2012年11月7日水曜日

Who's Who(1)マーク•トロンボ (Mark Trumbo)

A hitter who is the very right person for cline up man behind Barry Bonds as a third batter.

マーク•トロンボ(成績)http://baseball.yahoo.co.jp/mlb/teams/player/2276361



パッと見て成功を予期出来た選手です。これだけの身体の選手が、これだけパンチャーの二段ステップのツボをソツ無くクリア出来ていれば、失敗するはずはありません。ある意味、バッティングで確実に成功するコツは「型にハマる」事です。つまらない事を言うようですがこれは事実で、打ててる人のマネをしておけば大きな失敗する事は無いのです。

いくつかホームランの動画を紹介しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=PISy0f2CrG0&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=cwOyAug8HUs&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=t-Mxw-vT39g&feature=plcp

片手でフォローを取ったり、両手で振り抜いたりする打者ですが2012年シーズン後半を両手で振っていたようです。

面白かったのは2012年オールスターのホームランダービでのパフォーマンスで、脚上げ型の片手フォローによるスイングで素晴らしい当たりを連発していました。アレックス•ロドリゲスと瓜二つのフォームでしたね。私の記憶では確か、その直後から両手振り抜きに固定しだしたようで、恐らくホームラン競争で大きくなったスイングをコンパクトに修正する意図が有ったのだと思います。

ホームランダービーでのパフォーマンス
http://www.youtube.com/watch?v=8OyqPcVKFiA&feature=plcp

トロンボの構えは厳密に言えばヘッド入れ型でトップ型ではありません。この構えだと肩甲骨のポジションが原因で、骨盤前傾型の構えを追求しきれない問題があり、そのため、トロンボの膝も、やや前に潰れています。加えてつま先立ちになる二段ステップでは、前脚がつま先立ちになった時点で後ろ脚もつま先立ちになるのですが、つま先立ちになると膝が前に送られるので、つま先立ちになる二段ステップでは膝が前に押しつぶされてハムストリングスの力が使いにくいぶん、腰の回転が小さく、フォロースルーがコンパクトになる傾向があります。

ホームランダービーの動画をよく見てください。スイングの直前から映っている場合は解りませんが、それよりも少し前から映している場合、構えを作る前にバットを回したり、ラボで採用している方法と同じように、低い位置で立てて構えていたり、とにかく構えを短くする工夫をしています。こういう選手はホームランダービーでは特に力を発揮出来るでしょう。

また、膝が前につぶれ、大腿四頭筋が効くと、フォロースルーがコンパクトになってしまう事はアレックス•リオスのスイングが良く表しています。

アレックス•リオス
http://www.youtube.com/watch?v=YyATAABpwQ4&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=_gauWD0G-R4&feature=plcp

一方、こちら(トリー•ハンター)は比較的ハムストリングスが使えているタイプのフォロースルーです。身体を捩りきる力が強い事がわかります。
http://www.youtube.com/watch?v=0NBP1vJSjkU&feature=plcp

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=KXw1NY2f540&feature=plcp)後半には、始動ポジション以降を横から映したスローモーションが有ります。撮影角度にもよりますが、後ろ脚股関節は比較的割れており、そこは良い点です。始動時の下半身の力も強く、しっかりと重心移動が起こり、タスキラインが充分に引き伸ばされています。ただ、スイングに入ると、後ろ脚の回転が小さく、後ろ足も地面に着いたままで、前脚の膝が伸びきらないあたりは、やはり「ヘッド入れ型の爪先着地型二段ステップ」と言う打ち方故、ハムストリングスの力が充分に使い切れないからでしょう。この動画後半(http://www.youtube.com/watch?v=uWpwqy_sxB8&feature=plcp)の横映しスローモーションでも、同じ傾向が見られます。

こういった選手の場合「打ち方を変えないコーチング」と言う立場を取るのであれば「ヘッド入れ型の爪先着地型二段ステップ」と言う打ち方そのものの特性に由来する「ハムストリングスの力が使いにくく、大腿四頭筋が効きやすい」と言う弱点を如何に普段のトレーニングや打撃練習等でカバーリングしていくかと言う事が重要になります。また、確かにフォロースルーはコンパクトですが、それは打ち方そのものに由来するもので、この打ち方であれば、このフォロースルーになるのが自然なのですから、フォロースルーそのものをいじる事の無意味さも、理論的に考えるとよくわかると思います。

因に打順と言う観点で見れば典型的な4番タイプでしょう。一番打者の場合、出塁率が最重視される事から左打者が理想的ですが、二番打者の場合、右を狙った進塁打や、犠打等の際にキャッチャーの前を横切って走る特性を考えると右打者を置くのがセオリーです。その並びで行くと三番打者は左打者になるのが(上位打順の選手には出塁率を求めたい観点からしても)定石で、チームの主軸となる三番四番が両方とも右打者や左打者では都合が悪いので四番は右打者が良いのです。ですから1番(左)2番(右)3番(左)4番(右)と言うのが野球のセオリーですね。例えば今のアメリカン•リーグなら1番イチロー、2番デレック•ジーター、3番プリンス•フィルダー、4番マーク•トロンボ というように並べるとシックリ来るわけです。上記ラインナップを1番ジーター、2番イチロー、3番トロンボ、4番フィルダーと並び替えると何となく違和感が出てきますね。