2012年5月29日火曜日

89さん 2回目




〜前置き〜

2回目となった今回は、最大の問題である股関節を使った回転が使えていないと言う事に焦点を当てました。それと同時に89さんにとって特に重要である、腸腰筋、ハムストリングス系のトレーニングをやりながら、揺らぎの動き等の改善を試みました。


ただ、今回に関しては、ラボの時間内での改善と言うよりも、その中で色々な試みをし、89さんの反応を確認、撮影していく事で、89さんの特徴がより明確になったと言う事に意味が有ります。ですから、ラボでの結果を踏まえた上での、この分析記事や今後の取り組みが重要になると言う事です。


最後、バットをぶら下げた所から、構えを作る打ち方をやりました。ただ、目指すのはやはり揺らぎで構えを作る打ち方です。最初の方の動画の方が振れていますが、それはやはり筋肉の疲労から来るもので、恐らく、明日や明後日の最初の方は調子が良いのでは無いかと思います。


ただ、やはり練習の中では、基本的に揺らいでから振る方針でやってください。


細かい形に関しても色々有りますが、それよりも根本的な問題は、黒人的な身体の使い方がバッティングの中で出来ていないと言う事です。ストレッチでは、それでも大分良くなりました。ただ、それももちろん、まだ始まったばかりです。そして、その辺が出来て来ないと、この打法でパワーを発揮する事、或は、この打法の爽快感を実感する事は「無理」なので、とにかくまず何よりも、黒人に近づく事を最優先にしてください。その意味においては89さんの打撃技術を改善する試みはまだ始まったばかりです。黒人の歩き方、走り方、踊っている所、様々なスポーツをしている所。それらをよく見て感性を磨く事も重要です。


日本にいると周りが皆日本人なので、日本人の動きのままで良いんだと思ってしまいますが、その考えをまず無くす事が大切です。日本人の動きのままだと、やはり打ち方も日本人の打ち方にしなくてはならなくなるわけで、それだと走りながら打つタイプの左打者でないとメジャーで成功する事は難しいと言う結果が出ているわけです。


何もメジャーを目指す云々と言う話では無く、89さん以外でも、ここを読まれている方の中に、才能は並でも理論を使って何とかプロにはなりたいと思っている人はいると思います。そういう人の場合、やはり周りと同じ事をやっていては、望む結果は得られないと思うのですが、そこで何をすれば良いのかと言うと、これはもう絶対的に黒人に近づくと言う事です。スポーツを続けている限り、とにかく1ミリでも黒人の動きに近づいて行くのだと言う事を、最後まで続ける事が重要です。


分析


テーマは当日もお話しましたが、始動時の下半身の動きの問題と、それが原因で、両脚股関節を使った骨盤の回転が弱いと言う事です。分析の結果、問題の原因と改善策はほぼ解りましたので、それを書きます。

終わってから動画で振り返ってみると、やはり揺らぎの動きが出来ていないです。揺らぎ体操はほぼ完全に出来るようになりましたが、その感覚をバッティングの中で実現出来ていないと言う事です。

昨日は「前足踵の足踏みが無い」と書いてしまいました(その文は削除しました)が、よく見ると有りました。ただ、揺らぎの動き自体は、あまり良く無いです。それに加えて、揺らぎから始動する流れに問題が有ります。その辺を動画で表現してみました。89さんのスイング時の足のアップと、私のを比較してみました。(この点については自信有りますのでご安心ください。)



動画を見ると、89さんの場合、前足の踵が着地した瞬間に始動してしまっている事が解ります。これは当日もお話しましたが、他の部分に気を取られて見落としてしまっていたようです。ただ、このタイミングでの始動だと、そりゃあ、力でないですよ。このタイミングで始動して、良く振れるなと関心するくらいです。

