(6/9)第三章は前半でスインガーとパンチャーのスイング理論の基礎を説明し、後半で例題的に紛らわしい例も含め、実例を挙げながらさらに理解を深めてもらうという内容にする予定。例えばまず多くの人が解らないだろう
ジョー•マウアー、
クリス•デービスなど。さらに「スインガー=体重移動が大きい」「パンチャー=体重移動が小さい」と言った曖昧な理解に留まっていると間違いやすいが、基礎理論をしっかり理解すれば明確にパンチャーであると解るバレンティンなど。巨人の坂本がパンチャーでオリックスの糸井がスインガーである事も、きちんと一から理解していけば良くわかる。スインガーとパンチャーの分類はそう簡単にできるようになるものでは無い。自分の場合を振り返ってみても、基礎メカニズムの原型を抽出するのに1年くらいはかかったと思う。第三章にそうしたノウハウを詰め込みたい。そうそうスイッチヒッターも難しいテーマの一つだろう。
(6/10)グリエル。穴のある打者だが相当な逸材である事には間違いない。素材的にはAROD級だろう。一つ見所を紹介しよう。それは手首を返さず打球をまっすぐ運ぶ能力。インコースの球を切らさずに(フックさせずに)フェアーゾーンにライナーで運ぶシーンが見られるかもしれない。
デビュー戦の2本目のヒットにその片鱗が垣間見えた。ただ手首が返らないという事は裏を返せば打球が上がりにくいとも言える。勿論セペダグリエルのキューバ勢も第3章ではスイングを分析するつもり。グリップの間が微妙に空いてるのもポイント。
(6/12)
筒香はパンチャー。今の日本人の左だと筒香と柳田がパンチャーの双璧。その辺も扱っていく予定。フォーム的には筒香の方が良い。
柳田は脚を挙げるタイミングが早すぎるので回転が大きすぎる。
(6/13)ドラコンの
ジェイミー•サドロウスキーはパンチャー。トップが非常に深いのでボトムハンドで引き気味だが。野球に例えるとブライス•ハーパーと言ったところか。第3章ではゴルフスイングも引き合いに出して論じていく。
この動画も良い。
(6/17)連続写真作りは職人芸だ。どこのカットを選ぶかでわかりやすさが違って来る。ベースボールマガジン社はさすがにその辺のツボをわきまえている。第3章では
あらゆる角度からスイングを見る事で理解を深めてもらう予定。
(6/18)ミゲル•カブレラ 三冠王のスイングも3章の見所。コースごとにじっくり見ていきたい。カブレラというと軽く打つような印象が有り、パンチャーど真ん中では無いイメージすら有るが、そんな事は無い。この
メジャー1号。横からのスローも有るが、ここにカブレラの本質が有る。
(6/20)資料を整理していたら
自分のスインガー時代の動画が見つかった。2001年頃だろう。バットは900グラムの硬式練習用を削って細く軽くしたもの。スインガーと言っても、まさにパンチャーに移行する直前の過渡期。(90年代の本当のスインガー時代はもっと脚をあげてゆったりタイミングを取っていた。)重心移動先行型ステップにたどり着き、さらに構えから地面を真下に押せば、その反力で投手方向への重心移動が発生する事を発見した。(動画の時点では、ハムストリングスを使って意識的に真下に体重をかける事で地面を押すという無茶な事をしている。だから実際には精度も悪かった)この発見がキッカケとなりオートマチックステップ、そしてパンチャータイプのメカニズムに到達する。そして、
これはパンチャーに移行した直後の動画。使用しているバットは同じ。スインガーとパンチャーの両方を知ってる立場で言うのだから間違い無い。打撃には二種類ある。教科書シリーズでは、パンチャーを中心としながらも、スインガーも詳しく説明する事で、二つのメカニズムの存在を明らかにしていきたい。
(6/21)日本のサッカーもレベルアップしてるのだろうが、あの日本人の動かない身体で、私の股関節理論、そして黒人の身体能力に近づくためのトレーニングも行なわずに世界のトップレベルに立ち向かうのは無謀だ。
こういうゴールをみると、やはり黒人は侮れない。全競技に適応できるトレーニング編を作成しなければならない。本田のゴールにせよ、今のサッカー選手を見てるとやってくれそうな気配はするが、いかんせん身体が日本人のままではどうしようも無い。日本中が熱狂している中で開戦前の山本五十六のような気分で眺めている自分がいる。
(6/23)3章はずばりスイング理論。教科書シリーズ最初のクライマックスになる。日本史に例えるとさしずめ戦国時代か。織田信長が斎藤道三と意気投合し、徳川家康が三方ヶ原で武田信玄に破れたあたりだ。教師の立場でも一番面白いあたりだろう。その次のクライマックスは明治維新か。これは実践的なテーマを論じるクライマックスがそれに当たるだろう。
