください。

補足3 誤植、修正情報
誤植や内容の修正はこちらのページで行います。

2015年7月11日土曜日

購入方法

購入方法 

全商品、アマゾンより購入出来ます。在庫はアマゾンによって保管され、受注されるとアマゾンから発送されます。

打撃革命
https://www.amazon.co.jp/dp/B01J9HGZ3U/ref=cm_sw_r_tw_dp_1.yOxbWTJJXBF

新しい野球技術の 教科書
https://www.amazon.co.jp/dp/B01MRLM8PR

BPL股関節理論
https://www.amazon.co.jp/dp/B01MSNKOIA

2015年6月25日木曜日

筒香の誤解



 これまで柳田や森と共に高く評価して来た筒香が予想通り良い働きを見せているが、その打撃には不安も有る。今シーズンは松井秀喜との会話などで「ステイバック」を意識するようになったそうだが、それが良い方にも悪い方にも出ている。つまり、始動するまで後ろに乗った状態を保つ事は良いのだが、始動した後はその意識を引きずってはいけない。今の筒香は始動した後、つまりスイングの中でもステイバックの意識を持っているため回転力が弱いスイングになっている。今シーズンの筒香は、それほど良いスイングをしているとは思わない。後ろ足がいわゆる「うねり打法」のような角度になってしまい、充分に回っていない事に注目してほしい。スイングの中で体重が後ろに残り過ぎているからこうなる。

 つまり始動するまでは後ろに乗った状態を保つが、始動した後は、その意識を捨てなければならない。この切り替えに気がつくかどうか。それが出来るか否かが今後のカギになる。

 

2015年6月10日水曜日

会計年度末が近づいて来た

 会計年度末が近づいて来たため、明日は法人税(といっても実質的には法人住民税のみ)の申告についての相談のために税理士の事務所に行く予定。領収証をスクラップブックにする作業も終わった。申告の専門的な作業は手に負えないので税理士に任せたい。納める額は小額では有るが少しでも社会のために役立ってくれればと願う。

 ところで、いつも書店で野球技術書のコーナーを見て思う事は「これは酷い」と言う事で、とてもでは無いが読めたものでは無い。ほとんどの本はもう一度お湯で戻してトイレットペーパーにした方が遥かに良いという程度のものだ。ただし戦術的技術論(フォーメーションや走塁のノウハウなど)はまだ役に立つ本が有る。

 

2015年6月6日土曜日

エセ理論家の特徴

 特に最近の野球ではシーズン毎に日替わり的に活躍する選手が表れる。ベースとなる理論にしっかりしたものが無い理論家の場合、すぐにそうした選手に飛びつく傾向が有る。やれクリス•デービスだ、ジョシュ•ハミルトンだ、山田哲人だ、田中将大だ、金子千尋だと言った具合に。動作理論的に問題が有っても短い期間であれば、他の要因で良い成績を挙げる事が出来るのだが、そういうのは長くは続かない。本当に動作理論が解っていればこういう選手には飛びつかないものだ。手放しで称賛しているのはエセだと考えて良い。今打っている選手を褒めるのであらえばマスコミと同じでそれは理論家では無い。逆に今打ちまくっている選手を批判してこそ本物であると言えるだろう。

 山田も金子も田中も動作理論的には酷いフォームだし、クリスデービスのような中途半端(パンチャースインガーの視点で)な打者が長く活躍出来る訳が無い。そんな事は見た瞬間にわからなくてはダメだ。

2015年5月26日火曜日

商品一覧


打撃革命 詳細はコチラ

英語版でも制作され、MLBの強打者たちに送付されたBPL理論の集大成。(商品はもちろん日本語版です。)どれか一つというのであれば、間違いなくこの一本をオススメします。目次表紙抜きで561ページの対策です。価格は7000円になります。



以下、その他商品 ラインアップ


教科書シリーズ、そして股関節理論シリーズはセット販売のみ行っています。既にセット内のどれか1つを持っている場合に限り、バラで販売可能です。詳しくはメールでお問い合わせください。(tsukaguchi520314@gmail.com)



新しい野球技術の教科書 第1章 詳細はコチラへ
 教科書シリーズ全3章セットで7500円
トップハンドトルク理論打撃編の第1章です。パンチャーとスインガーの違いなど、基礎的な内容を解りやすく説明しています。まず初歩の初歩の理解を固めたい人にお勧めします。