対して、私のは、前足の踵が着地して(踵が少し浮いてるのが気になりますが)しばらく間を作ってから始動しています。こうしないと力が出ないのです。

揺らぎとは、前脚と後ろ脚の間の体重移動の繰り返しです。そして、後ろ脚に体重が移動する時に前足の踵が浮き、その次に前脚に体重が乗った時に前足の踵が着地するのです。

つまり、前足の踵が着地した瞬間と言うのは、後ろ脚から前脚に体重を移動させ、前脚に一番体重が乗っている瞬間を意味するわけです。もちろん、後ろ脚には一番体重が乗っていない瞬間を意味します。ですから、この瞬間に始動してしまうと、始動時のメインエンジンとなる後ろ脚の力が使えないのです。

そして、問題は「体重が乗るか乗らないか」だけでは有りません。体重を受け止めた時の股関節の動きは「屈曲=割れ」です。そしてその体重を押し返すときの股関節の動きは「伸展=絞り」です。ですから、前足踵が着地した瞬間と言うのは、後ろ脚股関節が「最も割れていない瞬間」を意味するわけです。

次の動画を見てください。89さんの横からの動画で、その次は下半身のアップです。後ろ脚の膝の動きに注目してみましょう。



揺らぎに連動して、後ろ脚の膝が回っている事が解ります。便宜上、二次元的な表現をすると、捕手方向から投手方向へと前後に膝が動いています。

後ろ脚の膝が後ろ(捕手方向)に動くのは股関節が割れている時で、後ろ脚に体重が移動している時を表します。後ろ脚の膝が前(投手方向)に動くのは股関節が絞りの動作を起こしている時で、前脚に体重を移動している時を表します。

そして、よく見ると、89さんは後ろ脚の膝が前に来た所で始動している事が解ります。つまり、前足踵が着地し、前脚に体重が乗った瞬間。後ろ脚から前脚に体重を送り込み、後ろ脚が絞り動作を起こしている状態の中で始動しているのです。


股関節の割れ=股関節の屈曲=骨盤の前傾です。ですから股関節が割れているとハムストリングスの力が使いやすいのです。そのため、後ろ脚股関節は割れた状態から始動する必要が有ります。

基本的に「塚口理論」を実践し、股関節を割って構えている以上、89さんの場合でも一般的な打者に比べると股関節が割れた状態から始動している事になります。しかし、問題は形だけでは無く、股関節が絞りに転じている中で始動していると言う事に有ります。これでは後ろ脚の力が使えません。

ですから、まずは始動のタイミングを変えなければなりません。上の動画で言うと膝が後ろに来た所からの始動にならないといけないのです。


そのためにはどうすれな良いのかと言う事をここから書きます。


改善策


まず、前足踵で着地した後に間を取ってから始動する事が重要です。当日もお話しましたが、最後に前足踵が着地した後、身体をリラックスさせ、身体の重みをスーッと地面に下ろして、その下ろした底の所で始動する事が大切です。実打系だと、そのタイミングがずらされやすいので、このタイミングを憶えるのは素振りが最適です。

揺らぎでは前足踵の足踏みを伴います。そして、その足踏みを止めてから始動するのですが、最後に前足の踵を着地すると、前足踵から地面反力が身体に跳ね返ってきます。その地面反力は後ろ脚方向への体重移動を発生させます。そして、後ろ脚まで体重が移動すると、その反動で、また前脚への体重移動が始まります。こうして、大体の場合、前足踵の足踏みを止めた後、余韻でもう一往復くらい揺らぎが起こってから、真ん中に体重が落ち着くと思います。

この真ん中に体重が来て安定したところで、身体をリラックスさせ、身体の重みを地面に下ろしてやる事が重要なのです。

感覚だけの話では無く、実際にもこの時、数ミリは姿勢が低くなるはずです。つまり、身体中をリラックスさせ、体重の負荷を加えているわけですから、その重みで股関節や膝が僅かに屈曲するはずなのです。

ですから、身体の重みが一番下まで沈んだ後は、その反動で浮き上がってきます。浮き上がる動きの中で始動すると、これもまた、力が発揮しにくくなります。沈んで、一番底まで落として、また浮き上がる。この一番底の瞬間で始動する事が重要なのです。勿論、素振りではその間をコントロール出来ますが、実戦ではタイミングが会った、会わなかったと言うのは、多少出て来ると思います。ただ、それは仕方が無い事ですね。それが野球と言うゲームだからです。

