9月11日 瞬発力養成ドリル
8月号でも書いたが、パンチャータイプの場合、瞬発力は特に重要なファクターとなる。始動時にAPAやPMSP(教科書第二章参照)を利用するメカニズムを考えても、それは明らかな事だ。ここで、下の動画を見てほしい。クリス•カーターという打者で今期、低打率ながらも本塁打数はMLB全体で3位につけてる。これまで単にオートマチックステップであるという点以外では注目していなかった打者だが。。特筆するべきは懐まで呼び込んでからのバットの出の早さ(向こうで言うところのクイックハンド)にある。スイングは片手フォローが多いが、両手で振り抜く事もある。
この打者から何を学ぶか。
まず構えで捻りが入っていない。重心も高く、いわゆる「自然体」の構えだ。グリップの位置は比較的低い。外国人ならではで胸椎がしっかり後湾しているので肩甲骨が胸椎にかぶさり、腕が楽な状態になっている。
簡単に言うと「体を捻らず、重心も高い自然体の構えでグリップの位置も低い。」この理解で良い。つまり、形としては理想的では無いがリラックスする事に重きを置いた構えだ。こうした構えでは、体重が後ろ脚に残りやすくスイング軌道がアウトサイドインになりやすいので、それが打率を稼げない一因だろう。だが、筋肉がリラックスした状態から瞬発的に大きな力を発揮するというパンチャーのコアの部分を実現する事に特化した打ち方であるとも言える。ある意味、落合の構えからオートマチックステップで打つイメージに近い。昔ロッテにいたマイク•ディアズも同じ戦略を取っている。実際、ディアズも瞬発的な筋収縮を実現できている。こうしたタイプは昔からオートマチックステップには良くいる。
カーターのような打ち方の打者にとって重要な事は、上手く打とうとせずに、一気に振り抜く事に集中して両手で思い切り振り抜く事だ。打率は2割2部か3部でも25本以上のホームランが安定して見込めれば、その方がベンチとしてはありがたい。打者としての性格が明確に把握できるので使いやすいからだ。こうしたタイプの打者にとってさらに重要になるのは良い投手から打てると言う事で、それが出来れば前述のような数字でも良い戦力になる。ただ、同じ数字でも2戦級からしか打てないのでは使えない。
瞬発力養成ドリル
さて、肝心のドリルだが、バットは短くカットした塩ビパイプを使う。(太いものはダメ。握るのに握力を使い、リラックスできないから。実際のバットより少し細いくらいで良い。長さは30センチ程度。つまりほとんど負荷をかけない。このスティックを前述した自然体の構えから、可能な限り素早く振り抜く。静的な状態から一瞬で振り抜く事に意識を集中させる。(標的は見るが瞬発力に対する集中を妨げない程度の大雑把な標的で良い。)これを5スイング1セットで一日3セットもやれば充分である。負荷をかけるトレーニングでは無く、自力で可能な限りの瞬発力を発揮するトレーニングなのでバットを重くする事に全く意味は無いので、そこは間違わないでほしい。
ただ、形としては良くならないので、多少スイングに影響が出る。(体重が後ろに残り気味で両手で思い切り振り抜くので少し捏ね気味になる。)そのため、通常のバットによる素振りやティー打撃と併用して行なう方が良い。その点も考慮して回数は少なめに設定している。やってみると解るがそれなりにキツいので3セットで充分だ。軽いバットを使うので、そのためのバランサー的な意味で逆打席で重いバットを振るのも良い。
技術的に注意してほしいのは5本の指をフィットさせてグリップする事。そのため両手の間はきつく密着させない方が良い。また、グリップのコックは気にしないで良い。そして足裏の3点が地面にぴったりフィットするように立つ事。構えを作らずに自然体なのでこうした事はむしろやりやすい。この構えから精神を集中させて一瞬で全力で振り抜く事に集中する。傍目にド素人のようなスイングになるが、形は問題では無いので、それで構わない。なお「教科書第二章」で説明した「脱力」と「リラックス」の違いには注意してほしい。無理に作る脱力ではなく、あくまでも自然体のリラックスである事が大切だ。
重要なのは少しづつで良いのでとにかく続ける事。最大のスピードを発揮するという事を筋肉が忘れないようにする事が重要だ。要約すると瞬発力養成ドリルとは「フォームは度外視して、自然体の構えから軽いバットを全速力で振り抜く。」と言う事だ。もちろん、このドリルは自分自身で(バッティングセンターでの実打を含めて)2週間くらいテストした結果、特に深刻なデメリットは無いと判断したので紹介している。
この打ち方は、実際の打撃でも使えるが、数字はクリス•カーターのような状態になるだろう。この種の打ち方を実際のゲームでやっている打者は少なく無い。メジャーではトッド•ジールやダンテ•ビシェットなどはその類いであったが、カープのエルドレッドもそうした部類の打者である。実際、成績もカーターに似ている。今回紹介した素振りも実際やってみるとエルドレッドのようなスイングになる人が多いと思う。プロで成績を残しているので誰も言わないが、もし日本人がバッティングセンターでエルドレッドのようなスイングをしていたら、殆どの野球関係者は素人だと思うだろう。
実際に、この打ち方をゲームで使ってみても面白いと思う。ただ空振りした場合にいかにも素人くさいスイングになるが、そうした空振りをメジャー的で逆にカッコいいというのも感じ方の一つではないか。実際、この感覚はオートマチックステップに取り組むなら必要不可欠だ。物を知らない人間からは素人くさいとか力任せとか言われる事は覚悟するというか、逆にそれがカッコいいと感じられるようなセンスがほしい。もちろん、常にそういうスイングになると言う意味ではなく、崩されたときにそうなると言う意味で、それは日本人のスインガーが崩された時に泳ぐのと同じ事だ。