新しい野球技術の教科書 第2章 詳細はコチラへ
教科書シリーズ全3章セットで7500円
第2章ではぐっと内容が詳しく、そして専門的になります。予備動作を必要としないパンチャーがなぜ上半身に頼った動作にならないのか。それは始動時に無意識下で下半身が力を発揮するからです。第2章ではそのメカニズムを動作前筋放電休止期と随伴性先行姿勢調節と言う現象によって解説しています。学術論文からの引用が数多いですが、内容的には実践者にとっては必須の重要ポイントです。実際、パンチャーに始めて取り組んだ人は大体が始動時の下肢出力が弱く上半身の筋力に頼った動作になります。それを如何に克服するかがパンチャーの技術探求の核心なのです。

 新しい野球技術の教科書 第3章 第1部 詳細はコチラへ
 教科書シリーズ全3章セットで7500円
 254ページ動画資料107個付きです。第2章がパンチャー(スインガー)基本メカニズム前編だとすると第3章は後編です。つまり、着地からフォロースルーにかけての動作、要するにスイング理論です。打撃理論で最も面白いスイング理論の魅力をこれでもかというほどのビジュアル資料により解説しています。全ての打者のみならず、全ての指導者にとって必携の一作です。

股関節理論シリーズ 


タイトル通り股関節理論が中心となりますが、股関節理論はオートマチックステップの構えの作り方など打撃の技術論に関わる部分が多いため、実質はトップハンドトルク(パンチャー)のための実践編とも言って良い内容です。

購入者の方からの感想文
復刻版動画資料の2枚は大変有用です。過去のブログも含め、今でも繰り返し見ては身体を動かしています。新しい気づきやフィーリングが得られる度に動画資料やブログを改めて見直すと、今まで見逃し聞き流してしまっていた解説コメントや、気にならなかったポイントが引っかかってきて、なお一層理解が深まります。

復刻版 動画資料 VOL1 腸腰筋とハムストリングス 
Vol2とセットで5000円
 かつてDVDソフトとして販売していたディスク3枚分4時間近くに及ぶ作品を画質を一部落とし一枚のディスクにMOV形式の動画ファイルとして収録したものです。(約3.8GB)DVDソフトで再生するDVDでは無くパソコン上で再生する動画資料です。内容はトップハンドトルク理論の中核を成す股関節理論の二大重要要素のうちのひとつである「腸腰筋とハムストリングス」についてです。理論ももちろん詳しく解説していますが、実践者、実践指導者を強く意識して製作しました。

復刻版 動画資料 VOL2 股関節の斜め回転理論 
Vol1とセットで5000円
3時間30分以上(約3.8GB)の映像作品です。内容はトップハンドトルク理論の中核を成す股関節理論の二大重要要素のうちのひとつである「股関節の斜め回転理論」についてです。打撃の構えやリズムの取り方など、打撃理論について、より詳しく解説しています。VOL1ともども、実践者にとってはマストアイテムです。

2015年5月25日月曜日

縦の力を使え

 下半身、体幹を使えと良く言われるが具体的にどうやって使うのかと言う事はイマイチ明確にされていない感が有る。

 連続写真の解説などにはこんな評論が有る。

「ドッシリ腰を落として下半身を使おうとする意識が感じられるフォーム」

 なぜ、腰を落とせば下半身が使えるのか。


 下半身と体幹(コア)のビッグマッスルの多くが縦に走行する繊維を持っている。下半身、体幹を使うと言う事はまずこれらの「縦の力」を使う事を意味する。横に体重移動したり捻ったりする事だけが下半身を使うという意味では無い。

 オートマチックステップのような無反動打法では、如何にこの縦の力が使えるかがカギになる。逆に言うと横の動きが無いぶん縦の力は使いやすい。これが出来るようになると脚を挙げたり反動をつけたりするより飛ぶ事が良くわかる。オートマチックステップで伸び悩む人の多くはこれが出来ていない。気がついていない。そういう人はいつまでたっても高い重心で狭いスタンスの構えを取りたがる。まず縦に力が発揮され、それが横の動きや捻る運動に変換されていくメカニズムが有る。

 森がこれだけ低重心で構えるのはそのためだ。ただし正しい股関節の使い方を憶えれば、もう少し高い重心で「縦の力」が使えるのだが。。森がそこに気がつく事が出来るか。。自力では難しいだろう。膝を故障しなければ良いのだが。

2015年5月23日土曜日

町田友潤

 加藤豪将のところで日本とメジャーの内野手の動きの違いについて書いたが、この選手はメジャー的な動きのセンスを持っている。グラブ捌きとか投げ方とか、日本の野球だけを見ていたら持ち得ないイメージで動いている。おそらくメジャーの内野手の動きを動画などで見て参考にしたのだろう。



 検索するとツイッターが有る。https://twitter.com/machidatomohiro

 読むとメジャーリーグに関心を持っているようだ。

 そして、打撃はこの通り。



 こういう選手を意識が高いと言うのだろう。ほとんどの選手は動きを見ると「ああ、コイツは日本の野球をテレビで見てるだけなんだろうな。インターネットなんか使ってもロクな事してないんだろうな。」とガッカリされられるのだが。町田のような選手が当たり前にならないといけない。