(6/25)W杯での日本の最大の敗因は私の股関節理論を導入していなかった事だろう。ザックがどうのという問題では無い。サッカー選手を含めた総合的なスポーツ選手の動きを向上させるための教材の制作にも取りかからなければならない。
(7/1)3章に向けて連続写真の作成や映像データの整理を行なっているが、これが大変な作業で、まだしばらくかかりそうだ。今回はその過程で溜まったハイスピード動画の一部を利用し、プロモーション風に仕上げてみた。繰り返しになるが第三章はスイング理論。第三章を読み終えればパンチャーのスイングが明確に理解できるようになる。
坂本のインコース打ちは話題になっているが、それもそのはずで、そのメカニズムは三冠王ミゲルカブレラと全く同じなのだが、そのあたりもフィーチャーしていきたい。落合のインコース打ちと坂本のインコース打ちは似ているようで違う。
(7/3)第三章までを基礎理論編(打撃)とし、それ以降は実践実技のための理論、トレーニング法、スローイング、投球、そして黒人の身体機能に関する理論へと移行していきたい。(もちろん、基礎理論についてもさらにマニアックに追求していきたい。)第四章は投球編と書いたが、まだ未定。(出来れば投球編にしたいが)
第三章が完成すれば、パンフレットを作成し、それを(外国人を含めた)日本プロ野球の全ての野手に郵送する予定だが、そのうちの何人かは購入するだろう。(amazonに出品するかもしれないので、そうなれば誰が購入したかは不明になるが)日本プロ野球界のスイングがどう変わっていくかという事も含めて注目してほしい。ちなみに、この試みは既にMLBでは実行している。当時のあの酷い英語力でよくやったなと我ながら思うが、実際にラス•キャンズラーからメールが入ったり、プリンス•フィルダーがオートマチックステップを見せたりと言った反響と読み取れるリアクションも確認されている。
(7/4)良い連続写真の本を見つけた。
ベースボールマガジン社の連続写真大鑑。連続写真そのものはスペースが小さく同社製にしてはコマ数が少ないものが多い。しかし、今までの連続写真集に載っていない川上哲治とか藤村登美男あたりの昔の打者の連続写真が数多く資料価値は高い。また、スインガー時代の外国人選手の連続写真も結構有るのも良い。しかし、パンチャーらしいパンチャーの連続写真は数えるほどしかない。スインガーの今昔を比較するという視点で見ると良いだろう。嫌でも昔のスインガーの特徴であるレイトスイングの徹底ぶりに気がつくはずだ。特に川上哲治のレイトスイングはすばらしい。今のスインガーの選手がこうしたスイングをすれば飛距離に関してはもっと出るはずだが加速に時間がかかるので確率的には難しいだろう。そのジレンマはパンチャーによって解消される事になる。まだ発売されていない弊著3章と併せて見ると、スインガーに対する理解が深まるだろう。
(7/5)少し前の日本球界ではバッティングと言えば松中に聞けという感じで天下を取ったような時代が有った。また、そのフォームは当時話題になっていたボンズの打法と比較されたりもした。当時は丁度トップハンドトルクを発表した時期で、ネット上では松中もその1人だと言う記事もチラホラ見られていたが、私は松中をスインガーに分類してきたし、またその打法の問題を至適し続けて来た。予感は的中してしまい、その後は失速したわけだが。。当時から書いていたように松中の問題点はスインガーの根本的なメカニズムのままにパンチャー的な技術論に傾倒したという点にある。日本野球界にパンチャー、スインガーの区別が常識として定着すれば、こうした過ちは繰り返されないだろう。第三章はそれだけの力が有る作品になるだろう。
(7/8)第三章の制作は着々と進んでいるが、内容が少し多すぎるので二枚に分ける可能性が強まってきた。教科書シリーズが一通り完成したら次は英語版。これは教科書シリーズをサッパリとまとめたような形になる。英語版が軌道に乗れば、少なくともスペイン語、韓国語、中国語版は手がけたい。これらはもちろん翻訳業者に頼む事になる。最終的な目標は、世界的な野球技術(投打の基礎技術)の教科書を作成する事である。そこまで到達すれば最後は、くたばるまで一つずつ世界の言語を征服していく予定。
(7/9) 難しいのは「英語版を軌道に乗せる」事だが、これについては一枚のDVDに纏めたものをメジャー登録の選手に送付する予定。英語では「hitting mechanics」という単語が日本語の「バッティングフォーム」「バッティング理論」のような感じで使われている。現在、googleで「hitting mechanics」という単語で検索すると
一番始め(上段左端)に私のサイトの画像が出て来る。 その下準備は整っていると言えるだろう。この写真はこれまでの活動の中で撮影できた最高傑作であるが、その価値はアメリカの野球ファンも(だからこそ)理解できるのだろう。