8月号でも書いたが、パンチャータイプの場合、瞬発力は特に重要なファクターとなる。始動時にAPAやPMSP(教科書第二章参照)を利用するメカニズムを考えても、それは明らかな事だ。ここで、下の動画を見てほしい。クリス•カーターという打者で今期、低打率ながらも本塁打数はMLB全体で3位につけてる。これまで単にオートマチックステップであるという点以外では注目していなかった打者だが。。特筆するべきは懐まで呼び込んでからのバットの出の早さ(向こうで言うところのクイックハンド)にある。スイングは片手フォローが多いが、両手で振り抜く事もある。
この打者から何を学ぶか。
まず構えで捻りが入っていない。重心も高く、いわゆる「自然体」の構えだ。グリップの位置は比較的低い。外国人ならではで胸椎がしっかり後湾しているので肩甲骨が胸椎にかぶさり、腕が楽な状態になっている。
簡単に言うと「体を捻らず、重心も高い自然体の構えでグリップの位置も低い。」この理解で良い。つまり、形としては理想的では無いがリラックスする事に重きを置いた構えだ。こうした構えでは、体重が後ろ脚に残りやすくスイング軌道がアウトサイドインになりやすいので、それが打率を稼げない一因だろう。だが、筋肉がリラックスした状態から瞬発的に大きな力を発揮するというパンチャーのコアの部分を実現する事に特化した打ち方であるとも言える。ある意味、落合の構えからオートマチックステップで打つイメージに近い。昔ロッテにいたマイク•ディアズも同じ戦略を取っている。実際、ディアズも瞬発的な筋収縮を実現できている。こうしたタイプは昔からオートマチックステップには良くいる。
カーターのような打ち方の打者にとって重要な事は、上手く打とうとせずに、一気に振り抜く事に集中して両手で思い切り振り抜く事だ。打率は2割2部か3部でも25本以上のホームランが安定して見込めれば、その方がベンチとしてはありがたい。打者としての性格が明確に把握できるので使いやすいからだ。こうしたタイプの打者にとってさらに重要になるのは良い投手から打てると言う事で、それが出来れば前述のような数字でも良い戦力になる。ただ、同じ数字でも2戦級からしか打てないのでは使えない。
瞬発力養成ドリル
さて、肝心のドリルだが、バットは短くカットした塩ビパイプを使う。(太いものはダメ。握るのに握力を使い、リラックスできないから。実際のバットより少し細いくらいで良い。長さは30センチ程度。つまりほとんど負荷をかけない。このスティックを前述した自然体の構えから、可能な限り素早く振り抜く。静的な状態から一瞬で振り抜く事に意識を集中させる。(標的は見るが瞬発力に対する集中を妨げない程度の大雑把な標的で良い。)これを5スイング1セットで一日3セットもやれば充分である。負荷をかけるトレーニングでは無く、自力で可能な限りの瞬発力を発揮するトレーニングなのでバットを重くする事に全く意味は無いので、そこは間違わないでほしい。
ただ、形としては良くならないので、多少スイングに影響が出る。(体重が後ろに残り気味で両手で思い切り振り抜くので少し捏ね気味になる。)そのため、通常のバットによる素振りやティー打撃と併用して行なう方が良い。その点も考慮して回数は少なめに設定している。やってみると解るがそれなりにキツいので3セットで充分だ。軽いバットを使うので、そのためのバランサー的な意味で逆打席で重いバットを振るのも良い。
技術的に注意してほしいのは5本の指をフィットさせてグリップする事。そのため両手の間はきつく密着させない方が良い。また、グリップのコックは気にしないで良い。そして足裏の3点が地面にぴったりフィットするように立つ事。構えを作らずに自然体なのでこうした事はむしろやりやすい。この構えから精神を集中させて一瞬で全力で振り抜く事に集中する。傍目にド素人のようなスイングになるが、形は問題では無いので、それで構わない。なお「教科書第二章」で説明した「脱力」と「リラックス」の違いには注意してほしい。無理に作る脱力ではなく、あくまでも自然体のリラックスである事が大切だ。
重要なのは少しづつで良いのでとにかく続ける事。最大のスピードを発揮するという事を筋肉が忘れないようにする事が重要だ。要約すると瞬発力養成ドリルとは「フォームは度外視して、自然体の構えから軽いバットを全速力で振り抜く。」と言う事だ。もちろん、このドリルは自分自身で(バッティングセンターでの実打を含めて)2週間くらいテストした結果、特に深刻なデメリットは無いと判断したので紹介している。
この打ち方は、実際の打撃でも使えるが、数字はクリス•カーターのような状態になるだろう。この種の打ち方を実際のゲームでやっている打者は少なく無い。メジャーではトッド•ジールやダンテ•ビシェットなどはその類いであったが、カープのエルドレッドもそうした部類の打者である。実際、成績もカーターに似ている。今回紹介した素振りも実際やってみるとエルドレッドのようなスイングになる人が多いと思う。プロで成績を残しているので誰も言わないが、もし日本人がバッティングセンターでエルドレッドのようなスイングをしていたら、殆どの野球関係者は素人だと思うだろう。
実際に、この打ち方をゲームで使ってみても面白いと思う。ただ空振りした場合にいかにも素人くさいスイングになるが、そうした空振りをメジャー的で逆にカッコいいというのも感じ方の一つではないか。実際、この感覚はオートマチックステップに取り組むなら必要不可欠だ。物を知らない人間からは素人くさいとか力任せとか言われる事は覚悟するというか、逆にそれがカッコいいと感じられるようなセンスがほしい。もちろん、常にそういうスイングになると言う意味ではなく、崩されたときにそうなると言う意味で、それは日本人のスインガーが崩された時に泳ぐのと同じ事だ。