2012年3月12日月曜日

ダルビッシュは何勝出来るか

以下の点を考慮しても成功する事は間違い無いでしょう。

1)年齢的に全盛期の入り口である事。
2)MLBで有効とされる(スライダーを含めた)落ちる変化球で空振りを取れる事。
3)ライジングファストボールを意図的に投げている事。
4)球種が多彩な事。
5)DH制のリーグである事。

リーグのレベルを問わず、トッププレーヤーで有ったと言う事は、その時点で集中力をキープしながら安定感を持って野球に取り組める能力が有る事を意味するので、単純に同じようなポテンシャル(変化球のキレやストレートの速さ)のメジャーリーガーと比較するだけでは予想は出来ません。確かに、同程度のストレートや変化球を投げる投手はメジャーには多くいるのですが、それだけでシーズンを通した成績を予想する事は出来ないのです。ゲームを組み立てる能力なども違うわけです。いわゆる経験値が高いのです。これが日本人プレーヤーの長所で、悪く言うとMLBではそれだけの経験を積めないポテンシャルの選手でも、日本だと多くの経験を積め、なおかつ一流として扱われる事で、自ずと一流選手(中心選手)としての様々な能力が身に付くわけで、こうした能力が単純なスキルにプラスアルファされて、その選手の価値を高めるわけです。ですから「MLBで同じような球を投げる投手」と比較するだけでは成績は読めないでしょう。

1年目の成績に関して予想するなら、13勝から17勝の間であるとしておきます。さらに言うと恐らく15勝以上はするのでは無いか。そして防御率よりも勝ち星の数の方で目立った数字を残せるのでは無いかと言う事です。防御率に関しては、唐突な一発を浴びたりして、そんなに良い数字を残すことは難しい気がします。

気になる点は以下の通りです。

1)ストレートの球筋が綺麗すぎる。またメジャーの投手に比べると軽そうな球質。
2) あまりにもクセの無い、タイミングを合わせやすそうな綺麗なフォーム。
3)クイックモーションが比較的遅い。

また、これはあまり見ていないので不確かな事も言えないのですが、スインガータイプなので、パンチャータイプに比べると牽制の動作は遅くなるはずで、クイックの速さとの兼ね合わせでランナーにしたら走りやすいのでは無いかと言う事ですね。また、スインガーのクイックモーションでの球速あるいはキレはどうなのでしょうか。数字に表れないレベルでも微妙に落ちるとしたら危険です。(もっともそれを避けるためにクイックを遅くしているのだと思いますが)ランナーをおいてのストレートが甘く入って痛打。こういうシーンが有るかもしれません。しかし、それでもあのスライダー等が上手く機能すればビックイニングになる事は考えにくいので、安定した成績を残すと予想します。

見所は去年も何度か見られた(カッターのリリースをズラすと言う)ライジングファーストボールで、これが高めに決まれば有効な武器になるでしょう。

2)に関しては同じようにクセの無いフォームの松坂が18勝3敗と言う成績を残した事を考えるとあまり問題にならないのかもしれませんが、バッターの動画を探していて痛感するのは、綺麗でクセの無いフォームの本格派の速球派投手、なおかつケタ外れに速いと言うわけでは無い。こういう投手が気持ち良さそうに投げっぷりよく投げ込んだストレートが少し甘く入った時。こういう時にバッターは目の覚めるような素晴らしいスイングでホームランを打つ事が多いのです。丁度、ダルビッシュが真っ向勝負に出ると、メジャーではそんな感じになる気がします。その辺が気がかりですね。

と言う訳で、ズバリ予想します。

16勝 7敗 防御率3.15

恐らく、このくらいでは無いかと思います。

実力より数字を挙げる要素
1)2年連続でワールドシリーズに出ているレンジャーズのチーム力。
2)1年目と言う事で、比較的負担の少ない相手と対戦する事が予想される。

実力より数字を下げる要素
1)1年目と言う事で、ゲーム以外での負担が大きい。
2)1年目と言う事で、首脳陣が完全フル回転させないと思われる事。