(7/10) 野球をサッカーに匹敵する規模のスポーツにするためには、野球後進国に対して質の高い技術論を提供する必要が有る。言わば、「全世界共通の野球技術の教科書」が必要なのだが「新しい野球技術の教科書」はそのために制作されている。もちろん、世界版はもっとシンプルに纏めなければならないし、内容もややよそ行きになるだろう。(二段ステップなど、技術の多様性がより前面に押し出されるという意味。)それに対して現行の日本版では、よりアキュートに理想を追求する予定であり、またシンプルに纏めるのでは無く、むしろ出来るだけ詳しく「濃い」ものにしていきたいと考えている。日本版を完成させてから、その内容を吟味、精査、そして最終的に要約し、よそ行きに味付けし直して世界版とする予定である。
(7/12) つまり「新しい野球技術の教科書」シリーズはフィリピンやアフリカの言語にも翻訳され、将来的にグローバルスタンダードとなる野球技術教書の叩き台として制作されている。叩き台というと聞こえは悪いが、前述のように内容的にはより濃いものになる。そして、当社はその全世界共通の野球技術の教科書を販売する唯一の出版社となる事を一つの目的としている。そのためには勿論、実際に選手を教えて行く事も必要になる。
もちろん、守備や走塁はほとんどカバーできないが、今の考えでは、それはそれで良いと考えている。なぜなら、野球技術において「科学的」で有る事が望まれるのは、やはり投打の技術であり、それを解明し、そして表現、説明するというところに自分の役割が有るからだ。そして、その仕事を出来るのは控えめに言っても日本には私以外にはいない。(おそらく世界中を見渡してもいないだろう。)
守備や走塁の技術は状況に左右されるので普遍的な物は作りにくい。様々な選手の技術論を紹介するという手法を取った方がむしろ有意義だが、それは私の仕事では無いだろう。
(7/15) マイナーな言語の翻訳者とコミュニケーションを取るためには英語が必要になる。野球をサッカーに匹敵するスポーツに発展させるためには競技人口の拡大と底辺の底上げが欠かせない。そのためには教育の行き届いていない層にも野球の技術を伝えて行く事が必要になる。これは当社の仕事になるだろう。
南アフリカにも野球は有るが、決して絶望的なレベルでは無い。「教科書(世界版)」はこうした世界の選手をMLBあるいはNPBレベルに押し上げる事を大きな目的としている。
(7/16) という事は日本人の選手に教える事は大きな目的としないと言う事か? ある意味そのとおりだが、単純にそういう事では無い。ただ選手を育てる事で成功しようとするという事は人の成功に頼るのと同じ事だ。そうでは無く、より大きな目標を追求する事で、質の高い物を造り出して行く。それが選手の役に立って、結果的にその選手が成功すれば言う事は無い。「誰々を育てた」という事ではなく、どれだけの物を自分が生み出すかという事をテーマにしなければならない。それが「教科書シリーズ」の制作に重きを置いている理由でも有る。当社の最大の目的は野球を世界最大規模のスポーツに育てる事である。私に教えてもらうという事は、その事業に貢献する事を意味するので、遠慮はいらない。
(7/17) 高校野球で注目していると言う訳ではないが、千葉県の
専大松戸校の渡邉大樹はパンチャーの二段ステップだ。始動時の下肢出力も比較的明確に観察出来る。彼のスイングは第三章に掲載する予定。
(7/21)野球の技術書は極力ビジュアルで見せなければならない。身体運動の分野では書いてある事の半分も理解できないような本が多すぎる。当たり前と言えば当たり前だが、作り手に表現力が無いからだ。イラストを描くというのは野球とは180度別の作業では有るが、理論を発表する以上、必要不可欠な作業でも有る。もしこうしたイラストを描いてこなければ、私の理論は今の5分の1も理解されていなかっただろう。さすがに今、精密画を描く事に割く時間は無いが、数年前に本にする目的で書き溜めた「連続写真集から模写した精密画」を第三章では一挙に使って行く予定。王や長嶋のものも有る。下図左は清原。ベーブルースなど、荒い画像ばかりが残っているような選手のフォームもイラストに起こせばクリアーな線で表現できるので解りやすくなる。野球を世界に普及する中でも、往年の名選手のフォームというものは野球界にとって文化的な価値が有るので野球界全体で大切にして後輩達に伝えて行かなければならない。そういう物の価値が解る人間が野球界には少ない。そしてそれをするためには良い物を良いと評価して、なおかつそれを表現できる人間が必要になる。後に残るのが数字だけというのは人間の営みとしてはあまりにもオソマツすぎる。一流の打撃動作や投球動作は絵画や彫刻と言った芸術以上に芸術的なものである。