2015年5月22日金曜日

「優劣の違いでは無い」の意味

本編に戻る

 パンチャーとスインガーの違いは優劣の違いでは無いと書いたが、この事についてもう少し掘り下げて説明したい。断っておくが私は「打撃理論にこれが正解というものは無い」等と言う耳障りが良いだけの事が言いたい訳ではない。実際に「ある部分」において優劣が無いからそう言っている。下図を見てほしい。


 投打ともに野球の「技術力」はメカニズムだけでは決まらない。メカニズムの善し悪しとは「身体に負担をかけずに、その力を最大限に利用できているか否か」によって決まるわけだが、投打ともに、この点においてはパンチャーとスインガーの間に違いは無い。つまり、双方ともに個別の完成されたメカニズムとして成立しており、その意味においては優劣の差は無い。

 それでは競技適応とはどういう事か。例えば投手であればクイックモーションのタイムは速いに超した事は無い。しかしそれは野球という競技の中に盗塁という戦術があるからこそ要求される能力であって、投げる動作それ自体の善し悪しを計る物差しにはならない。実際ワインドアップにおいては「ゆったりした良いフォーム」という表現が有る。

パンチャーの特性を活かした久保康友の高速クイックモーション

 一方バッティングでも、バックスイングにかかる時間が短ければその分だけ落ち着いて投球を待てるのだが、この事も打つ動作それ自体の善し悪しを計る物差しにはならない。しかしこれらの能力は野球と言う競技の枠組みの中では、共に投手や打者にとって重要なものであり、したがって良い選手か否かを計る物差しにはなりうる。

 パンチャータイプがスインガータイプよりも優れているのはまさにこの点で、その事がスインガータイプ主流の時代からパンチャータイプ主流の時代への変化をもたらす要因となったと考えられる。もちろん、その変化は多くの選手の試行錯誤の結果として起きた変化であり、何かの理論を背景として起きた変化では無い。

 マーク•マグワイアとベーブルースの違いはパンチャーとスインガーの時代を明確に表現している。2人とも単に記録的な数のホームランを打っただけでは無く、打撃技術の進化、変遷に大きな役割を果たしたと言う意味で共通している。

 パンチャータイプとスインガータイプの間には「身体に負担をかけずに、その力を最大限に利用できているか否か」という観点から見た場合は優劣の差は無い。しかし、競技適応という観点から見た場合、パンチャータイプの方が優れている。(野球に向いている)なぜなら加速のための準備にかかる時間が短いからである。例えば、ゴルフなどの競技ではこうした能力は必要とされないだろう。

2015年5月21日木曜日

STEP12 ストレッチ ベーシック3



 BPL理論の股関節論に基づいた代表的な3つのストレッチです。ここでは細かなポイントまでは踏み込みませんが、まずは見よう見まねでやってみて、次第に感覚を掴んで行くようにしてください。

★腸腰筋その場ステップのポイント

1)腰を前に突き出して反りを作り、その反動で脚を挙げる。
2)腿上げのように無理に脚を挙げない。反った反動を使う。
3)着地する時に脚を踏み下ろす勢いを緩めない。踵側を中心に力強く着地する。
4)着地した脚で地面を押し込み、腰を前に突き出す。
5)腕はぶら下げたまま意識的には振らない(自然に動く)。

★股割り体操のポイント

1)脊柱は前傾させ、首の角度もそれに合わせる(下を向く)。
2)両手を組み、やや内側に捻って手首を背屈(甲側に折る)させる。
3)肘が浮かないように(地面を指すように)する
4)爪先はあまり開かない(指一本分程度)。
5)大腿骨の間に骨盤が挟み込まれる(前傾する)ことを意識する。
6)脊柱のS字カーブを作る(腰を丸めず胸椎後弯の凸アーチを高い位置に作る)。
7)足裏のアウトライン(外枠)に荷重する
8)事前に腰を反って腸腰筋をストレッチさせる。

★絞りストレッチのポイント

1)体を寝かす事により、ストレッチ効果が増す。
2)股関節の斜めラインを意識して膝がつくまでしっかり絞る。
3)大腿前面の斜めのラインをストレッチする。

 以上です。文章だけでは理解しにくい部分もありますので、以下の図も参考にして取り組んでください。これら3種のストレッチは毎日でも行いたいものです。腸腰筋その場ステップのみ足音が大きく響くので2階などではやりにくい難点が有りますが。

腸腰筋その場ステップにおける腸腰筋の働き

股割体操における脊柱の前傾とS字カーブの形成

股割体操における腕の形(前腕の回内と手首の背屈)