そして、その身体の重みで沈み込む事で何が起きるのか。実はこれが重要なのです。


体幹部操作のメカニズムを思い出してください。ここで詳細に触れるわけにもいきませんが、要は下の写真のように、手を身体の中心より捕手側にズラして股関節を屈曲させる(割る)と、トップハンド側の肩甲骨の上方回転が優位になり、肘が上がり、斜めの捻りが生じ、それに連動して、前の膝が内に、後ろの膝が外に向くと言うものでした。


つまり、真ん中に体重が落ち着いた所で、身体をリラックスさせ、身体の重みを地面に下ろしてやる時、股関節や膝関節が僅かに屈曲するはずだと書きました。

この時の股関節の屈曲により、体幹部操作が生じ、さらに「後ろ脚の膝が内」「後ろ脚の膝が前」の状態になるわけです。つまり、後ろ脚股関節の割れが優位の状態になると言う事で、この瞬間がある意味、本当に構えが完成した瞬間です。

この状態から始動する事が出来ると、始動時の下半身の力を最も上手く使う事が出来ます。


練習方法


まず、89さんの場合、揺らぎ体操そのものは大体いい感じで出来るようになりましたが、バットを持つと揺らぎの動きがまだまだ違います。ですから、揺らぎ体操をもっと練習する事が大切です。

そして、揺らぎ体操の前には腸腰筋その場ステップ等で、腸腰筋をストレッチし、骨盤が前傾した状態を作っておく事が重要です。骨盤が前傾すると、股関節の靱帯が緩み、大腿骨の骨頭部のボールがソケットの中で転がりやすくなり、揺らぎで股関節の円運動を上手く使いやすいからです。

ですから目安として以下のようなメニュ―を提案します。

腸腰筋その場ステップ 6回(左右3回ずつ)
揺らぎ体操 10回(前足踵の足踏みでカウント)
立ったままでの軽い割れ絞り体操(当日やった体操)4回(左右2回ずつ)
素振り3〜5回(揺らぎから打ちに行く間を重視)

上記のメニューをとことん繰り返してください。もちろん、正しい「揺らぎ〜始動の間」が出来ていないと繰り返す意味は半減します。

軽い割れ絞り体操を挟むのは、腸腰筋その場ステップのような縦系の動きの後には、スイングの前に、横回転系の動きをしておきたいからです。

揺らぎ体操では、前足の踵での足踏みと、その衝撃が股関節にダイレクトに伝わる感覚を重視してください。それが出来ると脚の力も抜けてきます。足幅は狭めで、突っ立った姿勢で行います。その方が体重移動を強調しやすいからです。

スティックは、五本の指でしっかり(かといって力まないように)握り、(ストレッチの場合に関してのみ)意図的に回転を加えます。打つ時にバットを意図的に回すのは絶対にダメですが、ストレッチでは、そうした方が逆連動によって股関節の円運動を引き出しやすいからです。

素振りでは、勿論、揺らぎから前足の足踏みを止めて打ちに行く「間」を意識する事が重要です。最後に前足が着地してから、体重が真ん中に落ち着いたら、そこで身体の重みを地面に落とし込み、下半身が良い状態にハマったと感じたら、そこで始動します。

※)ただ、当日の動画を見ると、少し揺らぎの回数が多過ぎますね。平均であと、1回〜2回減らした方が良いです。

※)学校などでやる場合、腸腰筋その場ステップや揺らぎ体操がやりにくければ、腰を反るストレッチやバットをスティック代わりにつかったりすると、違和感の無い動きで代用出来るでしょう。ただ揺らぎ体操は腕で棒を持ち上げた状態を続けるため、基本は軽い塩ビパイプで行うべきです。

最後の大会に向けては、まず何よりも「下半身が使えていない」と言う最大の問題を克服してほしいので、上記のメニューを徹底して行う事で、一点集中的な取り組みをするのが良いでしょう。構えのバランス、股関節の割れ方など、まだまだ追求したい所ですが、それらに関してはそれほど大きな問題があるわけでは無いので、何より、上記の一点に集中するべきです。それが、この打法でパワーを発揮するために最も重要な部分であり、また日本人が最も苦手とする部分でもあるわけで、だからこそ日本人は自然発生的にこの打法に取り組む事が無かったのです。つまり、この部分を改善しなければ、この打法で成功する事は難しいと言う事です。