ちなみに、こうした精密画は絵の専門家に任せたい所だが、90%はそれで出来ても後の10%はそれだけでは無理だろう。なぜなら、どこの陰影を強調するか、どのシワを強調するかによって動きが解りやすくも解りにくくもなる。脚のラインやバットの角度が1mmズレるだけで感じが出たり出なかったりする。なので、解剖学や野球の動作理論に基づいて描く必要が有るし、自分の中にも実践の感覚が無いと描けない。そうやって描くと写真以上に動きが解りやすくなる。
(7/23) 田中やダルビッシュがすばらしい成績を残す中で、日本とメジャーの差は何かというと、日本にはメジャーにはまずいない(メジャーになれない)レベルの選手(特に打撃)が数多くいると言う事と、アメリカでは驚くようなスイングをする選手がメジャーでは活躍できていなかったりする事。例えば
メルキー•メサと
ハビアー•バエズ。バエズはメジャー出場無し。メサは僅か5試合。まだまだ差は大きい。第三章が出来れば日本のプロに広告を出すが、その差を埋める一助になればと思う。
(7/25)しかし、こうして野球技術論を発表していると若い頃にもっと勉強しておけば良かったと思う。もう少し英語と数学と物理の知識が有れば良かった。思えば子供の頃、学校の教師からは「教養を身につけるために勉強する」等ときれいごとしか聞かなかったと思う。こんな事では子供は勉強しない。私が学校の教師になれば社会見学ではホームレスを見せて、今勉強しなければこうなるんだよと教えて挙げたい。また、酒とギャンブルに溺れる日雇い労働者のドキュメントを作り、それを見せる。これに勝る社会見学は無い。ホームレスを教室に呼んで、一日講師にすると良い。最高の教育になるだろう。
(7/27) 3章ではスイングの類型も話題になる。以前から書いてきたようにパンチャーのスイングにも種類が有り、それは始動ポジションでの腕の形で変わって来る。簡単に言うとトップハンドがバットを水平面回転させるトルク型と、(水平面回転はさせずに)投手方向に突き出すプッシュ型に別れる。トルク型の方がヘッドの出が早いが、トルク型でも引きが強いとヘッドの出が遅くなる。引きが強いか否かは分類の対象にはならないが「引いてないトルク型(
フリーマン、
ウィリングハム、
アレックス•ラミレス)」「引きが強いトルク型(
カルロス•ゴンザレス)」「引いてないプッシュ型(
モーノウ、
シーガー、
マークエリス)」「引きが強いプッシュ型(
イーシア)」がある事になる。引きが強いプッシュ型は最もヘッドの出が遅く、スインガーに近いイメージになる。勿論、引いてないトルク型が最もヘッドの出が速い。ジーターもそうだ。私の理論の構えでならトルク型になる。
(7/28)
ソリアーノと
ケンプのトルクのかけかたは非常に良くにている。(特に投手方向からスローで見ると)同じパンチャーで始動ポジションの腕の形が似ているのでおのずとスイングも似て来るわけだ。
(7/29)難しいと言われる事が多いが「難しい」と「詳しい」の区別がついていない人が多い。「詳しい」は本当は「優しい」のだが、ちょっと文章量が多くなると「難しい」と感じてしまう人が多いのでは無いか。コンピューターゲームと顔の半分くらいが目みたいな変なマンガが蔓延してしまったせいで日本人の読解力は低下してきているのでは無いか。ああしたものをクールジャパンという風潮があるがむしろシェイムオブジャパンである。特にモバイルゲームについては子供の目は悪くなるは、注意力が散漫になり事故の原因になるは、人間の能力は低下するはで、脱法ドラッグに近いものがある。
(7/31)第三章制作の過程で分析眼にも磨きがかかってきた。
西武の森友哉が初打席で初安打を放ったが、パンチャーのようだ。筒号、柳田に続く左のパンチャー注目株が出てきたと言って良い。ただ
筒号に比べてヘッドの出が遅いのは構えがプッシュ型の構えになっているため。そういう意味では
小笠原に近い。小笠原もプッシュ型のパンチャー。森のフォームを見て解るのは糸井や鳥谷などのスインガーに比べてヘッドの出が速い事と、前脚軸が崩れにくい事。この辺にパンチャーの特徴が有る。グリップはしっかりコックされているし、後ろ脚もしっかりしている。膝さえケガしなければ間違いなく活躍するだろう。見逃し方も良い。初打席でこれだけ腰の入った見逃し方が出来るのは、しっかりと鍛えられているからであり、そして自信が有るからだろう。高卒一年目の見逃し方とは思えない。キャッチャーにしておくのがもったいない打撃だ。日本人の左打者にもパンチャーが増えてきた。
(8/2)第三章のための試作動画をアップする。(トルク型のハイスピード動画集)第三章の核心部分は何と言ってもダウンスイングからトルク、プッシュの動きを経てインパクトに至る腕の動きと、体全体の動きを明らかにする事。特にトルク優位型(動画)はパンチャーの中でも主流であるしボンズ、ミゲルカブレラなど強打者の多くが(図らずも)採用しているスイングである。
(オープニング大音量に注意)