大腿骨の間に骨盤が挟み込まれる(股割体操)

アウトラインに荷重する(股割体操)

大腿前面の斜めのラインをストレッチする(絞りストレッチ)


 なお、割れと絞りのストレッチはセットで行う事が重要です。開けたら閉める、締めたら開けると憶えておいてください。順番は自由で良いでしょう。


2015年5月20日水曜日

STEP10 守備への応用(基礎)

 ここではあくまでも「パンチャーのメカニズムを守備のスローイングの中で実現するためのポイント」について的を絞って説明します。テーマは「守備におけるスローイング動作の流れの中のどこに始動ポジションを形成するか」という問題です。

 ここでもう一度、理想的な始動ポジションについて思い出してみましょう。STEP4の「パンチャー投げ3ステップ法」で書きましたように、始動ポジションの2大重要要素は以下の2点です。

1)体重が後ろ脚(土台になる脚。守備では常に後ろ脚とは限らない)に乗ってる。
2)手がセットポジションにある。(両腕が合わさっている)



 つまり守備では一連のステップの中で最後に軸脚に体重が乗ったところがまず始動ポジションになるべきです。しかし、ここで難しいのは守備の場合、その段階ではほとんどのケースにおいて既に両腕が割れていると言う事です。
 ここで考えましょう。2大要素のうち重要なのはどちらか?それはもちろん(1)の「軸脚に体重が乗っている事」です。 3ステップ法のステップ1とステップ2を思い出してください。手はセットの状態には無くても、後ろ脚に体重を乗せて投げれば充分なパワーが発揮できる事が解ります。
 ですから、守備の場合「最後に軸脚に体重が乗った瞬間」が最適な始動ポジションであると言えます。両腕の形はケースバイケースになるのは仕方がありません。その事を意識しながら下の動画を見てみましょう。



 最初にノックを受けている選手の連続写真を見てみましょう。4コマ目のモノクロのコマが始動ポジションに相当します。両手は離れていますが、軸脚に体重が乗っています。その後、下半身が力を発揮し、5コマ目のように上半身と下半身の割れが生まれます。


 「守備では最後に軸脚に体重が乗った瞬間が始動ポジションになる。」

 この事を憶えておいてください。

 ただし、守備の動作はステップが概して素早く、そのスムーズな動きの中で「ココで始動」等と意識していては動きが悪くなってしまいます。そのため、まずはゆっくりしたステップで補球して投げる中で、始動ポジションを確認する練習をしましょう。だいたい理解できたら、後は各々の動きの中で自然に、動きがスムーズになる事を優先して、感覚でこなしてしまえばOKです。始動ポジションの多少のバラツキは仕方が無い事です。守備のスローイングではどうしても勢いがついているので、重心移動を利用するスインガーの要素が混入しがちですが、これも仕方が無い事です。イチローのようなスインガーで投げている野手の場合は反対に、充分なステップや時間が確保できない時はパンチャーの要素を使わざるを得ないのが守備というものです。

 重要な事ですが、守備でのスローイングでは殆どのケースで「投げる動作の理想型」にはなりません。(外野手のバックホームはまだそれに近いと言えるが)
 そのため、大切な事は守備のスローイング動作を云々する事よりもまず基本となる投法である投手の投げ方で練習を積む事によって「基本」をしっかりと固めてしまうものです。守備のスローイングはあくまでもその応用です。「ゲーム後のキャッチボールで投手投げをして、1日の守備練習で乱れた投球動作を修正する」という考え方が必要です。投手の投げ方が上手く出来ない野手が多いですが、BPL理論では上記のような理由で野手にもピッチングの練習をしてもらっています。

補足 パンチャー 至近距離ダーツ投げ

 ところで、守備の場合、至近距離で緩い球を投げたり、無理な体勢で投げざるを得ないケースが有ります。こうした状況の中で軽く投げるときの投げ方にもパンチャーとスインガーの違いが出ます。
 スインガーの場合では軽く投げる場合もあくまでも腕をしならせるイメージで脱力して投げる方法がマッチしますが、パンチャーの場合ではダーツのように真っすぐ押し出すイメージで投げる方法がマッチします。慣れれば至近距離でスッポ抜けにくい有効な投げ方となるでしょう。あまり執拗に繰り返す必要は無いものの、内野手は特に練習しておきたい投げ方です。下の動画を見て参考にしてください。



 ランダウンプレーでの「相手のボールを見せる」という決まり事にも適応しやすいのがパンチャーのダーツ投げです。これをキャッチボールで練習しておきましょう。

 キャッチボールでは写真のように相手に対して正対からやや斜めに向いた構えを作り、相手にボールを見せたトップからダーツのイメージでリラックスしながら真っすぐ押し出すように投げます。