2017年6月5日月曜日

1章 二種類の打撃メカニズム(1)

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第 1 章 2種類の打撃メカニズム 

本質的な違い

 私は打撃メカニズムを「どのようなメカニズムによってバットを加速するための力を生み出しているか」という観点から 2つのタイプに分類しています。これら2種類のタイプは完全に異なるメカニズムを持っているため、その練習法、コツ、指導法もそれぞれ異なります。適応する道具や戦術でさえ異なるのです。そのため、あなたがどちらのタイプを採用しているのかを理解する事が重要になります。

 私は一方をパンチャータイプ他方をスインガータイプと名付けました。 動画 1-1(a)(b)はそれら二つのタイプの典型例を収録しています。ある特定の打者が、どちらのタイプを採用するかという事は、後天的な要素(その打者に影響を与えたスター選手や、その打者を教えたコーチなど)によって決まります。パンチャーの打者とスインガーの打者の間には決して先天的な違いはありません。なので貴方はそれらのメカニズムを学ぶ事によって今からでも打撃のメカニズムを変える事が出来ます。

動画1-1(a)


動画1-1(b)




 ではまず第一に、それら二つのタイプの根本となるメカニズム(バットの加速システム)を理解するための二つの実験を紹介したいと思います。

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(1) スインガータイプの実験 (動画 1-2)

動画1-2 スインガータイプの実験


画像1のようにリラックスして両腕を下げて自然体で立ってください。そ こから重心移動の勢いを利用して腰を回転させます。そうする事で遠心力に よって貴方の腕は体の周りで振られるでしょう。言い換えると、貴方は腕力 によって無理やり腕を振る必要は無いと言う事です。

画像 1: スインガータイプの実験


 以下はスインガータイプの打者の例です。(写真とは別):ハンク•アーロ ン、テッド•ウィリアムズ、ジョー•ディマジオ、ジョージ•ブレット、ウィリ ー•メイズ、ベーブ•ルース、ダリル•ストロベリー、エディー•マレー、ランデ ィー•バース、トニー•グウィン、ジョシュ•ハミルトン、ジョー•マウアー等

(写真)スインガータイプの打者


(2) パンチャータイプの実験 (動画 1-3)

動画1-3 パンチャータイプの実験


 画像 2 のように、ある程度重心の低いワイドで安定した構えをとり、トッ プハンドをトップの位置にセットします。次に、その構えから直接パンチを 打ちます。バックスイングや重心移動、割れなどの準備動作をとらずに瞬発 的に力を発揮してパンチを打ってください。爆発的に最大限の力を発揮する 事が大切です。下半身は意識的に動かすべきではありません。なぜなら手を 加速しようとすると下半身はオートマチックに動くからです。具体手に言う と重心移動や腰の回転は構えた位置から直接パンチを打とうとする事でオ ートマチックに発生します。

画像 2: パンチャータイプの実験


 以下はパンチャータイプの打者の例です。(写真とは別):マーク•マグ ワイア、デレック•ジーター、バリー•ボンズ、マイク•ピアザ、ホセ•カンセ コ、その他ほとんどの現役打者。

(写真)パンチャータイプの打者


 端的に言うと、スインガータイプは重心移動、腰の回転、そしてボトムハ ンドの引きを利用する打ち方です。一方、パンチャータイプは瞬発的かつ爆 発的な筋収縮とトップハンドの押しを利用する打ち方です。

画像3: スインガータイプはボトムハンドの引きを使う。(ベーブ•ルース、 ジョージ•ブレット)


画像4: パンチャータイプはトップハンドの押しを使う(ミゲル•カブレラ、 バリー•ボンズ)


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