(8/4)第三章のレーベルデザインはグリエル、セペダ、デスパイネの3人を並べる予定。デスパイネはちょっと面白いかもしれない。
このホームランの動画には横からのスローが有るが明確にトルク型である事が解る。前回の動画
「the top hand torque」の例と比べても解りやすい。デスパイネは典型的なヘッド入れ型だが、ヘッド入れ型は最もトルク型になりやすいが、だからといってヘッドの出が速いわけでは無い。ヘッドを入れた反動で後方にヘッドが倒れるため、ヘッドの立った振り出しにはなりにくい(インサイドアウトになりにくい)からだ。だが、ヘッド入れ型だと腕がリラックスしやすいぶん、結果的に始動時の下肢出力が強い。そこもデスパイネの魅力だろう。ただ、この感じの片手フォローだとおそらく外よりの甘い球の上っ面をこすって高いバンドの緩いショートゴロを打ってしまったり、インコースの速球に詰まったりする事も出て来るだろう。構えで股関節が割れていないのも、それと関係がある。上の動画「the top hand torque」で似ているのが2.03からの
アルシデス•エスコバー。ただ、この動画だと似ていると言われてもピンとこないだろう。そこで、次を見てほしい。
この動画の最後の方に横からの映像が有るがデスパイネと同じトルクのかけかたをしているのが解る。エスコバーは始動ポジションでヘッド入れ型の形を作るので、スイングもデスパイネに似てくる訳だ。デスパイネの長所は構えで腕が力んでいないので始動時の下肢出力が強く、その力をロスなく上に伝えているところだ。あくまでもパンチャーという前提であればの話だが、慣れて来ると構え(始動ポジション)を見ただけでスイングの想像がつくようになる。
(8/5)さすがアメリカの理論家はパンチャー全盛時代を目の当たりにしているだけあって、ありのままを見る事が出来ている人がいる。下の動画を見てほしい。リニア打法(スインガーに近い)とローテイショナル打法(パンチャーに近い)のスイングの違いを比較して見せている。そして各々の特徴を良く捉えている。ハンドパスとは手の軌道の事。残念な事はスインガー式を存在しない、あるいは間違った打法だと決めつけている事だが、パンチャーのトルク型の腕使いは見事に表現している。リニアの解説では、ヘッドを残しながら出してきて最後にムチ効果を利用する事に言及している。特に注目なのは4.25から。第三章ではこういう感じでアームアクションを解説する予定。(説明は文章データで行なう。その方が理解しやすく繰り返し読みやすいから。)
〜動画意訳〜
みなさんこんにちは。ドミニク•サタデーです。www.saturdayhitting.comより。
現在、我々のケージでは多くの選手が我々の教えているローテイショナルメカニクスを使って練習しています。今日は「ローテイシナルハンドパス」と「リニアハンドパス(A to B ハンドパス)」を対比してお話します。
ローテイショナルハンドパス(ローテイショナル打法の腕使い)は、ローテイショナルメカニクスの万能薬です。ただ、残念ながら、現在の選手の多くは、特に若い頃にコーチからAtoBハンドパスを教えられています。
A to Bハンドパスの教えでは置きティーの時などにこう言います。「グリップエンドをボールに向かって出来るだけ速く出す。そして、そこからムチ効果を使ってパワーをボールに伝える。そうすれば強打者になれるよ。」と。彼らはまた「短くコンパクトにスイングし、ボールの上半分を打て」とも言う。これらは間違った教えです。こうしたAtoBハンドパスはハイレベルなスイングの中では起こらない。多くのコーチが主張するようなAtoBハンドパスなど存在しない。
では、ローテイショナルハンドパスを見せましょう。前から、横から、そして後ろから見せます。ローテイショナルハンドパスはトルクとパワーを生み出します。ローテイショナルメカニクスは胴体、腰、脚の筋肉を使います。腕の筋肉だけでは重いバットは振れません。
まず後ろから見せましょう。ローテイショナルハンドパスの特徴はバットの軌道が早い段階でボールの軌道(ヒッティングゾーン)に入る事です。AtoB式のリニアハンドパスではグリップエンドを出したシーンではまだボールの軌道に入っていません。同じ事を前から見せましょう。リニアの場合は直線軌道でバットが出ますが、ローテイショナル式は円軌道でバットが出ます。
我々は、このローテイショナルハンドパスをサイトで教えています。この打法はトルクを生み出し、打球を遠くまで飛ばします。内野には6人の野手がいますが外野には3人の野手しかいないので、外野に打球を飛ばしましょう。あなたはまだ多くの若い打者を悩ませているAtoBハンドパスを使いますか?それともメジャーリーガーがみんなやっているように、より強い全身の筋肉を使うローテイショナルハンドパスを使いますか?