続きます。

揺らぎについての動画です。

注)揺らぎの動きは解りやすくするため、誇張しています。



この動画を見て、以下の点を見直してください。

1)揺らぎ方が「間違った例」の腕ごと揺する揺らぎになっています。そうでは無く(構えが出来た後は)腕を揺すらないようにしてください。もう一度、揺らぎ体操を確認して、その動きを打撃の中で出来るようにしてください。今の揺らぎ方は正しい揺らぎ方とは違います。
2)足踏みを止めてから打ちに行くまでの間を掴んでください。基本的には「前足の足踏みが終わる」「前足着地の反動で後ろに体重が戻る」「その反動で真ん中に体重が来る」と言う順番で、真ん中に体重が来たら、そこで腰を落ち着かせて、一拍の間を取ってからスイングします。ただ、真ん中に体重が来た後、スッと止まるか、惰性でもう一度小さく揺れるか、小刻みな揺らぎが始動まで継続するか等、人によって多少にパターンが有ります。しかし、いずれにしてもマクロな視点で見ると「止まって、一拍取ってから打つ」と言う事が非常に重要です。
3)こうした事の感覚を掴みやすくするために、胸でリズムを取る系の体操と、腰でリズムを取る系の体操(何種類か紹介しましたね)は徹底して行ってください。それだけで全然違います。「腰反り」「腸腰筋その場ステップ」「リズム股関節伸展スクワット」は必須です。

まとめ)正しい揺らぎ方を身につけ、そこから打ちに行くまでの間を練習してください。その時重要な事は「止まって、一拍取ってから打つ(振る)」と言う事と、その一拍で、地面に根を下ろすようにドッシリした感覚を得る事が重要で、そのためには黒人化のトレーニングが重要になります。まずは、これらのテーマを重点的に行ってください。そして、素振りでは必ず巻き戻しが起きるスイングをしてください。


続きます。

「開き」について。


開いている印象が有るのは、恐らくフォロースルーで前脚の膝が開くからでしょう。フォロースルーでバットを前に押し出す時、後ろ向きの反作用が後ろ足にかかります。(一番下の写真の矢印)この力を受け止める時、後ろ足が90度ターンしておらず、写真のようになっていると、ここで腰を回転させる力が発生してしまい、それによって前足の爪先が開くのです。これは、ゆっくりとした動きで再現しても解ります。ですから、これも結局はインパクトまでに後ろ足が回転しないと言う問題が原因なのです。

両脚のラインについて。

両脚のラインがまだあまり良く有りません。これを作るために構え作りスクワットをやってください。なお、その前にリズム股割りスクワットで股関節を割る感覚をしっかり掴んでおく事が重要です。「脚」の内側のラインのたわみ、アウトエッジ荷重等を意識してください。また、両肘を内に絞り込む際、胸椎の後湾を作りながら上体を軽く前傾させ、骨盤を前傾させる事も大切です。

それらが出来たら、構え作りスクワットをやります。この時、左右の股関節を均等に割る意識(両脚の内側をたわませる意識)を持ちながら、上半身の捻りにより前の膝が内に向き、後ろの膝が外に向く状態を作ります。これは最初は鏡を見ないと出来ているかどうか解りにくいでしょう。本人感覚では両方割っているのに、鏡を見ると、後ろ脚の方がよ食われていると言う状態が理想的です。

構え作りリズムスクワットは塩ビパイプ等を両手の間を離して行うと良いです。

この練習をした後、軽く割れ絞り体操をやって絞りのストレッチもしてから、素振りをします。構えでシックリ来る感じ、両足が地に着くような感じが有れば良い証拠です。

89さんの場合、まだ上半身の捻りと下半身のラインが連動していないところが有ります。こうした練習により、構えを基礎から見直していく事も重要です。

続きます。

まとめ

いろいろと細かい点まで書きましたが、大雑把に言えばパワーが出せないだけです。腕の使い方には良いものが有り、特に問題は無いのですが、下半身の力が使えていないわけです。