興味が有る人はサイトに来てください。また我々とコンタクトして実際にケージで練習しましょう。それが一番良い方法です。さあ、やってみよう。
(8/9)これも第三章の試作動画。パンチャーのスイングはダウン〜トルク&プッシュによって構成される。つまりダウンスイングで振り下ろした後、プッシュとトルクの複合運動によりバットに水平面回転を加える。ただ、その部分はプッシュ優位型とトルク優位型が存在する。プッシュだけで水平面回転させるタイプ、トルクだけでさせるタイプ、そしてその中間が存在する。今回の動画はプッシュ動作が明確な例。見ての通りトルクの動画と同じ打者が入っている。つまり、トルクとプッシュが共存していると言う事。第三章ではこうした「ダウン」「トルク」「プッシュ」という動作がどういったメカニズムで起きるのかという事を解説する。
(8/12)プリンス•フィルダーの
このホームランや、マーク•トロンボの
コレと
コレも両手振り抜きならではの力の乗り具合を良く表している大きな打球だ。
(8/16)三章の進行具合については文章はほぼ完成しており、構成も固まったので、それを紹介したい。
1)スインガー基礎 まずスインガーの基本メカニズムから説明する。それによって、よりパンチャーが明確に理解出来る。
2)パンチャー基礎 第三章のメインと言っても良い。パンチャーのハンドワークを詳細に説明する。
3)ジャイロ現象 パンチャーのスイングに影響を与えるジャイロ現象(歳差運動)について物理の知識がなくてもわかるように図と実験で説明する。
4)股関節の斜め回転 斜め回転理論の基礎を簡単に説明
5)斜め回転理論とスインガー 股関節の斜め回転理論をふまえてスインガーの下肢動作を解説する。
6)斜め回転理論とパンチャー 同様にパンチャーの下肢動作を解説する。
7)インサイドアウト 主にパンチャーのインサイドアウトのメカニズムについて解説する。(スインガーについても解説)
8)コース対応 主にパンチャーのコース別のスイングについて解説する。(スインガーについても解説)
9)腸腰筋とハムストリングス 以後の解説をスムーズにするためにも、このあたりで簡潔に「腸腰筋とハムストリングス」について簡潔にまとめておく。
10)X反射 理想的にはパンチャーは体幹前面のタスキラインのみを使い、スインガーは体幹背面の筋(強いて言えば背面のタスキライン)のみを使う。つまり、双方ともにXラインの一方のみを使う。両方使うのは押しながら引いている事を意味するのでよくない。なぜそうしたメカニズムが可能になるのかについて解説する。X反射という言葉自体は手塚一志のゴルフ理論から拝借している。
11)ヒッチ 主にヒッチとパンチャーのメカニズムについて解説する。(主にパンチャーのヒッチ。スインガーのヒッチについても解説)
12)片手フォロー パンチャーにおける片手フォローの悪影響について具体例を挙げながら解説する。
13)3種類の構え 3種類のスイング パンチャーにおける「トルク主導型」「プッシュ主導型」「トルクプッシュ混在型」と言った三種のスイング(旧ボンズタイプ マグワイアタイプ)と「トップ型」「ヘッド入れ型」「バット立て型」
14)具体例 重要テーマや(13)までで書ききれなかった詳しい内容等を、MLBやNPBの打者の例を挙げながら解説。誰を採り上げるかはお楽しみ。
全体的にどの程度の内容量になるのかはまだ未定。大容量ディスクで1枚2500円の2枚セットか、あるいは1枚2000円の3枚セットになるかもしれない。
(8/17)7月31日で西武の森について「間違いなく活躍するだろう」と予言したが、今のところ的中している。ただ、膝の故障が心配なフォームだが。。三試合連続ホームランを打っているが、スタメンでも無いのにこれはすごい。
「1号」 「2号」 「3号」その他にも複数の大きな当たりを打っている
「シングル」 「二塁打」 。
正しい理論に則って、それなりに野球を見ていればわかる。今のNPBで、技術的にこのくらいの事が出来ており、このくらいのスピードとパワーが有れば打てないわけが無い。そこで「間違いなく活躍するだろう」と書いたわけだが。。彼は打つために必要な「これだけは」を比較的高いレベルで実行出来ている。
精神面や動体視力あるいはトレーナー的な側面から野球技術論を語りたがる人が多いが「打ち方」が一番大切である事は彼のような例を見ればわかる。このくらいのスイングが出来るのに打てないと言う選手はそうそういるものでは無い。筒香、柳田、そして森を見ればわかるが、これからのNPBで活躍するのはこうしたタイプの左打者だ。
(8/21)
このセペダのホームランは凄い。こんな打撃を出来る選手は今のNPBにはそんなにいない。ただでさえMLBに人材が流出している状況でNPBを盛り上げるためにスタメンで使ってほしいところだ。
巨人という球団はフロントにおいてはネームバリュー優先で派手な買い物をするが、現場においては4番打者に送りバントをさせるほどネームバリューを軽視する傾向が有る。その結果、各球団から名前のある選手が集まっては飼い殺しにされ、NPBをもり下げる事態が何年も続いている。少し昔だが清原とペタジーニのツープラトン起用もそうだ。結果的に野球そのものの人気が下がれば巨人は自分で自分の首を締めている事になる。巨人の補強戦略は、自ら資産をゴミ箱に捨てているに等しい。
おそらく現場の監督にすればフロントが派手な買い物をするという事に対して、自分の手腕が軽視されているように感じるのだろう。そのため、現場ではあえて選手のネームバリューを軽視するような采配を取りたがる心理が生まれるのではないか。そのあたりを一度、双方でじっくり話し合っておくべきである。何のために有名選手を集めるのかという事について。
(8/22)3章で使う精密画を一つ紹介したい。(以前にも書いたように、これは数年前に本を書く目的で描き溜めたもので、今こうした事に時間を割いているわけでは無い。)
ところで、なぜ野球技術系の出版社は野球漫画家にイラストを依頼しないのだろうか。(自分は遠慮するが。)ドカベンの水島新司やストッパー毒島のハロルド作石、REGGIEのヒラマツミノルなどが、技術論を説明するためのイラストを描けば面白い。
例えば、水島新司の絵を見て解る事は、インパクトの時の手首の形に強いこだわりが有るという事。そして、そのこだわりは正しい。この手首の形はスインガー的だが、科学する野球の空手打法に通じるものが有る。しかし、それ以外の部分のフォームを見れば、水島新司は特に科学する野球を推しているわけでは無いと解る。その他、見逃すシーンを描くのも上手い。が、難点は自分の中に有る理想のフォーム像が強く確立されてており、ほとんどの選手がそのイメージで描かれているというところ。指導者ならそれで良いが、マンガ家としてはあまり良いとは言えない。ただ、彼にしてみれば自分のマンガを通じて野球少年達に良いフォームのイメージを伝えたいくらいの事は考えているのではないだろうか。
一方、REGGIE(話の内容はMR.BASEBALLに近い)のヒラマツミノルの場合、インパクトの形はパンチャー全盛時代の影響を色濃く受けている。REGGIEが連載されていたのは1990年代初頭で、当時はパンチャー全盛時代の幕開けであった事を考えると、時代を反映していると言える。登場する多くの打者がパンチャー的フォームで表現されてる。ちなみに原作者のGUY•JEANSはロバート•ホワイティングのペンネーム。リアルタイムで読んでいたマンガだ。
また、興味深いのがストッパー毒島のハロルド作石。(ゴリラーマンの頃から高校野球の4番打者のスイングと素人のスイングを見事に書き分けたりとただならぬ野球観察眼を発揮していた。)彼の場合は技術に対するこだわりは特に無さそうだが、実在する選手の特徴を掴んだカットが多い。水島新司とは正反対の手法で、マンガ家としては、その方が良い。ボンズやグリフィー、ライアン•クレスコ等のフォームを登場人物のフォームに上手く引用しており、少しメジャーに詳しい人なら、これは誰々だと解るはずだ。例えば下のカットはグリフィーを参考にしていると思われる。
(8/22)
リッチー•セクソンは三振かホームランかの荒っぽい打者であったが、パンチャーの特徴を良く捉えたスイングをしていた。下の写真(ホームラン)のような形になるのもパンチャーならでは。第三章ではその辺も解説する。
(8/24)毎年の事だが高校野球の「負けて泣く」という文化には共感できない。指導者が負けて泣いている選手を叱る事が出来ない、またそれだけの価値観を持ち得ていない事が元凶だろう。人間、何に怒るかに価値観が現れるのでは無いか。私なら野球道具をいちいち丁寧に並べなくても怒らない。丸坊主にしなくても怒らない。タマに練習を休んでも怒らない。しかし眉毛を気色悪い形に剃って来たら怒る。最後に負けて泣いている奴を見たら怒る。このへんに関してはまだ「貴様らそれでも大日本帝国の軍人かぁ!」等とやっていた時代の方が良かったのでは無いか。
(8/25)
西武の森については高卒一年目で代打で結果を出せるというのはただ者では無い。彼がなぜ「間違い無く活躍できる」と言い切れたのかというと、それはパワーとスピードも去る事ながら(パンチャーであるという前提で)
土台となる軸脚と直接バットをコントロールするグリップの二点が出来ていたからで、これら力の入り口と出口がしっかりしていれば、ある程度誰でもそこそこ打てるはずなのだが、意外と出来ていない事が多い。他の事に気が行ってしまうからだろう。また、それ以外にも首が少し傾いているところや脚を挙げるタイミングが遅い点など、パンチャーのツボを良くおさえている。筒香や柳田が脚を早く挙げて(日本の基本通り早めに始動して)パワーをロスしているので、その意味では森の方が良い。柳田や筒香よりも崩される事が少なく自分のタイミングで振れているのは始動が遅いからだ。
ところで軸脚とグリップという点でまず思いつくのが
横浜高校の打撃。今期は予選で敗退したが、桐蔭とならび多くのプロを排出している高校でも有り、投打ともに明確な技術指導の方針が垣間見えるチームでも有る。松坂大輔は打撃が良かったが、彼のフォームもまた「横浜打法」であった。「横浜打法」はとりあえず結果を出すために必要な「これだけは」を体現している。
(8/25)田中将大が復帰するらしいがどうにも心配である。今まで多くの予想を的中させてきた。Aロッド、マニー•ラミレス、プホルズなどの片手フォロー陣の失速、中島がメジャーで苦しむだろう事、セペダのつまづき、森の成功、2008年当時の松坂に対する懸念など。総じて良い予想は難しいが、失敗の予想はそんなに難しく無い。
ただ、田中に対しては例外で、過去に技術的に相当シビアに書いて来た。だが、その後、田中は楽天で連勝を重ね、そのままメジャーに移籍し、ヤンキースでも大活躍を見せた。田中については「予想」を外した格好になっていた。ただ、その「シビアな見通し」は「肘の故障」という形で具現化したようだ。