ですから、揺らぎから打ちに行くまでの「間」と、構えの基本を見直し、黒人化のためのトレーニングを積む事で、下半身の力を使えるようにすると言う事をテーマにしばらく練習してください。

「始動時に突き上げる動きでは無く、沈み込む動きになっており、後ろ脚が回転しない」と書きましたが、しかし、そこばかりに気を取られると、基礎的な内容の習得が疎かになってしまいます。89さんの場合、(構えの形や、揺らぎから打ちに行く間など)基礎的な内容の部分で、まだ完全ではありません。そのため、細かい問題も、基礎的な内容を完全にすると、修正される部分もいくらかはあるかもしれませんし、また、基礎的な内容を完全にした状況でなければ、細かい問題の本当の原因も解りにくい部分が有ります。ですから(特に私が横にいるわけでは無い場合)基礎的な内容の習得を第一に考えて練習してください。

また、前述の内容とやや矛盾するようですが、まだまだバットを軽々と扱えるような力が付いていません。あまりバランスの悪いバットを振り込むのも良く無いのですが、常にやや重めのバットを振り込む事で振る力を付ける事をもっと考えた方が良いでしょう。と言う事は、軽いバットを振る練習も必要になると言う事です。

また、良い状態に保つために、練習後の自主的な調整として「軽いバット、出来れば塩ビパイプを振る」「胸でリズムを取る系と、腰でリズムを取る系、割れ絞り系の股関節の体操」の二点をやるようにしてください。重いバットを振ったままで一日を終えてしまうと、上半身の緊張した状態での動作を身体が憶えたまま寝てしまう事になり、その緊張が蓄積されていくからです。ですから最後に負荷が最小の状態で振る事により、下半身〜上半身のスムーズな連鎖を身体に思い出させてから寝る必要が有ります。また、いろいろな動作の中で、悪い筋肉の使い方をしたぶんを修正するために、股関節のストレッチが重要になります。この二点を最後にやるようにしてください。

最後に取り組みのポイントを挙げておきます。

●揺らぎから打ちに行くまでの間を意識して練習する
●構えの基礎的な内容を振り返り、ストレッチ等とあわせて継続的に取り組んで行く
●振る力を付けるために重いバットを振る(後で軽いバットも振る)
●一日の最後に軽いバットのスイングと、股関節のストレッチを行う。

構えの外見的な形については、下の動画が一番良いです。ラボ直前に頂いた動画です。ここにもう少し捻りが入ると、もっと良いでしょう。

この状態に、後は、揺らぎから打ちに行く間と、股関節のトレーニング等の「中身」の部分を磨けば、だいぶ良くなるでしょう。当面は、その方針で練習してください。それだけでも「本当に」出来れば、かなりのレベルに到達する事が出来ます。

89さんの場合、股関節の力が使えていないと言う意味では(私の立場からすると)難しい例では有るのですが、インサイドアウトに振れている、スイングそれ自体の基礎的な部分が出来ていると言う意味では、非常に楽な例でもあります。そう考えると、当面の課題も何が重要かがおのずと見えて来ると思います。つまり、グリップ云々、腕云々、スイング云々よりもまず、股関節の力を使えるようにする事が一番重要だと言う事です。

股関節のトレーニングを重点的に行いながら、揺らぎの動きを見直し、揺らぎから打ちに行くまでの「間」を習得すれば、それだけでだいぶ良くなるでしょう。(それらが本当に出来ればの話ですが)

そして、目安として、素振りの後は必ず巻き戻しが「起きる」スイングである事が重要です。軽いバットを振る際も、巻き戻しが起きないと言う事は余程大きな問題が有るのだと考えてください。

以上です。ではがんばってください。

補足:アップダウンのリズムの話で間違えてお伝えしてしまった点としては、ダウンの時に踵が浮くと言う事です。(アップの時に浮くと言ってました)
ダウンの時はやや重心が前(爪先寄り)に来るので踵が浮くと言う事です。結果的に、弾むような感じになります。股関節の力が上手く使えるようになると、アップの時に踵で床をヒットするので、ドンドンと足音が大きく響くようになります。