田中将大の欠点は、軸脚の膝が早期に内に折れる事で絞られてしまい、充分に軸脚の力を重心移動に使えていない事にある。そして、その原因はワインドアップ時に手を大きく前方に突き出す事でつま先重心になる所にある。その結果、フィニッシュでの軸脚の跳ね上がりは弱々しく、ズルズルと引きずる形になってしまう。投げた後一塁側にクロスするメジャーの投手とは対称的で、あの軸脚の使い方から投じられるストレートがメジャーで通用するとは思えなかったわけだが。。だが、それを補ってあまりあるスプリットの多投(日本時代の二倍)により、序盤の大活躍を見せたようだ。
スプリットを投げようとすると、どうしても「手の平を打者方向に向けて上腕三頭筋を地面に向けた形でリリースしようと言う意識」が動作の中に入り込んでしまう。だが、この形は最も肘を痛めやすい。だからメジャーではフォークボール=肘を痛めるという認識が根付いており、それを良い事に落ちる球に弱い片手フォロー系の打者が幅を効かせ、その状況で落ちる球を投げる日本人投手が活躍できているという現状がある。
ではメジャーでも一時代を築いたフォークボールの野茂はどうなのかという声が聞こえてきそうだが、、野茂も肘を手術している。しかし、野茂の場合、フォークを多投しながらも「長持ち」出来る理由がある。それが下の写真だ。
立花龍司や手塚一志らの本でも採り上げられていたように、野茂のトレードマークはこの深い最大外旋の形にある。これなら小指から出す形が作りやすくフォークボールの悪影響は出にくい。そして、この形が出来るのは重心移動の力が強いからで、その軸脚の使い方は田中とは対称的である。
つまり、田中の場合、重心移動で軸脚の力が十分に使えておらず、そのため胸の張りが弱く、最大外旋も浅い。このフォームではスプリットの悪影響が出やすいと言わざるを得ない。
スプリットだけでは無い。胸の張りが小さく最大外旋の浅いフォームはただでさえ肘に負担がかかりやすい。そもそも肘の痛みなどが、それほど短期で収まるとは思えない。早すぎる復帰は慢性化を招く原因にもなる。ここまでの活躍は見事であったが、そのツケが出たという他は無い。田中の今後の見通しについては懸念を表しておきたい。しかし、個人的にも肘痛は経験が有るが、痛みが引いた後に、フォームとケアに気をつければ「実質的に完治する事」は可能であるはずだ。
メヒアについてはメジャーのミゲル•カブレラのイメージで見るといいだろう。もちろんカブレラほどの上手さは無いだろうが、カブレラを若くして、少し荒っぽく、そのぶんパワーはあるイメージで見ると良い。
一つ欠点を挙げるとすれば、打ちに行く前に手を忙しく動かすので、スイングで腕の筋肉が優位に働き腰が回りきらない事。後ろ脚股関節の伸展(絞り)が弱いので、巻き戻しでのその反射による屈曲も弱く、巻き戻しでは後ろ脚がホームベースに踏み出されない。これは理想的な巻き戻しでは無い。
ただ打ちに行くまでの腕の動きは、腕を力ませないようにするための彼の工夫が効いている箇所でもある。そこにもう一工夫加える事で、その欠点を克服すれば、より高い数字を稼ぐ事が出来るだろう。
動画の中で解説が面白い事を言っている。メヒアのホームランは滞空時間が長いそうだ。両手で振り抜いているのでバットのスピン量が大きく、ボールにバックスピンがかかりやすいのだ。動画のホームランもバックスピンが効いているように見える。
ただ、懸念材料は、腰が回らないタイプが両手で振り抜くと、手首の返しが悪い意味で強くなりやすいので、それを嫌って片手フォローに移行するという可能性がある。ただ、それをすると悪循環に陥るので、そこの選択ミスだけは避けたいところだ。
(8/30)カブスの期待の若手(マイナーリーガー)で
クリス•ブライアントという選手がいるが、
横からの動画を見ると解るように股関節の割れとグリップのコックが良く出来ている。この二つは連動しているためだが、
投手方向からの動画を見ると、胸椎の後湾がしっかりと形成されている、つまり脊柱のS字カーブの効いた体型をしている。これらの意味は「体幹部操作の理論」を理解すれば解る事だ。よく外国人はグリップをわしづかみにしている等という人が多いが、コックの効いている選手は日本人には真似出来ないレベルで効いている。このへんにも脊柱のS字カーブがしっかりと形成された白人、黒人の利点が有る。(特に胸椎後湾の効いた白人はグリップのコックが効いている事が多い。こうした連中に勝とうとするならば、そのあたりから追求していかなければならない。バッティング理論だけでは無理。
(9/1)第三章の書き下ろしイラストは精密画を除いても150点を超える。下図はパンチャー特有の
トルクをかける動作を表現したもの。肩関節内転と連動して、外旋と前腕の回外が起きる。そして、その動作がバットに水平面回転のトルクをかける。前掲の動画でドミニク•サタデーが説明している動きでもある。
ところで、今のNPBの打線で最も注目しているのがベイスターズのクリンアップで、グリエル、ブランコ、筒香の3人で組む打線の中核はMLBでも中核として通用するだろう。
ブランコは今の助っ人で最もメジャーに近い1人で、様々なコースに柔軟に対応する能力が強みである。第三章ではコースの打ち分けの説明にブランコを多様する。例えば、
このホームランは外角高め。ここにブランコのツボの一つがある。次に、
こちらはインコース低め。インコース低めを打つのが上手いのもブランコの特徴。どちらもブランコが良く見せるスイングだ。
以下、内容が長くなったので(2)に移行します。